ノートルダム 炎の大聖堂のレビュー・感想・評価
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映像のクオリティは見応えあり
世界に衝撃を与えた火災事故を描くとなると、ハラハラドキドキのエンタメ傾向に走るのも不謹慎だし、かといって力強い見せ場がなければドキュメンタリーと同化しかねない。その難しい部分をどうバランス良く紡ぐか。個人的に注目したのはジャン=ジャック・アノー流の経験豊富な采配だった。何しろこの人は『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の時、アルゼンチンでのロケに加えて、秘密裏にチベット派遣したスタッフによる現地映像も織り交ぜて本編使用したというこだわりの持ち主。『ノートルダム』でもセットを駆使した臨場感あふれる火災現場の撮影に加え、ノートルダムとよく似た大聖堂でのロケや、一般募集した当時のリアルな火災映像を散りばめて、独自の臨場感あふれるタッチを作り上げている。こうした細部が質感を同じくしてスムーズに繋がっているのはさすが。ストーリー的な推進力には欠けるが、映像のクオリティは見応えあるレベルのものだった。
復元セットで炎を調節して撮影したスペクタクル映像は迫力満点
3月の「エッフェル塔 創造者の愛」から、パリの観光名所にまつわる映画の日本公開が続くのも何かの縁だろうか。歴史ある宗教建築のノートルダム大聖堂には世界中から観光客が訪れ、そのことを序盤の団体客を引き連れるガイドたちの各国の言語で分かりやすく表している(日本語のガイドも登場してちょっと嬉しい)。2019年4月の火災は日本でも大きく報じられ、パリを旅行で訪れたことがある人などはよく覚えているのではなかろうか。わずか4年で劇映画化されたスピード感に驚くが、公式サイトでも大々的に謳っているように「死者ゼロ」だったことも製作の迅速化の一因だったろうと推測される。
誰でもスマートフォンで動画撮影できる時代になったこともあり、本作にも火災当時に撮影された大聖堂の遠景や周辺で見守る人々をとらえたスマートフォン動画を含むフッテージが適宜挿入されている。本編の大半を占める再現ドラマパートとの編集によるつなぎが巧みで、映像の質感もうまくなじむよう処理がなされたようだ。マクロン大統領が執務室で火災の報告を受け現場に出向くシークエンスもあるのだが、驚いたことに消防隊長を演じる俳優と言葉を交わす場面まである。あの部分は大統領が再現ドラマの撮影に協力したのだろう。ただしジャン=ジャック・アノー監督は、消防隊のトップたちが“ダミーの指令所”を設置してお偉いさんやマスコミなどの応対をさせた話まで皮肉たっぷりに再現している。完成した映画を観てマクロンはどう思っただろう。
クライマックスの鐘楼内などは実物大のセットを作り、多数の調節可能なノズルから炎を出して、内部の燃え具合を正確にコントロールしながらIMAXカメラで撮影していったという。もちろんポストプロダクションでCGの炎なども追加しているものの、火災現場で命懸けの消火活動に臨む消防士らの奮闘が一級のスペクタクルとなっている。消防士の活躍をヒロイックに描いた「バックドラフト」や「オンリー・ザ・ブレイブ」、大規模施設の火災と懸命の消火を再現したという点では「バーニング・オーシャン」など、ハリウッド大作にもひけをとらない迫力だ。
ラストに描かれる“ささやかな奇跡”は、キリスト教信者向けのサービスのつもりかもしれないが、底の浅い伏線回収というか、信者以外の人にとっては蛇足のような気もするがどうだろうか。
消防士、政治家、観光客や野次馬や、そして炎を見つめて聖歌を唱える多くの信者たち。 世界が固唾を飲んだあの日の火災のドラマ。 聖遺物も助け出されて良かった良かった。
