マッドマックス フュリオサのレビュー・感想・評価
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そのスピード感、グルーヴ感は期待に違わぬもの
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚では、再びこの世のものとは思えない砂漠の大地を舞台に、この世のものとは思えない風貌をした独裁将軍やバイカー軍団たちが、雄叫びを上げながらデス・ロードに興じる。それが俳優たちの演技とメイク、そして当然、演出による異世界と分かっていても、このトリップ感は唯一無二。つくづくジョージ・ミラーの演出力は凄いと思う。
今回、特に新鮮だったのは、タイトルにもなっているフュリオサの若き日を演じる子役のアリーラ・ブラウンから主役を受け継ぐアニャ・テイラー=ジョイへのシフトチェンジが見事なこと。目を凝らして見ていないと2人の入れ替わりに気づかないほどだ。『これは前日譚で俳優も替わりますよ』といういかにもな振りを避け、一つのストーリーとして仕上げたかったミラーのこだわりをここにも感じる。一見、誰だか分からないクリス・ヘムズワースの快演も含めて、背景に負けていない俳優たちの役作りが本作のリアルを倍増させている。
そのヘムズワースが演じる暴走族の元締め、ディメンタス将軍に対して戦いを挑むフュリオサのロードは、終始、絶妙な緩急をつけて最後まで疾走を続ける。そのスピード感、グルーヴ感は期待に違わぬもの。数多い前日譚の中でも本作の完成度はかなり高い。
グロいのはわかっていたので楽しめた
見やすさ△
ストーリー○
キャラクター◎
没入感◎
個人的好み◎
楽しめるが、予習したほうが良かったかもと、感じました。
前作の記憶がなさ過ぎて最後にこの人がこうなるのかと気がついたレベルでした。タイトルで気がつけば。
見やすい作品では無いが、事前に覚悟していれば大丈夫かなと思います。
ラストは好みありますが個人的には好き。
肝心の所がカット
今回はマックス抜きなので、フュリオサを軸にデスロードのボス イモータン・ジョーvs今回のボスのバイク軍団、悪の軍vs悪の軍で楽しそうなの期待したら、まあ全面戦闘シーンがカットされて、小隊規模や1人か2人vsザコ軍の 仮面ライダーやアベンジャーズやトランスポーターで見飽きた構図多くて 良くなかっです、レッドクリフの世紀末版みたいなの見たかった。
毎回変わるテイスト
Mad Maxは毎回、雰囲気と形が変わる。監督はまるで同じ雰囲気と話運びを意識的に避けているようだ。車との追跡という点では同じだけれど状況が異なる。今回は年代記のような構成だった。前回を期待してみるとちょっと違うと思う。それでも大がかりな爆音と疾走はわくわくする。そして最後には主人公と悪党は少し哲学的な会話を行う。ただデイメンタスが悪党に見えない。悪党の冷ややかなところがない。Maxのような主人公の相棒も鋭い所がない。要するにミスキャストだからだ。最後に話の運びを見せるために前回のシーンが付け加えられている。するとやはり前回の方が面白かったなーと思ってしまう。これはない方が良かっただろう。
CGはすごい景色を作り出せるけれどあの肉弾の恐怖が薄れる。それは発展なのか退化なのか?犬が足をくわえてやってくるシーンがある。これは用心棒だ。この監督は様々な映画特に黒澤明をよく見ているようだ。実はかなり高度な映画制作のテクニックを持っている監督だ。巨費をかけなくてもMad Max2のような線で新たな地平が見えるかも知れない。
前作との整合がいまひとつ
★3ですが、長々と文句しか書いていません。
2015年のフューリーロードとはテーマが違うので、映画のジャンル自体別物だということは理解していても、全体的にちょいと雑だなという感じがしました。
以下、文句の箇条書きです
1・あのSKSカービン
冒頭、フュリオサの母が構えたのを見て、私は何度も静かに小膝を打ちました。フューリーロードで、フュリオサがマックスの肩にレストした状態で撃つ、あの銃です。はいはいはい、あれはお母さんの銃ね、なるほどね~となったのですが、同じようなSKSカービンが何挺も登場して最後の方はよく分からなくなってしまいました。
そこは、あの母親の銃ってはっきり分かった方がよくないか?
2・フュリオサの器用さ
マックスがキングオブ陰キャなら、フュリオサはクイーンオブ陰キャ。両方飲み会では「ソッスネ」しか言わない。そういうタイプだと思ってました。
しかし、本作のフュリオサは、母親を殺したディメンタスにしても、女性を物扱いするイモータンジョーにしても、特別扱いされるのがデフォルトというか、気づいたらいい立ち位置にスポっと収まっているんですよね。逃げ出せるタイミングでも男装してちゃっかり戻るし、子供時代から中々器用に立ち回るなと。
あと、自分のために作られたか分からないものを、結構ぱっぱと持って行きます。
3・左腕の地図
悪い大人たちが「これは何?」って興味津々で聞き始めたとき、私はまた勝手に小膝を打って、「これは、緑の地を守るために自分で切り落としたな」と想像していました。
その腕、クレーンに残していって大丈夫かと。
4・ディメンタス
ちょっとプレイングマネージャーすぎて、もう少しどっしり構えておいてほしいんですけどね。ヒューマンガスとウェズの間ぐらいの人でした。会社組織だと、関わるとややこしい係長ぐらいじゃないでしょうか。本棚に「嫌われる勇気」が置いてありそうなタイプの。まずは、「ついていきたいと思われるリーダーになる51の考え方」を読んでほしいです。
5・ジャック
ジェネリック版マックス
どうして、ビジュアルをモノマネ芸人ぐらいの半端な絶妙さで寄せてくるのでしょう。全然違うキャラでいいじゃないですか。あの見た目でタンクローリーを運転している姿は、マッドマックス2と被るんですよね。退場もやたら適当でした。
6・フュリオサの子役
アリーラブラウンという名前の女優ですが、大人フュリオサ役のアニャテイラージョイにバトンタッチしたとき、目の形だけではどちらか分からないぐらいに似ていて、驚愕しました。このキャスティングは奇跡だと。あとから調べたところ、子役の顔をAI補正でジョイに似せていたことが分かり、今度は膝の裏を打ちました。
それは、子役にクソ失礼では?
