「腕は一流なのに周囲との協調性に難がある女性シェフ。移民少年たちの保護施設の料理人になってしまう。少年たちとの衝突や交流を重ねていく内に、彼女の心も次第に和らいでいきます。」ウィ、シェフ! もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
腕は一流なのに周囲との協調性に難がある女性シェフ。移民少年たちの保護施設の料理人になってしまう。少年たちとの衝突や交流を重ねていく内に、彼女の心も次第に和らいでいきます。
最初はノーマークだったのですが、イエロー基調の
ポスターを見ている内に気になり始め、作品紹介を
読んでみたら面白そう。という訳で鑑賞です。
一流レストランで働いていたスーシェフのカティ・マリー。
料理に対する自負が強く、シェフの要求を無視して
料理を出したことからクビになってしまう。
次の仕事を探していたところ目についたのが
「夢のある施設の料理人募集」 …?
友人の運転で出向いてみるが、そこにあったのは
レストランに見えない建物。 …?
それもそのはず。そこは移民少年を保護する施設だった。
”募集に書いてあった事と違う”
”話が違う。騙された”
腹を立てて立ち去ろうとするも、友に諭される。
「貴方失業中でしょ?」
「ここで半年も働けば、自分の店も出せるわよ」
うーん…。
悩んだ末に、ここで再出発することに。
任されたのは施設に居る数10名分(!)の食事造り。
孤軍奮闘で、フランス料理を調理。
あくまでも一皿ごとの盛り付け(!)にこだわるカティ。
だが…とにかく手が足りない。
施設長に相談。
入所している少年たちを手伝いに使うことに。
「何人くらい必要?」
「3名位」
ところがフタを開けてみれば、10名も集まってきた。
しかもその10名、料理に関して「ど素人」。
彼らにあるのは 「好奇心」。
足りないのは… 「知識と経験」。
”基本から教えなければ”
こうして、否応も無く料理指導が始まる。
階を重ねていく内、カティにも次第に分かってくる。
# みんな料理に対して素直な感受性を持っていること
# 成人までに無職だと元の国に強制送還されること
実は自分も施設の出身だったカティ。
次第に指導にも熱が入り始める。
そんな中
施設長が職業訓練の一環で「調理師コース」を開設する話を
まとめようとしていた。
その動きを支援しようと、カティと少年達か行動する。
はたして彼らはしようとしているのは何…?
というお話です。はい。
◇
一匹狼の女シェフと世界各地の移民たち。
フランスは移民大国らしいのですが、それゆえの
様々な問題も少なくないようです。
その移民問題をお話のテーマにし、
現実問題を訴えつつ、未来への希望へも光をあてる。
そのような作品になっていました。
基本的にコメディタッチです。なので
余り深刻な展開にはなりません。
一部の子は料理人見習いとして仕事に就けフランスに残れた
ようなエンディングでしたが、本国に強制送還されてしまった
移民の子の方が多そうな感じでもありました。・_・;
やはり現実は、移民に厳しいのかもしれません。
◇最後に
実在のシェフがモデルになっていると後に知りました。
実在シェフを演じた役者さんの紹介を読んでいたら
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」
にも出演していたとの事。
確認してみましたが、役名の記載はありませんでした。
何の役だったのかな。気になります。
(もう一度観てみようかな)
それと、タイトルになっている「ウィ・シェフ」
「ウィ」という言葉が優雅な響きで、なんかいいですね。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。