アナログのレビュー・感想・評価
全343件中、301~320件目を表示
ローテクだからこそ成立する物語り
観終わって
原作者の『ビートたけし』が紡いだ繊細な物語世界に驚く。
心優しく、思わず涙さえ溢れるストーリーを創造したのが
〔その男、凶暴につき(1989年)〕や
〔アウトレイジ(2010年)〕のシリーズを撮った人間と
同一とはとても思えない。
小さい頃から模型を作り出すと時間を忘れるほど没頭してしまう
『水島(二宮和也)』は長じてインテリアデザイナーとなり設計事務所に就職、
まさに好きがこうじて、の見本のよう。
ある日、自身が設計した喫茶店「piano」で
似た感性を持つ『みゆき(波瑠)』と出会う。
携帯を持たぬという彼女に合わせるように、
毎週木曜の夕刻に二人は「piano」で逢瀬を重ねるようになる。
しかし『水島』がプローポーズを決意した日を境に
『みゆき』はふっつりと姿を現さなくなり、
その背景に何が?とのミステリー仕立ても、
展開としてはありがちにも見え。
とは言え、連絡の手段を持たぬとの設定は、
逆の意味で斬新、どのようにして
彼女が消えた理由が明らかになるのかと
期待感に満ちた仕掛けでもある。
進展しているようで、なかなか進まぬように見える二人の関係性も
ゆったりしたもの。
取り立てて印象的ではないものの、
静かなエピソードがひたすら積み重ねられ、
観客の側はこの二人に好感を持たずにはおられない。
また、『水島』の親友である
『高木』と『山下』の関係性も麗しいもの。
今時、友人の為に献身し、
泪さえ流して呉れる人間がどれほど存在するだろう。
そうした男同志の友情も心を熱くさせる。
惜しむらくは楽器を演奏する『波瑠』が
あまりにもぎこちないこと。
これがもう少しサマになっていたら、
本作への印象も更に良くなっていただろう。
ほぼ無条件で推せる作品
今年344本目(合計994本目/今月(2023年10月度)9本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
結論から先に書くと「今年ベスト10には入りそうかな」といったところです。
確かに多くの方が書かれている通り、携帯を持たない(この理由についてはラストでちらっと出てくる)女性との恋愛を描きつつ、その背景にあるいろいろな、リアル日本の令和5年度においても存在するいろいろな社会問題にも触れつつ…といった趣旨の映画です。
かなりの部分でネタバレ要素が異様に強く(女性の正体は誰なのか他)、これらに触れてしまうと一発アウトなので(念のためネタバレ扱いしても、ワンクリックで表示されてしまう)全部飛ばします。
特に多くの方が言及されている海岸での糸電話のシーンは明確によかったかなと思えるところです。多く作品をみる私は特にミニシアターで放映される映画(上半期だと、トリとロキタ、凪の憂鬱ほか)を上位にあげる傾向があるのですが、本作品はtohoシネマズ系という大手でありながらかなり高評価でよいなと思ったところです。
なお、喫茶店「ピアノ」というように、映画そのものが「楽器ネタ、音楽ネタ」にある程度触れている部分があり、その知識があると有利かなという部分はありますが、それとて限定的だし、そこをふれはじめるとこの映画はネタバレになってしまう(観た方はご存じの通り)ためすべて飛ばします。まぁ、しいて言えば「音楽一般に関する知識」といったところでしょうか。
どうしても法律系資格持ちなので気になる点は以下あるものの、切り上げ5.0の扱いにしています。
---------------------------
(減点0.1/「大根を振り回して倍の金額を持ってきた」)
・ これでは、単なる不当利得の問題になってしまうのでまずいです。
(減点0.1/ラストにいたる、主人公の女性がたどる経緯についての事情)
・ 日本でも問題視されている「リアル事情」について触れている点は理解できますが(ネタバレになるため詳細省略)、「そのような事情がなぜ生じてしまうのか」といったことも触れてほしかったです(日本においても程度の差はあれ実際に「この問題」は社会問題として扱われています)。
