マッドマックス フュリオサのレビュー・感想・評価
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過去作の評価も上がった
今回マッドマックス フュリオサを見て、それに関連して自分としては珍しい経験をしたので 拙い文章ではありますが報告をさせていただきます。
本題に入る前にお断りをさせてもらいますが、とにかく私はマッドマックス 1と2が大好きすぎるオッサンなのです。
マッドマックスシリーズは全てリアルタイムで見てきました。
DVDも2本、年に数回は見てます。
ジョージ・ミラー監督とメル・ギブソン演じるマックスとV8インターセプターが大好きなんです。
だからサンダードームはイマイチなんです。困ったもんです。
そんな大好きなマッドマックスが約30年ぶりに新作が公開されて、喜び勇んで見に行きましたよ、はい。
注意⚠️ここからは映画好きではなく、ただのメル版マックスとインターセプター好きの親父の程度の低い暴言がしばらく続きます。デスロードファンの皆様お許しをm(_ _)m
冒頭の数分で……正直ガッカリでした
最初の立ちシ○ンのシーンから(違ーう!!)と心の中で叫んでました。
メルのマックスだったら立ちションなんかしない!いやするだろうけどこんなカット入れんやろ!もし仮に入れたとしても佇まいからして違うのよ!誰なのコイツ?!(トム・ハーディのことは当時全く知りませんでした)
…ま、まあいいや、インターセプターがまた見れるだけで幸せだ!
おっと、早速カーチェイスが始まるぞ!楽しみだ!たのんまっせ!
って、早々にやられとるやないかーい!横転しとるがな!えっ?ウソやろ?!インターセプターこれで終わり?このマックス運転ヘタかっ!ヘタクソかっ!んで車の前に縛られとるやないか!北斗の拳のジャギが被ってる仮面みたいなの付けられて!こっちが本家やのに逆輸入か!
あと、改造されたインターセプター見て「俺の車だ!」って何回も言い過ぎやねん!メルはそんなこと言わんぞ!マックスのキャラ違いすぎ!もう帰りたい!(絶望)
あ、そこのデスロード好きなあなた、石を投げるのはおやめ下さい汗
えー……映画って、観る視点というのは人によりさまざまですが、私のような偏った観賞をしてはいけませんよ、マジで。
普段は私も普通に映画を楽しんでるんです。こんなレベルの低い見方なんてしません。いやほんと。
こんな見方をしてしまう程にメル・マックスが、インターセプターが大大大好きだったんです。マッドマックスだけは正常な状態では見られないほどに好きなんですぅ!ジョージ・ミラー監督のせいだ(震え声)
結局最後までちゃんとした映画の楽しみ方が出来ずに終わってしまいました。フュリオサ役のシャーリーズ・セロンは好きな女優さんでしたが彼女でさえあまり印象に残ってないほどでした。
その当時の怒りのデスロードに対する私の評価は「クソつまらない映画」でした。決して正当な評価ではない事はわかってますがどうしようもないのです。前作までの記憶を消して観たかった。
(俺のマッドマックスはやはり2で終わってたのか)…そんな気持ちのまま9年の歳月がすぎました。
マッドマックスの新作が公開される?マッドマックス・サガ?フュリオサ?あー、なんかそんな名前の片腕義手の女性出てたっけ…前日譚ってことはマックスは出ないのかな?くらいの認識で観るつもりはありませんでした。もう私のマッドマックスは終わってましたから。
しかしポスターのフュリオサの、あの印象的な目、怒りを内に秘めたような燃えるような眼差しを見た時になにか惹かれるものを感じ(主演のアニヤのことを当時の私は知りませんでした)、せっかく今までシリーズ通して見てきたのだし、あまり期待しないで見てみるか…。それくらいの気持ちで映画館へ行きました。
結果、
いやめちゃくちゃおもろいやんけ!!
フュリオサという人間を形成した過去は壮絶だけど 復讐心を生きる力に変えるフュリオサのメンタル凄すぎ!ディメンタスも味があって非常にいい!
カーアクションもさらに進化してて凄い!過去作のオマージュ的な場面もチラホラ。
一瞬、(え?ここからマッドマックス2始まる?)と、勘違いしてしまう場面もあって、ツッコミ所もいろいろあるけれど最高に面白かった!ヒャッハー!
と同時に無性に怒りのデスロードが見たくなってきた!
当時はマックスの呪縛にかかっていた私でしたが 今なら楽しめそうな気がしてきましたよ!
