テトリスのレビュー・感想・評価
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オモシロい実話をよりオモシロく。
ただゲームの販売権を獲得したいだけなのに、交渉相手が冷戦時代のソ連だったせいでスパイ映画のような攻防に巻き込まれていく……。実話がベースだが、クライマックスのカーチェイスなんかは完全にフィクションで、実際そうだとわかるように8ビット風のCGが混ざってきて虚構感を高めてもいる。映画全体が一種のRPGであり、ハリウッド的映画化のパロディにもなっている。主人公ヘンク・ロジャーズが日本のRPGの先駆者であった功績がほぼ省略されているのも、主人公はどん底から這い上がったほうがいいというハリウッド的作劇に沿うためなのだろう。ソ連崩壊と絡めたKGB周りのエピソードは「だって映画ですから」と言わんばかりでもはや潔い。ただし、どんな業界でも当てはまりそうな、魑魅魍魎が群がる黎明期のカオスはしっかりと映像に落とし込まれていて、荒唐無稽な中に真実が紛れ込んでくる感覚がエキサイティング。日本描写の雑さについては、ご愛嬌と取るか怠慢と取るかは、自分でもちょっと決めかねています。
当時のテトリス事情を知るなら観るべき
Apple Original Films (Apple TV+ 独占配信)
当時アーケード版は好きだったが、任天堂版は操作性がどうしても馴染めず、メガドライブを持っていないのにセガ版が発売中止になった時はショックだった。
権利関係が複雑だったのは知っていたが、それ以上は知る術がないから知らないよね。
どこまで脚色があるのか分からないが、当時のBPSの社長が権利獲得していなかったら、その後のテトリスはどうなっていたのか?コラムスは、ぷよぷよ は。
中盤からソ連へ交渉の舞台が変わり、サスペンス色が強くなる。今以上に暗黒時代のソ連だから、なんか納得してしまう。終盤のゲーム風の演出も面白かった。
やや物語的にし過ぎているきらいはあるが、良作
たった一本のゲームのために、大の大人が何千何万ドルもの金をかけ、命からがら奔走する。だが、現代に生きる我々はその価値を知っているからこそ、そのストーリーにのめり込めるし彼らの思いに共感できる。
この映画にはテトリスという作品のみならず、ゲームそのものへの愛が多分に含まれている。ゲームボーイを初めて見たときの彼らの目の輝きようは、自らの幼い時のゲームへの気持ちを再燃させてくるほどのものだった。
ザブラックオニキス
Tetris (film)のwikipediaに──
『2023年のインタビューでアレクセイ・パジトノフはこの映画は「実際に起こったことの実際の伝記や再現ではなかった」が、それは「感情的にも精神的にも十分に近く、非常に正しいものであった」と認めた。』
──と書いてあった。
つまり映画とじっさいに起きたことには違いがあるにしてもだいたいこんな感じだったとテトリスの作者パジトノフ自身が認める映画だった。
もっとも印象的だったのはタロンエガートン演じるBullet-Proof Softwareの創始者ヘンクロジャーズが、任天堂オブアメリカで開発されたばかりのゲームボーイの同梱ソフトをすすめる場面だった。
彼はこう言ったのだ。
『ゲームボーイを子供に20万台売りたいなら同梱はマリオでいいでしょう。だけど百万台のゲームボーイを全世界のあらゆる世代に売りたいなら同梱はテトリスです。』
この言説はテトリスという“発明”の特質をとらえていると思う。
1984年から今日(2023年)まで世界で5億コピーを売り、なお人気がおとろえていない。今なおグラフィックや効果音を盛ったテトリスをする人が大勢いるし、俗におちものと呼ばれる亜種もテトリスが元になっている。そんな世紀の発明が旧ソ連で開発されたとなれば版権で揉めるのは当然であったろう。あたかもスピルバーグのブリッジオブスパイのような駆け引きの応酬だった。
