マッドマックス フュリオサのレビュー・感想・評価
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疾走と爆発、絶望と暴力は続く
マックスが出てこない後付けのサイドストーリーかとあまり期待してなかったが、なかなかの出来栄えに星4つ。
前日譚という制約がありながら、目一杯やれる事を盛り込んだ脚本。シャーリーズ・セロンは素晴らしかったし、トム・ハーディも良かったが、アニャ・テイラー・ジョイのフュリオサはかなり似合っていた。
そもそもセリフが少なくて、映画と呼べるギリギリの芝居量だと思うが、何と言ってもフュリオサのでっかい瞳の目力と強い生き様が魅力的。
荒野を疾走するタンクローリーと、それを追う狂気の山賊(?)はすっかりシリーズの十八番で、流石に新鮮味は薄れたが意外と見飽きずに楽しめる。“銃弾畑”のアクションも迫力があって物語を盛り上げた。
クリス・ヘムワーズは、イモータンジョーに比べると醜悪な悪役に成りきれなかった感があったのは整った顔つきのせいか。彼はオーストラリア人なんですね。
何度も温め直したスープのよう
エキスポシティの超巨大IMAXで鑑賞しました。
砂埃シーンの連続なので、喉がいがらっぽく感じる程の没入感でした。
ただ、登場人物の相関関係と思惑が判りづらいのと、幼少期のシーンが長すぎるのとで、冗長的な感覚は否めませんでした。
ただ、やれ北米興収が爆死だ、やれポリコレでオワコンだと、好き勝手なネガキャンをされるほど酷い出来だとも思いません。
前作の如く、観客に息継ぎをさせないレベルまででは無いものの、アクションシーンは迫力満点でしたし、個人的には充分に満足出来ました。
ただ、折角のアクションシーンが各章に分散されており、小休止が入るので、何度も温め直したスープの様な印象を受けてしまったのは、勿体無い気がしました。
物語寄り
フュリオサの大きな瞳
一度の鑑賞では受け止めきれない
前作とのテイストの違いに戸惑いつつも 序盤から展開に引き込まれる
あ、地球上のここで起こってたのね等世界観が捕捉されたのは意外
中盤のチェイスはとんでもない異常なテンションで身体を硬直させて見てしまった
分派したバイク団の黒い連中のビジュアルがカッコ良すぎ
ジャックはナイスガイで権力領土の争いに巻き込まれながら仕事がめっちゃできる中間管理職の悲哀みたいなものも感じた
奪ったものを返せ というセリフは復讐劇のなかでひとつの一線を超えたセリフ
復讐劇で誰もがそれを望むものの 叶わないとわかっているだけに発することのない言葉を敢えて口にするフュリオサに凄みを感じる
ディメンタスの扱いは考えられる限り1番残酷な最後ではないか
クリエイティブ魂とサービス精神満載!
子どもの頃観たマッドマックスのせいでインターセプターに憧れ、いつかはV8フォードに乗ってやる!と誓いました(笑)
というわけでシリーズ9年ぶりの今作は、79歳!の鬼才ジョージ・ミラー監督のクリエイティブ魂やサービス精神に溢れてて、サイコーの娯楽作でしたよ!
女戦士フュリオサの前日譚のストーリーは、既に前作の時に作られていたらしく、全てが必然でよく練られている。だから怒りのデス・ロードはサブスクで予習しておくと更に楽しめます。
フュリオサの復讐の相手は前作の"イモータン・ジョー"ではなく、新ボスキャラ"ディメンタス"なのが意外で面白い。サーガということで彼女の理不尽で悲痛な境遇を描くより、母の仇というカタルシスで徹底的に娯楽へ振り切ったのはよかった。
前作のシャーリーズ・セロンも素晴らしかったけど、今作のアニャ・テイラージョイは眼力がすごくて引き込まれちゃう。ディメンタスを演じるのはマイティーソーのクリス・ヘムズワース。ジョーのような冷酷サイコではなく、極悪の中に人間味を感じる役作りが上手い。
でバイクやアメ車好きならめちゃ楽しめます。ツウ好みの車やバイクが、世紀末のお馬鹿カスタムで爆走するのだからたまらない。ボスが操るのは、ハーレー3台に引かせる戦闘馬車。こんなのよく運転できるわー
この興行次第で次作マックス主演の制作が決まるらしい。絶対観たいから、ヒットして欲しいなー。コレ爆音大画面のIMAXで観ないともったいないよ😆
怒りのサヴァイヴ
とにかく面白い!
