法廷遊戯のレビュー・感想・評価
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無罪と冤罪
う、嘘だろ!?まさかの予告詐欺じゃないだと!?
「ドクターデスの遺産」の監督だし、予告は大袈裟だし、不安要素でいっぱいだったのに、まさかの今年1番のミステリー。ドラマ「リーガル・ハイ」ぶりの法廷ドラマ大傑作。なんということでしょう。しばらく時間がたった今でも、興奮が冷めません。
正義とはなにか。
常にこのことを問いながら、無理のない展開で観客を驚かせてくれる。二転三転どころか、四転五転とまで言ってしまった予告に若干引いていたけど、まんまと騙されちゃいました。とても「ドクターデスの遺産」の監督だとは思えない、演出力の高さ。この前はたまたま失敗しちゃったんだね...。原作小説も評判が高いし、相当面白いんだろうな。映画を見て原作を買うという行為、最近はあまりしてこなかったのですが、今回は確定です。
人間ドラマとしても抜かりなく、役者の良さを最大限活かしながら見事なラストを見せてくれる。100分に満たない短尺なのに、びっくりするほど濃厚。これだよ、これ。映画はこうじゃなくっちゃ。記者の野望や咳き込むばあさんなど、この尺では収まりきれなかった人物もいたが、多くの登場人物を無駄なく使っていて後味爽快だった。永瀬廉の出る映画は面白い。いい主人公しますもん、彼。頭脳派な北村匠海は新鮮で良かったし、柄本明や大森南朋といったベテランも絶妙な役どころだった。杉咲花はお得意のお叫びを披露。スゴすぎて笑っちゃうよね。
法律や刑事事件についてこれ以上なく深く描かれています。どう足掻こうと、我々は全てを知ることは出来ない。ほんの一部で判断しなくてはならない。北村匠海の言う、無罪と冤罪の違いはこの映画の全てであり、原作者が1番に伝えたかったことだと思う。弁護士、容疑者、そして死者の3つの視点から描かれる1つの事件。事件の動機にはいくつもの事件がある。目に見えるものが真実とは限らない。コンフィデンスマンJPの名言が本作にもピッタリ当てはまるのです。
この手の映画が好きな私にとっては、もうたまらなくワクワクしました。心理をついた法廷ドラマとして、主人公含めた3人の成長物語として、文句なしの最高の映画でした。大コケを予想していただけに、個人的には大満足。もっともっと見たいな。キンプリ永瀬廉。圧力に押しつぶされず、俳優活動頑張ってください。
最後の主題歌で映画が完成
ミステリーであるのに犯人探しではない
現代の三方一両損は等しく絶望的
いつもはネタバレにならないことしか書かないし、以下がネタバレかは微妙と言うか個人的にはセーフと思ってますが、一応、結末に関わることを書いてるのでネタバレありにしておきます。
無辜ゲームと呼ばれる「うさ晴らし」から始まる本作。投げかけられる冤罪と無罪の違いとは何かという問い。司法とは何か、正義とは、償われるべき罪と罰とは。「考えさせられる」というレビューが多いようですが、落とし所がない問題でもあるので難しい。
同害報復。野蛮と言われるハムラビ法典ですが、あれは過度な報復を抑えるものなんですよね。ただ、それが成り立たないのは歴史が証明するところ。某顔芸ドラマのセリフではないですが、人は受けた痛みをそれ以上にして返したいもの。世界中が憎悪の連鎖でがんじがらめ。そもそも複雑化した現代社会で何をもって同害とするのか。「無敵の人」問題を見ても解決できるわけがない問題なわけで、いつ冤罪に巻き込まれるかも分からない。たとえ冤罪でも疑われること自体が問題と叩かれる。
結局、彼は結末がわかっていて選択を委ねた。その結果が産んだのは絶望。関わった3人ともが絶望を抱えてしまったように感じる。ある意味、対価を得るには代償が必要なのか。
ただ、裁判員二号さんの下りはよく分かりませんでした。原作読めば分かるんですかね?
