バービーのレビュー・感想・評価
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冒頭の「2001年宇宙の旅」のパロディシーンが暗示していたもの
単なるお人形さんコメディではありませんよ。ファンタジーに乗せたメッセージ映画でした。宣伝チラシに上野千鶴子氏のコメントくらい入れとけば良かったのに。終盤は感動して涙ぐんでしまった。
最初はお子様も楽しめるバービーランドの世界。私の強引な解釈では、純真無垢な少女がバービーごっこに夢中になってる時期。悩みは何一つない。バービーランドを出て人間社会を初体験する部分は、成長して大人になりかけの頃。男優位社会のジェンダー格差に疑問を覚える。しかし、少女期までに刷り込まれた固定観念を打破できない。元のバービーランドに戻って仲間と現実社会の悪弊の浸食と戦うのが自律的女性として覚醒するとき。少女期のバービーランドの世界から卒業し自律した男女の共存的バービーランドへ向かう。最後に、人間として生きることを選択し、最初に訪れるのが婦人科の病院。成人女性として成長したことを示す。
昔、リカちゃん人形で遊んでいた中・高校生にアピールしてよい映画。
カオスな世界観が楽しい
バービー人形を主役に一体どういう物語を作るのかと思ったら、なるほどそう来たかという感じで中々面白いと思った。バービーランドは人間界と別世界にあり、バービーとケンが両世界を往来しながら物語はファンタジックに展開されていく。虚実入り乱れた作りが独特の世界観を構築し、最後まで飽きなく観ることができた。
もっとも、架空の世界のキャラクターが人間界にやって来るという設定自体は、特段珍しいというわけではない。過去にはバックスバニーやトムとジェリーといったキャラクターが人間界で大活躍する映画も製作されたことがあるし、逆に人間が架空の世界に転生するという設定は日本の漫画やアニメでは人気のジャンルになっている。
しかし、それでも本作が革新的と言えるのは、人形であるバービーの目線で綴ったドラマであること(これまでは人間が主人公であった)。それと物語の中に社会風刺が巧みに織り込まれている点にあるように思う。
バービーは人間界に来て女性の社会的地位の低さにショックを覚える。そして、アイコニックな自らの存在が女性の社会的自律を促すどころか、逆に彼女たちの生き方を縛ってしまっていることに衝撃を受ける。バービーランドとは余りにもかけ離れた人間界を目の当たりにし、彼女のアイデンティティは揺らぎ始める。そして、女の子の憧れとして存在する彼女は、自らの生き方を模索し始めるのだ。
その葛藤は観ているこちらに自然と伝わって来た。また、ラストの彼女の”ある選択”にもすんなりと感情移入することができた。
監督、脚本は「レディ・バード」、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のグレタ・ガーウィグ。
前2作同様、今回も女性の自律、生き方をテーマにしている。そういう意味では彼女が描くテーマは一貫していると思った。今回はかなり”はっちゃけた”コメディなので、前2作ほどの重苦しさがなく、割と肩の力を抜いて観れるところが良い。
とはいえ、現代社会に対する批評性もかなり強烈に感じられる作品であり、そこは観る人によって賛否が分かれそうである。例えば、バービー(フェミニズム)とケン(マチズモ)の対立を描く後半は明らかに現代社会の投影に他ならず、気軽に楽しむコメディとしては、いささか骨太すぎるきらいがある。こうした所に目配せするのがグレタ・ガーウィグのセンスであり、彼女の作家性なのだと思う。また、昨今のフェミニズム映画の台頭も無視できない潮流にある。当然、女性監督だけにそのあたりは意識しているのだろう。