補正するなら、ブラウンとジョイの両方を変形させて、真ん中の地点に寄せろよと。
7.リメンバーミ―
フューリーロードでの、フュリオサの決め台詞です。
片腕がなく、坊主頭。イモータンジョーの部下でありながら、実は宿敵。一体、どんな過去があったのか。幼少期に親を町ごと焼かれたのか、何かの因縁で腕を切り落とされたのか。前作から十年近く、それはずっと頭の片隅にありました。今回答えが出たわけですが。
普通に会っとるんかーいと、背もたれがなかったら後ろにコケていたと思います。
フュリオサはディメンタスにも同じことを聞くので、前作での台詞も初老向けの認知クイズに思えてきました。
8・左ハンドル
アメリカの車が、どうして、世紀末のオーストラリアに、ある? (これは前作でも思いました)
9・マックス
お前は、ずっとそこでソロキャンしてたんか?
※演じたのがトムハーディのスタントマンなので、立ち姿はよく似ていました。
あと、片腕になったフュリオサを洞窟まで引っ張って助けたって解釈でいいんですよね? もし面識があるなら、前作で水をがぶ飲みした後「フュリオサやんけ、ワレ」と言いたかったのにまずボコボコにされた可能性もあるわけで、それはそれで悲しい。
前作とのつながりを考えるとあちこち変ですが、それを忘れることができれば面白い映画です。
引きずり込まれる
もう冒頭から集中力を持ってかれる。
ビジュアル的な世紀末の描写も、精神的な世紀末感も凄まじい。下地がいいと言うかなんと言うか…1979年に打ち出した世界観やビジュアルが2024年になっても色褪せる事はなく…寧ろ異彩を放つというか、煌めきを放つというか、極上だ。
物語もちゃんと整理はされてて、見やすかったと思うのだけど、感覚的には見たというより体感したような没入感がある。圧倒された148分だった。
その世界観を背負い立つ、幼い頃のフェリオサが…まぁ見事。アレはなんなのだろう?新人類とかなのかな?ちょっと非凡過ぎる才能の塊のような俳優さんだ。
全く埋もれない。
負けもしない。
超大作の冒頭の数十分を牽引していく。
…監督の演出もあるのは勿論だけど、それにしても目が離れない。彼女の目に映る世紀末を追体験していくような感覚にもなる。
いわゆる「怒りのデスロード」以前のフェリオサが描かれるのだけども、骨組みは凄くよく出来てたと思う。
彼女の内面が分かった分、前作のフェリオサの慟哭の意味もより深く理解できる。
故郷に帰る為、世紀末に種を植え続ける為に暴力が支配する荒野を生きる。
生き抜く術を覚え、鉄騎を駆り、血に塗れても尚、尊厳を失われも奪われもしなかったのには、そういう確固たる信念があったからなんだな。
今作のアクションも凄まじい。
CGの恩恵も勿論あるんだけれど、アングルがいちいち気持ちいい。新型のタンクローリーが襲われるとこなんて、てんこ盛りでお腹いっぱいになってもいいようなもんだけど、麻薬のようにもっともっとと欲しがってしまう。
セカンドユニットがおそらくスタントパートを撮ってると思うんだけど、監督のガイなんとかさんはホントにいい仕事してくれた。
そのアイディアを実現させたスタントチームにも拍手喝采だ。机上の空論にせず、ちゃんと実現させたのだから。
もう、どこをとっても隙がない。
一回、無音というか爆音が轟かないシーンがあって、タンクローリーからフェリオサが蹴落とされるとこなんだけど、あの喪失感ったら…極上の演出だも思う。
砂漠の広大さと無慈悲さが際立つ。
何が起ころうと折れなかったフェリオサになす術がない。「無力」取り巻いてる砂漠から断定されたようにも見えた。
名作と呼ばれる事はないとは思うのだけど、映画史に残る一作ではないかと思う。
なにせ、他に類を見ない。
なぜだかファンタジーを感じないのだ。
説得されちゃう。
あとはフェリオサ愛だろうか。
監督はフェリオサを通して何かを語りたかった訳じゃなくてフェリオサを語りたかったんだろうなぁと思う。
すげぇもんを見せられてしまった。
日本映画がこの作品の境地に行き着く未来はあるんだろうか?…無いんだろうなぁ。ムカつくなぁ。
アクション映画の皮を被った金ピカの芸術作品!
前作は「駅馬車」と比較されたが、今作はフェリーニの「サテリコン」にかなり似ていると思った。アクション映画でありながら、ものすごくガジェットにも拘った重厚な作りになっている。桃の種がまさかの結末へと導く――衝撃――。ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの「ヒュラスとニンフたち」という絵画の登場するシーンやディメンタスのマントの色が変わって行く様、フュリオサの髪、警護隊長ジャックがフュリオサへ渡すショットガン、鳥の頭蓋骨のボブルヘッド等、まさにフェリーニ的な小道具の散らかし方が楽しい。終盤のイモータン・ジョーとディメンタスとの40日戦争のくだりを「見せ場をショートカットしている」との意見もあるが、ボクは脚本的にはこれで良かったと思っている。そうでないと、フュリオサをヨハネの黙示録の第五の騎士だと語る賢者のセリフとラストが生きない。また、40日戦争はおそらくイエス・キリストの「荒野の誘惑」をも暗示している。これはきっとフュリオサにとっても【試練】の期間であったに違いない。おそらく観客は、誰かを殺してスカッとしたいのだろうが、この映画の最大のハイライトは相手を打ち負かす闘いではなく――再生――、そのための戦いなのだ。そのあたりが国民性というか、特に北米では受けいられなかった理由かも知れない。まあ、日本ではけっこう検討しているようなので嬉しく思っている。
すっごく
前日譚だから、そこまで期待して無かった、正直。
蓋を開けてみれば補完以上の出来でした。
映像は勿論何だけど、マッドマックス前回のストーリーで、フュリオサの成長?の物語として様々な紆余曲折がよく描かれていました。
脇を固めるキャラも強烈で話がより一層盛り上がった。
デスロードまた見たくなるなぁ、これ。
