バービーのレビュー・感想・評価
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作品は3・5。良かった。だけど今はお灸を据えたく1にします。
世界中で愛される“バービー人形”を映画化。
アニメや人形を動かすとかではなく、実写で!
下手すりゃ世界中のファンや女の子の夢をぶち壊しかねないが、それを今年を代表するメガヒットへ。
暫定1位ヒットの『マリオ』を抜きそうな勢い。女性監督作としてもワーナー作品としても記録更新しそう。
批評も良く、オスカーノミネートを期待する声も…。
バービーってこんなに人気なの…!?
全く遊んだ事のない男の私にゃ驚き。
まあ、『マリオ』に興味ない人が『マリオ』のヒットに驚いているのと同じか。
観てまず思ったのは、こりゃ確かにアメリカ人が好きそう。
とにかく底抜けに明るく、楽しく、ハッピー。
笑いやパロディーもいっぱい。OPの『2001年宇宙の旅』ネタにはウケた。類人猿とモノリスの遭遇ではなく、女の子とバービーの遭遇!?
ピンク、ピンク、ピンク…のカラフル世界。
歌って、踊って、キャストの魅力。
ある意味おバカムービーでもある。
でも、ずっとノーテンキのままだったら勘弁だった。『マンマ・ミーア!』みたいに。
パッと見のイメージから想像付かぬほど最後は真面目なテーマも。
『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』と連続ホームラン中のグレタ・ガーウィグが監督。ただのファンタジー・コメディになる訳ないわな。
“バービーランド”で毎日ハッピーに暮らすバービー。
毎朝起きて、他のバービーにスマイル挨拶。
水の出ないシャワーを浴びて、飲食もフリ。階段は使わず、フワッと空中浮遊。(ここら辺、人形で遊んでるイメージ)
ピンクのオシャレをして、ピンクの愛車に乗って、ピンクの街に繰り出す。
今日はビーチでケン同士が喧嘩。あ、勿論、ハッピー喧嘩。
夜はパーティー。昨日も今日も明日も。
全てが完璧。これからもずっと。
異変なんて絶対起こらない!
ある日突然、ネガティブ思考が。
つま先立ちが基本だったのに、急にベタ足に。ギャ~!!
空中浮遊も出来なくなった。
ミュージカル歌詞もメンヘラ調に。
一体どうしちゃったの、アタシ~!?
おかしな事はおかしなバービーに聞く。
人間世界で散々遊ばれ、ちょっとヘンになったバービー。曰く、
人間世界での持ち主に問題が。
解決するには人間世界へ。
いえ、行かない。
いや、行くの!
皆に見送られて出発。ひょっこりケンも同乗。
海を越え、山を越え、ロケットにも乗って。
辿り着いた人間世界=リアルワールドは…
バービーランドとは何もかも違う。
ピンクのオシャレがじろじろ見られる。
セクハラ発言連発。セクハラ男を思わずパンチ。逮捕。
買い物したらお金を払う。お金って? また逮捕。
工事現場はガールズではなく男連中ばかり。
ここでは会社も大統領も男。
バービーランドは女性社会。大統領だって黒人女性。(←現実のアメリカでは絶対あり得ない)
そんな中やっと持ち主を探す。が、その女の子サーシャはバービー人形は時代遅れと毛嫌い。
問題は母親だった。バービー人形を生み出したマテル社で働くグロリアの精神不安定がバービーに伝染。
カルチャーショックのバービー…。
一方のケンは男社会のリアルワールドに感化。バービーランドに戻って男性優位にしようとする。
バービーがバービーランドから逃げ出した! マテル社の社長らは大慌て。バービーを捕まえろ!
バービーもバービーランドへ。心配するグロリアと渋々サーシャも。
ところが戻ってきたバービーランドは、ケンによってすっかり男性優位に。
バービーランド始まって以来の危機にどうなる…?
世界広しと言えど今現在、バービーを演じられるのはマーゴット・ロビーだけっていうくらい魅力大爆発。
お人形さんそのまんまのスタイルの良さ。ピンクの衣装も難なく着こなす。
クルクルクルクル、キュートなリアクション。歌も歌って、踊って。
でも、そこは若手実力派の一人。ただ可愛いだけじゃない。
序盤のお人形さん演技。一見キュートでハッピースマイルだが、何処か中身空っぽ。人間世界に来てからは感情様々。終盤は心や情が籠った演技。その演じ分けはさすがのもの。
だけどやっぱりマーゴットが可愛い。これだけでも点数上げちゃいたいくらい。
ライアン・ゴズリングも注目。シリアスやクールやロマンチックな役などお手のもののライアンが魅せる、こんなにあったのかコメディセンス!