そういえば、
「法隆寺の金堂」が、その壁画が燃えてしまった時、1949年、
我々日本人の落胆はいかほどだったのだろう。
そういえば、
あの「京都の金閣寺」が焼け落ちた時も、1950年、
我々日本人の衝撃はいかほどだったのだろう。
国宝ではないが、戦火で失われたかつての国宝をやっと再建し、完成してすぐの「首里城」が、お粗末な電線管理で、夜闇に全焼した時には、沖縄の友人からワナワナと震える声での電話やメールが僕のところにあった。
拠り所や、まるで自分の家が燃えてしまったかのような憔悴が。
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850年の歴史を誇るフランス、パリのノートルダム大聖堂。
大屋根と尖塔。そして内部を全焼した5年前の惨劇を、ドラマと当時の実際の報道映像の併撮で、とても上手く作ってある作品だった。
僕もパリを歩いた旅路では、このセーヌの中洲、シテ島のノートルダムを訪ねたものだ。
薄暗い堂内にはたくさんの献灯が揺れ、世界各地からの観光客がひしめき訪れている。この映画のそのままだ。
主祭壇のファサードは、もちろん建物ごと東方を向いており、その方角はエルサレムを指している。
⇒オリエンテーションの語の由来。
けれど巨大な堂内にはあちこちに窪みがあって、それぞれに小さな祭壇があるのだ。
たくさんの彫刻。
見えないほど遠い天井。
ケヤキの幹のように空に向かって真っ直ぐに伸び切ったあと枝分かれする石の柱。
そしてその天蓋から地上へと降り注ぐステンドグラスの虹・・
オルガンをやっていた僕のお目当ての「パイプオルガンの演奏」には残念ながらかち合えなかったが、素晴らしい体験だった。
と、そこで僕が見たまさかの光景だ。
観光客の大群衆がみんな揃って上を向いてぞろぞろと歩いているその足元に、その暗がりに
男の子がひざまずいて、一心にマリヤ像を見つめて手を合わせていたのだ。
ロウソクのあかりに浮かぶ一隅に、祈っていた少年の横顔には、ハッとした。
ここは観光地ではなかったのだ。祈りの家だったのだ。
2019年4月 焼失、
2022年3月 この映画の封切り、
2024年12月 初ミサと再建記念コンサート。
マクロン大統領の掛け声で、たったの5年でここまで漕ぎ着けた。
パリ市長のアンヌ・イダルゴも本人役で、市庁舎執務室で演じている。
しかし、燃えているその生の映像のなんと辛いことか。
=撮影陣の呼びかけに応えた市民提供のアーカイブが、映画本編の5%を占めているのだそうだ。
配信にて鑑賞。
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きょう昼間に映画館で観てきたのは
「ビバ!マエストロ 指揮者ドゥダメルの挑戦」(2022 米)。
これは指揮者グスターボ・ドゥダメルのドキュメンタリーだった。
加えてその彼が、2024年の12月11日に「大聖堂再建を祝う演奏会」を開いたのが、このノートルダムだったわけだ。
850年ぶんのロウソクの煤や、あの火災の鉛と黒煙の跡もすっかり洗浄されて、再生の叶った大聖堂。
真新しく白く輝く堂内での、指揮者ドゥダメルのYoutube映像は、映画の悲壮さと相まって本当に感動的なシーンだ 。
それで僕は帰宅してから、チェックしてあった本作品「ノートルダム炎の大聖堂」を配信にて大急ぎで鑑賞。
あの地を訪ねた経験のある人たちにとっては他人事ではない、記念碑的な映画になったのではないだろうか。
「ドゥダメルのノートルダムでのYoutube」をこの映画の“特典”として、合わせてご覧になること、ぜひお薦めする。
感慨もひとしおだ。
パリの消防士の勇気ある行動と重要文化財等を救い出すスリリングで ま...