しかしほんと、このシリーズ、良い人はほぼ生き残らないなw
ジャックが素敵すぎる。
迫力とヒューマニズムの映画でした!怒りのデス・ロード又みたくなったよ。
IMAXをバージンンデビューです。さすがに音響と映像が素晴らしいかった。その上に砂漠の中のカーチェイス、バイクチェイスが迫力凄い。本当に自分も砂漠の中にいるような感じでした。子供のフュリオサに会えて幸せ♪初めて見た時に、”レオンのマルチダ?”と思ってしまいました(古?)兎に角、最初から最後まで目を離せませんよ。あっという間でした。
そして、若き日のフュリオサをここまでみてしまったら、最強の戦士となった”怒りのデスロード”を再び見るしかありませんです。あーどちらも最高です。
前日譚としての作りこみに満足
賛否両論のレビューをチラ見しつつIMAXにて鑑賞。
確かに前作に比べてストーリー性が高く、会話も多い。だから若干の間延び感、スケールのダイナミックさは劣っているような気はした。
がしかし、この作品はあくまでも前作「怒りのデスロード」の前日譚。であるからして、前作を超えるような大興奮映画でなくて良いのではないか、いやむしろそれが正解のではないかとさえ思う。
その観点からいくと、アニャ・テイラー=ジョイ演じる若干頼りなさを感じるフュリオサが実に心地よい。これが最初からシャーリーズ・セロンだと強すぎて逆に若干引いたかもしれない。
イモータン・ジョーへ復讐する前にまずは母を殺したディメンタスへ復讐するあたり、しかも殺し切らず新たな生命、緑へと再利用するあたり、なかなか面白かった。
前作では作りこまれた車を通してのアクションが魅力だったのに対し、今回のバイク集団も
なかなかの魅力。特にディメンタスの乗る馬車のような仕立てのバイクは古代ローマを思わせるよう。
ウォー・ボーイズの銀のスプレーのシーンは個人的に大好きなので、今回も観れて大満足。
観客の期待に応えるというより、監督がやりたいように思ったままを映像化するのがマッドマックスシリーズなので、途中、話の展開が最後まで描かれていなくても、多少強引な話の進め方でも、そんなのは超越できる世界観で今回も大満足。
ただ1点苦言を呈すなら、映画館へ。なぜ続けて前作を上映してくれないのか。この映画を観たら絶対前作を続けて観たくなること間違いないのに。それも家でではなく、映画館の大きなスクリーンで、大音量であの興奮を味わいたいのに。
ただそれは映画館への苦言なので、映画そのものの評価としてはあくまでも満点で。
このシリーズは噂によるとどうやら3部作とのこと。世界的には今作の興行が上手くいってないようなので心配だけど、ぜひ次回作も観てみたい!ジョージ・ミラー監督がまだお元気なうちに、どうか完成披露をお願いしたい!と願って止まない。
何ならイモータン・ジョーにスポットを当てた作品も観てみたい。
ぶち上がりはしない
怒りのデスロードはほぼ満点つける人間の感想。
<総評>
怒りのデスロードで活躍したフュリオサの、デスロードまでの来歴を描くゼロエピソード。
イモータン・ジョーとディメンタス、二大ならず者頭領の抗争を描き、
それに凄惨に振り回される幼フュリオサ~成人フュリオサの復讐を描く。
うーん。内容が暗い、重たい。
マッドマックスの世界観を女性視点でちゃんとやるとこうなるのはわかる。
すごく真摯に、ちゃんとやっている。
そのおかげで、怒りのデスロードのエンタメ感は失われている。
馬鹿な男同士が馬鹿馬鹿しく戦うから快作だった側面があったのだと思う。
本作では、男たちですら崩壊後の世界の諦念と虚脱を深掘りしている。
それも「ちゃんとやると」そうだろうけど…
このシリーズにはちゃんとやってほしくなかった感はある。
映画.comの告知では「ブチ上がる」と書いてあったがまったくそうは思わない。
映画でしっかり人文読みたい人向けの、ヒューマン懊悩系の作品に思えた。
ちゃんとやった故に凄惨なシーンも多いので(馬鹿馬鹿しく派手に死ぬ、とかではない。容赦なくエグい感じの)、デートムービーには絶対におすすめしない。
<脚本的な指摘>
●敵ボスの格の低さ
イモータン・ジョー配下の女幹部フュリオサがそこに至るまで、という話なので、前作を知る人間にはイモータン・ジョーの勝利は見えている。ディメンタスもその軍団も前作(時系列的には後の話)に欠片も出てないからだ。
ディメンタスはフュリオサの母を殺したボスだが、率いている「地獄のバイク軍団」がすでに見栄えとして弱い。イモータン・ジョーたちはご存じウォー・タンクを筆頭とする地獄のクソデカ改造車軍団だからだ。さすがに視覚的に差がありすぎて、露骨に格が釣り合っていない。
そして現実でのバイクの欠点そのままに、地獄のバイク軍団は物資の輸送能力や航続距離がない。よって、荒廃した世界で物資の都市間輸送を行うことができず、隊商の略奪やすでにある都市への襲撃・制圧・略奪でしか自分たちの生活を支えていけない。イモータン・ジョーは砦とガスタウンと弾薬村を車による物資輸送で連携させていたが、ディメンタスたちは一拠点を制圧してもその流れに加われずにおねだりするだけなのだ。作戦や思想がどうしても行き当たりばったりになり、やはり支配者であるジョーに最初から最後まで格で及べていない。
ディメンタスを資質と実力の両面からジョーになれなかった敗北者として描くのは意図的だろうが、鑑賞者としての期待値の低さに付き合わされるのは別問題。
結果、最後のバイク軍団vsジョー軍団の戦いもダイジェストで、気がついたらあっさりバイク軍団は壊滅している…という所までちゃんとやってしまった。無論、それがテーマでないゆえにダイジェスト化できる、ちゃんとやるとそうなるのはわかるが、エンタメとしてはどうだろうかと思った。
●脚本の強引さ
・冒頭
母の意志(遺志)もわかっている幼フュリオサが、戻ってしまい全てが台無しになる所はガッカリだった。あの行動に説明をつけるとしたら「まだ子供だったから」だろうか。