序盤の肉体美とスマイルだけの空っぽ男。人間世界に感化されてからは俺様。こちらも見事な演じ分け。
ピンクカラーの美術や衣装の数々は印象抜群。ただカラフルだけじゃなく、それらにもセンスを感じる。
初のエンタメ作品であり、夏の話題作であり、絶対コケられない題材を昇華させたガーウィグの手腕。
この愛らしい人形を通して描いたのは楽しさや面白さや可愛さだけじゃなく、
バービーランドには様々な人種や職種のバービーやケンが。
女性世界のバービーランド。男世界のリアルワールド。その両世界へ皮肉やメッセージ。
そして、自分らしさ。
自立や個々の意志、ジェンダーレスや多様性…。
ディズニーのみならず昨今のハリウッドの必須要素てんこ盛り。
でも、あの人形からここまでテーマを膨らまし、しっかり伝える。訴える。
でも、アメリカでの社会現象級のメガヒットはちょっと驚き。
エンタメ性とメッセージ性を両立させた出来映えは見事だが、どれも本作だけの目新しさっていうほどではなく、昨今あれやこれやで描かれている事ばかり。
面白かったのは面白かった。楽しかったのは楽しかった。良かったのは良かった。
が、自分的には今年のBEST級ってほどではなく…。
“定番”な感じも見受けられた。
最後に例の騒動について。
スタッフやキャスト、作品に落ち度はない。
悪ノリしたファンとそれに便乗したワーナーに否がある。
『オッペンハイマー』も気の毒。完全な巻き込まれ事故。クリストファー・ノーラン監督作でありながら未だ日本公開未定。題材もさることながらこの騒動でまた日本公開が険しくなったかな…? とっても見たいんだけど。
原爆とコラボしてアートやエンタメにしたのは浅はか過ぎる。
やはりアメリカ人は他国の歴史に干渉ナシの無知と思われても仕方ない。
もしホロコーストや911で同じく揶揄されたら…?
アメリカは猛抗議するだろう。そんな国。
そもそも日本ではこの事をニュースや政治でさほど問題にしないのも問題。だから舐められる。
広島や長崎で毎年行われている慰霊や終戦の日はただの形式だけじゃない。
原爆で何十万人も死んだ。戦争で罪もない国民が犠牲になった。
それを忘れてはいけない。軽んじてはならない。
一際その事を思い知らされた騒動と今夏。
作品自体は3・5。(4はいかないかな…)
でもお灸を据えたい意味も込めて、今は1。
いずれ再見してほとぼり冷めたら3・5に修正します。
ピンク色の世界。
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。
最初に映画とは全然関係ない話をさせて頂きます。
2009年にWBCの一次ラウンドを見に行ったんですよ。場所は東京ドーム。
まあでっかいんですね。大体東京ドーム一個分のてかさです。
そのまんまかよ‼️
チケット代は8000円。おい高いな。しかもごっつい腕時計付き。っていらねえわ!
は、置いといて、私の席の少し前に特徴的な夫婦がいるんですよ。旦那さんはピンクのジャケットとスラックス、奥さんはピンクのワンピース。
はい。誰かはわかりますね。一目瞭然。林家ペー・パー子夫妻。
完全にプライベートですよ。周りのお客さんも入れ替わり立ち替わり記念撮影。凄えな。どんな時でもキャラ設定遵守。私は?行かなかった。シャイだしね。
ピンクは女児の色。違います。全身でペーパーさんは否定してます。
ピンクってピンク映画とかね、日本人は少しバイアス掛かってるけど桜の色。本当は好きなんじゃねえかな。
私も好きだよ。ピンク。
その昔はピンクレディなるスーパーアイドルもいたしね。
はい。枕終了。映画の感想です。
最初からおもろい。かってドールは赤ちゃんのみだった。そこに鳴り響く「ツァラトゥストライ はこう言った」
革命が起こった。夜明けが来た。
燦然と登場するバービー
子供達は赤ちゃん人形を破壊。
はい。出ました。良くあるパロディ。キューブリックの、あの映画。隣の女子小学生は多分なんのこっちゃ?