木造建築への消火活動が鳥肌
2019年4月15日、パリのノートルダム大聖堂で火災が発生した。警報器が火災を検知したが、大聖堂の関係者たちは誤報だと思い込み初動が遅れたため、火は燃え広がっていった。消防隊が到着した頃には大聖堂は激しく炎上し、灰色の煙と火柱がが立ち昇っていた。大聖堂は築700年以上と古く、複雑な通路が入り組んでいて、多くの扉に鍵がかけられていたため、消火活動は難航した。また、貴重なキリストの聖遺物は厳重な管理により救出に困難を極めた。消防士たちはマクロン大統領の許可を得て、直接大鐘に放水するための突入作戦を決行し、・・・という実際に起きた火災を再現した作品。
実際に大規模なセットを作り、炎上させて撮影した映像とVFX映像を融合させたそうで、リアリティが凄く、緊張感たっぷりだった。
至る所に扉があり、ご丁寧に殆どの扉に鍵がかかっているのには笑えた。
あの大鐘が燃え落ちていたらもっと大変なことになったのかも。
いばらの冠を購入したためフランスは国家財政が大変だったとか。今はルーブル美術館へ移されたそうで、展示されているのか興味が湧いた。もし展示されてるのなら、一度観てみたいと思った。
信仰心とは
記憶に新しいノートルダム大聖堂の火災🔥
当時の映像と、リアルに再現された映像が
うまく融合され、大迫力の火災movieでした。
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宗教が悪い意味で影響している作品の鑑賞が
続いた分、本作で描かれた信仰心については
感動する場面がいくつかあります。
決死隊を結成する必要がある時、誰しもが
死を恐れる場面にも関わらず
「大聖堂を愛している」と志願する隊員や
8世紀も前の建造物に対し、市民(国民)が
昼夜問わず消化を見守り聖歌を歌うシーン
まぁこれは映画の中の演出かもしれませんが
ジーンとしたんです。その歌声が消防隊員にも
届いていて、その隊員の表情は何とも言えません。
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重要な建築物だからこそ、最新の設備が施され
万全の体制が整っているものと思っていましたが
設備だけではなく、そこで働く人の気持ちにも
「万が一」を想定していなかった事は残念で仕方ないですね。
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またこれも信仰心によるものですが
生死をかけて搬出に拘るべきものだったのか?
まぁとんでもない価格だったみたいなので
必死になる気持ちも分からなくは無いですが…👑
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兎にも角にも、あれだけの火災でありながら
死傷者がゼロである事が奇跡です🔥
そして勇敢な消防隊員に敬意を表したい🙏
大迫力
火災の迫力
違った意味で面白い作品
IMAXカメラで全編撮影ということでIMAXレーザーで鑑賞。チケット買った時にGTレーザーじゃないと・・・と気付く間抜けぶり。
以下、雑感を箇条書きに。
・フランス人のダメなところのオンパレードで乾いた笑いしか出てこない。公共心や道徳の希薄さ、防火体制、宝物管理、工事施工管理、施設メンテナンス、ID管理、消防隊の能力などなど。今まで、焼け落ちなかったのが奇跡だねえ。が、最初の感想。これはフランスに住むと植え付けられるDNAみたいなもんかもしれない。なんどもドイツに蹂躙されるわけだ。
・マクロンがただの迷惑な野次馬。さすがだw
・自分はノートルダム大聖堂に行ったこともないし写真でも建物ぐらいしか観ていないのでどうやって撮影したんだろうか、と気になるくらい切迫感とか危機感とかが伝わってきました。時折、当時のニュース映像等交えてどこからどこまでが分からない感じでした。
・立場が上がるほどダメなやつだらけ。一番、まともなのが当日職についた警備員。逆に、当日だったから職務に忠実だったのかも、とも思わなくもない。現場の消防隊は責任感もあって勇敢なんだけど、どっかが抜けてた印象。なお、日本なら法隆寺や白川郷の消防訓練(みていて頭に浮かんだ)とかニュースになるくらい風物詩化しているけど、フランスは明らかにやってないよな。というくらいダメ過ぎる。
・祈りは一流w
あと、チェルノブイリ原発事故の映画がありましたが、あれはよりは対策としてはマシでした。あと変な人間模様もないので純粋に事件、事象のことに興味があるなら面白いと感じることでしょう。そうでないなら退屈かもしれません。
"トランプの塔"は伏線⁉
2019年、フランスのノートルダム大聖堂で火災が発生し、消火にあたる消防隊や文化財を守ろうとする聖堂の人々を描いた作品。
序盤はドキュメンタリータッチで進行。
新人警備から管理人、ミサの様子など、誰が主人公というわけでも無い描き方で観せていく。
そして火災発生。ホント、マッチ一本なんちゃらとは言いますがね…不注意もそうだし、色々設備にも問題があったのかな。
その後は、迫力ある炎の映像とともに、消防隊員達の命懸けの闘いが始まっていく。
あまり消防の仕組みをわかってないが、鍵が無いって、そういう場合最初から斧とかでやる訳じゃ無いのかな?