長尺を感じさせない良作
世紀末体験ムービー
2024年劇場鑑賞137本目。
マッドマックスでおなじみの世界を初めて別の主人公で描いた作品。
マックスはアウトローで分かりやすい正義のヒーローではないのですが、やはり元警官だけあって根本的にいい人なんですよね。それに対してこの映画は基本的に善人がいなくて、悪党と悪党が殺し合いをしている状況がほとんどです。特に前作のボスであるイモータル・ジョーの部下ウォー・ボーイが自分が生き残る事無視の戦い方をするので他では見られないバトルシーンになっています。
ただ、あんな簡単に死んでたらあっという間に兵士不足になるからやめた方がいいと誰か教えてあげてください。
こういうアクション「しか」ない映画は退屈しがちですが、次々起きるアクションに釘付けでした。ストーリーなんてほとんどないですが、この映画はそれが許されると思いました。世紀末体験ムービーですね。
怒りのデスロードよりもヒューマンドラマ
ドルビーシネマとIMAXレーザーで観ましたよ。
1回目ドルビーシネマで鑑賞。コントラストが良すぎて一部作り物くささが目立つシーンも。とにかく音!ドルビーアトモス対応なのでかなり良かった。ドルビーで聴くエンジン音最高すぎる。
まさかの、終わってからエンドロールずっと涙止まらんかったのですよ。感動とかじゃなくてこう、フュリオサー!ってなっちゃって。
原点回帰って言葉しか浮かばないほど、ガッツリと「大切なものを奪われた人の復讐の話」でした。
怒りのデスロードでイモータン・ジョーがカリスマ的ボスだった理由が垣間見えるし、悪役として魅力的なのを再確認。
クリヘムのディメンタスほんとバーカ!ムカつくー!ってなって、それはそれでジョーに当てるのに良いキャラだった。
絆がしっかり描かれてるから、失った時の怒りに重みがあってソレも良い。1のオマージュも分かりやすく入ってるし、スゴイ!楽しい!悲しい!腹立つ!と感情が揺さぶられ過ぎて泣いちゃったのかな。いや良かったです。
アニャ様のアクションは美しくて良い。佇まいだけで雰囲気がありすぎる。ママもかっこよかった。
怒りのデスロードよりも1作目を見返したくなってるw(多分見返す)
VFXでの加工ありとはいえ皆さん身体張りすぎですよ。
6/8 IMAXレーザー
エンジン音はドルビーシネマの方が好き!でも、この映画にはドルビーシネマの深みのある映像よりも、IMAXのパキッとした色味の方が合うね。どっちも良かったし2回目の方が泣けるシーン多いから涙腺ゆるゆるオバサンになってしもた⋯。
【パンフレット 前作と同じ横長、本文64ページ 1100円】
同じ仕様で200円高いの物価上昇を感じる⋯
厚い。横長で作るならカラー写真見開き欲しかったなー!でも、ページ数多いし内容も密度高いし解説も面白かったです。そこで乳首の話するんやw前作や怒りのデスロードのパンフレットにもあった過去作の解説とかも新しくなってました。ボリューム多っ。
これ読んでから2回目みにいったからか、乳首気になってしょうがないやんか。
フュリオサ伝記物になり、前作ほどの熱狂は感じられず
#マッドマックス怒りのデスロード 主演のひとりフュリオサの過去を描いた今作。
前作はひたすらイモータンジョーから逃げる逃走劇。追われる主人公達の焦燥や逆転劇に手に汗を握ったが、今作は過去を語る伝記物で前作のような熱狂はない。
なぜ、あの強靭で心優しい女戦士が誕生したのか。デスロードのときよりフュリオサの構想はあったそうで、
アニャが成長して、シャーリーズセロン演じるフュリオサになったと納得できる。
最初は華奢なアニャに、あのフュリオサができるのかと不安だったが、あのすさまじい目力。不屈の闘志、彼女を抜てきした監督の慧眼。
一方、敵役であるディメンタスは多くの矛盾を抱える。失った息子を愛しながら、他者を残酷に引き裂き、フュリオサのことは檻に入れて守る。ディメンタス自身も妻子を奪われ、葛藤の中で闇に転落していったのか。
ディメンタスの前に、あの狂ったイモータンジョーが冷静な施政者に見えたことが印象的だった。
アイムフュリオサ‼️
星とともに!
