「最底辺でも影響力を持てる」ミッキー17 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
最底辺でも影響力を持てる
観る前はもっとコメディサスペンスかなと思っていたけど、実際は、権力者と労働者の格差や、他文化とのコミュニケーションなどの、いわゆる現代社会を写したような内容のSF作品だった。
個人的には単なる娯楽系よりも文芸よりであったり社会的メッセージが含まれているほうが好みだが、この作品に関しては半端にコメディ寄りにしたせいでなんだか台無しにされたような感じがする。
ふざけてるのか真面目にやってるのか分からんし、内容が内容なだけに単純な娯楽作を求めた人にもウケは悪そう。
そんなわけで、悪くないけど中途半端な感じがする作品であったが、もちろん面白いところもある。
マーク・ラファロ演じるマーシャルが権力者の頂点ならば、ロバート・パティンソン演じる主人公ミッキーは、使い捨てワーカーであり、この一団の中で最も底辺であるといえる。
現代社会の縮図のような設定であるが、地球の現実の国の場合、マーシャルとミッキーが邂逅することはそうそうない。
しかしこの作品の一団の場合、規模がそこまで大きくないので、普通にマーシャルとミッキーは直接関わりを持つところが興味深い。
一億人の中の一人は一億分の一だが、仮に100人しかいない集団ならば100分の一、1%の力がある。
つまり、最底辺のミッキー一人でもこの一団の中で多少は影響力を持つことができるというわけだ。
まあそれでミッキーが何かしたってわけでもないのだが、結果的にはどうにかなったドタバタ民主主義誕生は良かったと思う。