そして守るべき文化財達…鍵を開けるための鍵を開けるための鍵を開けるための鍵か…やはりそれくらい強固にしないといけないものですもんね。このあたりは不謹慎ながら、宝を探すアドベンチャーみたいでちょっとワクワクしてしまった。
そして…決死隊の場面はグッと来ましたね。皆命を顧みず。
この火災で大きな傷は出来たけど、歴史ある建物が全壊せずに本当に良かった。そしてタバコ吸ってた連中の処遇はどうなったんだろう…考えるだけで恐ろしい。。
気になったのは、最後悲しげに去る彼の姿…彼はやるべきことをやったわけだし、責任を感じてなければ良いが。
ワタクシも、恐らく皆さんも会社で初期消火訓練とかやってると思いますが、正直その場限りになりがちですよね。
命を懸ける隊員の皆さんに感謝ですね!!
火災のニュースを最初にみたのはTwitterだった。 仏在住の方の...
死傷者ゼロ
いばらの冠
2019年4月15日に発生したノートルダム大聖堂焼失事件を、再現ドラマと実際の報道やSNS映像素材とを組み合わせ、立体的に描いた作品。
大規模なセットを燃やして撮影した、消防士たちの決死の消火活動のド迫力映像に目を奪われる。これは是非ともIMAXで見るべし。
冒頭のクレジットで「嘘のような真実」との文言が表示される。その言葉通り、いくつかの人為的なミスや不運が連鎖して、被害が最悪の結果を辿る様に驚愕。
漏電だったり、工事作業員の煙草の火の不始末など、失火の原因は幾つか示唆されているが、作中では決定的な原因は特定していない。
「タワーリングインフェルノ」や「バックドラフト」等と消防士の活躍を描く名作は数あるが、本作のように実在の消防士の活躍をここまで劇的に描いた作品は稀有だろう。
またドローンや消火ロボット等の最新テクノロジーの活躍も興味深い。
観ているだけで熱い
あの日、テレビをつけたら、何かの映画なのかと思うくらいの信じがたいニュースから、もう4年なのか、まだ4年なのか。
狭い螺旋階段や老朽化した設備など、古い建造物ゆえの消火活動の難しさや、道路の狭さ問題、邪魔な野次馬など観ていてもどかしい所もたくさん。
SNSをやってない者からすると、火事の動画を撮って何が楽しいんだ?と不思議だけど、実際の火事の映像は、そういう人たちの動画を使ってるのだろうな。
消防、警察、ノートルダム側の連携が上手くいかない所も、想定外の火事を物語っている。
しかし正直あの場に大統領が来ると、警備の問題が増えるだけでは?とチラッと思ってしまった。
決死隊の必死な消火シーンは、信者達のアメイジング・グレイスが重なり、とてもドラマチック。
ああいう場面は、あれくらいベタな方が分かりやすくて良いと思う。
ロウソクの女の子は必要なかったかな。あの状況で中に戻るのも、簡単に手を離してしまう母親もダメだろう。あれを無邪気というには無理がある。
結果が分かっている出来事とはいえ、ハラハラ(ちょっとイライラ)で退屈しない映画だった。
評価は落ちないけど、ほぼほぼドキュメンタリー映画。
今年127本目(合計778本目/今月(2023年4月度)22本目)。
さて、こちらの映画です。
実際、映画内ではドキュメンタリー映画であることの明示はされませんが、実質的にドキュメンタリー映画であるので、好き嫌いはかなり分かれるのではないか…と思えます。
また、舞台となった場所の関係上、キリスト教に関する単語などが結構飛び交うので、そこの知識もないと厳しいかな…というように思えます。
一方で、消防に関することは日仏であまり変わりはないのか、この辺はもちろん一般的に消防行政にかかわりうるという方は珍しいと思いますが(リアル消防士の方など除く)、一般的なのでそこまでの知識は求められないところです。
総じて事実を淡々と描写している映画である点は確かではあるので(その意味で、映画館でやるよりも美術館か何かでやったほうがよさそうなタイプ)、好き嫌いは結構分かれるかなと思いますが、個人的には悪くはないかな…というところです。
