「子供達の可能性」ぼくたちの哲学教室 ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
子供達の可能性
夫と子が旅行中なので(o^^o)
映画観まくるぞ!第2弾!!
ずっと観たかった本作!まだ上映館あったよ!ありがとうユーロスペース!
プロテクタントとカトリックが長く対立している北アイルランドの首都ベルファスト。
そこにあるホーリークロス男子小学校を舞台に「哲学」の授業を2年間に渡り記録したドキュメンタリー作品です。
私の学生生活を振り返ると、校長先生ほど遠い距離の先生はいなかった。
在学中は名前と顔が一致する程度で、
運動会などの行事毎に長く話す人。位の印象。。( ̄∇ ̄)
しかし本作のケヴィン校長先生はいつも生徒達の身近な存在としてあり続ける。生徒達からボスと呼ばれ、出会えばハグ、タッチ!生徒達からリスペクトされているとわかる。
エルヴィスを愛するロックな校長、可愛らしい子供達にほっこりするのだが。
ここはベルファスト。
今だに終わらない宗教的な争いがあり
「平和の壁」と呼ばれる分離壁が、今も街を分断している。。皮肉な名だ。
そんな環境に身を置かざるを得ない子供達。
ケヴィン校長は言う。
「どんな意見にも価値がある」
そして問う。
「やられたら、やりかえす?
それでいいの?」
粘り強く問う。
考えること。対話の大切さ。
負の連鎖を断ち切る!終わらせるのだ!という強い覚悟が伝わります。
上から押さえつけるのは簡単。
だけどそれでは何も変わらない。と言われている気がしました。
哲学の授業風景や内容、ケヴィン校長先生など、全て素晴らしく重要なことばかりで考えさせられるのですが。。
1つだけ。ちょっと。
この小学校がカトリック系なので、、
宗教と哲学を一緒に学ぶ点について。
なんというか。。
宗教を語るシーンでは「神」については断定的にうつった。
そこに哲学的な疑問は入る余地がない。。のでは。。
む、難しいです。。
生まれる国、環境、親は誰も選ぶ事は出来ない。
でも私達は考える事が出来る。
ホーリークロス小学校の子供達が、困難な場面に遭遇した時、ケヴィン校長先生の哲学の授業を思い出してくれて、哲学的に解決してくれたらいいなと強く思いました。
私も子に戦争について、対話の大切さについて伝えていきたいと思ったし、
私自身も子供の考えを「待つ」「聞く」事をより意識して接していきたいと思いました。
私は事前の期待が大きすぎて、感動の嵐という感じではなかったのですが、対話の大切さは見ていてよくわかりました。
ベルファストのような、複雑な問題が存在する地域では、対話の大切さは私たち日本人との比ではないなと感じました。
いろいろな考えがあるのは当たり前ですが、そこに妥協点を見つけていく対話の積み重ねはとても大切だと思いました。