「陰キャ中年の悲哀を表していた!!」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 𝖒𝖚𝖓𝖆𝖈𝖞さんの映画レビュー(感想・評価)
陰キャ中年の悲哀を表していた!!
冒頭のアニメで嫌な予感がしましたが、配信で観たら挫折していたと思います。前作からの期待値の高さは打ち砕かれました。映画は総合芸術なので、喜怒哀楽を表す為に歌やダンスのシーンを入れるのはまあ分かりますが、やり過ぎると「またかよ…」となります。また私達が観たいのは、純粋な悪であり常に体制側を混乱させる格好良いジョーカーだと思うので、陰キャ中年男性の悲哀を表した本作は文字通り「観とうなかった」ジョーカーだと思います。加えて、「裁判所の外に集結したプラカードを持った民衆」も表示されず、私達は高揚感を味わう事すら許されない為、映画を観て良くも悪くも目覚める者が現れないよう極力配慮されていると感じました。かといってロマンス全振りという訳では無く、弄ばれただけで惨めでした。裁判シーンは、まあ良くはないですが実際の宅間守の発言の方が印象に残るものでした。アーサーが早漏で笑えますが、終盤で「子供もできたし」とか言い出して、キモすぎて笑えました。ジャレッドのジョーカーは編集で「いたの?」という感じにされたので良く分かりませんでしたが、ヒース・レジャーのジョーカーは、偶々上手く行っただけなのかも知れませんがやはり偉大でした。もう終わったと思われた人生が、女と音楽によって再び回り出す事は大いにあると思いますが、殆ど楽しめなくて残念な映画でした。一人の精神病がもう一人に感染するという、「フォリ・ア・ドゥ」(二人狂い)では無かったです。Dancing in the Moonlightは好きな曲ですが、それまでの曲調と違い単に俺の選曲センス良くね?という感じ(ネトフリの「ヒットマンズ・ボディガード」のラストでも流れます)で、何か嫌でした。