ソフト/クワイエットのレビュー・感想・評価
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凄いものを観た。
胸糞映画を覚悟して観に行ったが、なんか凄いものを観せられた。
全編ワンショットという作品は今までもあったけど、実験的試みだったりワンショットであること自体を目的とした自己満足みたいなものだったと思う。
今作はワンショットで撮られていることが100%活かされており、一瞬も目を離すことが出来ない。どうやって撮ったんだろう、現場のスタッフ・キャストは最高の仕事をしている。途中で誰かひとりでも躓いたら、最初から撮り直し。失敗は許されない。特にラストなんて。
現場の緊張感が画面から伝わってくる。本気度マックス。
音楽も緊迫感を盛り上げたり、突き放したりと効果的。
主人公エミリーの何気ない仕草、会場を提供したものの会合の中身に気づいて追い出す神父、止めようとして止められない夫、等々、とても初監督作とは思えない。
自業自得とはいえ巻き込まれて、巻き込んで、加害者になっていく恐怖。犯罪の現場なんてあんなもんなんだろうな。これこそ、最後まで行く。
白人至上主義者のあからさまな本音。仕事や地位、住むところまで奪われて(アリエルまで取られちゃったからね)、実際にああやって思っている白人はたくさんいるんだろう。
だけどこれ観てると白人が優れているなんてとても思えない。
日本人も他人事じゃないな。
アレルゲン
ワンカット風(多分、空や風景にパンしたところが編集点と推測 勿論証拠無)撮影技法を用いながら、これでもかと胸くそ演出をスクリーンに描いてみせた制作陣の勇気に違った意味で拍手を送りたい 映画に悪手はないと思っているのが自分の信条なので、どんどん露悪的な限界を更新していって欲しいモノである
グロやリョナ、そしてエロがその表現領域を狭めているコンプライアンスの時代、勿論その方向性は間違っていない事は自分でも理解出来るしそうなって欲しい そして映画界が発見した新たな"刺激"が『イジメ』なのかもしれない 複合的な要素が絡まることであっさりと殺人に発展してしまうプロットは、日常に潜む悪夢を見事に炙りだしていた展開である 短い上映時間はその手法に依る、観客の疲労度を計算に入れてのモノであろうが、そういう意味では充分ケアを施した心配りでもあったというと、穿ち過ぎか?(苦笑
人種差別や性差別、とにかく差別という名前が付くモノの根源は、報われない物言わないマジョリティの鬱屈が煮こごり状になって初めて存在化する アメリカの政治活動"Teaparty運動"の流れをストーリーの起点にしているところも理解し易い 偏差値が高いとされる職業である、不妊治療中の教師を中心に、主婦や商店主の妻、その商店で雇われている元受刑者、単に自分の能力不足(努力では如何ともし難い、持って生まれたレベル)を認めない女、等々、ベーシックな鬱屈を抱えながらその捌け口を求めて"同志"を集う会に運悪く参加してしまった女性達の顛末のストーリーテリングがまるで画に描いたような堕ち方で、分りやすい構図に落とし込まれている
それぞれの女達の立ち位置も安直なキャラ設定で、観客に考えさせる負担を減らしている造りであることも特徴的である 映画は多層的、複合的な内面があって初めてその深淵が描かれるのが常なのだが、今作はそれを敢えて排除することも斬新である 勿論それが手法として正しくないことは重々承知しているし、だからこそ今作の露悪さを表現する事への抵抗を否定しない それでも、トランプ的政治を陰で支えていたのはこういった『環境の悪さを他人のせいにする』女達の声なき賛同が支えていたという現実を表現することに特化した作品としての評価は無視できない 散発的には描かれたであろう、南部の女達の拗らせた情念をこうしてカリカチュアしていくのは、勿論真実ではないにせよ、一つの現実として世に知らしめる大事な内容なのだと感慨に耽る
そして殺した筈の女の甦りで、このどうしようもない哀しい女達への粛清の幕が切って落とされるというオチは、唯一登場する神父や夫といった男達にどう響くのか、男から女への緩い洗脳の先の贖罪を暗喩させるラストに、我が身も身を竦む思いを抱かざるを得ない内容である
是非とも、登場人物達に、自分の力では及ばない摂理を、苦い薬を飲む感覚でゴクリと喉に投下する人生観に巡り会って欲しいと願う、上映後の感想である
胸糞悪いクズ女どもをワンショットで観る映画
2023年劇場鑑賞112本目。
内容知らずに鑑賞。エロいかクリーチャーが襲ってくるかどっちかだと思っていたら全然違ってたぜ!