だろうね。
そしてバービーランドのシーン。結構尺を使って。この世界の色彩はピンク、ピンク、ピンク。女子は沢山いるけど全員バービー。大統領も検事も人魚もバービー。
ここの造形が素晴らしい。あえてちゃちな感じで能天気な感じで雨も曇りもない。
彼氏設定のケンは沢山いるけど総じて、おバカ。筋肉バカ。おまけ感満載。仕事はビーチにいる人だって。
ライアン・ゴズリングが嬉々として演じます。ラ・ラ・ランドではピアノ。 本作ではギター。才能の塊だね。
ある日パービーに大変な事が起こった。なんと足裏が扁平に!セルライトも発生。ありえない!
定番バービー(マーゴッド・ロビー)はへんてこバービー(ケイト・マッキノン)に相談します。答えは現実世界に行け!
まじっすか?なんか「魔法にかけられて」みたいな。
なんとかロスに行きました。好奇な視線。シニカルな反応。大元のマテル社も変な奴しかいねえし。
はい。あらすじ終了。
この映画って完全にマーゴッド・ロビーの映画。一挙手一投足が完全にパービー。可愛いにも程があるんですね。製作も兼ねているしね。
私が好きなシーンは洗脳を解くシーン。男子は大体「ゴッドファーザー」が好きってくだりね。そうかもしれんが、女子も好きだよ。多分。
なんかマーゴッド・ロビーって話題作にいつもいる印象だよね。ハーレークイーンとかトーニャとか。
監督/脚本/製作総指揮は グレタ・ガーウィグ。今回もジェンダー問題を扱っています。エンタメの裏側に。
コロナ開けっぼい今日この頃。ハロウィンではパービーのコスプレをしたお姉さんがいるのかもしれません。
この映画がヒットすればですけど。ハーレークイーンはいたしね。
渋谷のスクランブル交差点で凝視しちゃダメです。今時ですからね。
目を閉じおいでよ!
それはバービーボーイズだよ‼️
お付き合い頂きありがとうございました。
PS 原爆は出てきません。あのねプロレスのジャーマン スープレックス ホールドは昔、原爆固めって言ってたんですけど・・・
思ったより面白かった
バービーたちはどう生きたか!笑笑笑
ある一体のバービーが死ぬと言うことに気づいてしまう?
どうして?
人形社会でタブーとされていた「死」を口走ってしまったのか?
それにしても、
ピンクピンクのバービーランドの女性中心社会には圧倒されるが、
人間社会でのバービーの評価や貢献がリスペクトされていないこと。
人間社会は男性中心社会であることを知ったあるバービーは、
苦しみの中からバービーは「私」であることに気づく?
人形が自我を持つ!!!
これは凄い!
バービーランドのバービー達が、
つぎつぎと私と言うそれぞれのバービーが人格を自覚するのだ。
こんな比喩で、
自我を問われるとはビックリ‼️
この後のバービーランドは、
どうなるのでしょうか?
案外、名作でした。
(^ω^)
世界中で愛され続けるアメリカのファッションドール「バービー」を、
マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングの共演で実写映画化。
さまざまなバービーたちが暮らす完璧な世界「バービーランド」から人間の世界にやってきたひとりのバービーが、
世界の真実に直面しながらも大切なことは何かを見つけていく姿を描く。
ピンクに彩られた夢のような世界「バービーランド」。
そこに暮らす住民は、皆が「バービー」であり、皆が「ケン」と呼ばれている。
そんなバービーランドで、オシャレ好きなバービーは、ピュアなボーイフレンドのケンとともに、完璧でハッピーな毎日を過ごしていた。
ところがある日、彼女の身体に異変が起こる。
困った彼女は世界の秘密を知る変わり者のバービーに導かれ、ケンとともに人間の世界へと旅に出る。
しかしロサンゼルスにたどり着いたバービーとケンは人間たちから好奇の目を向けられ、思わぬトラブルに見舞われてしまう。
「レディ・バード」「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のグレタ・ガーウィグが監督を務め、「マリッジ・ストーリー」のノア・バームバックとガーウィグ監督が共同で脚本を手がける。
(^ν^)
考えるな!