というわけで早速アマプラで怒りのデスロードを9年振りに見直しました。
感想は…
めっちゃおもろいやんけえぇぇ!!
おそらくシリーズ中最も単純なストーリー。行って帰ってくる、それだけ!なのに、いや、だからこその疾走感が半端ない!ストーリーは単純と言ったがその世界観や設定は緻密であり 次作へと繋がる部分をさりげなく織り込ませてあるのは見事。そしてそのストーリーを全てアクションで見せていくやり方はジョージ・ミラー監督の得意技だと思うが今回はそれが際立ってた!なんで今までちゃんと見なかったんだ!見れなかったんだ!(大後悔)
トム・ハーディのマックスも、これはこれで まぁいいかも、、な、、くらいには印象アップしましたよ笑
フュリオサに関してはシャーリーズは美しさの中に強さも併せ持つ姿を見事に体現してとても魅力的だったが、アクション面で言えば ほぼほぼウォータンクに乗ってて(女性達を緑の大地へ連れていくという設定上仕方の無いことだが)銃をぶっぱなしてる場面が多く、欲を言えばバイクや小さめの車でのカーチェイスなんかも見たかったなーという欲求が 今回のフュリオサでは見事にその部分が補完されてて、個人的にはアニヤのフュリオサの方がフィジカル面では優れてたような気がします(ウォータンク上の戦闘とか)。長髪と黒塗りの顔面と特徴的な大きな瞳、、アニヤもまた魅力的なフュリオサを作り出してますね。
ただ後半 坊主頭にしてからはそれまであまり気にならなかった体の細さ、華奢な部分が強調されてしまい、最後のディメンタスとの対峙のシーンではそれが若干気になりました。前作が坊主だったのでそれに合わせたんでしょうが、坊主にするのは最後の最後でもよかったような気がします。
とにかく今回フュリオサを見てよかった。なにより楽しかったし、そのおかげで前作 怒りのデスロードの魅力に気づけた。
普通、一回見てつまらないと思った作品って再び見ることは無くて、その作品に対する自分の評価は「つまらない 」で終わってしまい忘れられていきがちですが、今回のような経験はおそらく初めてじゃないでしょうか。
とにかくあと数回はフュリオサを見に映画館に足を運ぶのと、自分のマッドマックスDVDコレクションが将来近いうちにもう2本増えるのは間違いありません。
(サンダードームもこの際 見直して見ようかな笑)
長文 駄文、失礼しました。
前作が凄すぎた
フュリオサ視点のマッドマックス外伝
前作、怒りのデス・ロードに登場した女戦士フュリオサを主人公に少女時代から成人するまでの半生を描く今作、前作はシャリーズ・セロンが演じたが、今作では成人した彼女をアニャ・テイラージョイが演じる。
このキャスティングを聞いた時、華奢で妖精的な役が多いテーラージョイで大丈夫なのだろうかと思ったが、結果なるほどと納得。
テイラージョイの魅力はずばり印象的な顔だ。もっというなら目。
そして、この映画の主題は彼女の目、眼差しのストーリーなのだ。
少女フュリオサは暴力が支配する世界で緑のオアシスのような隠れ里で育つ。
しかし、ディメンタス(クリス・ヘムワーズ)のバイク軍団にさらわれてしまう。
フュリオサを救おうとした母は目の前で惨殺されてしまう。
それを彼女は忘れまいとしっかり目に焼き付けた。苦難の道のりの始まりだ。
軍団に囚われの身となったフュリオサはディメンタスの暴力による支配を目に焼き付ける。
成長したテイラージョイのフュリオサの眼差しは眼光鋭く破壊的。
VFXで強調されていると思うが、映画はテイラージョイの眼差しを象徴的にクローズアップする。
フュリオサは寡黙だが目で語る。なるほどそのためのテイラージョイなのだ。
女戦士の成長譚であるため、怒りのデスロードのノンストップハードアクションに比べれば控えめに感じるかもしれない。
その辺りが、マッドマックスの本流男性ファンには物足りない評価なのかもしれない。
原題はFURIOSA A MAD MAX SAGA 。ジョージ・ミラー監督は登場人物の過去や現在を行き来し、壮大なマッドマックスサーガを語ろうとしている。
ハードアクション一辺倒ではなく、核戦争で文明が崩壊した世界がどうなるのか。
今後もその神話的世界がどう展開するのか楽しみだ。
フュリオサの復讐はなし得るのか、その示唆的な結末が語りかけるものは・・
この一級娯楽作はIMAXで観ることを強力に推奨する。
怒かる
毎回変わるテイスト
Mad Maxは毎回、雰囲気と形が変わる。監督はまるで同じ雰囲気と話運びを意識的に避けているようだ。車との追跡という点では同じだけれど状況が異なる。今回は年代記のような構成だった。前回を期待してみるとちょっと違うと思う。それでも大がかりな爆音と疾走はわくわくする。そして最後には主人公と悪党は少し哲学的な会話を行う。ただデイメンタスが悪党に見えない。悪党の冷ややかなところがない。Maxのような主人公の相棒も鋭い所がない。要するにミスキャストだからだ。最後に話の運びを見せるために前回のシーンが付け加えられている。するとやはり前回の方が面白かったなーと思ってしまう。これはない方が良かっただろう。
CGはすごい景色を作り出せるけれどあの肉弾の恐怖が薄れる。それは発展なのか退化なのか?犬が足をくわえてやってくるシーンがある。これは用心棒だ。この監督は様々な映画特に黒澤明をよく見ているようだ。実はかなり高度な映画制作のテクニックを持っている監督だ。巨費をかけなくてもMad Max2のような線で新たな地平が見えるかも知れない。
最高です!
