マッドマックス フュリオサのレビュー・感想・評価
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フュリオサがかわいい 美少女すぎる!アニャオサも良い。ほっそいから...
フュリオサがかわいい
美少女すぎる!アニャオサも良い。ほっそいからとても闘ったり殴ったりできなそうな感じがあるが
最後のシーンでちょっとガタイよくなっててシャリーズセロン?て思った
ストーリー重視といえど前作のストーリーの方がエンタメとしては良いような気がした
今作はキャラ造形が弱い感じがあった。恋人役の信念とか見たかった
特に信念やこだわりを感じるキャラが少ない
フュリオサはキャラが良かった
少女時代の幸せの余韻の描写は大事。
ひたすら生き抜くため、復讐のため、故郷に帰るため機転をきかせつつ戦い走る
怒りが生きる原動力!かと思ったら途中愛のために頑張ってたりなかなか多面的で良い
絶望の中でわずかな希望に真剣に縋っているのがフュリオサの切ないキャラ造形で好きな要素の一つ。前作のその特性も今作では絶妙に引き継いでいた。全然喋んないけど
ディメンタスがちょいワル親父というか夢だけビッグなダメ社長感がすごく、悪役としてはあまり強くない感じが勿体無い。信念と目的も関連性がなく最後説明されないとわからない弱さというか。
前半でワーボーイのフリして突っ込む作戦は良かったんだけど。
ディメンタスがもっと賢く容赦なく強いキャラだったら話は面白かったろうがどこかのタイミングでフュリオサは拷問されそうだしちょいワル親父じゃ無いとあかんか…という感じ。
拠点の詳しい描写があるので地面に穴掘ってウジ虫食べて生きてるっていうのがわかって面白かった
肝心な復讐シーンで説明的なセリフの応酬がちょっと長かったのは勿体無いなって思った
期待に違わぬ出来でした。
期待に違わぬ出来で、飽きることなく2時間30分ノンストップで観賞できました。IMAXだったため、アクションシーンはもちろん、監督がこだわったコスチューム、車やバイクはもちろん、砂漠や工場?アジト?など荒廃したディストピア感あふれるマッドマックスの世界観に没入出来ました。 個人的には最初に出てきたフュリオサの母親役がとても素晴らしくて、導入で観客を一気に引き込みます。 あと終始テンポの良い背景音が流れているのも「次はなにが起きるんだろう?」となんかワクワクしました。 主演と悪役は及第点かな。この手の映画はそもそもあまり演技に期待はしていませんので。 アクション目当てです、はい。 アクションシーンでは、パラシュート部隊や車の後方の一部が回転して攻撃する仕掛け?など今まで見たことないものが出て来て、ミラー監督のアイディアにただただ脱帽です。 映画館で観るのに最高に適した映画です。 もう一本ぐらい、マッドマックスの新作は見られるといいな。ミラー監督、頑張って👍
フュリオサ・サーガ第一章〜第五章
監督は毎度オラオラオラオラドララララァ!MAXの MADくらえやあ! のジョージ・ミラー。 制作初期段階の参加者に、元ガイナックスの前田真宏も名を連ねている長きサーガ。 【ストーリー】 文明世界が核兵器で滅んだのちも、豊穣なる実り豊かな「緑の地」があった。 そこは「鉄馬の女たち」とよばれる強き女性に守られた土地。 緑の地で生まれ育った少女フュリオサは、ある日バイカーの侵入者たちに捕まってしまう。 笛を鳴らして危険を知らせると、フュリオサの母メリーが彼らを追撃し、一人また一人と撃ち倒す。 バイカーたちはボスの「ディメンタス」キャンプに逃げこむも、緑の地の場所を伝える前に事切れる。 砂嵐に乗じてフュリオサを救出するマリー。 だが逆追撃を受け、フュリオサの目の前で処刑されてしまう。 ディメンタスは彼女を生かし「リトル・ディメンタス」と呼んで死んだわが子の代わりにする。 無数のバイクチームの集合体をひきいるディメンタスは、あるとき「シタデル」とよばれる地下水資源ゆたかな砦の存在を知る。 シタデルは「イモータン・ジョー」をあがめる「ウォーボーイズ」たちの狂信集団に治められた土地だった。 みずからの命もかえりみず自爆攻撃をしかけてくる彼らに、ディメンタスたちは一度は撃退されるが、「ガスタウン」をおさえたディメンタスは、シタデルとの物々交換交渉を持ちかける。 子どもを成すことに異常な執着をもつイモータン・ジョーは、健康な女児のフュリオサを交換材料としてもらいうける。 