ただ、本作のテーマはあくまでバービーという一人の女性の人生の選択、自律にあるように思う。物語のオチもそこに着地させており、そのせいで現代社会に対する批評性はかなり弱まってしまった印象を持った。
また、幾つかの問題が未処理のまま終わっており、作品全体のクオリティという面でも惜しまれる点が幾つかある。例えば、バービーが人間界に来るきっかけとなったグロリア母子の関係改善は消化不良である。クライマックスの人間社会の混乱がどうやって収集したのかも描かれていない。バービー人形を製造するマテル社の経営体質も根本的には変わっておらず、すっきりとした解決を見ないまま映画は終わってしまっている。これを良しと取るかどうかで評価も分かれそうである。
一方、映像に関しては、とにかく画面の隅々まで手の込んだ作りで感心させられた。ピンクを大胆にフィーチャーしたバービーランドの世界がシュールで狂気的で楽しい。実写で撮られている個所が意外に多く、それが映像全体に不思議な温もりをもたらしている。
キャストでは、何と言ってもバービーを演じたマーゴット・ロビー、ケンを演じたライアン・ゴズリング、両者の妙演に尽きる。特に、ゴズリングには何度も笑いそうになってしまった。これまではシリアスなイメージが強かったが、コメディ演技も中々に上手い。
久しぶりに超最悪・・・
マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングの共演ファッションドール「バービー人形」の実写映画「バービー」を見てきました。
見る前から大方の予測は出来ていましたが、ある意味想像以上に出来の悪い映画でした・・・・・
まず、アメリカの人気者である「バービー人形」の実写なんだろうし、細かい所まで日本人には理解出来ないだろうし、子供でも見やすいように出来ているのだろうし、元々アメリカのコメディ映画の描き方が性に合わないので、自分に向いていないと思っていたんだけど・・・やっぱり・・・・・・・・・・・・・・・
マーゴット・ロビーのファンの方ならマーゴット・ロビーが色々と色んな形で出て来るのでいいとは思いますが・・・・
私的には、久しぶりに「早く終わってくれ」と心の中で叫びまくりました・・・・
日本で言うのなら井口昇監督あたりに撮らした方が、もっと面白く描いたかもね・・・・
本国の大ヒットで続編が制作される事が発表されていますが・・・・もうお腹いっぱい・・・・
ジェンダー問題について考えさせられる
女子達の憧れバービー人形を面白おかしくパロッたコメディなんだろうなと思いつつ、ガーウィグの映画だからそれだけじゃ済まないだろうと期待してスクリーンの前のシートに腰を下ろしました。バービーのいる架空の世界を表す、全面ピンク色の派手な映像は楽しい。コメディとして、それなりに楽しめました。とりわけライアン・ゴズリングはいい味が出ていて笑えた。でも今時の生意気な女子中学生がバービーを「ファシスト」となじったのは興味深かった。ジェンダー問題、国や一人ひとりの立場によって見方は完全に変わるんだけど、なるほどそう来たかって感じでした。
30代の息子(かなり高収入)に最近聞いたんだけど、女の子と食事しても今時の女の子は自分の分を払うんだって。世の中動いてるんだなと思いつつ、間違った方向には動いてないと僕は思ってます。映画とは直接関係ない話ですいません。
今年ワーストNo.1だわ
男女のことでしょ、どうせ。
人魚姫パターンでしょ?
と思ったらブラックジョークの飛び交う今風映画でした。、、、にしてもつまらん。
字幕がいけないのか?
ペニスとか言ってるのに、字幕はおまたツルツルとかになっちゃってるぞ⁉︎
あと後半、説明ばかりで眠くなった。
洗脳されちゃわないで、闘えよ、なんて思いました。
観なきゃ何も語れない…⁈
確か?悪い例えにマーゴット・ロビーの実名を使って居た処,
(私自身が知らなかっただけ?)ライアン・ゴズリングは,ギターと歌はわりかし巧(ウマ)くて格好えぇじゃん!
