「紛争地域での理性的な行動力育成の姿勢はわかるけれども」ぼくたちの哲学教室 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
紛争地域での理性的な行動力育成の姿勢はわかるけれども
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『ベルファスト』には、『私の愛した街』に歌い込まれたような生まれ育った街への愛着が強く描かれていたように感じたが、本作では、地域紛争の背景や親の育児姿勢への影響がある一方で、校長を始めとする教師たちは、理性的に行動し、アンガーマネジメントを根気強く教えていることがわかり、そこを丁寧に描いている意義は確かに認めるものである。校長が自ら授業を行い、けんかの仲裁を進める姿には、『みんなの学校』校長の木村泰子氏に似ていると感じた。あの学校でも、校長だけでなく、一般教師もそれぞれに頑張っていた。本作の学校でも、一般教師たちがそれぞれに子どもに説諭する姿が描かれていたが、ナレーションがないため、意味づけがわかり難く、だんだん眠くなっていった。最後のロールプレイングの後、ドローンで高いところからの撮影となり、あたかも成功したかのように描かれていたけれども、けんかを繰り返した二人にその効果が表れたのかどうかはわかっていないので、その成否も明らかにすべきだっただろう。
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