フュリオサの行きて帰りし物語はいつ終わるのだろう。
映画としてのインパクトは「怒りのデスロード」ほどではないが、作る価値はあった作品だと思う。
前作で登場したフュリオサがなぜイモータン・ジョーの「砦」で大隊長という地位にいながら脱走を試みたのか、という背景が描かれる。
本作でフュリオサを演じたアニャ・テイラー=ジョイは、作中はだいたい目の周りを黒くしたりしていて顔がよくわからないのだが、普通の顔のシーンもある。その時は非常に美しく撮れていた。ジョージ・ミラー監督のうまさだと思う。
ストーリーは、
「緑の土地」で暮らしていた幼いフュリオサは、ディメンタス将軍の率いるバイカー集団にさらわれる。彼女はなんとかして故郷へ戻ろうとするが、そのためには幾重もの困難を乗り越えなければならなかった。
といったもの。
冒頭、緑の土地でフュリオサはリンゴをもぎとる。そのあと、バイカーにさらわれていく。
この流れは聖書でアダムとイヴが知恵の実を食べたことで楽園を追われる姿になぞらえているのだろうか。
本作ではフュリオサがディメンタス将軍のもとから脱走しようとするのがメインストーリーになる。前作「怒りのデスロード」ではイモータン・ジョーのもとから脱走しようとする物語だった。緑の土地に戻るために戦いつづける、というプロットがループし続けるというのはおもしろい設定だ。
フュリオサの円環はいつ閉じるのだろう。
ディメンタスについて。
マッドマックスシリーズを振り返ると、第一作のトッカーター、第二作のヒューマンガス、第三作はアウンティ、第四作はイモータン・ジョー。個性的な悪役を生み出してきた。
ディメンタスは強面の凶悪犯的なビジュアルだが、クマのぬいぐるみを大切にしており、幼児性を感じさせる。彼はイモータン・ジョーの施設を奪うことで自ら豊かな土地を作り出そうとする。言動が読みにくくどこまでが本気なのかわからない、現代的なキャラクターになっている。
マッドマックスシリーズは「大きな戦争があって世界が崩壊しても、人類は戦うことをやめない」という人間の本質的な愚かさを描いている。それはいつの時代にも通用するテーマなので、逆に「なぜ今この作品が必要なのか」というメッセージが際立ちにくいという弱点にもなる。ただ、このシリーズはそのつど悪役のカラーを変えている。それゆえに「今伝えるべき映画」になっているのだと思う。
ディメンタスが言うように、いわゆる「約束の地」などというものは存在しないのだろう。あるとすれば、それは自ら作り出す必要がある。
それが本作が伝えたかったことだと思うし、世界はそういう風になっている。
定年退職まで会社に勤めればあとはのんびり余生を送れるという時代ではなくなった。真面目に働いていれば中流程度の幸せな暮らしが手に入る、ということもない。
人生は自ら切り開かねばどうにもならない、という時代になっているのだなと、あらためて思った。
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