あの凄惨な世界で、豊穣の地の発見者たちを帰さないために積極果敢に工作を仕掛け、捕まっても恐ろしい男たち相手に口も割らなかったフュリオサが、「まだ子供だったから」戻ってしまうのはヒーロー性の欠如と脚本都合の両方を感じた。
このドえらく大変な世界で、この強く高潔な母の薫陶を受けて育った娘が、令和の日本人児童よりも甘いのではないかという行動をここ一番で発揮するのは、最も初速を重視する冒頭にあってはならない落胆ポイントである。もしこれが「仕方ない」と許せるまたは共感ポイントとして組み込まれているのなら、アメリカは子供は日本よりも子供としていられて、日本よりも圧倒的に豊かなのかもなと思った。
母親もディメンタスの軍団を「自分たちの豊かな地を見つけたから」という理由でばっさばっさ殺して回っているので、捕まればディメンタスたちから嬲られて殺されるのはまあ仕方が無い。とはいえ、この強引に感じる徒労的な運びからシーンとして見せられるのは嫌だった。冒頭からブチ上がるどころかブチ下がった。
・ラスト間際
フュリオサは敗残の兵となったディメンタスを残党狩りする形で復讐を果たすので、真の決戦はその前の弾薬村での遭遇戦となるが、ここではフュリオサ&ジャックは大善戦するも敗北という結果に終わっている。この後、隙をついてフュリオサは脱出し行き倒れて気がつくと砦に戻っており、ここから最後のシークエンスとなるが、この砦に戻れた流れはさすがに強引。こういう執念とラッキーでチャンスが巡ってきて復讐を果たせるわけだが、意志と絆ある大善戦でも勝てなかったディメンタスが次に出会うときはすでに狩られる落ち武者状態というのは、マッド世界の力学なら必然とはいえど、やはりエンタメとしてはどうなのかと思う。
△幼フュリオサのかわいさで持ってる
幼フュリオサはそれはもうかわいい。美形で名演であると思う。この子ひとりで画面が持つ。しかし、序盤はこの子のかわいさにがっつり依存して展開を持たせており、美少女の美少女性に支えてもらなわいといけないマッドマックスとはどうなんだ、はある。もし不美人だったならこの物語は成立していただろうか? 他の作品ならともかく、前作ならば「美醜なんか関係なく余裕で成立してるよ」と言い切れたものが、そうだろうか? という域になっているのは賛否両論が持ち上がる点だろう。
以上。
かなり胸糞展開・胸糞シーンがあると感じたので、観に行く時は心に余裕があるときに、一人で行くのがいいかもと思う。
よほどシリーズのファンでない限りは、怒りのデスロードをリピートした方がいいように感じた。前作があの快作感で、次作で終始重くやられてもやや困惑、という具合でした。
ビバ世紀末!
199X年だかいつだか知らないけど、地球は核の炎に包まれたようなそうでもないような?
でもとにかく人類は死滅してはいなかったので、なんだかんだみんな元気にヒャッハーしてる、
そんな世紀末世界観の本家本元の元祖なマッドマックスシリーズ最新作にして、前作の前日譚
他の人たちのレビューなんかでもあるように、前日譚であるが故に絶対死なないの確定してるキャラが何人もいたり、
さすがにフュリオサをマックスよりも強いキャラとしては描けなかったりの制約が少々足枷になっている感じはありますが、
やはりシリーズ恒例のぶっ飛んだ改造車での激しいヒャッハーなチェイスバトルはパワフルだし、
恒例のパターンの中にも、前作ではなかった空中戦法を駆使するバイク軍団とか、見せ方の面で工夫して目新しさを出してきてるのは凄いし、
そんな世紀末感あふれるバトル描写は本当に面白い
ただ、そういう目新しさ、派手さが出てる部分が中~後半で終わってしまって、
イモ―タン・ジョー軍VSディメンタス軍がダイジェストで消化されてしまったり、
フュリオサ対わずか数名の敗残の将の軍で終わってしまったりと、
終盤がややパワー不足感が否めない展開になってしまったのは残念
確かにあくまでもフュリオサが主役の物語とするなら、
彼女が直接加わってない戦いを描いたりするのは無駄だし、ディメンタスとの一騎打ちにして、彼女の心理面の掘り下げを優先するというのはわかるんですけどね
ちょっと期待しすぎてたかもしれない
■主観すぎる見どころ
・アニャ・テイラー=ジョイ様〜!
う、美し〜~〜!麗し〜〜〜!
シタデルで泥まみれになってても、透き通った白目部分が広すぎて全然小汚くない。意志を持った気高く鋭い眼光なんだ〜!
ザ・メニューもそうだけど、意志強い女性役、ハマっててかなり好き。
また好きな女優さん増えちゃったな。
・フュリオサ、かれぴのこと好きすぎな
字幕だったから英語聞き取れなかったんだけど、ガスタウンでハメられてV8で逃げるとき、発進前に「行くぞ」って言ってたの、かれぴの口癖移っとる〜!かわいい〜!ってなった。
強い女が恋人大好きなのが、好物すぎる。かわいいね。
でも、フュリオサ、故郷にかれぴと一緒に戻ろうとしたのは良くない。
他人に故郷のこと話しちゃだめって言われてたじゃん。一緒に行ったらだめじゃん。悪い人だったらどうするの〜?
と思ってたけど、そんな心配いらなかったね。悪い意味で。しょんぼり。
バイクで引き摺るの、絵は地味なのに辛いからやだなあ。
・ディメンタス将軍って誰だっけ?って思ったら新キャラかい!
なんか聞いたことある名前だな、2に出てた?とか思ってけど、調べたら全然新キャラらしい。前にいなかったっけ?
最初はまっさらなマントがだんだん赤になり、最後は黒くなる演出、ディメンタス将軍のイカれ具合ゲージになっててよかったな。
赤マントだとソーっぽくてちょっと複雑だったけど…。
・黙示録 第5の戦士
賢者?がフュリオサのことを「黙示録 第5の戦士…」って言ってた?ような?(既にあいまいすぎる記憶)
あとで調べよーと思ってたから調べた!
これ、ディメンタス将軍殺しに行くときに言われたんだっけ?ディメンタスにあんなことをされたんだから、フュリオサはディメンタス殺す権利あるよな〜みたいな捉え方でいいのかな…?