差別主義者の白人女たちがなんの罪悪感も持たずに悪事を行う様を最初から最後までワンショットで描く作品。
後悔のかけらもない悪は本当に腹が立ちますね。コイツら全員ひどい目にあってくれたらいいな。
「不快」以外の感情が何も湧かない映画
本作が米国で上映され、そしていくつもの賞の対象になったということにまず驚く。
また監督がアジアの血を引く女性という事に更なる衝撃を受けた。
まあ、それ故の受賞なのかも知れないが。
自分もかつて5年ほどL.A.で生活していた事があるが、多くの白人が自分達は優れた人種であると言う認識を持っている事は否定しない。
そして中流未満のお金に困っている人々の中には職に就けなかったり、仕事が上手くいかないのは、口に出さないまでも、自分以外に問題があると思っているのは事実だと思う。
本作はそういう人達が思っている事を実際に行動に出したらどうなるか?という思い付きやすい発想の元に製作された映画であり、結末も至って凡庸で、チャレンジングな意欲作というよりもテーマ性のみで注目を集めただけの作品にしか思えない。
鑑賞後の感想(感情)は唯一「不快」の1点のみで少なくとも自分には何も残らなかったが、一つ言える事は、役者さん達がよくこの作品への出演を許諾したなあという事だけ。
インディーズを主戦場としている方々が多いようだが、その役者魂は賞賛に値すると思う。
特に論理的かつ冷静であろうとしつつも偏った主義主張を隠しきれず所々で露わにしてしまう主演のエミリー役(冒頭であのマーク入りのパイを子供に見せる〇キぶり凄い)と、犯行になるとイニシアチブを積極的に取ろうとするレスリー役の女優さんは強く印象に残ったので、僭越だが彼女達の為に星2つ献上させていただきたいと思う。
観たい度○鑑賞後の満足度◎ ゾクゾクするほど面白い。傑作だと思う。これは、人間は時と場合によって”怪物”になるのではなく、人間はもともと“怪物”を自分の中に持っていると云う話。
①初回鑑賞のみの楽しみではあるが、全体の2/3位までは話がどこに向かっていくのかわからない。
②先ず冒頭で妊娠していないことに涙する優しそうな幼稚園の先生が企画したgatheringが白人至上主義を奉じる女性たちの集まりであることに先ず驚かされる。
ただ、最初の女子会みたいなママ友会みたいな雰囲気の中に既に不穏な空気が漂い始めている。
白人女性ばかりとはいえプア・ホワイトまで参加させると後々面倒な事になるのではないか、と思ったけれど、やはりそうなりました。
仲間がいなくなった途端その陰口を叩くのも女らしい(男にもそういう人いるけど)
③しかし、彼女らの白人至上主義を日本民族もあまり笑えない。
もともと日本人なんて人種はいなくて、私たちは同じ文化・風俗を共有している日本民族というのが正しい。私達は、古モンゴリアンと新モンゴリアンとの混血であり、また同時に、日本列島が出来て大陸から渡ってきた最初の人々、その後大陸及び日本列島の北と南から渡ってきた後々縄文人や蝦夷と呼ばれる事になる人々、おそらく長江流域から水稲栽培の技術を携えて渡来した弥生人、といった人々の混血人種なのだ。1200年余し前の百済滅亡以降大量の人口流入が無かっただけ。
それでも、未だにある人々は”日本人の純血を守ろう“なんて言ってるし。(そういう私も先祖代々奈良なので心のどこかにヤマト民族の誇りみたいなものを持っている、実はヤナ奴)
④はじめは女子中学生の同級生いじめか、不良女学生の弱いものいじめレベルのノリだったのが、だんだんエスカレートしていく様がリアルで面白い。
程度の差こそあれ、軽い気持ち・浅はかな動機で始めたのが、そのうち暴走し出したり制御不能になって深刻な事態に陥るメカニズム
・自分だけじゃない、仲間がいるという安心感/共犯意識
