「Entertainment」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Entertainment
前作から5年、わざわざ続編を作る意味やレディー・ガガの配役から懐疑的な目で見ていましたが、なんというか案の定思っていた通りの展開だらけの作品でした。
刑務所に収監されているアーサーが無罪を主張するために裁判所と刑務所を行ったり来たりするだけの映画なので前作のように目まぐるしく場面が変わらないので絵面的な面白さは感じられず、裁判に行っては奇声をあげてみたり、ピエロのメイクをしてきてエンタメにしたりとやりたい放題のはずなのに乾いた笑いしか出てこない不思議。
ジョーカーとハーレイというどのコンテンツにおいてもベストカップルな2人の描き方が全然魅力的じゃないのも致命的でした。
ジョーカーからの裏切りがあったり、それにすら心酔しているハーレイがキュートだったりと同じ空間にいなくても互いの存在が感じられるのが2人の良いところなのに、今作ではしみったれたキスをしては歌っての繰り返しなので今までの2人の物語とは別としてもなんだかなぁとモヤモヤする展開ばかりでした。
レディー・ガガが出演します!と記事が出た瞬間に咄嗟にミュージカル映画になるやん…と思ったらもう口を開けば歌って、見つめあったら歌って、なんか間ができたら歌ってとセリフと同じかそれ以上に歌を歌いまくるので本筋ってなんだったっけ?となる時間が多すぎて歌うたびにツッコミを入れたくなるくらい歌ってました。
アーサーの妄想の中にハーレイが入り込んでらんららんら歌うばかりなので現実に戻っても特別何も進んでないですし、やけに装飾が豪華なのでこれが現実では?となるのに全然そんな事ないので拍子抜けの連発でした。
アーサーが危機的状況になって聖地の階段へ訪れて2人で見つめあってからなぜか歌い出すハーレイに対してやめてくれ〜とアーサーが訴えかけるところだけは観客とリンクしていたと思います。
爆発オチなんてサイテー、の通り突然の爆発で裁判が終了してアーサーが逃げ惑う(ここの絵面だけハリウッドの大作だな〜ってなったし、後ろのお前が轢かれるんかいとなった)シーンは情けなさもありつつ、悲哀に満ちているホアキンの演技がカラッカラになるまでやり切っていたところは良かったです。
最終的には刑務所内の収監者にジョークを放たれてから思いっきり刺されてTHE・ENDという不甲斐なさはバットマンと相対するジョーカーではない事の裏付けであり、刺した男が後々のジョーカーになっていくのかなという含みを持たせた終わり方は悪くないかなと思いました。
カリスマ性こそあれど戦闘力に関しては武器だよりで怒りっぽいアーサーでは物足りないよなと思っていたので交代性か〜となんだか納得してしまいました。
前作がそこまでハマってないから、今作は意外とハマるかな〜と思ったらそんな事無かったです。
続編を作る理由は無かったですし、絵面的にも安っぽく、話自体面白みのない上にミュージカルで停滞して上映時間の長さに拍車をかけ続けるという燦々たる有様。
役者陣の演技やらビジュアルやらは良かっただけに勿体ないな〜となりました。
鑑賞日 10/11
鑑賞時間 21:10〜23:45
座席 F-26