前作との整合がいまひとつ
★3ですが、長々と文句しか書いていません。
2015年のフューリーロードとはテーマが違うので、映画のジャンル自体別物だということは理解していても、全体的にちょいと雑だなという感じがしました。
以下、文句の箇条書きです
1・あのSKSカービン
冒頭、フュリオサの母が構えたのを見て、私は何度も静かに小膝を打ちました。フューリーロードで、フュリオサがマックスの肩にレストした状態で撃つ、あの銃です。はいはいはい、あれはお母さんの銃ね、なるほどね~となったのですが、同じようなSKSカービンが何挺も登場して最後の方はよく分からなくなってしまいました。
そこは、あの母親の銃ってはっきり分かった方がよくないか?
2・フュリオサの器用さ
マックスがキングオブ陰キャなら、フュリオサはクイーンオブ陰キャ。両方飲み会では「ソッスネ」しか言わない。そういうタイプだと思ってました。
しかし、本作のフュリオサは、母親を殺したディメンタスにしても、女性を物扱いするイモータンジョーにしても、特別扱いされるのがデフォルトというか、気づいたらいい立ち位置にスポっと収まっているんですよね。逃げ出せるタイミングでも男装してちゃっかり戻るし、子供時代から中々器用に立ち回るなと。
あと、自分のために作られたか分からないものを、結構ぱっぱと持って行きます。
3・左腕の地図
悪い大人たちが「これは何?」って興味津々で聞き始めたとき、私はまた勝手に小膝を打って、「これは、緑の地を守るために自分で切り落としたな」と想像していました。
その腕、クレーンに残していって大丈夫かと。
4・ディメンタス
ちょっとプレイングマネージャーすぎて、もう少しどっしり構えておいてほしいんですけどね。ヒューマンガスとウェズの間ぐらいの人でした。会社組織だと、関わるとややこしい係長ぐらいじゃないでしょうか。本棚に「嫌われる勇気」が置いてありそうなタイプの。まずは、「ついていきたいと思われるリーダーになる51の考え方」を読んでほしいです。
5・ジャック
ジェネリック版マックス
どうして、ビジュアルをモノマネ芸人ぐらいの半端な絶妙さで寄せてくるのでしょう。全然違うキャラでいいじゃないですか。あの見た目でタンクローリーを運転している姿は、マッドマックス2と被るんですよね。退場もやたら適当でした。
6・フュリオサの子役
アリーラブラウンという名前の女優ですが、大人フュリオサ役のアニャテイラージョイにバトンタッチしたとき、目の形だけではどちらか分からないぐらいに似ていて、驚愕しました。このキャスティングは奇跡だと。あとから調べたところ、子役の顔をAI補正でジョイに似せていたことが分かり、今度は膝の裏を打ちました。
それは、子役にクソ失礼では?