圧倒的に足りない記憶と知識。
■主観すぎる物足りなさポイント
・もうちょいフュリオサと女たちのエピソードがほしかった
怒りのデスロードでは、フュリオサがイモータン・ジョーの女たちと故郷を目指すのが話の大筋。
今回の映画でその行動に至った経緯とかエピソードがわかるかなーと思ってたんだけど、思いの外、そういったシーンはなかった気がする。
幼少期にイモータンの女としてシタデルに入ったこと、終盤でもイモータンの女たちのところに行くシーンはあるけど、どちらもシーンの時間は短く、印象的ではなかった。
あ、じゃあフュリオサが助けたいと思ったから助けたんだーふーん、と自己完結するしかなかったのが、ちょっと残念。
これは私の想像力の足りなさもあるな。
・ビジュアルが足りない…
怒りのデスロードを観たときの衝撃が強すぎた。
一目見ればヤバい悪役なのがわかるイモータン・ジョー。人間として扱われていない白塗りのウォーボーイズは自分を犠牲にしてどんどん自爆する。火を吹くギター、無数のドラムで戦いを鼓舞するバンド。荒廃した世界とはギャップのある真白なドレスに身を包んだイモータンの女たち。
映画館で観たかったな〜。すごい映画だと思った。
フュリオサでビジュアルすご!と思ったところ、あったかな…。あんまりなかった気がするんだよな…。
怒りのデスロードに出てくるキャラクターがほとんどだから、目新しさがなかったし、ディメンタス将軍もマントとぬいぐるみくらいだし…。
フュリオサママがフュリオサを追いかけるときのバイクシーンはすごくかっこよかったけど、それくらいかな…。
・マッドが足りない…
ディメンタス将軍のマッドさ、足りなくない?
なんなら、ちょっと理性残っちゃってる。マックスが悪いやつだったらifみたいな感じ。それ狙いのキャラだったのかな?
私が持ってるクリヘムのいい人イメージも拭えず…。ビジュアルがいい人すぎない…?
マッドマックスシリーズのぶっ飛びになれてしまったからか、ちょっと物足りなかった。
誰も車に括り付けられてないしね。引き摺られてたけど。
前作までのマッドマックスシリーズは、正直ストーリー性はそこまで求めてなくて、マッドマックスならではのマッドなぶっ飛びアクションシーンとビジュアルを求めてた。
今回はストーリー性重視で、ストーリーに沿った展開で、普通の映画に思えてしまった。マッドマックスじゃなくてもいいんじゃない?と思っちゃう。
足りないよお、もっとマッドであってくれよお。
全体的にちょっと物足りなさを感じたけど、フュリオサ観た後にもう一回怒りのデスロード観たくなった!
フュリオサたちの怒りをもう一度浴びたい。
段々マッドマックスは壮大なサーガに成ってしまうのかぁ。ちょっと違う様な・・・
本作公開されて1週間。初日に見ましたが、あえてレビュ-挙げず温存しておりました。最近 劇場の作品公開流れが激流でして。初日からの金土日が熾烈に評価バク上がり傾向。そして次の月火水のダメ推しと続き、そして1週間経ってやっと平均値が出て来るでしょうか。そんな感じです。
その後落ちる作品はズンズン結果残せず後ずさり的な所でしょうかね。
今の所、順調に興行成績爆走中で何よりです。
先日、5作目の「マッドマックス:フュリオサ」を見ましたよ。
1979年:マッドマックス
1981年:マッドマックス2
1985年:マッドマックス/サンダードーム
2015年:マッドマックス 怒りのデス・ロード
2024年:マッドマックス:フュリオサ
次作 :マッドマックス The Wasteland
総評から言ってしまうと、前作はド派手なクレ-ジアクションとアフォアフォ感設定が凄く楽しかったんですが、今作は見慣れた感もあってちょい乙女チックに成ってしまっていたでしょうか。そこは残念感がちょっとあります。
前作時のフュリオサ戦士(シャーリーズ・セロンさん) ⇒ 今作(彼女の前日譚)(アニャ・テイラー=ジョイさん)にバトンが渡ってます。
若い頃のフュリオサなのでコレで役的にはokでしょうか。
アクションですが、やはりマッドマックスと言えば 見ていて分かりやすい”過激な激突” これに尽きます。
今作も中盤位に出てくる ウォー・タンクの爆走とこれに突っ込んでくる改造車集団。そして空からも爆撃する空挺集団。
幾度となく絡んで来て体当たり、そこは十分以上に楽しめますね。
こう言うのが この作品の真骨頂的な味でお衰えず健在ですね。
ただ、警護隊長ジャック(トム・バークさん)とフュリオサとの認め合う間柄の表現辺りから ちょっと??ズレた場面展開の繋がりとなってしまっている様に見受けられました。
もう少し アクションが上手く繋がって行けば良いのですが そこが出来ていなくて惜しい限りです。
緑の煙幕弾を打ち上げて別れを告げた辺りからでしょうかね。
なんで 上手く好調なアクションシーンが繋がって行かないのか不思議なくらい。
砂漠クレパスで向こうとこっちで別れて暴走も 追いついて囚われちゃうし。
フュリオサが、タイヤに挟まって腕の損傷は良いけど、吊られて腕ちぎって逃走とか 有りえへんわ。そして尚且つ ターミネ-タみたいにマシンの義手腕で補完して。そんな技量と余裕何処にあるねん。
捕らえられたジャックがその後 どうなったかも分らんかった様な。
宿敵ディメンタス(クリス・ヘムズワースさん)の熊?縫いぐるみ持ってるのも違和感だらけ。乙女チックだわぁ。イメ-ジ湧かんよ。
終盤の、フュリオサがディメンタス捕らえて復讐を直ぐに成し遂げるのかと思ったが、意外と甚振る様な詰めで これもイメ-ジ湧かず。何でこんな執拗な殺し展開なんだろうかと 萎えました。
樹木化させるとか、なんだかな~の思いです。
これだけ 分かりやすい激突を売りにしてるのに、ここに来て陰湿さを感じてしまうのは メッチャ残念。 やり直して欲しい願いですよ。
折角、CM時の超ローアングルで見下げる彼女の雰囲気が好きだったんで、
ズバリ ズドンと殺すって思っていたのにな・・・。
前作見てたフュリオサ戦士からすると こんなヤツだったとは想像もつかないです。
よって フュリオサ編の今作はコレで打ち止めって事で願いたいかな。
マッドマックスの世界観が好きな方は
是非 劇場へ。
-----余談(戯言)-----
もう直ぐの選挙を例えて~
マッドマックス都知事選w
3作目に出てたアウンティ
(バータータウン街の支配人)と
本作フュリオサの戦い的な選挙戦w
さてその行方は・・・乞うご期待!