主人公のモデルとなったヘンクロジャーズ氏はもともと冒険的な人物でありウィキペディアの説明によると──
『オランダのアムステルダムに生まれた後、オランダに11年、ニューヨークに8年、ハワイに4年、日本に18年、サンフランシスコに7年、ハワイに7年と、様々な場所に居住していた。スタイヴェセント高校にてコンピュータプログラミングに出会い、ハワイ大学にてコンピュータ・サイエンスおよびRPG形ゲームの勉強をした。』
(ウィキペディア「ヘンク・ブラウアー・ロジャース」より)
──という流転する地球人というタイプの人で、且つPC-8801を知る世代なら覚えておられる方もいると思うが国内初RPGゲーム「ザブラックオニキス」の開発者でもあった。
つまりロジャーズとパジトノフが東西を超えて肝胆相照らす仲になったのは二人とも有能なプログラマーだったからだろう。
当時ロジャース氏のBPSは横浜市に所在しており、任天堂もふくめてかなり日本が絡んでくる映画だった。
それもあって長渕剛と志穂美悦子の娘である長渕文音がヘンクロジャーズ氏の日本人妻アケミ役として出演している。
あちらのインタビューによると長渕文音はここ10年間のあいだにハリウッドで何百というオーディションを受けまくりようやく勝ち取った役がテトリスのアケミ役だったそうだ。
すなわち彼女の国際デビューでもあるわけだが訛りの払拭された英語を使い女優として独歩しており七光りに頼らないハングリーさに感心した。
一方で父母が長渕剛と志穂美悦子なんて、いずれも濃さと特異さの際立つふたりだから、なるほどその娘なら気骨もあろう──という納得もあった。眉がじつにサラブレッドだと思う。
聞き覚えあるBGM
ファミコン〜ゲームボーイと凄く懐かしい記憶が蘇る。
ゲームボーイが出てもファミコンの勢いは止まらず家ではファミコン、外ではゲームボーイ二台持ちが当たり前だった。
夜は親にバレないように布団の中で懐中電灯を付けながら良くやったもんだ。(電池の減りが凄くて親によく怒られた。
それにしても…こう言う日本を模した映画の日本に対するイメージが凄い。笑
着物に任侠に童話を歌うw所々日本人も出演しているけど、、エキストラはほぼ中国の方なのでは?笑
欧米人の日本語のセリフもグダグダ感が笑を誘う、笑
それと、、旧ソビエト連邦(現ロシアはこんなに優しい国だったのだろうか?と、、もっと武力行使してもおかしくないけど、、それだとコンセプトが変わってくるのかな。と、マイルドに仕上げてくれている気がした。
それと故任天堂社長の山内社長を調べたら見た目ヤ⭕️ザだった事に笑ったwwそりゃ〜ああ言う描写になるわな。
どこまで実話でどこまで着色なのか知らないけれどゲーム業界はここから世界に広がって今も続いている事に感謝している。
1人っ子マンション世帯の僕としてはどれほど救われてきたツールだった事か。
企業サクセスストーリー
旧ソビエト時代、会社と言うのは肩書きだけで皆んなKGBが美味しい所を持って行くシステムで会社自体は無い😭びっくりしました。ずっとハラハラドキドキであっという間に終わりました。これは、人生終わったと思っている人達にも観て貰いたいです。人生本気になったら何が起こるか分かりません!
そんな物語です。
アタリを引きました。
テトリスがソ連発祥なのは知っていましたが、こんなにハラハラドキドキな展開があったとはビックリ!
ゴルビーがプーチンだったら戦争になっていたでしょう。
思い立ったら直ぐに動かなければチャンスを逃してしまうのだという事と、理解してもらうためには真摯に向き合うのが大切なのだと改めて気付かされました。
そして、奥さん役が長渕剛の娘だったのにもビックリ!