補正するなら、ブラウンとジョイの両方を変形させて、真ん中の地点に寄せろよと。
7.リメンバーミ―
フューリーロードでの、フュリオサの決め台詞です。
片腕がなく、坊主頭。イモータンジョーの部下でありながら、実は宿敵。一体、どんな過去があったのか。幼少期に親を町ごと焼かれたのか、何かの因縁で腕を切り落とされたのか。前作から十年近く、それはずっと頭の片隅にありました。今回答えが出たわけですが。
普通に会っとるんかーいと、背もたれがなかったら後ろにコケていたと思います。
フュリオサはディメンタスにも同じことを聞くので、前作での台詞も初老向けの認知クイズに思えてきました。
8・左ハンドル
アメリカの車が、どうして、世紀末のオーストラリアに、ある? (これは前作でも思いました)
9・マックス
お前は、ずっとそこでソロキャンしてたんか?
※演じたのがトムハーディのスタントマンなので、立ち姿はよく似ていました。
あと、片腕になったフュリオサを洞窟まで引っ張って助けたって解釈でいいんですよね? もし面識があるなら、前作で水をがぶ飲みした後「フュリオサやんけ、ワレ」と言いたかったのにまずボコボコにされた可能性もあるわけで、それはそれで悲しい。
前作とのつながりを考えるとあちこち変ですが、それを忘れることができれば面白い映画です。
暴力でケリをつける時代では無くなったのかも〜
なんと言っても、
アニヤ・テイラー=ジョイの目力!!!
小さな顔面の3分の1が目に感じるくらい!
荒廃した地球の最後の楽園から連れ去られた少女、
そして楽園の場所をよそ者に知られて荒らされないため
よそ者を追って疾走する少女の母。
砂煙を上げて砂漠を疾走するバイクと
砂の丘陵からライダーを狙撃する母スナイパー。
冒頭からグッと引き込まれます。
なんだかんだあって、少女は大人になり
故郷の楽園に帰るべく、過酷な状況を
己の知恵と機転で生き抜くのですが〜〜
マッド・マックス未鑑賞の人も、
ここから始まるので入りやすい話になってます。
逆にマッド・マックスシリーズ未鑑賞の方が
純粋に楽しめるかもしれません。
アニヤ・テイラー=ジョイが体を張って
自力でアクションに挑んでいるようで、
それプラス、大きな大きなトレーラーが疾走する本作。
是非とも劇場でご覧ください。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
マッド・マックスは前作の「怒りのデス・ロード」
からの鑑賞なのでそれ以前の話は全く知りません。
が、ヒットした前作と比べてしまうので
前作に比べるとちょっと派手さが少ない気がしてしまう。
特に、イモータン軍団とディメンタス軍団の直接対決!?
が、え〜〜〜???
さらに、復讐の仕方が〜〜??なんですと??
このへんが前作ファンにはモヤモヤになってしまったかも。
ただ、今のこの時代、
リアルに世界で暴力が拡大しつつある時に
暴力に暴力でケリを付ける結末だったら
それはそれで、問題かもしれない。
そのことを監督が意識して
この結末になっているのだとしたら
監督の勇気に敬意を表したいです。
お前は、わたしのことを覚えているか
怒りのデスロードから9年あまり。
マッドマックスシリーズ70年代~80年代半ばまでの、メルギブソン主演時と、前作。
世界観は大きく変わらず、荒廃した世において資源の奪い合いを軸に描く。
人間の狂気、欲望、怒り、執念を圧倒的激烈アクションと共に描かれる砂漠の世界。監督ジョージミラーの執念が、こちらにのりうつるかのようだ。
今作は、前作怒りのデスロードで新たなヒロインとなったフュリオサ誕生の物語。
物語の骨格は母を殺され、自らも傷つけられるフュリオサの復讐劇。
フュリオサを演じるのは若手俳優アニヤテイラージョイ。
前作シャーリーズセロンが圧倒的骨太さで力強く演じたフュリオサ。彼女との比較にどうしてもなってしまい、確かに
少々小ぶりで線の細さは否めない。
だが、ほとんどセリフがなく、表情、しぐさ、行動で怒りを表現し、なによりインパクトだったのは怒りに満ちたまなざし。強烈であった。
凄まじいアクション、カーアクションもそつなくこなし
新たな哀しみに満ちたヒロインを見事に演じている。
アカデミー賞にもノミネートされた前作で、物語にフェミニズム的視点が入っている点も評価されていたのではなかったか。
マックスの物語であるとともに、最後はフュリオサの覚醒、女性たちの解放のシナリオでもあったからだ。
資源争奪の狂気の争いの中、子孫を残す道具としてだけ扱われる女性の解放、行って帰ってくる物語ともいわれた。