中だるみなしで楽しめた
荒廃した未来、少女フュリオサは緑豊かな故郷から攫われる。助けに来た母親は緑の土地への道のりを聞き出そうとするディメンタス将軍によって拷問にかけられ殺される。フュリオサはディメンタスの敵対勢力であるジョーの砦で頭角を現し、ディメンタスへの復讐の機会をうかがう。
フュリオサの台詞は少なく、心理台詞もほとんどないが、まっすぐ前を向く強い瞳はぶれることがなく印象に残る。(少年期はアリーラ・ブラウン、青年期はアニャ・テイラー=ジョイの目力がすごい)主人公はディメンタスはもちろんジョーにもそれほど忠誠は誓っておらず、途中くらいで倒すべき敵がどちらか分からなくなるのだが、主人公が長い事悩んだり周りの悩みに付き合ったりすることがなく、バカ改造車のアクションやスリリングなアクションがふんだんにあり、中だるみなしで復讐劇を楽しめた。そんなフュリオサが最後のディメンタスに対峙するときに感情をあらわにするのが人間っぽくて良かった。
緑の土地が前作であの沼地に変わっているのだなあと思うとフュリオサの絶望のわけが分かる気がした。
黒きワルキューレの騎行。 …このお話って本当に必要だったの?
核戦争により荒廃した世界を舞台に繰り広げられる、暴力と混沌のディストピア・カーアクション映画『マッドマックス』シリーズの第5作にして、第4作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)に登場するキャラクター、怒れる女大隊長フュリオサの若き頃を描いたスピンオフ作品。
崩壊した世界に残された肥沃な「緑の地」で暮らしていた少女フュリオサは、狂気的な野心家ディメンタスが率いる野蛮なバイカー集団に誘拐されてしまう。母メリーは単身フュリオサの救出に向かうのだが…。
監督/脚本/製作…ジョージ・ミラー。
若きフュリオサ大隊長を演じるのは『スプリット』シリーズや『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のアニャ・テイラー=ジョイ。
バイカー集団を束ねる恐怖の支配者、ディメンタスを演じるのは「MCU」シリーズや『キャビン』のクリス・ヘムズワース,AM。
歴史的大傑作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』から9年。ついにジョージ・ミラーのマッドな世界が戻ってきた!9年というとかなりの年月だが、『マッドマックス/サンダードーム』(1985)から『デス・ロード』までに30年のブランクがある事を考えると短く感じてしまうから不思議。
冒頭、じゃりン子フュリオサが登場した時には「すわサンダードームの再来か!?」と身構えてしまったが、ちゃんとハードでマッドなディストピア映画になっていてそこは一安心。
セリフではなくビジュアルで物語る、寡黙でありながら雄弁なジョージ・ミラー節は本作でも健在。服装や乗り物によりそのキャラクターがどのような人物であるのかを表すその語り口はまさに匠の技である。
フュリオサのセリフは映画全体を通して20〜30個ほどしかない。サイレント映画と見紛うほど寡黙なキャラクターが主人公なのだが、その物語性は全く失われていない。これは目線や仕草などを含むすべての身体表現がそのままストーリーテリングとして活きているからであり、ノンバーバルな表現手法が生み出す言語を超えた力強さがこの映画には満ちているように思う。
そんな寡黙な主人公フュリオサを演じたのはシャーリーズ・セロン…ではなく人気急上昇中の若手女優アニャ・テイラー=ジョイ。
セロン様からアニャにキャスティングが変更されたというニュースを聞いて不安になったのは自分だけではないはず。この2人全然タイプが違うじゃん!!だが、結果としてこの心配は杞憂に終わった。アニャ・テイラー=ジョイ見事なり!!
彼女の異常なまでに大きなお目目から繰り出されるバキバキに決まった眼光は、フュリオサの内に燃える激しい怒りを完璧に表現。セロンの持つ圧倒的な強者感はないものの、若きフュリオサとしてはこれ以上ないほどハマっているキャスティングではないでしょうか。
鮮烈なデビューを果たしたアニャオサだが、実は前半1時間くらいは出番なし。前半パートの主人公はアリーラ・ブラウンという子役が演じるロリオサである。
このアリーラ・ブラウンちゃん、もしかしたら将来的にかなりBIGになるかも!!『タクシー・ドライバー』(1976)のジョディ・フォスターや『レオン』のナタリー・ポートマンを彷彿とさせるような存在感を放っており、彼女の気迫から目を離すことが出来なかった。
なによりこのアリーラちゃん、アニャにそっくり!正直どのタイミングでアリーラからアニャに役者がチェンジしたのかまるでわからなかった💦
その自然な交代ぶりがちょっとばかし気になったので調べてみると、なんとなんとの驚愕の事実が発覚。AI生成技術を用い、物語の進行に合わせてアリーラの顔をアニャの顔にだんだんと近づけていたのです!だからこれほどまでに似ていたのか!そう言われなければ気が付かないほど自然なAI合成。技術の進歩スゲー!そしてコエー…。
本作を語る上でやはり外せないのは、凶暴なバイカー集団を束ねる長、マイティ・ソー…じゃなくてディメンタス。粗野とバカと下劣の権化であるゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!な、シリーズ屈指の憎まれ役である。クマちゃんのぬいぐるみを常に携えているなんて、ジャイロ・ツェペリかおのれは。
このディメンタスを演じるのはみんな大好きクリス・ヘムズワース。スーパーヒーロー俳優として名を馳せた彼が、持ち役とそっくりな見た目でありながらそれとは正反対の卑劣漢を嬉々として演じています。
近年のインタビューで、マイティ・ソーを演じた事への後悔と不満をたびたび口にしているクリヘム。スーパーマンを演じたジョージ・リーヴスも苦しんだように、やはりスーパーヒーローを演じてしまうとそのイメージが定着しすぎてしまい、今後のキャリアの幅を狭めてしまうのだろう。しかもクリヘムの場合はソーがあまりにもハマり役だったから、その苦しさは他のスーパーヒーロー俳優よりも一層強い事だろう。
陽気な優等生というパブリック・イメージを脱ぎ捨てるため努力を積み重ねるクリヘム。Netflixの『スパイダーヘッド』(2022)という作品では悪役を演じており、狂気的な天才科学者という彼のイメージとは全く異なる役柄に挑戦している。まぁこの映画は作品自体がショボショボだった上、クリヘム渾身の天才演技も完全に滑っており、すでに彼のキャリアの黒歴史と化しているわけだが…。
そんな彼がついに掴んだ新境地が今回のディメンタス。想像力の欠如からくる凶暴性と凝り固まったマチズモに起因する野心。定着したパブリック・イメージを完全に逆手に取る、マイティ・ソーの鏡像のようなキャラクターを見事に演じ切った。
ソーの再演に難色を示すクリヘムだが、ジョージ・ミラー監督はクリヘムとの再タッグを望んでいるのだとか。『マイティ・ソー』の新作をジョージ・ミラーが監督する、なんていう未来が待っていたりして?
