「健康第一!細胞に感謝!」はたらく細胞 TSさんの映画レビュー(感想・評価)
健康第一!細胞に感謝!
一言で言うと「とても勉強になる面白い映画」。なかなかないと思う。
人間界を模した体内で擬人化された細胞たちが働くという設定がまずもって素晴らしい。
私たちの体内ではこんな風な営みが延々と続いているのかと思うと、人体とは正に、最も身近なワンダーランド。これに気づいた作者は凄い。
細胞が働く環境が、ホワイトだったりブラックだったりと世相を反映した設定も物語に入り込む仕掛けとして面白い。
飲酒や喫煙で、体内があんなにブラックになるのか。父(阿部サダヲ)の体内が昭和の下町風情なのが何とも。雷門風の「肛門」提灯や、肝臓がスナックになっているあたりは、昭和世代にもやさしい作り。
全編にわたって見所が続き、飽きがこないのも原作と脚本、セット美術と演者のレベルの高さがなせる技か。
娘(芦田愛菜)が急性骨髄性白血病になることで、私たちが「身体を良くする治療」と考えている、抗がん剤、放射線、骨髄移植が「よい細胞」にとっても害であり、生死に関わる過酷な環境を作り出すものなのだということを分かりやすく伝えてくれた(よい細胞に害が及んだ結果が、副作用というやつなのだろう)
個人的には、肛門の攻防戦で手に汗握った。これは上手い。子供も大好きなやつ。先輩赤血球(加藤諒)の顔圧が凄かった。顔圧と言えば、肺炎球菌(片岡愛之助)も得意の顔芸が炸裂していたがあっさり「くしゃみ1号」でさようなら~。
天真爛漫風の赤血球(永野芽郁)と、クールで強い白血球(佐藤健)のバディものでもあるこの映画。悪い細胞をやっつけるという単純明快の分かりやすい構図なのだが、悪い細胞もまた、元は同じ幹細胞から生まれた変異型だということと、生まれた細胞は役割を終えると死んでいくということに、我々人間界(体外の世界)の一面が投影されていて、考えさせられる。
この映画を観て、人体に興味を持つ子が増えそう。
昭和世代は、健康第一を再認識。細胞に感謝の心をもちませう。
(2024年映画館鑑賞35作目)
こんばんは。
コメントありがとうございます。
たまたまご縁があって参加させて頂いただけなので、、
どこに映っていたかもわかりませんでしたしw(DVD出たら探します!)
映画俳優♡になってくれたならそりゃ嬉しいですけども、本人は全く興味ありませんw
仰る通りで、面白くてためになる映画でしたね。
子も身体の仕組みについて聞いてくる事が増えました。何とクラスの3分の1の子は本作鑑賞済みらしいです!楽しく学べて素晴らしいです。