何も考える必要はない。ていうか考えたら負けかも。
ツッコミどころ満載?いやいやむしろツッコミどころしか
ないから。そもそもすべてが空想の世界。割り切ってこの阿呆な
世界観に身を委ねる覚悟があるなら、それなりに楽しめる映画。
そして特に感動も教訓もないけれど、これでいいのだ。
人間という存在そのものを茶化しているけれど、痛烈な皮肉とか
人生とは何ぞやみたいな高尚な話ではなくて登場人物のやり取りを
面白おかしく描くための流れでこういう話になったのだろう。
深掘りが好きな人は言葉の深層やら何やらをを考えても良いが
自分は億劫なので何も考えなかった。
映画の冒頭、まだ画面に何も映し出されていない状態でなぜか
昔観たある映画を思い出した。それが○○○○のパロディーだった。
自分の既視感(既聴感とも言える)が当たっていた。構図や動きの
再現性も高くて感心したし笑えるオープニングだった。
他にも小ネタ的に有名な映画の画像が使われていたりパロディーが
あったりで元ネタを知っているほど面白い。
物語がどうこうよりもロサンゼルスで二人が変人扱いされたり
犯罪者になったり、バービーランドと人間世界との違いに戸惑う
ところが笑えた。
マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングという配役が素晴らしい。
ヘレン・ミレンも良い味を出していた。主役の二人が違う役者
だったらここまで楽しめただろうか?まずこの映画を観たいと
思わせることと、観終わっての満足感の点でも二人の功績は大きい。
先の読めない展開で面白い。
予告見てバービーランドで異常を起こしたバービーが現実世界で一悶着起こして体を直して帰るのかと思ったら全然違った。
序盤からナレーションでバービー販売元のマテル社をディスりながら話が進み、中盤ではそのマテル社と異常の原因である親子を巻き込んで大騒動を起こして、どうにかバービーランドに戻ったら現実世界で間違った男性社会の知識を仕入れたケンがランドを支配するなど先の読めない展開続きで面白かった。
出演者はマーゴット・ロビーのバービーも良いしおじさんに見えるケンのライアン•ゴズリングも今回は合ってると思う。
吹き替えで見てバービー役の高畑充希は悪くなかったけど他の声優が豪華過ぎて演技が負けたのが残念。
男女の有方に付いて説教臭いところもあるけど笑える演出だから気にならないから興味がある人は見て損は無し。
☆ピンク☆
ピンクって言うても200色有んねん!
凄い映画だった、予想以上の色々凄い映画だった。
女性優位の世界と、男性優位の世界が政治的に描かれるけど、結局どっちも滑稽に見えてしまいました。マーゴットロビーはアホだし、ライアン・ゴズリングは輪を掛けてもっとアホだし。
政治の先に誰か支配者になろうがハッピーは支配者しか掴めない、自分の幸せは自分しか掴めないんすよ、他人なんかに分け与え無いんですよ。
凄え現実と似てる、個人や庶民に幸せなんか無い。
事実男性優位の現代社会に身を置いてるクソリーマンの俺なのにね、スクリーン前だけ神気取りですよ、はあ。。
そもそも幸せを示すために生まれたのがバービー人形なんですよね、多民族国家で生まれたバービーには黒人も居て、プエルトリカンも居て、デブも居て、障害者も居る。
誰だって誰にでもなれるよって意味有んすよね。
だからナイススタイルブロンドのマーゴットロビーは定番バービーで有る自分自身、つまりは当たり前とか常識とか架空で有る自分と戦う未来を選択したんすよね。真っ直ぐ歳を重ねるお婆ちゃんを美しいと言った、無い筈の涙が流れた。
翻訳ではオブラートだったけど、バービーもケンもノーヴァギナ、ノーペニスって言ってんすよ。
俺ら現実はここに縛られ?因果とか業を背負って人生やってるけど、バービーはそこに希望を見て進むんすよね。
凄え、ピンクに201色有るかも。
劇場出口の親子がもう一回見たいー、って手繋いでたのが一番最高だったなー。
低迷していても侮れないアメリカの知性