採点対象としては、そこまでの減点幅が見当たらないのでフルスコアにしています。
(減点なし/参考/謎の右下の表示)
インド映画だと、たばこを吸うシーンやアルコールを飲むシーンでおなじみの、「タバコはダメよ」の謎の警告表示が容赦なく出ますが(ただ、RRRなど最近はインドの映画を扱う行政も結構甘く見てくれているのか最近は見ない…)、この映画、一か所だけなぜか「右下に」謎のアイコンが出る場所があります。
映画の趣旨的に史実そのものですが、おそらくこの部分だけ実際のニュース動画などを用いているため、その著作権関係ではなかろうか…と思います(その部分だけ「タバコはだめよ」という趣旨だとすると全部出ることになるが、全部出ずに1か所だけ出てくることからの解釈)。
圧倒される映像
一体どうやって撮影したのか。
実際の状況と酷似してるという評判で、あの角度を一体どうやって?と気になる。
鉛が溶けるほどの高音。
溶鉱炉のごとき状態の屋根からガーゴイルの口を伝って流れる鉛の様子は、まさに地獄絵図。
あまりのことにまず信じられないのは当然だろう。そしてなすすべもなくオロオロするばかりで、みていてもこちらも泣きそうになってきた。
とはいえ何よりも救出してくれというキリスト教のお宝が、1度はレプリカというのはコメディか。
あのままだったら泣くに泣けないとこだったね。
キリスト教圏では恐ろしく大切で意味のあるものなのだろう、という点は理解しつつ。
ほんとに彼の血なのかどうなのか怪しいよなあ…なんて罰当たりなこともチラと考えたのでした。
勤務初日の人かわいそすぎる。
スペクタル
特に主人公がいるわけでも、ストーリーがあるわけでもないのに、このスペクタル感のすごさときたら!
再現ドラマ風なんだけど、登場人物たちの一挙手一投足がもう気になって気になって、引き込まれてラストまで。
マクロン大統領が来た時にダミー指揮車を用意したくだりは、後で当人が見たら(知ったら)どう思ったのかしらん?
しかし、日本でのフクイチの総理大臣がいい例で、役に立たない奴があれこれ騒いでも事態は好転しないから、これはよい作戦だったと思いました。
混乱必至の災害現場を統括するには、指揮系統は一つに限る!
IMAXカメラで撮影したというリアリティ溢れる火災シーンは圧巻。
劇場のスクリーンで観られてよかった。
すげえものを観られた満足感に、放心状態。
それはそれとして、ラストの展開や蝋燭については、ちょっと盛りすぎというか、宗教臭さが鼻についてしまいましたが、まぁ題材やお国柄を考えたら許容範囲かなと。
大災厄は他人事じゃない
ノートルダム大聖堂について知識はそんなになかったので、冒頭のガイドさんたちによる紹介はとても分かりやすくてありがたかった。
ドキュメンタリーのようなリアルな大火災の映像、消防士たちの懸命な消火活動と世界的文化遺産である聖遺物の救出に緊迫感がありました。中弛みなところもあるけれど、淡々と事実を物語るのも必要なのかもしれない。
おばあちゃんの猫救助要請に和みを感じたけど、今思えば、人によって何にも譲れない大切なものがあって、価値基準の違いの対比を表していたのかなと思いました。普段なら駆けつけてくれる消防なのに、それに答えられない逼迫状況と密になった細い路地、大渋滞、建造物の老朽化、観光地による人の多さなど、パリの社会問題もかなり反映されていました。何百年何千年の遺産であろうが、そのひと一人だけの身近な大切なものだろうが、助けを求める声は必死。神父さんの姿に涙がでそうになった。
そして、消防士さんたちの懸命な消火活動に頭が下がる思いです。女性消防士さんの活躍はフランスと日本の違いを感じました。決死隊という言葉はフクシマ50を思い出すし、どうしても災厄は他人事だとは思えない。
仏消防士たちの誇り
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