どこまでが実話で
どこからが脚色なのか?を追求し始めたらまさに
テトリスな映画だった。
冷戦と言う馬鹿げた時代が生み出した奇跡のような
作品でもあろう。
裏を返すと、イデオロギーや利権など、遊び心や
楽しむ態度には何も関係なく
万人に通じる価値だと言うことだろう◎
ついでに本作同時視聴のマリオと共に
世界一コンピュータを打ったのが
任天堂だと気付いたw
1988
テトリスがゲームボーイに辿り着くまでに一悶着あったのは解説動画などで把握していましたが、その内情までは知らなかったので、今作でより深く知ることができました。
もっと軽いテンションで描くのかと思いきや、潜入ものとしてとてもスリリングなものに仕上がってました。
そこまでに行き着く道中がドット絵で描かれているのがとてもファンシーでしたし、テトリスを最初に見た衝撃も体験できましたし、そこだけ切り取ると楽しそうに思えるんですが、テトリスを手に入れるとなるとロシア連邦の人間から許可を得ないといけないという超難解ミッション。何度も挫折し、何度も諦めようとしますが、その度に持ち前のガッツで復活して足掻き続ける姿があったからこそ、現代にテトリス、そしてゲームボーイの発展、任天堂の発展へとつながったと思うとヘンクには感謝してもしきれません。
地味にドット絵調のカースタントが好きでした。
タイミング良くマリオの映画もありますし、任天堂躍進のきっかけの物語、Apple TV+は1週間無料体験もできますし、こちらもきっかけとしていかがでしょうか。
鑑賞日 4/4
鑑賞方法 Apple TV+にて
兎に角楽しい
あのテトリスの発売の裏側がこれほどまでに混沌としたものだったとは…
スリリングな駆け引きが比較的分かりやすく描かれているし、各キャラクターも魅力的。
場面転換やとあるシーンで出てくるファミコン風のドット絵も気が利いてるね。
兎に角楽しいのでお勧め。
テトリス、ソビエトの崩壊・・・、これは自分の人生を見ているかのように面白い
あれ、テトリス、聞き慣れた言葉だが、もう忘れかけている言葉だった。映画を見ると遊んだ記憶がよみがえる。任天堂のゲーム機だったなぁ。そのゲームの著作権が社会主義国ソビエトにあり、そこから著作権を買いに行くビジネスマンの物語。時代背景からすると1980年の後半、コンピューターゲーム真っ盛りの時代だ。特攻タイプの主人公が、社会主義国の中へ危険を顧みず、突入していくから、スリルの連続。手に汗にぎるし面白い。5点満点だけど、もうちょっと上積みしたい作品。
僕も大好き、日本人も大好きテトリス
いやー、めちゃくちゃ面白かった。早朝に目が覚めてしまったついでに鑑賞を始めたのだが、途中で中断する場所がない。最後まで見ちゃって出社時間は遅くなった。
テトリスで一攫千金を手にしたビジネスマンのサクセスストーリーかと思っていたら、スパイスリラー顔負けのスリリングな展開。
テトリス権利は、PC使用権、アーケード使用権、専用ゲーム機使用権、携帯型ゲーム機使用権と分かれている上に、権利を管轄するのが、ソ連の国営企業Elorgだから複雑極まりない。
ソ連の混乱期に大金をせしめようとするKGB幹部、イギリス人の強欲なメディア王マクスウェル、テトリスの権利を最初に取得したロバート・シュタイン、そしてヘンク・ロジャースが入り乱れての権利争奪戦になっていく。
オランダ系アメリカ人ヘンク・ロジャースがテトリスに目をつけたんだけど、この人、日本に在住していて奥さんも日本人なのにびっくり。タロン・エガートンは、英語で喋って、子供はバリバリの日本語で返事するへんてこな演出もある。
ヘンクのバイタリティには、驚くしかない。任天堂にアポ無しでいくのは、ご愛嬌だけど、テトリスの権利を持っているソ連の国営企業Elorgにアポ無しで行くのは、命知らず。民間人が勝手に政府施設に立ち入った場合は、即逮捕もありえるからね。
とにかく最後まで、目が離せない117分間。僕も大好き、日本人も大好きなテトリスの秘話が、こんな面白く見れるとはね。劇場公開だったら、大ヒット間違いなしの内容でございます。
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