前日にレンタルDVDで『ニューオーダー』を見て、次の日に全くの対極映画ともいえる本作を見たのだが、対局に位置するという事は円にすると隣り合わせとなり近似となる。ということで、様々な共通点を発見して驚きました。
本作は所謂ファンタジー的な作りとなっており、多くのファンタジー映画は現実世界から異世界に行き、また現実世界に戻るというUターン的な大まかなパターンがあるが、本作は異世界から現実世界に行き、また現実世界から異世界に戻り、最後に現実世界に行くという珍しいSターンタイプのファンタジーになっていた。
これって歴史の繰り返しの輪廻のようにも捉えられ、上記の『ニューオーダー』を思い起こしてしまった。要するに人間は同じ過ちを起こしては立て直しの繰り返しを永遠にループして行っている様に両作を見て思ったのです。オープニングのある傑作映画のパロディでもそれを感じてしまった。
少女達にとってのバービー人形は、あの作品の人間(人類?)にとっての○○○○と同じ役割だったのか?と、最初から本作のテーマを匂わせていたのですが、本作のテーマは単に“女性の社会的な蔑視”の問題だけではないよという目配せだったのだと思います。それはバービーの問題提起だけではなく、ケンの問題提起も同等に扱われていた事でも良く分かりますよね。
いつも社会問題は片方だけの目線から発信となりがちで、今の社会現象であるミーツー運動もその代表的な例ですが、それではその対象である男性側が変われば問題が解決するのか?という、そんな単純な問題でもないことへのアンチテーゼの役割を本作は果たしている様に感じられました。
上記『ニューオーダー』も単純な人達には格差社会が引き起こす問題と捉えがちですが、格差が無くなってもそれは解決しないし、社会から女性蔑視がなくなっても、それが起因してまた別の様々な問題が発生するように、本作の作者も問題解決の単純思考化を危惧している様に思えました。なので、ある意味『ニューオーダー』と同等の厳しくも辛辣な人間批判が含まれていました。
しかしたまぁ~に出現するのですが、そういった内容を世界的知名度の人形を主人公にファンタジーとして作り上げるアメリカ映画のインテリジェンスには驚かされます。
予想を上回るメタでおバカなドタバタコメディ
冒頭のシュールなパロディから笑わされ、心を鷲掴みにされました。
基本的にバービーには興味はなく、映画化の情報を知った時もポップでオシャレなロマンスものかなと思い興味を持ちませんでした。
が、予告編のメタな場面を見て、どうなっているのかと興味を惹かれたものです。
メタでおバカなコメディの中、現実的な女性の立場や気持ちを描きつつ、男性優位社会、マッチョイズムなどなどを揶揄して、笑わせながら的確に提示してゆくストーリーテリングが素晴らしいです。
異常なまでにポップで作り物感のあるバービーランドの描写も面白いですし、マーゴット・ロビーのバービーも人形的な表情から人間的な変化までとても良かったです。
対比させる現実世界への眼差しや、自分へのイメージや役割などの固定観念に対する向き合い方にもグッときます。
まさかあの人があんな風にラスボス的になるとは、という展開も笑いました。
予想を上回るメタでおバカなドタバタコメディで、現実社会に対する視点も印象的で、大いに楽しめました。
バービーランドは現実社会だ
「イノベーションが重要」は伝わります。
観る前から「これは評しにくそう」と思っておりましたが、やはり。。。
序盤こそ、Lizzo、Dua Lipaの音楽にのってミュージックビデオさながらの映像で案内されるバービーとバービーランドの面々、そしてその暮らしぶりは「おバカハッピー」。
そもそもバービーの世界観を知らない私(50代日本人男性)にとってはこれがファースト・インプレッションなのですが、実際に初めて「自分のバービー」を手にした子供にとって、メーカーが考えるコンセプトを気にする子がどれだけいるのでしょう?おそらく、大半の子がバービーで遊ぶ際に想像するバックストーリーは千差万別で、また(その子たちの)バービーがしゃべる言葉の多くは「母親の影響」が強く出る、なんて考えるのは野暮と言うものでしょうか?
