劇場公開日 2024年12月13日

はたらく細胞 : インタビュー

2024年12月11日更新

はたらく細胞」で再共演した永野芽郁佐藤健 「るろ剣」以上を目指した佐藤のアクションに、永野が思わずキュン

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シリーズ累計発行部数1000万部を突破する人気コミックを、武内英樹監督(「テルマエ・ロマエ」「翔んで埼玉」)が実写映画化した「はたらく細胞」が、12月13日に公開。主演を務めた永野芽郁佐藤健が、赤血球と白血球(好中球)をそれぞれ演じている。

文字通り“はたらく細胞”として人間の体内で躍動したふたりが共演するのは、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」以来。「撮影初日、横を見たら、真っ白なメイクの健さんがいて、笑いが止まらなくなって。笑わないようにするのが一番大変でした」(永野)、「赤血球はものすごくたくさんいるんですけど、すぐに永野さんだとわかった。これが“華”なんだなと」(佐藤)と、久しぶりの再会でも息はピッタリ。細胞を演じるという、前人未到のミッションに、人気俳優のふたりはいかに挑んだのか?(取材・文/内田涼)

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●細胞役の“役づくり”とは? 「きっと最初で最後」「不器用さが、チャーミングに」

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――体内の細胞を演じる、というオファーを受けた瞬間、どんなことを思いましたか?

永野:最初にマネージャーさんから「赤血球役の話がきていて……」と言われて、どういうことなのか全然理解ができませんでした(笑)。でも、赤血球を演じるなんて、きっと最初で最後ですから、すごく楽しみだなって感じました。

佐藤:原作漫画を読んで、とにかくこの世界観に惚れてしまったので、演じる前から白血球のキャラクターについては、イメージも湧いていました。

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――おふたりは、それぞれ赤血球、白血球(好中球)というキャラクターをどのようにとらえて“役づくり”をしたのですか?

永野:原作がある作品の場合は、いつもファンの皆さんのイメージを壊したくないという気持ちがあり、そこに緊張感がありますね。原作を読んだり、アニメを見たり、準備や研究はたくさんしました。

それに世界観がはっきりした作品でもあるので、自分自身が純粋に面白がることも大切かなと思いましたし、武内監督が最初から「赤血球は芽郁ちゃんがいい」とおっしゃってくださったと聞いたので、全てを(原作に)寄せ過ぎず、自分が演じたらこうなるというイメージも想像しながら演じましたね。

佐藤:白血球は外部から体内に侵入した細菌やウイルスを排除するキャラクターで、とにかく「細菌をやっつける」という思考が、脳内の99パーセントを支配しているので、一度突っ走ると周りが見えなくなってしまう。一緒にいる赤血球を置いてけぼりにしちゃうシーンもあって、不器用でもあるんです。そういう不器用さが、チャーミングに見えればいいなと思いましたね。赤血球との関係性も魅力なので、そこも意識した部分です。


●見どころは赤血球の成長ドラマ 「芯の強さも表現したかった」(永野)

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――血液循環によって、酸素を体内に届けて二酸化炭素を肺に運搬する赤血球が、少しずつ成長する姿がとても感動的に描かれていますね。

永野:私が演じる赤血球は、観客の皆さんが応援したくなるキャラクターにしたいと思っていました。少しおっちょこちょいですが、すごく真っ直ぐでピュア、そして優しい心の持ち主なんです。仕事がうまくいかずに、落ち込むこともありますが、周りを見ながら、自分に何ができるか常に考える向上心もある。そういう芯の強さも表現したかったですね。そこが赤血球の成長にもつながります。

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――佐藤さんとは「半分、青い。」以来の共演ですね。

永野:赤血球みたいに私自身が成長しているのかというと、それは周りの皆さんが判断してくださることなのでわかりません。ただ「半分、青い。」を経て、今回佐藤さんとご一緒するまでには、自分なりにいろんな経験をしていて、きっと成長した面もあるとは思いますが、あえて「成長した自分を見てほしいな」ということは考えずにいました。