見る度に感想が変わる作品
原作未読で見た初回は話の展開を追いかけるだけであっという間に終わり、終わった後にそれぞれの正義について自分ならどうするかと深く考えた。
主人公の清義が自己主張をせず表情だけで心情を出すので彼の気持ちを知りたくて2回目を鑑賞。次に美鈴の立場で鑑賞したいとなる映画だった。
上映時間も短く、中弛みもないため複数回見やすく見る度に発見と新たな感想を持つスルメ作品。
女子高生には、もっと具体的じゃないと理解してもらえないかも
キャストが新鮮
で良かった、柄本センセイもちょっと捻ってたし。杉咲花良かった、特に面会時のすっぴん? と手のひら。元気のない主人公も合ってた。
ただラストがなぁ、主人公のあの独白で締めくくられても・・弁護士辞めて自首するのか?
法廷遊戯
主要3人の在り方が良い
杉咲さんの圧倒的な狂気を孕んだ演技、北村さんの安定した中に少し不気味さを含んだ演技、永瀬さんの静かな憂いのある目と表情の演技 どの方も役にはまっていると思う
それぞれが心に思う正義に基づいてした行動が誰かを助けて誰かを傷つけてしまうことに胸が痛い
それでも前を向いて生きてゆくことを選んだ清義の最後の表情とエンディングの主題歌に希望が感じられて良かったと思う
細かい心理描写、表現が凄い!
ここ数年の間に観た映画の中で1番良かったです。合間の過去回想シーンで少しづつ鮮明になって紐解かれていく様子にとても引き込まれました。
演者さんの息遣いや表情の演技も声を荒らげるシーンも表現力が素晴らしく、何度観ても新たな発見のある映画です。
法廷遊戯
今年観た中で特に面白い。ポスターのイメージを良い意味で覆す
ミステリーとしても展開が二転三転し、そういうことか!と面白いし、ソリッドなオープニングから引き込まれた
無辜ゲームをもっと深く見たかった部分もあるが、無駄な所をそぎ落とした硬質な作りが良かった
ミステリーゲームではなく主人公含め3人の切なくも憎悪と友愛の入り交じる人間物語であり、97分で見応えのある作品になっているのはキャスト3人の確かな演技力だなと思った
杉咲花さんの狂気を帯びていく演技が良かったが、感情を爆発させる以上に表だった感情の変化を抑えセリフではなく表情や声のトーン、纏う空気の変化や顔や口元のこわばりなど、言葉ではないもので主人公の心情を観客に伝えるのはとても難しいだろうに、それを見事に表現した永瀬廉さんの演技に惹き付けられた
陰の抱えたものがある役を演じる彼はとても観客を引き込む存在感がある
最後の主人公の決断は痛みを伴い、観たあともずっと残る
一度では何が正義か、どうすれば良かったのか自分の正義がわからないのでまた次は別の視点から観てこようと思う
馨の目的や同害報復とは何だったのか、今怖い視点の考察が浮かんだが、そういう考察が好きな方に好まれる作品かなと思う
その正義は誰になにをのこしていくのだろうか
歪み捻じ曲げられた時間は
決して消えることはない
心のなかに燻り続けるものを
小さなからだは
震えをとめる術もなく
繰り返し繰り返し
みえない記憶に置き換えて
自分のなかにそっと置き
ともに生きていく
せめて命が果てるときに
もうなにも
思い出すことがないように
それだけを救いに
逆境のなかで
理解され守られたことへの恩は
いまここに生きていられる自分が
証明する
その存在への安心と感謝に
ふとおりてくるものが
かけがえのない愛情だと
わかったとき
目の前の人は揺るぎなき
唯一無二の存在になった
こんどは自分が大切な人を守り抜くために
この目でみてきた理不尽を正すために
そして
大切な人の無念を必ずや晴らすために
許されざる傷が
もどらない過去をひきずりながら
3人を導く罪と罰
正義とはなにか
傷が刻む傷に終わりはなく
その正義は誰になにをのこしていくのだろうか
交差する心理が人生を変えていく様を
抑えてなお迸る熱を帯びる演技に
魅せられる見ごたえある作品でした。
法廷遊戯
北村匠海ファンで観たけど...
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