・人間の持つサディズムへの刺激
・もうちょっと、もうちょっとという欲望の増大と自制心の後退
・弱いものいじめから増幅する優越感の恍惚
おお、怖!でも最後まで見届けないと、と目が離せない。
こういうものって誰の中にも大なり小なり有るんではないだろうか。
話的には姉妹を殺すところまでいくだろうな、と思っていたら妹の方がピーナッツアレルギーで死んでしまうという、こちらの予想を上回る展開。
⑤その後始末中、彼女たちは“ああ、何でこんなことになったの?”としつこい程独り言で或いはいがみ合いながら言い続ける。
だが、そうなる要素は最初から彼女らの考えや行動に潜んでいたわけで、それの表面化・顕在化に過ぎない。
深層心理が解き放たれる場が偶々出来たというか、私達だって何かミスしたり物事が上手くいかないと“何でこんなことになったのか?”と自問するけれども、大概はその原因ははじめから自分の中にあったのだ(無自覚な悪習・悪意であるかも知れないし考え方や無意識な反応かもしれないし)。
何はともあれ、原因は自分ではなくし自分の外にあると思いたがるのが人間というものだし。
彼女らの白人至上主義も裏を返せば、
⑥上の方でプアホワイトと書いたけれど、エミリーだって
怪物だーれだ
今年16本目はイオン桑名で鑑賞
だーれだって言うか怪物だらけだった
酔っ払い集団が暴走してファンブルしまくる話
行動はだいたい悪い方へ
主人公が自分は作戦立案担当と言った時点で
少し前に見たD&Dと同じだなと、どちらも作戦ガバガバだし、こっちは重犯罪だけど。
終始流れる不穏なBGMとカメラの写してない部分の効果音が結構楽しめた
口は災いの元
優秀なアーリア人
白人至上主義者の女性達がやらかす話。
移民を毛嫌いする主婦が集い「アーリア人団結をめざす娘たち」なる団体を旗揚げし、しまいには学校を作ろう!なんてノリノリな状態で巻き起こっていくストーリー。
何でしょうかね…知性の欠片も見えない何が優位なのかも示せないけれどとりあえず私達は有能とか思っているアッフォが馬鹿騒ぎして、人数と銃で言う事聞かせて…。
ワンショットでつくられている割には、なかなかテンポも悪くないし、胸糞悪さはたまらないものがあるし、それでいて第三者目線で見ると虚しさみたいなものも感じられてなかなか面白かったけど、やはり湖畔のあたりでは何をしているのかよく見えなかったりしてもったいないかなと。
そしてオチも一応伝わるけれども、本当ならもっと落として欲しいところで、ワンショットではストーリー的にこれが限界かなという感じ。
作品のタイトルに皮肉が効いている
主人公は優しく慎ましいことが美徳であり、自分自身はそのような女性だと考えているが、作中では粗暴でやかましい人物像が強調されている。
本作に登場する白人女性は、最初に登場した男の子の母親を除いて、徹底的に傲慢で間抜けな人物として描かれている。間抜け過ぎて致命的なミスを犯すあたりは少しご都合主義が過ぎる気もするが、そもそも正常な判断ができる人物はその場のノリで犯罪を犯そうとは考えないということだろうか。
作品中盤で結末がある程度予想できるようばシーンがあるため、予告編で謳われているほど結末が予測できないわけではない。しかし、ほぼリアルタイムでストーリーが進むといった演出や、今のご時世を皮肉ったようなテーマを取り上げることにより、エッジの効いた作品となっている。
胸糞悪い
胸糞悪い、後味悪い映画は嫌いじゃないので早速鑑賞。ほんとに観ていて不快感極まりない。友達みんな気味悪いし、ムカついてくる。一番ムカついてくる奴もいてます。でもラストはちょっとだけスッキリするので救われた。こういう映画、やはり嫌いじゃない
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