「子産み女」としての生活をはじめたフュリオサだが、隙をついてぬけだしウォーボーイズに混じって活動するようになる。 鉄馬の女の血を引く彼女は、そこで才覚をあらわし重用される。 10年が経った。 強く育ったフュリオサは、警備隊長のジャックが運転する「ウォーリグ(ウォータンク)」にひそんで脱出をはかるが、そこにディメンタスの配下が襲撃してきた。 さあフュリオサです。 前作『怒りのデスロード』で主人公マックスよりも存在感をはなっていた警備隊長フュリオサの前日譚。 というか前作もマッド・フュリオサでいーじゃんってぐらいに中身フュリオサだったし、あの三日間の物語はこの長いフュリオサ譚の最終章、最後のピリオドだったんだなと。 それにしても出てくるキャラクターからアイテムまで、細かい所まで目配りされてて、物語全体に宗教の逸話的なショットが散りばめられてて、ジョージ・ミラーすごいなと。 前作から出てきたイモータン・ジョーもそうでしたが、ディメンタスも異様なカリスマで、立ち位置としては宿敵というよりはフュリオサの儚さと強さを照らすためのスポットライトのよう。 セリフもまた知的で芝居がかっていて『ウォーキング・デッド』の「セイバー」ことニーガンを思いだしました。 あの人も本当にいいキャラしてたなあ。 医科大いってただけあって、監督ってばほんとうに知的だなあ。 毎回のごとく撮影もやばげ。 とくにウォーリグでのアクション、あれどうやってんだろう。 走行中のトラック用タイヤが回ってる真横でのシーンとか、合成だとしてもどうやって撮ってるんでしょうね。 タイヤも背景も合成、いやいやスタジオでスポンジタイヤ回して砂まとわりつかせて地面ほかの背景だけ合成、はたまたリグ浮かせて固定してスポンジタイヤで本当にスタントマン轢かせて、とかいろいろ考えながら見てましまいました。 バイオレンス担当の戦士たちも一目で所属がわかる優れたビジュアル。 みんな生き方も死に方ももれなくバイオレンス。 おふとんの上で家族に看取られるやつなんか一匹も出てきやしないこの一貫性この清々しさ。 もう一つの主人公、改造車もけしからん出来。 あーもうウォーリグで町に出てあおり運転してくる車に「ボミ—ノッカー」回してけちょんけちょんにしてやりたい(危険思想)。 パンフレットのインタビューの前田真宏、アニオタ魂直撃の名前に刹那で涅槃までブヒりました。ああ大丈夫、声はおさえましたよ。まわりに迷惑はかけてません。 MAD MAX第一話の着想を得た話からディメンタスの末路まで話してて、ガッツリ制作に食い込んでたんだなあとうれしくなったり。 シリーズの中では異色な、約15年の作中時間を経過させてフュリオサを追う中で、シタデルやガスタウン、バレットファームといった資源勢力がどのように運営されているかという、世界観を説明する内容にもなってます。正直シタデル以外なら住みたい。 ネクストMAXがどんな作品になるのか、今回のロングショットMAXのようにフュリオサのピンポイント登板はあるのか、まだなにも明らかにはされてませんが、とにかくMAD MAXワールドを深く大きく広げてくれた今作『マッドマックス フュリオサ』。 もうね、作ってくれるなら十年でも余裕で待ちますよ。 だから監督、長生きしてください。
フィリオサが
デスロードにつながる話だとは知らずに鑑賞。 茶番につぐ茶番なデスロードのワヤクチャ感は少なくどっしりとしたマッドマックス。 デスロードでフィリオサが吠えた理由がやっと解る。そら吠えるわな。 ちらっとマックスが映るのが粋ですね。 もっとワヤクチャなイケイケドンドンを楽しめるかと思ったので消化不良。。
「炎のデスロード」と比較してしまう。
アニヤ・テイラー=ジョイは大好きだし、マイティ・ソーも大好きなので、面白く無いわけ では無いのだが、ぶっとび映画の「炎のデスロード」と比べてしまい、イマイチののめり具合になってしまった。
絶妙なヘタレンタス
アニャフュリオサ最高でしたねぇ。子供時代の子も良かった。ディメンタスが想像とは違った感じの悪役で、むしろ「なるほど、だからこそのクリヘムね♪」と納得でした。肩透かし食らった方々もいらっしゃるでしょうね汗 ファンサービスな側面は否めない作品ではありますが、80歳になろうとする方の頭の中から出てきたとは思えない様なはっちゃけ具合は、前作に遜色ないでしょう。前作もタンクローリーアクションがメインと言っても過言ではない感じでしたが、今回のローリーアクションも頭おかしかったですよねぇ笑 最高でした。
