「面白いがいくつか不満が残る」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ Yuseiさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いがいくつか不満が残る
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この映画が全米で大コケしたと聞きほとんど期待せずに観に行ったが意外と面白く、前編には到底及ばないがそこそこ満足ではある。
良かった点は、前作と同様にアーサーの心情を演じ切ったホアキン・フェニックスのみごとな演技や「ジョーカー」と言う偶像に対するアーサーを含めた周囲の心情がよく描かれていたところである。また、冒頭のアニメシーンもよかった。
不満だった点はミュージカルとアーサーの心情の変化の描かれ方である。ミュージカル仕立てなので元々長い上演時間の本作がより冗長に感じられる。ミュージカルシーンにはアーサーの心中と現実を区別しやすくするためでもあったがそれでもレディー・ガガのためにとってつけた感じが否めない。また一番の不満としてはアーサーがジョーカーを無理に演じ続けることをやめるまでの重要なシーンが少ししか描かれなかった事である。ゲイリーによって少し心を動かされたシーンと看守による暴行のシーンのみで本作において最重要とも呼べるポイントなので、丁寧に描いて欲っかった。
概ね面白かったがいくつか不満が残る作品だった。しかし2作ともにホアキン・フェニックスの怪演の賜物であるので彼には賛美を送りたい。
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