---------------------------
海辺での糸電話の場面は、日本映画史に残る名シーンじゃないか?ちとオーバーか。波瑠はともかく「ニノxたけし」で純愛?と思いきやかなりハマった。希望で終わるとこがいい。泣くつもりで見れば泣けると思う。
ニノとたけしに純愛はそぐわないという僕の偏見の殻を打ち破って、映画は純愛そのものだった。この偏見に満ちた映画に無関係なウダウダは後述。
予告編どおりみゆき(波瑠)が突然姿を消してしまう。その真相が語られるところからグッと映画に引き込まれていく。さすがにいくら鈍感なやつが見ても、みゆきも水島に好意を持ってるのは明らかだから、みゆきが姿を消してしまった真相が、事件か事故か過去のしがらみだろうぐらいの予想はつくだろう。
みゆきの正体と過去が、「意外なところから明らかになる」という意外でないよくある展開から明らかになっていく。
「イヨイヨこっからが純愛パートの始まり」ってことで色々なことが判明してきて面白くなる。
この辺りになると、僕もいつの間にか水島の純愛を応援していて映画の世界に入り込んでいる。
みゆきの日記には水島との出会いや数々のエピソードが明らかになるのだが、日記を読む波瑠の朗読が素晴らしい。映画やTVドラマで手紙や日記を本人が朗読する場面がよくあるが、これがヘタだとホントにしらけてしまう。
携帯を持たないみゆきが、海辺で水島と糸電話をする場面も良いが、後日みゆきの日記で語られるみゆきの打ち明けばなしのエピソード場面も良い。僕は最初の水島の告白がみゆきに聞こえなかった場面も、後日、ホントは聞こえててみゆきが返事する打ち明け話の場面の両方とも気に入っている。
この海辺でのみゆきと水島の糸電話の場面は、名シーンとして日本映画史に残るんじゃないか?ちとオーバーか。
ラストの木曜日の会話も希望が持てる終わり方で嬉しい。
◎以下、ニノとたけしと純愛に関する映画にまったく無関係なウダウダ。
ニノさんは恐らく僕と同じで、愛とお金を天びんに掛けたら、お金一択の金の亡者に違いないから(たぶん)、役の上とはいえ純愛なんて有り得んと思ってたけど、意外や意外しっかり純愛してたので、役の上なら純愛出来るんだと認識を改めた。
すまん、ニノとニノファン、僕が間違っていた。
だけど、それはあくまでも役の上でのことであって、現実のニノさんはお金に魂を売り渡した僕の仲間(守銭奴仲間)という認識に変わりはない。
たけしさんも僕に言わせたら純愛なんて言葉が似合わないどころか純愛の対極にいるオッサンだ。たけしの辞書には純愛の文字はないハズだ。オイラいま付き合ってるねーちゃん達(複数でもいいのか?)はみんな純愛だぜ、とたけしから反論が来そうだが却下だ。
が、たけしもまた意外で物語はしっかり純愛してた。さすが天才と言われるだけあって、純愛を書けるんだと思った。しかし、これも純愛が書けるのと、本人が純愛出来るかは別。
終わり。
追記
冒頭まだ映画に没入してないとき、ニノがガスでご飯を炊き漬け物を取り出したのを見て、コイツ(まだニノ)は絶対こんなことしない、コイツ(ニノ)が漬け物とか漬けるわけないだろとか勝手に思ってしまった。もし漬けてたらゴメン。あとニノって左利きなんだと思った。
普通な感じが
他のレビューで少し書いてありましたが、わたしは気にならず携帯をもちたくないとかではなく理由ががあるとしたら普通なこと、詮索な感じで映画を観ると楽しくない。
あとの方で、もしかしたら電話じたいが旦那さんのことを連想するのかも知れないと思い切なくなった。
恋愛はそばにいる時の雰囲気等で絆があるような、同じ趣味や好みだけではわかりません。
わたしは、心に響く作品でした。
彼がお姉さんに伝えた言葉がとても良かった。
少しでも好きな人の顔が見れる一日は楽しい日になりますから。
とても美しい純愛映画。 本年度ベスト!!
原作を書いた北野武さん。
こんな清い心を持っていたのね(笑)
ありがちなストーリーだったけど、
二宮和也&波留さんの演技に圧倒された。
出だしの、あるステージのシーンが伏線と予想するも思ってもいなかったストーリーに引き込まれた!