とにかく画面上の情報量が多い作品であり、正直一回観ただけでは上手く消化しきれない。もう一度観に行ってもいいかもー、なんて思えるほどにはしっかりした映画だったのだが…。
正直言うと期待ハズレ🌀
確かに本作は凡百のアクション映画とは一線を画す重厚な作品だが、なんと言っても前作があの『デス・ロード』でしょう?史上最強レベルの超傑作の後に、普通に良い映画をお出しされても「あの…思ってたんと違うんですけど」となってしまうのは必然というもの。9年ぶりの新作ということもあり、期待値がMAXまで高まっているところへの今作だったので、ちょっとガッカリしてしまったというのが本音。
というか、そもそもですね…。本作を全否定しているという風にも取られかねないというのは重々承知の上で言いますが、フュリオサの過去とかぜんっぜん興味ないんですよね😅
もちろんフュリオサは大好きなキャラだし、彼女の身の上や失った左腕のことは気になる。でも、それは観客一人一人が自分の頭の中で補完すれば良いだけのこと。
なぜフュリオサがああまでしてワイブズを救おうとしていたのか、なぜあれだけの美女でありながら妻ではなく戦士としてイモータン・ジョーに仕えているのか、なぜイモータン・ジョーを討ち取る際に「私を覚えているか?」と言い放ったのか。そう言ったヒントを一つ一つ拾い上げ、自分なりのフュリオサ像を作り出すからこそ味があるのであって、「実はこういう過去があったんです」とオフィシャルな設定を提示されてしまうと、キャラクターの自由度が失われて魅力が薄らいでしまう。本シリーズに限ったことではないが、時系列の隙間を埋めりゃ良いってもんじゃないから!観客が想像出来る余地を残しておいてくれ。
前作と今作では物語の語り方が大きく違う。
前作は見せ場のみを繋いで物語を構築するという超変化球。映画というよりはむしろ爆音ロックンロールのライヴに参加しているといった感じ。さすがAC/DCを産んだお国。馬力が違います😊
一方今作は、原題が『Furiosa: A Mad Max Saga』であることからも分かるように「Saga」(神話的英雄譚)であり、フュリオサという偉人の伝説を物語るというスタンスをとっている。注目したいのは本作がサーガであるというまさにこの部分。この映画で描かれているのは、例えばイエス・キリストの半生であるとか、源義経=チンギス・ハーン説とか、そう言った眉唾物の伝説と同じようなもの。かつて存在していた女傑フュリオサの神話を後世の人間が語っている、というような建て付けであり、描かれている事の全てが真実ではない。
フュリオサに関して性的描写が一切ないことも、聖母伝説にはつきものである処女性の表れであると看做すのが自然だろう。あんな男だらけのところに美女が1人迷い込んだら、普通なら『エイリアン3』(1992)みたいに「やべーぞレイプだ‼︎」案件になっちゃいますもんね。
”物語ること”それ自体を物語にしてしまっているという、本作も前作とはまるで違うベクトルではあるものの超変化球であることには変わりはない。巨匠ジョージ・ミラー、普通の映画には興味がないし同じような映画を2度は作らぬ!…という事なのだろうが、観たかったのはロックンロールライヴなのよねー。
ハードロックバンドだと思って観に行ったらプログレが始まったみたいなガッカリ感。まぁそれが好きな人も居るんだろうけど、そこは相性っすかね。
相変わらずのマッドな世界観は健在なのだが、148分という長尺は頂けない。タイトな時間でピリッと締めるというのが『マッドマックス』シリーズの美点だった。短いからこそこの狂った世界に興奮出来たのだが、それが2時間30分も続いてしまうと流石にちょっと見飽きてしまう。この緩い時間感覚、やはりジョージ・ミラーも老いたという事なのだろうか。
首を傾げたのはフュリオサのメンターであり恋人、ジャック。この人ものすごくマックスっぽいんですよね。オルタナティブ・マックス。
「今回はマックスが主人公ではありません!フュリオサです!」と宣言しておきながら、なぜマックスもどきを登場させる必要があったのか。そんなキャラを出すくらいならマックス主役の『マッドマックス5』を制作すれば良いじゃん。
しかもこのキャラ、出てくる意味があったのかなかったのかよくわからん薄味さ。命を落とすシーンも曖昧で、「ん?あれであのマックスもどき死んだの?」なんて思ってしまった。「40日間戦争」をオミットするなど、本作は普通なら盛り上がりのピークに達するような場面をあえて描かないようにしている印象を受けた。その事についてはミラー監督なりの考えがあるのだろうが、大した盛り上がりもなく退場させるようなキャラなら最初から出さなければ良いじゃん。ジャック関連のエピソードを省けば120分以内に収めることも出来たんじゃない?
前作とは全く違ったタイプの映画を作る。その事自体は良いと思うが、カーアクションにもキャラクターにも、前作を上回るインパクトはなかった。そこは大いに問題があると思う。期待しすぎたこちらも悪かったが、『RRR』(2022)とか『トップガン マーヴェリック』(2022)とか、近年ゲーム・チェンジャーとなるようなとんでもないアクション超傑作がいくつか生まれているわけで。そういった作品たちと比べるとアクション面でもストーリー面でも本作はあまりに地味。悪くはないのだが、”ガッカリ映画”というカテゴリーに入れざるを得ない。
元々は前田真宏さん(同郷の大先輩!)を監督に据えてアニメ映画にするつもりだったという話だが、確かにこれはアニメ向きの企画だったかもね。
※一部の頭リクタスが「ポリコレが〜」「フェミニズムが〜」と騒いでいるらしいが、ミラー監督は80年代から”女性の戦い”をテーマにした作品を作り続けてるから!せめて『イーストウィックの魔女たち』(1987)とか『ロレンツォのオイル/命の詩』(1992)、プロデュース作品『デッドカーム/戦慄の航海』(1989)、『囚われた女』(1989)くらいは観てから物申せつーのっ!!💢
あのエンジン音を映画館の音響で聞けるだけで最高!
怒りのデスロードは家で観たけど家と映画館で迫力と音がぜんぜん違かった!
迫力だけでなく、話も面白かったので2日連続で観に行ってしまいました!
あの体に響きわたるようなエンジン音は映画館の音響で聞けてよかったし、アニャ・テイラー=ジョイやクリス・ヘムズワースの演技も役にハマってた!アニャ・テイラー=ジョイの目力は特に凄い!