佐藤:人間として素敵な面というのはそのままに、でも、会っていなかった期間に、いろんな経験をして、大きな責任を背負って演技の仕事をしてきたんだろうなという深み、大きさみたいなものは、永野さんと再会して確かに感じました。それにCGを多用した現場だったので、目に見えないものをふたりで共有する作業を通して、絆が深まりましたね。

永野:ありがとうございます。私も健さんと一緒にいると、ちょっと(当時に)戻った気にもなれるし、気持ちが楽になるというか、安心感もありました。


●「『るろうに剣心』以上のアクションを見せないと、自分がやる意味がない」(佐藤)

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――そして、佐藤さん演じる白血球が披露するアクションも、「はたらく細胞」の重要な見どころになっています。

佐藤:こういう作品だからこそ、アクションは本格志向であれば、メリハリがついて面白いだろうなと思いました。そこで「るろうに剣心」でご一緒した大内貴仁さんをアクション監督として提案させてもらいました。「るろうに剣心」以上のアクションを見せないと、自分がやる意味がないという気持ちで頑張りました。

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――体内が舞台になっているので、アクションの自由度も高くなっていますよね。

佐藤:そうですね。血管の壁をすり抜けるなど、要は重力が無関係になるので、そこが強みであり、「るろうに剣心」以上に研究しがいがありました。アイデアは無限大ですからね。いろいろな可能性を追求し、最大限に生かしたアクションを目指そうと現場で話していました。

るろうに剣心」との違いで言えば、今回は短刀が武器になっているので、より早く細かい動きを取り入れたいと思いました。白血球は体に侵入した悪のウイルスをやっつけるヒーローですから、映画のジャンルとして“ヒーローもの”としても楽しんでもらいたいんですよね。その手のジャンルには、人一倍うるさい自負がありますので(笑)。ぜひ、自分の体のなかで、たくさんのヒーローが戦っていると想像してほしいですね。

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永野:健さんのアクションは、これまで一ファンとして楽しんでいましたが、今回は目の前でアクションする新鮮な姿を見ることができて、うれしかったですね。もう、キレッキレに動かれていて驚きました。私は白血球さんに守ってもらう立場なので、全力で守ってくれる姿に、思わずキュンとしてしまいました。


●全世界80億人が共感? 誰もが純粋に楽しめるエンタテインメントが完成!

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――この作品を見終わると、きっと誰もが自分の体調や健康について考えたり、体内で“はたらく”細胞たちに感謝したりしたくなりますね。それこそ全人類共通のテーマというか。そういう意味で、誰もが純粋に楽しめるエンタテインメントが完成したと思います。

永野:はい、本当にそうだと思います。体内のお話なので、世界共通できっと皆さんがいろんなことを感じ取ったり、考えてくれたりして、言葉や文化が違っても、世界の皆さんに受け入れてもらえる作品になったと思います。

佐藤:外の世界(阿部サダヲ芦田愛菜演じる親子のドラマ)がとても感動的なんですが、それも僕ら細胞が頑張ったからだと思えば、とても報われた気持ちになりますね。細胞たちの働きに胸を打たれるというか……。さらに言えば、そういう細胞たちが自分の体と生活を守ってくれているんだと。ただ笑える映画じゃなくて、とても心が温まるんですよ。自分を労わってあげようとも思えますし。

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――おふたりにとっても、自分の健康について見つめ直す機会になったのではないでしょうか?

永野:そうですね、「やっぱり、健康が一番だな」って再認識しました。自分のことを大事にしようと思うきっかけにもなると思うので、ぜひ映画館に足を運んでほしいです。「体について勉強しよう」とかじゃなくて、もっと気楽に楽しんでもらえるとうれしいです。

佐藤:国境を超えて楽しんでもらえる、笑って泣ける王道のエンタテインメント作品になったと思います。それに永野さんも言っていますが、細胞のことを知れば、もっと自分を好きになれると思うんですよ。実際、自分も見終わって、良い意味で心に“ずっしり”きたんです。ぜひ、この感動を映画館で感じ取ってほしいですね。

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