携帯電話を持たないみゆき。
建築デザイナーの悟。
この二人の喫茶店での木曜デートから始まるストーリー。
序盤からみゆきの素性が謎。
何か理由があると思たけど、まさかの展開に涙が止まらない(笑)
なんて美しいストーリーなんだろ。
悟の悪友を演じた桐谷健太&浜野謙太さん。
この2人が良い!
デート中の悟とみゆきを冷やかしたり。
かと思えば悟に秘密でみゆきにある事実を伝えたり。
男友達がしそうなシーンにメッチャ共感する。
みゆきの過去が予想外でビックリ。
そして彼女の日記にも驚く。
ラストは奇跡が起これ!と念じながらの鑑賞(笑)
きっと誰もが念じていたと思います。
リリー・フランキーさんが入れるコーヒーが飲みたくなりました( ´∀`)
感動の涙
この映画の予告編を見て「良さそうな映画」だと思ったので、早めに鑑賞🎥
いやぁ~、感動して、途中から涙腺崩壊状態…🤣笑
二宮和也&波瑠のW主演キャスティングでほぼ成功した作品ではなかろうか。
二人が出会って再会を繰り返すコーヒー屋の雰囲気をはじめとしてロケーションも素敵であった✨
デザインの仕事をしている二宮和也、そして彼の“こだわり”を理解してくれる清楚な雰囲気たっぷりの波瑠、「そしてどうなるの?」を持続させるストーリーテリング、なかなかでした!
詳細の記載は割愛するが、ビートたけし原作の映画化なので、やはり一筋縄ではいかないドラマであるが、感動の涙は当然!……だと思ったら、スクリーン見ながら涙腺崩壊していたのはウチの家族では自分だけだった😅笑
なかなかの佳作でした‼️🤗
ところどころで刺さってくる
もしかしたら人によっては恋愛映画としてはやや薄いと感じるかもしれないかな…とは思いました。
恋愛映画や青春映画をそこまで追っていない身としては、割とちょうどよく、でも切なく、いい感じでした。
当初、予告編見た時は携帯なくたって他にどうにでも手段はたくさんあるだろとツッコミたくはなりましたが、そんな邪な気持ちを抑え込めるだけの満足感はあると思います。
それにしても、二宮和也は本当にいい役者になったなぁ…。
リリーフランキーは、無言でうなずくだけで画になる
波瑠にあんなお別れハグされたら、有頂天になるよね、絶対。
ニノは相変わらず上手い。ぶつ切り、間延びした編集があっても、不自然な演出があっても感動させる力がある。
携帯がなくても、固定電話やメールがあるでしょ? っていうツッコミは野暮です。
毎週木曜日に、広尾の決まった喫茶店で待ち合わせなんて、想像するだけでときめいてしまう。次に会うときは、何を話そうか、どこへ行こうか、なんて思いをめぐらすだけで1週間がたってしまいそう。
リリーフランキーは、無言でうなずくだけで画になる。それと板谷由夏の目力は、相手を黙らせてしまう。そんなことを感じた作品でございます。
無難なラブストーリー
ビートたけしの恋愛小説を映画化した切ないラブストーリー。携帯電話が常識となっている現代において携帯電話を持たない女性との恋愛を上手く描いている。ストーリーは一般的なラブストーリーで無難な結末に収まっている。
2023-156
永久不滅の愛の物語
劇場で映画見て来た中で、今までで一番泣きました。声が出そうなの必死にこらえたのでした。
偶然出会った二人の優しく過ぎる時間がとても温かい。そこへ突然起こる出来事。
みゆきさん、生きていてくれて本当に良かった。そして、いつかきっと奇蹟がおこりますように…
悪友二人もとても良かったです。あんな親友がいる悟さんが羨ましい。
本当に良い映画を見ました。
優しい愛の物語でした。
休み明けの中学生
悟とみゆきのデートが
とても可愛らしくて2人の掛け合いや
友達3人のカットされまくるほどの
マシンガントークがとってもおもしろかった
みゆきと関係を紡いでいくところ
友達3人で飲んでるところ
お母さんとの会話
ニノが本当に自然体な感じですごくよかったし
さすがだな〜
「木曜日の同じ時間に」
お互いが会いたいと強く想い続けなければ
一途な想いがなければ
育まれない古典的な愛が美しかった。
会えない時間が愛を育み
とてつもなく会いたくなる