なんて処…, 以上。
「私って、あなたって、何なの?」というアイデンティティを迫られる。
ピンクカラーのバービーランドは毎日が超ハッピー、毎晩がガールズナイト。男の子ケンは完璧バービーの刺身のツマだ。20世紀後半現実の男性中心マッチョ社会をオセロゲームで裏返したようなディストピア社会。そこからスピンアウトした定番バービー(多様化バービー以前のバージョン)。スピンアウトした原因はバービー人形にコミットしていた現実世界の女(の子)が原因なんだけど、そのあたりのプロットはある意味とってもシュールで意
外と複雑。それでも深く考えない子どもでも十分楽しめる映像作りはさすが。
これでもかとフェミニスト的演説や皮肉の応酬が仕組まれているのだけど、最後は「男vs女」の二項対立ではない「自分は自分」「私の体は私のもの」という当たり前だけど見失われがちなメッセージがグイグイきた。見る人によってツボは違うと思うけど。
バービーの生みの親の女性についても興味湧いて調べたくなった。
ルッキズムに与するようだけど、はまり役のバービーとケン、マーゴットとライアンのビジュアルには魅せられました! ラストのシーンもよかったな。新しい「ゴールイン!」て感じで。
テレビで話題になっていたのですが、、、
女性上位の社会が、男性上位の社会に変わり、再び、女性上位の社会を取り戻すというストーリーのように思いました。
私は、バービー人形について、全く知識が無いので、この作品のどこが良いのか、最後まで、分かりませんでした。
バービー人形の大ファン、ピンクのフワフワしたイメージが好きな人には、向いているかもしれません。
SNSをネタに集客を図るというマーケティング戦略かな?と思いました。
なんじゃこりゃ?
始まりは2001年宇宙の旅のパクリで始まったこの映画。はっきり言ってバービーの事を大好きな方、精通している方はご覧になっても面白いかもしれませんが。マーゴット・ロビーが綺麗なだけのものでした。映画館でお金を出してみるものではないと思います。アメリカでは大ヒットのようですが今年最低の映画ですね。眠気との戦いでした。
宣伝下手すぎ
映画の宣伝で見た「ドールが現実世界に行ったのね」的なファンタジーかと思ったら社会派の内容。
とても良いのに予告編とのギャップがありすぎて後ろの小さな女の子が暇なのか背もたれを蹴ってきて落ち着いて見れず。
子供が見るような内容じゃないし、女の子も気の毒なんだけど。
どうして予告編をあんな感じに作ったんだ?
真正面から表現したらよかったのに。
教えてあげようか
冒頭から鑑賞者に対して覚悟を問いただす。グレタとノアが作るわけだから、こちとら準備はできている。女の子同士で観に来た子供達は大丈夫か?とそっちが気になる。
バービーに向かってファシストだとはよくマテル社も許したものだと思う。マーゴットのプロデュース力に感心する。よくこの内容で世に出せたものだ。ライアン・ゴズリングのコメディアン振りに圧倒される。賞レース総なめにして欲しいもの。
極端なパラダイムから大きく逆ブレして、さらに振れ戻る舞台。何が正解か見失いそうになるし、映画自体もきれいに着地した印象もない。しかし、それもジェンダー論だと思う。10年後には10年後のバービーがあるのだろう。
重低音で幕を開けるオープニングが
観ててアレっぽいなーと思っていたら本当に
アレへのリスペクトオープニング。
始まりの3分間は最高でした。
しかしその後はつまらな過ぎて拷問の様な2時間でした。
フェミニズムがどうたらの面倒臭い主義主張はどうでも良くて
エンタメとしてもコメディとしても面白くない。
バービー世界から自由に行き来できる説明なしの設定や
マテルの重役連中がアッチの世界に行ったのも何の意味が?
そもそも女児向け玩具の映画(ではないが)をおっさんが観たのが間違い。
制作側は楽しかったかもしれませんが
なんでこれがあちらではヒットするのか謎。
こんなのより「オッ○ンハイマー」は絶対上映しろよ。
観客の数だけ「解釈」がある作品
もちろん「フェミニズム」とか「多様性」を賛美し、
「男社会」を茶化した映画だ。
でも「それだけ」じゃない。
誰でも「成長」というか「違う自分」になれるし、
「このままでいいんだ」というか、
何回も見ても、違う発見のある作品だと思う。
アカデミー賞の脚本賞の最有力かな。
「吹替で」
今年143本目。
字幕派でしたが最近吹替派になったので吹替めっちゃいい。バービーの声はケンタッキーのCMのあの方。エンドロールで嬉しい。見る前は明るい映画なのかなあと思っていましたが、もちろん明るいですが哲学の映画でした。男社会とは女性社会とは、ケンとはバービーとはと恋愛を中心に生きる事、人間とは何なのかを訴えかける作品でした。
俺もケンのひとり…
かの有名なバービーの物語。
リアルな人間の世界の他に、「裂け目」を通して繋がるバービーの世界が存在し、主人公バービーが抱える問題を解決するには人間界に行く必要があるとの事だが…。
今話題の作品ですね。初っ端からベイビーを破壊するサイコ場面に笑いと戦慄を覚えるも、その他は騒がれる程問題なシーンも無いような。
男尊女卑か女尊男卑だかの社会問題をポップに投げかけているようでいて結局バービー個人の問題?いや、はたまたケンか⁉或いは親子の…?