Gミラーの視点が今、という時代を見事に捉えている。
マックスの人生も変え、イモータンジョーのカルト的支配から覚醒していくウォーボーイズもまたフュリオサが起点となる。
前作があまりに巨大激烈なインパクトの作品であったため、
今作は比較されると作品としては、やや勢いに欠けてしまう面は感じられるかもしれない。が、それでもVFXと共に描かれる、アクションなどのスケール感は遜色ないのではなかろうか。
凄まじい砂嵐の中、追いつ追われつのカーアクションがこれでもか、とロング、ショットで描かれる。
ラスト、自らを傷つけ辱め、母まで殺めるディメンタスに銃口をつきつける。わたしを覚えているか、と。
初作においてもマックスが妻子を殺され、仇を打つ物語。
2作目で荒廃した世界観を確立し、今作まで続くベースに
仕上げ、ここまで表現してきた監督Gミラー。
御歳79歳。そのパワフルな映像表現には脱帽する。
忘れられるはずのない物語である。
引きずり込まれる
もう冒頭から集中力を持ってかれる。
ビジュアル的な世紀末の描写も、精神的な世紀末感も凄まじい。下地がいいと言うかなんと言うか…1979年に打ち出した世界観やビジュアルが2024年になっても色褪せる事はなく…寧ろ異彩を放つというか、煌めきを放つというか、極上だ。
物語もちゃんと整理はされてて、見やすかったと思うのだけど、感覚的には見たというより体感したような没入感がある。圧倒された148分だった。
その世界観を背負い立つ、幼い頃のフェリオサが…まぁ見事。アレはなんなのだろう?新人類とかなのかな?ちょっと非凡過ぎる才能の塊のような俳優さんだ。
全く埋もれない。
負けもしない。
超大作の冒頭の数十分を牽引していく。
…監督の演出もあるのは勿論だけど、それにしても目が離れない。彼女の目に映る世紀末を追体験していくような感覚にもなる。
いわゆる「怒りのデスロード」以前のフェリオサが描かれるのだけども、骨組みは凄くよく出来てたと思う。
彼女の内面が分かった分、前作のフェリオサの慟哭の意味もより深く理解できる。
故郷に帰る為、世紀末に種を植え続ける為に暴力が支配する荒野を生きる。
生き抜く術を覚え、鉄騎を駆り、血に塗れても尚、尊厳を失われも奪われもしなかったのには、そういう確固たる信念があったからなんだな。
今作のアクションも凄まじい。
CGの恩恵も勿論あるんだけれど、アングルがいちいち気持ちいい。新型のタンクローリーが襲われるとこなんて、てんこ盛りでお腹いっぱいになってもいいようなもんだけど、麻薬のようにもっともっとと欲しがってしまう。
セカンドユニットがおそらくスタントパートを撮ってると思うんだけど、監督のガイなんとかさんはホントにいい仕事してくれた。
そのアイディアを実現させたスタントチームにも拍手喝采だ。机上の空論にせず、ちゃんと実現させたのだから。
もう、どこをとっても隙がない。
一回、無音というか爆音が轟かないシーンがあって、タンクローリーからフェリオサが蹴落とされるとこなんだけど、あの喪失感ったら…極上の演出だも思う。
砂漠の広大さと無慈悲さが際立つ。
何が起ころうと折れなかったフェリオサになす術がない。「無力」取り巻いてる砂漠から断定されたようにも見えた。
名作と呼ばれる事はないとは思うのだけど、映画史に残る一作ではないかと思う。
なにせ、他に類を見ない。
なぜだかファンタジーを感じないのだ。
説得されちゃう。
あとはフェリオサ愛だろうか。
監督はフェリオサを通して何かを語りたかった訳じゃなくてフェリオサを語りたかったんだろうなぁと思う。
すげぇもんを見せられてしまった。
日本映画がこの作品の境地に行き着く未来はあるんだろうか?…無いんだろうなぁ。ムカつくなぁ。
スピンオフとしての役割
マッドマックス(1979)
マッドマックス2(1981)
マッドマックス/サンダードーム(1985)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015)
マッドマックス:フュリオサ(2024)
原題でFuriosa: A Mad Max Sagaと記されている通り、本作で5作目となったマッドマックスシリーズ。
サンダードームから怒りのデス・ロードまで30年。
よくまあくじけずに続けられたものだと、感心するばかりである。
2025年にリリースが予定されている小島秀夫監督作品デス・ストランディング2ではキャラクターとして出演する1945年生まれのジョージ・ミラー。
80歳にしてまだまだ活動が衰えることはなさそうだ。
