劇場公開日 2025年3月28日

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「ブラックユーモア」ミッキー17 toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ブラックユーモア

2025年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

人体実験で使い捨ての肉体を酷使される男(ミッキー)の物語。
死ぬことが前提の実験でひどい死に方をして、複製した肉体に上書きした
記憶を移植して何度でも生き返る。映画の題は17体目のミッキーを表す。
生きた人間をモルモットにするという残酷極まりない話なのに、その軽妙な
演出ゆえに笑ってしまう。ブラックユーモアのセンスが光る。

主人公は負け組で、お人好しが災いして貧乏くじを引いてしまうタイプ。
切羽詰まって中身をよく読まずに契約書にサインしてしまった。それが
使い捨てワーカーの契約だった。そんな負け組キャラの設定が面白かった。

でも複製になって生き返る前提があるからこそ死ぬ覚悟ができるのに
その前提がなくなったら?それは普通の人が感じる死に対する恐れと
何ら変わらないだろう。死に損なったミッキー17の前にミッキー18が
現れた。複製が2体同時に存在してはならない法律のせいで生存の危機が。
さてどうなる?

恋人・転落のきっかけとなった悪友・雇用主・科学者・そして未知の生物
“クリーパー”も絡んでの大騒動となる。色々なアイデアの詰まった物語に
引き込まれた。

あの生物は監督がクロワッサンから着想を得たらしい。宮崎駿監督からの
影響もありその他様々なものが発想の基になっているとのこと。でも自分は
まず見た目がダイオウグソクムシに似てると思った。はたして知性はあるのか?
その生態は?見てのお楽しみ。

IMAXで鑑賞。IMAX用のフォーマットだったので画面いっぱいに広がる
映像を楽しめた。クリーパーの造り込みも見事だったし大画面で非日常を
味わうのにぴったりの作品だった。

toshijp
RRR👑《共感:1000》さんのコメント
2025年4月1日

まさに、ブラックユーモアでしたね!
SF、未来の世界にも現代社会への風刺が含まれているってポン・ジュノ作品ならではですね。

RRR👑《共感:1000》
toshijpさんのコメント
2025年3月30日

ノーキッキングさんありがとうございます。おっしゃる通りSFとしてはちょっと弱かったです。

toshijp
ノーキッキングさんのコメント
2025年3月29日

“教皇〜”の共感ありがとうございます。
ミッキーの方は死への葛藤が弱く、残念ということで。

ノーキッキング
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