そして大迫力のアクションシーンも文句なし!
凄く面白かった!最高の映画体験でした!
フュリオサの物語完結
IMAX、4DX、シネマシティの爆音と鑑賞しました。
IMAX は映像、音響共に非の打ち所無し。
4DXは、何度も椅子から落ちそうになるくらいの激しい揺れに、シートベルト必要だろと、思ってしまいました。
また吹き替えであるため、フュリオサとジャックの会話がより濃厚なものとなっています。
爆音は、前作よりもかなり控えめとなっていましたが、
重低音は他の追随を許さない、流石としか言いようのないものでした。なにより、オープニングのエンジン音にやられます。これはシネマシティでしか体験できないものですね。
Dolby は未鑑賞なので、来週にでも行こうかと。
ラストシーンはシャーリーズ・セロンさんですよね?
アニヤさんcute過ぎますね。
次作ウェイストランドは、恐らく、イモータンジョーの支配する町にたどり着くまでの話で、マックスにとって最悪の話になるでしょうし、バッドエンドでしょう。あくまで、私の願望ですが。
1.戸惑い 2.GTレーザー迫力満点 3.4DXライド感最高
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が面白すぎたので
期待値を高くして鑑賞したためか、
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の驚きを
超える体験がなかった映画だったことが残念でした。
ディメンタス将軍のバイク軍団が
イモータン・ジョーの砦に乗り込む展開までは
ワクワクする雰囲気がありましたが、
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の驚きを超える体験はなく、
特に後半のナレーションで
バイク軍団とイモータン軍団のバトルを省略してしまう展開は
残念でした。
ジャンキーXLの音楽が焦燥感をあおってきた
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」と比べると
「マッドマックス:フュリオサ」は音楽で
焦燥感をあおってこない演出だったこともあり、
ウォー・タンクとバイク軍団のバトルは
体験してるというより
俯瞰で観察している感じがして
撮影の手間の割に驚きの少ない映像だったのが
もったいないなと思いました。
ガスタウンやバレットファームは、
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」では
チラ見せ程度だったので
強引な設定でも、
まぁそういう街もあるかもと思える設定でしたが、
「マッドマックス:フュリオサ」で
しっかりと街の様子を紹介されてしまうと
ガスタウンはキャベツの量と群衆の人数のバランスが気になったり、
バレットファームは弾丸の製造工程を見せないため、
原材料の供給などが不明なまま、
大量の弾丸を製造する「謎施設」感が強調されてて
もうちょっと説得力ある設備の見せ方をしてほしかったなと思いました。
なんでもありの「謎設定」をOKにしてしまうと、
手間をかけて撮影しているはずのアクションシーンに
貴重な資源をつかった切実な戦いという緊張感がなくなるので、
もったいないなと思いました。
(タイヤを貴重品として扱う描写があるのに、
「謎設備」をみせることで貴重品の緊張感が減る。)
そして
ディメンタス将軍は
どうしてもマイティ・ソー感があり、
衣装デザインはもう少し別雰囲気のデザインにした方が
「マッドマックス」な気分で
フュリオサの復讐劇が楽しめたかもと
思いました。
登場したときは、
ギャグ担当のやられ役かと勘違いしてしまった
なっちゃってマックスみたいなウォー・タンクドライバージャックの
バレットファームでの爆走も
撮影の手間の割に驚きの少ない展開だったのが
もったいないなと思いました。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」での
フュリオサの故郷絶叫を見てしまっていると、
故郷へ帰るという思いより
ディメンタス将軍を倒す思いを緊張感もって描けば、
興奮度高い映像体験ができたのになという
贅沢な不満をいだいた5作目でした。
「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」で
クローン大戦の映像が紹介されるまでは、
クローン大戦という言葉と文字には
いろんな想像の余地があった・・。
「マッドマックス:フュリオサ」で
若きフェリオサとガスタウンとバレットファームが
映像で紹介されてしまった事で
それらの設定に想像の余地が広がればよかったのに
余地は削られてしまったな・・と思う映画でした。
という
初回感想でしたが、
「マッドマックス:フュリオサ IMAXレーザー/GTテクノロジー2D」
字幕版を鑑賞したら、
初回より
なんちゃってマックスのアクションもかっこよく、
オクトボスの心情の流れも理解でき、
迫力満点で面白い映画になりました。
クランキー・ブラッキーのエンジン音も
重低音がすごかった。
子役のフェリオサのクレーンドッグマンアクションも
身体能力高くておおっとなった。
2015年発行の
コミック版「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
を再読してから
「マッドマックス:フュリオサ 4DX2D」
吹替版を鑑賞したら
ウォータンクvsオクトボスチームの
バトルは振動演出が素晴らしく、
3回目鑑賞でも
興奮度の高いアトラクションの楽しさを味わえました。
赤い空を撃ってたウォーボーイが
ウォータンク製造開始の際並んでいたり、
40日戦争でクラッキー・ブラックのタイヤ交換してるのに気づいたりもした。
また
車両のバリアントとクラッキー・ブラックの
ライド感も臨場感があり
追加料金の価値ありでした。
以下 おおっと思った4DX効果ネタバレ
宇宙から緑の地へズームアップの際の座席移動
序盤の砂漠でのバイクスライドの足下風
砂嵐の送風演出
赤い空水を地面に発射する際の水演出
バレットファームでのスナイパー銃撃の水演出
ディメンタスへの水筒水滴
ディメンタスのラスト水滴
もう少しアニャを観たかった
前作は映画館で鑑賞。何となく覚えている程度。その前の作品は未鑑賞。
大河ドラマのように、主人公の幼少期のくだりが長くて、子役の演技がつづく。
その子役の女の子はアニャの子供時代と言われて何の違和感もないし、演技バッチリなので、何の問題もないのだが、
アニャもう少し観たかった
彼女の過去作で存在感のある姿を見ていると、
出演時間が短い、顔を覆っていることが多い、しゃべらない となると
ちょっと物足りなくなる
とはいえ、アクション映画としては楽しく鑑賞
次から次と、砂漠でのチェイスがあり、退屈しない
腕がもげてもすぐに復活、どこで訓練したのか凄腕狙撃手、
あの美貌で何年も女性だとばれない、でも隙間から見える眼力、
さすが、フュリオサ
ラスト、クリスはしゃべりすぎです
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