また、本作のフュリオサ役においてシャーリーズ・セロンは「私なら若返ったフュリオサも演じられる」と語ったそうだか、そのフュリオサ役のアニャ・テイラー=ジョイの強烈な個性はまさに若き日の怒れるフュリオサそのものである。
さて、サーガはこの先一体どう展開して行くのか、楽しみで仕方がない。
単なる続編ではない作り込み
4DXで視聴。字幕ではなく吹き替えだったのは誤算で、また見直しに行かねばならない。
前作は行って戻る、というストーリーだったけど、今回はフュリオサの生い立ちが語られる点で単なるロードムービーではない。
残酷なシーンはさりげなくマスキングされ、万人の楽しめる映画に仕上がっている。
やはり関心はストーリーよりも車やバイクと言った造形なわけで、ディメンタスの古代ギリシャの戦車じみた三連バイク車とか、出来立てピカピカのウォーリグとか、どんな機能が発揮されるのかとワクワクしながらあっという間に映画は終わる。
多くは語られないがディメンタスにも真っ当で子煩悩だった時代があったことが仄めかされる。
前作からの印象とは異なり、イモータンジョーも荒廃の時代を生き抜いた勝者なだけあって、実は優秀な為政者なのかもと思わされたり。
単なる悪役に留まらない人物描写が、単なる前日譚に終わらない深みをこの作品に与えている。
ディメンタスの演説の際に手話みたいなことをしている男とか、賢者とか、もっとよく注目して鑑賞したい人物もいるので、あと何回か鑑賞するつもり。
続編はどうしても偉大な前作と比較され、時には視聴者の思い入れとぶつかったりして不利だけど、この作品もかなりの傑作だと私は思う。
アクション映画の皮を被った金ピカの芸術作品!
前作は「駅馬車」と比較されたが、今作はフェリーニの「サテリコン」にかなり似ていると思った。アクション映画でありながら、ものすごくガジェットにも拘った重厚な作りになっている。桃の種がまさかの結末へと導く――衝撃――。ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの「ヒュラスとニンフたち」という絵画の登場するシーンやディメンタスのマントの色が変わって行く様、フュリオサの髪、警護隊長ジャックがフュリオサへ渡すショットガン、鳥の頭蓋骨のボブルヘッド等、まさにフェリーニ的な小道具の散らかし方が楽しい。終盤のイモータン・ジョーとディメンタスとの40日戦争のくだりを「見せ場をショートカットしている」との意見もあるが、ボクは脚本的にはこれで良かったと思っている。そうでないと、フュリオサをヨハネの黙示録の第五の騎士だと語る賢者のセリフとラストが生きない。また、40日戦争はおそらくイエス・キリストの「荒野の誘惑」をも暗示している。これはきっとフュリオサにとっても【試練】の期間であったに違いない。おそらく観客は、誰かを殺してスカッとしたいのだろうが、この映画の最大のハイライトは相手を打ち負かす闘いではなく――再生――、そのための戦いなのだ。そのあたりが国民性というか、特に北米では受けいられなかった理由かも知れない。まあ、日本ではけっこう検討しているようなので嬉しく思っている。
続編とは
前作はどハマりしてました。
今作は前作ほどの前評判はなく、全米でもそれほどヒットはしていなかったが個人的には満足いく作品だった。
前半の少女時代の部分が長かった。
どの作品でもそうだが、主人公の幼い頃のシーンが長い作品は眠気を誘われてしまう。
少女フュリオサが少し成長している場面なども時間の経過などがわかりづらく感じた。
が、砂漠でのデスロードは前作並みに楽しめた。
死を恐れないウォーボーイの死に様は圧巻。
個人的には前作にも出ていたニコラス・ホルトに出て欲しかった。
ディメンタスのキャラがどうしてもワイルドスピードのジェイソン・モモアに被って見えてしまったでクリス・ヘムズワースだと狂気的な感じが足りないと感じた。
エンドロールも素晴らしく、とても見応えがある作品だった。
すっごく
前日譚だから、そこまで期待して無かった、正直。
蓋を開けてみれば補完以上の出来でした。
映像は勿論何だけど、マッドマックス前回のストーリーで、フュリオサの成長?の物語として様々な紆余曲折がよく描かれていました。
脇を固めるキャラも強烈で話がより一層盛り上がった。
デスロードまた見たくなるなぁ、これ。
しかしほんと、このシリーズ、良い人はほぼ生き残らないなw
ジャックが素敵すぎる。
変わらない名作
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