怒りのデスロードよりストーリー性はある
前日譚である本作は前作の衝撃やぶっ飛び感はやや弱いものの物語として一人の少女が戦士に変わっていく様は納得出来る物語となっていると思いました
あまりセリフの無いフュリオサの感情が表情や仕草で豊かに演じたアニャ・テイラー=ジョイさん凄かったです
カーチェイスシーンも相変わらずどうやって撮ったのかびっくりするアングルと飛行攻撃がカッコよかっただけにもっと観たかったですね
前作の衝撃で脳が焼かれた状態で観に行ったのでやっぱりアレ以上の刺激を求めすぎた部分があったため、そうじゃなかった事に少しガッカリした部分はある
とはいえあの迫力や砂漠の途方もない広さと砂の山は映画館で観れて良かった
想像以上に良かった!
子役の目ヂカラに、引き込まれました。 いろいろな困難を乗り越えて、ここにきた…その強さが誇らしく感じました。 復讐の先にあったのが、光だったことに⭐︎プラスしました。 終了間近だったけれど、ギリ劇場で観られてよかった!
0としてとてもよく仕上げられている!
デスロードに繋がる、最近のよくあるパターンの 0シリーズではあるのですが、フィリオサに感情移入出来るとても良い構成と編集な気がします どっかのday1に比べるとストーリーに破綻してる所も 先が分かっているけど、それを感じさせない構成で あっという間にエンディングになってしまいました! デスロードは少しコミカルな感じではありましたが こちらその辺りが排除され、変にセリフもないので アクション感が強くて良かったと思います 残念なのがスタートで見れなかったので スクリーンが小さかったり、音がそれ程の 普通の箱だったのが非常に残念です 配信が始まったらフィリオサ→デスロードという 流れでもう一度みたいと思います 気にはなるけど観てない人は是非
前作ほどでは無いが十分面白い
吹替版が一日一上映になってようやくタイミングが合ったので観てきました。 マッドマックス史上最高傑作であったデスロードの女性戦士フュリオサの物語りで、残念ながらシャーリーズセロンは年齢的な問題で出て来ません。若い女優さんですがなかなかイイです。少女時代の子役も凄くイイです。二人とも綺麗な瞳の持ち主で目の演技が特にイイです。 母親とその仲間の女性戦士のアクションも素晴らしいです。大人フィリオサと同等以上に強い気がしました。男性より生命力が強いので砂漠では有利かもしれないな。 海外での評価がイマイチらしいので正直不安はありました。デスロードの前日譚でフィリオサの成長物語的な要素もあるのでパワー不足感は否めませんが、あくまでも前作比ですから。そこら辺のバイオレンスアクションと比較すれば面白さは段違いです。 気になったのは子供時代のシーンが長過ぎだと思います。フィリオサが本物の戦士になる過程を増やした方が説得力があったでしょう。もっとジャック隊長との絡みが見たかった。 上映時間160分にビビったけど、それ程長くは感じなかった。 イモータンジョー役の俳優が先日亡くなったそうで残念ですね。 ワンカットだけ、遠目ですがマッドマックスが愛車と共に出演してます。 嬉しいサプライズでしたね。 エンドロールのキャストの最後にマッドマックスと明記されてました。 前作に繋がるラストがイイですね。 デスロードの続編は是非期待したいですね。マッドマックスがメインで!
4DXでめちゃくちゃ楽しめた
フュリオサの描写が良く、アクションも派手。4DXは油断できないくらいに激しく動く。乗り物でのアクションが多いので、4DXとの相性抜群。ストーリーはシンプルだが見どころも多い。4DXで見て良かった!と思える良作。
デスロードに続く
思ったより丁寧に描いたストーリー、前作とは対照的。でもデスロードに繋がるアクションは、現在。これはセットでもう一回上映してほしい。連続で見たらたまらないと思う。 帰りの車はアクセル踏みすぎないように注意しないと。あのエンジン音が残ってるんで。
ディレクターズカットで追加された削除シーン集っぽい
まずこの後にフューリーロードがある前提で見れば問答無用に面白いです
ジョーさんが調子づけばつくほど「お前!この後!ヒュー😀」と盛り上がりはしますが
この映画を単体で見るとまぁ普通に面白い映画かなってゆう...
