「男が女を殺す…犯人は"男"だ!」ボストン・キラー 消えた絞殺魔 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
男が女を殺す…犯人は"男"だ!
この未解決事件の真実は知るには恐ろしくて。身体的にどうしても不利でか弱い女性が被害者になる(なってきた)図式こそが、いつだって異常な世界だ。その危険は怪しい街角だけでなく、職場にも家庭にもあなたが思っているよりずっと街中に溢れている。
"妹のサリー"ロレッタ・マクラフリン記者役キーラ・ナイトレイ主演、1962年から始まる連続殺人事件。ボストン市警は女性を守れない!まだ性別によって担当する仕事の案件に明確な差/線引きが根強くあって、女性は家庭にいるべきだと考えられていた時代に、妻の仕事に比較的理解ある夫だけど…。最初はそうした記者としての主人公への不信感から会社側からつけられた先輩女性記者だけど、この時代を共に生き、この事件を追いかける唯一の理解者として戦友になっていく。電話帳で調べられる時代に物珍しさから客寄せパンダ状態で名前や写真を出される始末、プライバシーもへったくれもない。案の定、迫る危険…。それでも、逆風にもめげず頑張る働く女性像。
見て見ぬふり、早く面倒な事件の幕引きをしたい警察の無能さや怠慢さが拡大させた被害か。犯人と決めつけての憶測と誘導尋問、強要されたようなものと変わらぬ作られた"自白"受け入れ態勢がこうした虚構を良しとした前例。なぜ事件から目を逸らすの?人生を棒に振るだけだと気付いたから、真実が知るには恐ろしすぎて。"彼"が特別異常なのではなく、街全体が、世界が十分イカれている異常なのだと。隠れ蓑にして。
勝手に関連作品『ゾディアック』
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