「今の人達に自由ヶ丘や田園調布の田舎っぷりが理解されるだろうか」映画 窓ぎわのトットちゃん Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今の人達に自由ヶ丘や田園調布の田舎っぷりが理解されるだろうか

2023年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

難しい

自分の記憶違いでしたが、コレ初めてのアニメ制作だったんですね、過去に何度か制作されたとばかり、それ程にあの当時売れた作品だったので。メディアミックスとしての映像化はドラマが2017年と近年になってからなのは少々驚きでした。

本作は比較的良好なストーリーで、時代背景も昭和初期の当時の日本の様子が凄く良く描写されています。
画質も動画も『シンエイ動画』なので少々心配なトコはあったとは言え、キャラデザが昭和の子供向けなテイストなので全く問題ナシ(最近は高木さんくらいしか鑑賞してないので)。

内容は、前中盤の子供の無邪気さが微笑ましくも危なっかしく、昔はあァだったな、今じゃ考えられないなと思いながら、自分はその時代の人間では無いのですがヤケに懐かしさを覚えました。年寄り臭い言い回しですが、古き良き時代とでも言うのでしょうか、太平洋戦争時代なので良いワケゃないのですが。。。
そう云う意味では、今の人達には寧ろ新鮮なのではないかとも思いますがどうでしょう? 風呂や便所など「何だか解らない」部分(北米の某国で本作の映像流したら多分捕まるw)も多々ありそうですが‥‥
後半に入るとやはり戦争ネタが綴られる訳ですが、結構駆け足展開でそんなに詳しく細かく描写されませんが、暗ーい時代の悲哀がそれなりに伝わってきます。

マイナス・ネガティブな感想は3つ、1つはキャラデザ。ベティちゃんを彷彿させるキャラは昭和の絵本みたいで悪くはないですが、今の時代に少々合わない気がしました。喜怒哀楽の表情が大袈裟なのは毎度のことで、本作はソレに加えてシワクチャになるのが結構気になります。
2つ目は物語の終わらせ方がマズイかと。アレでは御本人のテレビでのご活躍を知る人にはともかく、作品としてはバッドエンドに思えてしまいます。対照として『この片』が挙げられますが、アレは原爆からの終戦でドン底から這い上がる希望をシッカリ匂わせたラストシーンでした。本作は原作通りとしたら個人的にはあまり良いとは思いません。
加えて校長先生のラストシーンのラスボス感? 何故にアァ言う演出なの?w

そして3つ目はハイまた『中の人問題』が炸裂。今回は大目に見て「まぁイイや」と割り切っても良いレベルです。ただ言えるのは役所広司サンの演技は、舞台俳優だから?唯一良い線行ってたと思われます。
やはり舞台の演技は客席から認識しやすい様にデフォルメされるのでしょう、ロジックがアニメのソレと類似してるのかマズマズの中の人だと思えます。片やタレントさんの方は‥‥ 子役の方はノーコメントでw

と言う訳で、個人的には面白く鑑賞できたとは思えますが、良い所も悪い所も相変わらずだったという印象です。また、隣の席のバァちゃんがコチラの視界に度々入り込んできてウザかったですが、コレは自分のクジ運の悪さを恨むしかないデス‥‥

Geso_de_Nyoro