フィリオサさんは
ディメンタスに囚われの身とはいえ結構丁重に扱われたり、
何か師匠みたいな人がいい人過ぎたり、
若い女バレしても役職任されたり、集団で雑魚寝できるくらい存在を尊重されて
安全面が確保されているなどあの過酷な世界にしてはそれなりに暮らしてたんだなぁ
というのがちょっと自分には余計な情報だった感じがしました。
あの、女にとって地獄のようなイモータンコミュニティ-の中で育ちながらも、
自我に目覚めて、決起のときをうかがっていた孤高の女戦士フィリオサさんかっけー🤩
というイメージだったので外部から来た人ならそりゃあ裏切って激おこデスロードするよね
...となってしまいました
今回も戦闘シーンは派手でアイデアとかも凄いし、見ていて飽きないですが
あまりにも突飛すぎて、それ実用性ある?普通に危ないし、すぐ死ぬじゃん?
という感じもしました
あと、走るバイクのエンジンと数センチのところでチューブなんてガシガシしてたら顔面大やけどじゃんとか、ディメンタス軍の引き回しセレモニーであほみたいにガソリン消費してこいつら状況わかってんのか?とかディティールで気が散った感じがします。
ただ、これを見ている間も「このままフューリーロード続けてみたら最高だろうな...」
と何度も頭をよぎったのでフィリオサ見てフューリーロード見ればいいですね
フューリーロードは最高
何度でも見たい🤩
イモーターン!
アニャ・テイラー=ジョイ好演
TOHOシネマズ上野にて鑑賞。 公開時から観たかった映画だったが、公開(5/31)から1ヶ月経って、ようやく鑑賞😊 佳作『マッドマックス 怒りのデスロード』でフュリオサを演じていたのはシャーリーズ・セロンだったが、フュリオサの前日譚を描いた本作で主演を張るのは、あの『ラストナイト・イン・ソーホー』でブレイクしたアニャ・テイラー=ジョイ。(Last Night in SOHOでブレイクしたというのは個人的にハマった映画であり、東京映画祭だったかで鑑賞後、公開されてからリピート通った映画) さて、『マッドマックス 怒りのデスロード』はカラー版、モノクロ版も映画館で観たが、あの世界=「核戦争などで地球上が荒廃した世界」を描いており、人間の本能むき出しの物語・描き方が相変わらず見事であった👍 また、物語の切れ目でテロップを出して、内容も緩急付けた演出も良かったと思うが、やはり砂塵の中でのバトルなど戦う場面が突出して面白かった。 一言でいえば、「フュリオサの母親を殺したヤツへの復讐物語」なのだが、そこに様々なエピソードも盛り込んでいて良かったと思う。 上映時間が長めだなぁ……と思ったが、まったく時間を気にせずに観られる極上の娯楽作であった。 やはり、アニャ・テイラー=ジョイの起用もナイスだった。 2~3年前のキネマ旬報に「ハリウッド映画女優は、40代を上手く乗り切れるかどうかで『息の長い女優』となるかどうかが分かれる」という記事があったが、シャーリーズ・セロンはチョット厳しかったか?(確かに現在『息の長い女優』と言われて真っ先に思い出すのはメリル・ストリープだが、ああいう女優は少ない。) 「エンドロールは長そうだな…」と思っていたら、一行に数名を横並びに表記させており、「あれが『1人1行』使っていたら大変な長さになった」と思うが、エンドロールの工夫にも感心した。それでもエンドロールは長めだったが……😅笑 <映倫No.60018>
前日譚だからこそなんだけど…
前作からの期待+アニヤ・テイラー=ジョイが好きだから楽しみにして観に行った 「なぜフュリオサは…」という内容はすごく良かったと思う ただ、自分はマッドマックスにここまでのドラマは求めてなかったのかもなぁ 前作の何とも言えない興奮は今作には感じられなくて、「すごいアクションが良かった」って感じ それにしても、幼女→少女のフュリオサを演じた2人は、ほんとにアニヤ・テイラー=ジョイの幼女・少女の時なんじゃないかと思うほど雰囲気そのまんまだったね そのぐらいフュリオサとしてハマっていたということか そして、クリス・ヘムズワースもハマり役だったね🤣 クリス・ヘムズワースが出てきたら「たぶんこんな役なんだろうなぁ」と思ったまんまの役で逆に嬉しかったわ むしろ、この映画は先にこっちを観てから前作を観たほうが興奮するかもね エンディングが前作の予告みたいになるしね
