「1と合わせて最高傑作!!」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ れいらさんの映画レビュー(感想・評価)
1と合わせて最高傑作!!
賛否両論ありますが、私はかなり大満足でした!とても深く、考えさせられます。
もともとミュージカルが大好きなので、何の違和感も無く観れました。
そもそもミュージカルで歌があるのは、感情が台詞でも言い表わせないほど高ぶった時に、メロディが生まれ、歌やダンスとなって表現されます。
それほどアーサーにとってリーの存在は言葉では言い表せられないほどの愛の感情を知ったのだと思います。だからミュージカルで表現されたのだと。
母親から愛を得られなかった、好きな人からも愛されなかったアーサーが、初めて愛される喜びを知ったのです。
ちょっと他の方と見方が違うかもしれませんが、私が母親になったからこそ、母から愛情を得られなかった子供の虚無感がより理解できるようになり、アーサーがどれだけ純粋だったかがわかります。
アーサーはただ愛されたかっただけなんだと思いました。
他のジョーカーが描かれている作品よりも、このジョーカーはなんとも人間らしい。リーに嘘をつかれた時にも、愛された真実が信じられなくなるほど酷く心が乱されていました。そして最後にリーと会話する時も。
バッドマンに登場する悪役のジョーカーならば、きっと平然としていられたのでしょう。
誰が本当の悪かわからなくなる所も見所かと思います。ジョーカーなのか、市民なのか、警察なのか、検察官なのか、陪審員なのか。この映画を見た方に聞いてみたいです。
1番感動したのは、ジョーカーは一人の人間であるという所。私は、誰でもジョーカーになれる可能性があるのだと感じました。ジョーカーを崇拝する市民達は、もしかしたらアーサーと似た様な境遇なのかもしれませんね。そしてこの映画を見ている私達も、ジョーカーのような犯罪を一歩間違えれば犯してしまう可能性を秘めているのだと。
そんな残酷なストーリーの中で、アーサーとして存在している所が、ジョーカーになってはいけないんだと観ている側に訴える、制作側の願いなのかもしれません。
実際に舞台でミュージカル化して欲しいです!!