劇場公開日 2023年5月26日

「ストーリーよりスリル重視のかたはどうぞ」65 シックスティ・ファイブ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ストーリーよりスリル重視のかたはどうぞ

2023年5月28日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

寝られる

劇場で予告を目にしなかったのですが、紹介サイトで大好物のSFものであることを知り、公開日に鑑賞してきました。

ストーリーは、長期探査ミッション中の宇宙船が、小惑星帯と衝突して6500万年前の地球に墜落してしまい、病気の娘の治療費稼ぎのためにミッションに参加していた操縦士ミルズが、乗組員のなかで自分以外に唯一生き残った少女コアとともに、襲いくる恐竜から逃げながら、地球からの脱出をめざすというもの。

恐竜の挙動、終始暗めの画面、絶望的な状況など、忍び寄る恐怖は映像からしっかり感じられます。大型恐竜の出番こそ少ないですが、犬ぐらいの大きさの恐竜でも襲われれば命に関わることは容易に想像でき、当時の地球上で繰り広げられていた壮絶なサバイバルの恐怖が伝わってきます。

ただ、最後までそれのみで押す展開は、恐怖は感じ続けますが、いいかげん飽きも来ます。ラストにいたっては、「え!?これで終わり?」って感じで、拍子抜けしてしまいました。これなら、墜落先が未知の惑星で、不気味なクリーチャーに襲われるという設定でも同じだったのではないでしょうか。もう一捻り何かを加えないと、サバイバル舞台が太古の地球であることが、舞台装置としてあまり機能しないように感じました。

また、惑星探査、コールドスリープ、謎めいた少女コア、病気の娘、手笛の回想など、思わせぶりに描きながらも何の伏線にもなっていないように感じましたが、何か意味があったのでしょうか。結局、地球墜落の理由づけとコア救出の動機づけのための単なる設定にすぎなかったようで、深みのないストーリーに魅力を感じませんでした。そういう意味では、本作はハラハラドキドキの恐竜パニックを味わうだけのお化け屋敷的映画といった印象です。というわけで、スリルを味わいたいかたはいいですが、そうでなければわざわざ劇場で観なくてもいいし、配信ならさらに観なくてもいいかなという感じの作品でした。

主演はアダム・ドライバーで、脇を固めるのは、アリアナ・グリーンブラットとクロエ・コールマン。この二人の少女の演技が秀逸です。

おじゃる
ハルクマールさんのコメント
2024年1月16日

そう!なんでタイトルにもなっている6,500年前の地球に舞台設定したのかが、活かされていないんですよね~もったいない。なんか今の人類につながる何かを残していくとかあればまた面白いけど、それじゃエイリアンと同じ流れになっちゃうのかな…など思いました。

ハルクマール