スピンオフとして100点
2015年に公開され、誰もが認める大傑作となった「マッドマックス 怒りのデスロード」の9年振りとなる新作「マッドマックス フュリオサ」は前作の世界観を活かしつつ語り口が180°変わった、全く新しいマッドマックスであった。 そもそも、前作「怒りのデスロード」の語り口とは、常にアクションで語るというものであった。アクションシーンがとてつもないことは言うまでもないが、その上深みのあるキャラクターを説明し過ぎず、アクションによって浮かびあがらせる事で、見てる側も体験型アトラクションに参加しているような、いい意味で振り回されるような映画である。アクションの裏にそびえ立つ大きな世界観、読みとりがいのあるキャラクターの成長という圧倒的ドラマという作りが新鮮で、振り回されながらも圧倒される、私の人生においても印象的な映画体験であった。 そんな特徴的な「怒りのデスロード」とは語り口が180°違う、とはどういうことか。前作が気分あがりっぱなしの2時間、映画内では3日間を描く、とてつもないスピード感のある映画であったとするならば、アガることがあるにしてもその先の虚しさを描くアクション、フュリオサの体感時間を表すような2時間半、映画内で15年という月日を描いたということだろう。つまり言うと、前作と比べて言うならばペースはスローで長く感じる部分もある作品である。だがしかしそれはもちろん意図された作りであり、前作に比べてもより複雑で、単純なアクション大作にはしないぞという思いを感じた。 アガりきらないアクションとは言ったが、もちろん面白いアクションシーンは沢山ある。中でも満場一致で面白いと話題にあがるのはやはり15分間に渡るウォータンクのカーチェイスシーンだろう。前作は2時間ぶっ通しでウォータンクアクションを描いていたので、15分ではあるがある意味その進化版を見ることが出来る。前作になかった空からの襲撃、空中戦、ウォータンクの下を使ったアクション、またボビーノッカーという名前の必殺技など、他の映画のカーアクションシーンでも見たことの無いようなケレン味溢れるシーンだらけで最高だ。またこのアクションシーンはフュリオサとジャックという新キャラクターが初めて心を通わすための場面としての機能も果たしており、「怒りのデスロード」で見られた「アクションを通じての会話」という文法も見られ、さすがはド直球アップデート版と言ったところか。ただこのシーン、個人的には非常に惜しいというか、やはりアガりきらないシーンでもある。こういうアクションシーンで大事なのは、主人公がこのアクションにどんな思いで臨んでいるか、ということがひとつある。前作の「怒りのデスロード」では「イモータン・ジョーの軍隊から逃げる。とにかく逃げる。追いつかれたら死ぬ」ということが逃亡アクションに繋がっている、ということがセリフでなくとも伝わり、視聴者に緊迫感を与えている。しかし本作の15分アクションはどうか。ウォータンクが襲われようが破壊されようが、本来フュリオサ本人にとってはどうでも良いことである、というのが若干ひっかかるというわけだ。もちろん、ここでウォータンクが破壊されてしまえばフュリオサは死んでしまうかもしれないし、砂漠に放り出されてしまうかもしれない。しかし、だからといって本当の敵(イモータン・ジョー)のウォータンクを守りたい、というモチベーションは違和感があり、引っかかる部分であった。 その分、ラストのフュリオサがディメンタス軍を追い詰めるカーアクションは最高である。これぞマッドマックス!なスピード感と、生きているキャラクターのような車の存在、このアクションにはフュリオサがディメンタスに復讐したい、というモチベーションがはっきりあり、それも観客と共有されているので分かりやすくアガるアクションシーンであった。ちなみにラストのラストで遂に復讐に乗り出す主人公、という点では、その相手に訪れる残酷すぎる運命を含めてマッドマックス1作目のような空気も感じられると思った。こういう細かいところからも、本作は「怒りのデスロード」のスピンオフとはいえ、マッドマックス全体の精神を受け継いだ、ジョージ・ミラーの創り上げた世界の1つなんだなと思い知らされる。 