「静かな感動を呼ぶ作品でした」映画 窓ぎわのトットちゃん はて1984さんの映画レビュー(感想・評価)
静かな感動を呼ぶ作品でした
子供の目線で、幸せな家庭や自由な気風の学校生活がやがて戦争によって蚕食されていく様子を丁寧に描いた大傑作だと思います。言葉では無く映像で言いたい事を示す演出法は、大げさに泣かせに来ることはないですが、実に心に染みる静かな感動を呼ぶ作品でした。
原作ははるか昔に読んだので、まったく先の見えずに楽しめました。しかし何故か「トモエ学園いい学校♪」の歌は覚えていましたね。不思議な物です。
あの場面、実ににくたらしい悪ガキたちが出てきましたが、俯瞰してみると、ブルジョアの子供たちが通う自由な気風の学校に通う子供と、劣悪な国民教育しか受ける事の出来ない庶民の子供との対比でもあるのですね。本当はあの子供たちこそ抱きしめて「君たちは本当は良い子なんだよ」と言ってあげたいと思いました。
トットちゃんが小林校長と最後に交わした約束は実現しなかったですが、こうやって小説や映画になって、日本中にその教育の精神が広まったことは、まさにみんなの「先生」になったのだなと思いました。
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