「うれし楽しミュージカル!」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 羅生門さんの映画レビュー(感想・評価)
うれし楽しミュージカル!
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とても面白かった。前作の「ジョーカー」がマーティン・スコセッシの「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」を足して二で割ったような作品で、ヴェネチア映画祭金獅子賞を獲るほど高評価なのにはビックリした。本作はミュージカルで、往年の名作へのオマージュが嬉しい。初っぱなのアニメパートからミュージカルの傑作「サマー・ストック」でジュディー・ガーランドが歌って踊る「ゲット・ハッピー」が流れ、壁にはこれまた傑作「バンドワゴン」のポスターが垣間見れた。実写パートになっても「ゲット・ハッピー」が歌われ、囚人たちが鑑賞する映画は「バンドワゴン」で、火災になるシーンでは「ザッツ・エンターテイメント」のダンスシーン。アーサーが出所するシーンはフランスの傑作ミュージカル「ロシュフォールの恋人たち」のカラフルな傘の俯瞰シーンをオマージュしているのだろう。最後にアーサーが偶像化に歯止めが掛からず裏切られたと失望する信者に刺されるシーンは、ケン・ラッセルが映画化したTHE WHOのロックオペラ「Tommy/トミー」を彷彿とさせる。いずれもミュージカル映画への愛の賜物だろう。レディー・ガガのキャスティングの意味が理解出来た。続編で1作目のタッチを期待するファンのお思いをスルリとかわす大胆さは、本作の内容とリンクした確信的な監督の狙いなのだろう。お見事です。
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