「腹が減った」ウィ、シェフ! コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
腹が減った
フランスらしい、知的な毒(エスプリ)を調味料に使った、面白コメディに仕上がってました。
孤児らの施設育ちの女性シェフが、強制送還の危機に瀕する移民の子たちが自立できるように、料理やレストランマナーなどを教えていく話なのだが……
シェフは自分のレストランを持って独立することを目指していたのに、移民の子たちに肩入れしていくきっかけ描写が薄いんで、その点はわかりにくい。
たぶん、自分の境遇と、社会で爪弾きにあう移民の子たちを重ねてしまったのだろうが、回想だけでなんのシンクロも見せないから、観客に「考えろ」「感じろ」と押し付けている形になっちゃっているのが、難読を招いたような。
まぁ、そこはすごくフランス映画らしいのですけれども。
ラストの展開は、ちょっと強引すぎでしたが、社会風刺的意味合いと、笑いに振ったところではアリかな?
ところで、畑からとった野菜をそのまま調理する描写が実に美味しそうな飯テロ映画でもあり、観ながら猛烈に腹が減りました。
コメントする