悟の温かさとか
みゆきの儚く美しい優しさとか
とても素敵だった。
だけど、後半がちょっと雑かなぁ。、
あ。ぇ...そういう感じ...と少しシラけてしまって
揺さぶられず泣けない自分に戸惑ってしまった。
前半はあの切られてるな〜って感じの編集がよかったんだけど、後半はもう少し丁寧に編集して欲しかった
監督もうちょい頑張って
「今日、木曜日」で泣かされた
ニノと波瑠という、好きな役者さんが出る作品ということで、原作知らない中、公開初日に鑑賞。
実はテレビをあまり見ないので、インスパイアソングなるものがあるのを知らなかった。
もったいないことをした。。。
いくらちゃんのwithを聴いてから見るとより、楽しめると思った。
スマホでいつでも連絡できてしまう今だからこそ、「スマホを持たない彼女と木曜日だけの恋」という、新しく面白みのある設定。
起承転結を守った作品で、話が入ってきやすかった。
主人公の悟の置かれている状況、仲間や会社との関係性をじっくり理解できるシーンが多く、彼の控えめで謙虚な性格がわかる。
みゆきを好きになっていく悟の表情や惚気にはクスッと笑えるシーンが多く、面白い。
そんな中で、みゆきとの出会い。
みゆき側の解説的なシーンは少なく、謎めいたまま終盤へ。
2人が惹かれ合うのがわかる演技、表情、行動、シナリオ。さすが演技の上手い2人だ。
なのに、プロポーズ予定当日から、突然会えなくなる2人。
その後、明かされる2つの真実(みゆきの正体と、事故)に衝撃と悲しさを与えられる。
正直、この時点で悲しさはMAX近いのだが。
(この部分でみゆきが死んでいなくて良かった。安易な死が分かつ愛にならずに済んだ。きっとハッピーエンドにしてくれ!と必死で思いながら見ることになる)
控えめな悟の、運命の出会いを諦められないという強い思いのコントラスト。
障害を持つみゆきとの日々。
諦めない強さと支える友と家族。
主題は、何が人と人を引き裂くかわからない、人生の不確実性と、それに負けない人の心。でしょうか。
最後に、みゆきの障害が回復する兆しが見えて、思い出の海で語った「きょう、もくようび」という言葉に、涙が出た。
この言葉で泣くのは、この物語を見た人だけだなという印象的なシーン。
そしてそのまま閉幕。
めちゃくちゃハッピーではないが、じわっと悲しさの後に幸せを運んでくる作品。
なお、ピアノというカフェのマスター役、リリー・フランキーは、この役にピッタリで、多くは語らないがその柔らかな声と表情で鑑賞者に訴えかけてくる。
やはりこの人の演技はすごい。自然とそこにいる人になっている。
ニノ 上手い!
前半の明るい感じと後半のしっとり感、
どちらも良かった。
二宮くんホント演技上手!
同じタイミングで泣けました。
波瑠さんも雰囲気ぴったり。
同級生3人のわちゃわちゃ感も楽しく
(舞台挨拶の時のまんま(^_^))
喫茶店マスターのリリーさんの
優しく見守ってる感もいい感じ。
原作のビートたけしさん凄いな。
監督としての『首』も楽しみ。
エンドロールは、
幾田りらさんがこの映画を
観て作ったという曲の歌詞付きを
聞いて余韻に浸りたかったな。
東京で撮影したそう、お洒落。
舞台挨拶中継付きにて鑑賞
よくあるストーリー
ストーリーとしてはよくあるような感動物語って感じ。泣けるっていうキャッチコピーだったから期待してたけど、全く泣けなかった。
演技は素晴らしいと思う。特に男3人の会話が昔からの友達っていう感じがしてよかった。
「ラーゲリより」
今年184本目。
「ラーゲリより愛をこめて」から二宮和也、桐谷健太。そして浜野謙太の親友3人と波瑠が立ち呑みの焼き鳥屋での会話が好き。昔は駅の立ち喰いそばとかたまに。立ち呑みで焼き鳥って最強の組み合わせだと思います。行ってみたい。波瑠が2020年3月の「弥生、三月 君を愛した30年」では高校生から後半は教師役で、いじめを恫喝して生徒を助ける、実生活でも絶対助けてくれるんだろうなと凄い心に残った役で今作はしっとりした演技。糸電話のとことか感動作でした。
全343件中、301~320件目を表示