本作は沢山の魅力的なキャラクターが登場するが、その中でも特に印象的なのはクリス・ヘムズワース演じるディメンタスである。本作のいわゆるメインヴィランで、マッドマックスシリーズお馴染みの頭のおかしい奴ではあるのだが、強烈なカリスマ性のあるヒューマンガスやイモータン・ジョーとはまた違った種類の悪役で、とても深みのあるキャラクターであった。詰まることこのキャラクターは過去のマッドマックスヴィランと違ってとても人間くさいのである。セリフからもわかる通り、世界が崩壊していく中彼は妻と娘を失い、娘の形見であろうかクマの人形を常に持っている、というキャラクターだ。映画の中でも彼が遠くを見つめて何かを思っている、というシーンが多く描かれていたり、フュリオサとジャックを処刑するシーンでは「もういい!飽きた...」などと呟いてしまう始末。またガスタウンを占領しイモータン・ジョーのシステムに食い込む、という本作の事件も、 単に強欲だから、頭がおかしいからという理由ではなく、この崩壊した世界で部下を従えながら放浪するディメンタスがなんとか安定を取るならこう!という理由でやった事のような気もする。ちなみにガスタウンを占領して十数年、やけに疲れたディメンタスが暴れ回るガスタウンの住民にうんざりしている、というのもなかなか人間くさい。そして幼少期フュリオサに対する態度である。フュリオサはを彼憎むが、ディメンタスはというとフュリオサを娘と重ねてみており、イモータン・ジョー軍との初戦では彼女を助けるシーンが目立って描かれる。この崩壊した世界で、なんとかクマの人形もとい娘に生きる意味を見ていたディメンタスにとって、本当はフュリオサに生きる意味を見ていたのではないか。そう考えると必死にフュリオサを助けるディメンタス、娘だと言い張るディメンタスに切なさを覚えて仕方ない。繰り返すがディメンタスはヒューマンガスやイモータン・ジョーのようなカカリスマ性を持つ訳では無いが、観客にとっては人間臭く共感の得られる、「マッドマックス フュリオサ」という映画が特別に感じられるひとつの要因となっていた。 ラスト近く、ディメンタスとフュリオサには長い長いやり取りのシーンがある。ついにディメンタスを追い詰めたフュリオサは彼を殺そうとするが、そんなことをすると俺と一緒になるぞと迫られる。復讐心に駆られて相手を殺す、という結果になればそれはこの世界に住む悪役と同じになるし、まさにそこの善人、悪役構造があやふやになるというテーマを描いたのがマッドマックス1作目であった。フュリオサは長い長い葛藤の末、ディメンタスを生かし、ある役目を与えて生き地獄を見させるのであった。ディメンタスはフュリオサに「俺と同じになってしまうぞ」とは言っていたが、本当にそうであろうか。この物語における主人公フュリオサと悪役のディメンタスの違いとはなんなのだろうか。私は、この二人の考えの決定的な違いは、この狂った世界において「自分以外の他人を見捨てる」という行動をとるかどうか。といったころにあると思った。フュリオサの母親がディメンダス軍に敗北した時、ジャックが弾薬畑で取り残された時には自分の危険を顧みず、戦いに戻るという決心をする。その結果どちらとも戦いに敗北するが、それがフュリオサの信念であり彼女の生き方なのであろう。それに対しディメンタスは、ガスタウンに攻め入る際に同盟を組んだチームを裏切ったり、弾薬畑では味方を盾に使ったりなど、戦況や自分のためなら他人の命を惜しまない人間である。ラストのイモータン・ジョー軍から逃げる際に乗り物を変更し、影武者を立てたのもその考えの元であろう。これらが彼らの決定的な違いであり、むしろフュリオサが自分の命のために他人を見捨てる人間であったならディメンタスのような残虐極まりない人間になっていたという可能性も考えられたのだ。 「マッドマックス フュリオサ」について長々と語ってきたが、結論は本当によく出来たエンタメ映画になっているということである。「怒りのデスロード」で上げたハードルを同じ方法でなく、違う語り口ながら堅実に語りながらも、見終わったあとにはさらに「怒りのデスロード」がより深く、より良くみえるような、スピンオフ作品として100点と言わざるをえない作品なのではないだろうか。
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