と言った具合に、結局何が主題なのかよくわからんwまぁでも、そんな深刻に考えずこの世界観とお笑いを感じれればOKでしょうか。
それでいて、意外にもグッとくるシーンも。実は娘じゃなく母の…な展開には、やはり長く愛されているキャラだし、思いの外ジ〜ンときたかも。
後は、バービーのキャラクターやこれまで発売されたシリーズを知っているとより楽しめる感じですかね。
好みは別れるかもしれませんが、ドッと笑いが起きたかと思えばすすり泣きも聞こえてきたり、意外と琴線に触れる所もあるので是非観てほしい作品ですね。
…どうでも良いがアランの強さは何なのw
楽しめました…
マーゴット・ロビー大好きなので、女性向きかな?!と思いながら70過ぎのオッサン独りで観に行きましたが、とても楽しめました。
観たのは平日の夕方でしたが観客は女性が3人と私の4人だけで意外と観客が少ないのは以外でしたが、日本ではバービー世代が少ないのかもとも思いましたが…。
映画のダンスシーンは70年代のディスコ、この時代をリアルで体験しているバービーファンなら今は相当なお年だろうな…と米国での観客層はかなりご高齢ではと…^^;
バービー人形とは無縁な人間ですが、バービー人形はフェニズム団体から批判を浴びた事も有った様でもあり、フェニズム作品との評価も有りますが、それは気にせずマーゴット・ロビーのキャラクターやセットの創り方やダンスシーンに50〜70年代の映画の懐かしさを憶えました。
バービーの元持ち主の母親の言葉に、この作品の主旨を観ましたが…
男性中心の世界の在り方等にアンチテーゼを呈する内容には抵抗を感じる男性には楽しくは無いだろう作品ですネ。
フェニズムとは云わずとも、男中心で築かれた、ある意味劣悪な社会を変える必要性を感じますし、それを変えるには女性の社会参加や男の意識改革が必要ですが、男女共に本来持つ特性に加えて個々人の個性が活かせて格差や貧困と戦争が無い社会が築ければ好いネ…と思います。
続編の話もあるそうですが、人間となり子供を持つ母親となったバービーが演じるのはリアルな現代社会で、ガンガン稼ぐキャリア・ウーマンなのか、パート等の僅かなチップで子育てをする女性なのか!?
個人的には…………(^o^)v。
因みに、マーゴット・ロビーの素敵なキャラはこの作品にも生きていました。❤(ӦvӦ。)
良かった
以前他のレビューにも書いたのですが、ワタシ、ライアン・ゴズリングが好きなのデス(ビシッ!)
それにグレタ・カーヴィグも嫌いじゃない、むしろ作品観ている方じゃないかな。
だから
キノコ雲とか漏れ聞こえてくる音には耳を塞ぎ、まっさらな気持ちでスクリーンに向かいましたら、感想は「良かったじゃない!」でした。
色々はらんでいましたね、ジェンダー、ルッキズム、変化すること・その場に居続けること。時にはシリアスに時にはシニカルに。
バービーランドの住人は純真無垢だから、色に染まりやすいだけで人間なら誰しもが持ち合わせている感情を上手に描き出していたのではないでしょうか。
そんな作品なのに思い出されるのはケン(ライアン・ゴズリング)のアホ面ばかりなんですよ、トホホ・・・
いつもの愁いを含んだ寂し気な笑顔じゃなくて、黒目の奥に何の知恵も持っていないような、正に人形そのものの表情を見るにつけ「ぷっ」と引き出すシーン続出だったので、このまま時が経つとワタシの中ではコメディに分類されそうです。
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