ただ、そんなこと言っていると作品が成立しないため、ここは素直に受け入れることとして、、、
あるきっかけでバービーランドを飛び出し、人間の棲む(実)世界にやってくるバービーとケンですが、ここで(実)世界の描き方に違和感を感じかけて、なるほど、序盤の「おバカハッピー」はこの(実)世界とバービーランドとの「両極の対比」が目的なのだと理解します。
双方の世界観をメタ的に見せながら語られることは道徳的で「良いことを言っている」のにも関わらず、その計算されたファンタジーによってむしろ欺瞞に見えかねない危なっかしさを感じたり。途中「それをマーゴット・ロビーが言っても」など自虐を入れたり、最後まで真面目腐らない演出は悪くないのですが、正直、少々冷めた気持ちで観終えました。
グレタ・ガーウィグ&マーゴット・ロビーと言うコンビで非常に楽しみにしていましたし、また、この手の作品性にケチをつけること自体を如何なものかと思いつつも、素直に絶賛する材料が見つからなかった私。「イノベーション(革新)が重要」なことは伝わりますが、バービーと言う「キャラクター」で語ることで反って無理を感じてしまったわけですが、それこそ、感じ方は人それぞれ。単に私向きではなかったのだと諦めることで、ようやく納得できるような気がします。悪しからず。
【”人間界にやって来たバービーとケンが知った真実。”グレタ・ガーウィグ監督が、現実社会が男社会である事を痛烈に揶揄した華やかムービー。今作は現実を知った、バービーの成長物語でもある。】
ー 冒頭からイキナリ、「ツァラトゥストラはかく語りき」が爆音で流れ、その後も「ゴッド・ファーザー」などが画面に映る。”グレタ・ガーウィグ監督、完全に遊んでるな!”
序でに言うと、バービーがあんなに沢山いる事も知らなかったし(妊婦の人形は製造中止って・・。)”添え物”のケンの存在自体初めて知った。-
◆感想
・序盤はバービーランドのド派手なショッキングピンクにクラクラしながら観賞。そこはバービー人形が主役の世界であり、ケンは”添え物”である。
ー バービーランドには、明るい陽光が燦燦と振り注ぎ、青空が広がり、挨拶は”HI、Barbie””Hi、Ken"である。-
・そんなある日、バービー(沢山いるが、ここではマーゴットロビー。)の踵が地に付いたり、身体に異変が起きている事に気付くバービー。
そして、バービーは人間の世界へ向かう。
そして、何故かケン(沢山いるが、ここでは、ライアン・ゴズリング。何か、メンドイな。)も後部座席にチャッカリ座っているのである。
・そして、着いた人間界。そこは男性優位の社会であり、悩む人が居たり、少女が最早バービー人形には興味がない事を知ったバービーはショックを受ける。
逆にケンは男性優位の社会に目覚めていくのである。
ー 物凄く、シニカルである。グレタ・ガーウィグ監督の真骨頂であろう。-
・バービーランドに戻った二人だが、ケンはバービーランドを男社会に変えて行く。だがそんな中、バービー達はケン達に媚び諂う振りをして奪回を企てるのである。
ー もうさ、ケン達が可哀想になってくるよ。能天気過ぎて・・。
”悲しいほど、能天気”Byユーミン・・。-
■劇中、ルース・ハンドラーと言う女性がバービーを助けるが、ナントこの女性がマテル社を立ち上げ、バービー人形を発明した件はビックリである。
郵便詐欺及び米国証券取引委員会への虚偽報告に関して有罪となったという点も、劇中、語られるとおりである。
だが、この女性が居て、多くの女の子が幼い時に楽しい時を過ごしたのだから、功績は大きいよね。
男性役員ばかりのマテル社に対する皮肉も効いています。
<今作は、バービーが厳しい人間社会とバービーランドで様々な経験をしたことで、人形からリアルな人間になる決意に至る過程を、能天気且つド派手なショッキングピンクで彩られたバービーランドでの攻防を絡ませつつ描いた作品である。>
よく人形のバービーをここまで掘り下げて見事に映画化🎞
マーゴットロビーが、めちゃくちゃスタイルが良くて、お人形さんみたいに見事にBarbieを演じています。マーゴットロビーじゃ無いと、この映画はヒットしなかったと言っても過言では無いと思う程です!!!バービーが人間の世界に来て、人間と触れあって、自分の価値観に直面するのだが。。。そこから、箱が開いたかのように、ありえない空想、ファンタジーの世界観が拡がっていく物語です。お人形さんのバービーが言いたかったのは、バービーはバービーを手にした私達の心の中にバービーと過ごした日々が、そのひとときが宝物のように、あたたかな時間だった。。。バービーは永遠に私達、心の中にかけがえのない大切な時間として生き続けてると言いたいんだと思います。バービーの女性主体の世界観が。。。もしも、男、優位のケン達が蝕む世界観だったら。。。を描いてて、現代の風潮も考えさせられる映画だと思います。
観て良かったです。皆さんも、是非、映画館でバービーワールドを体感して観て下さい。
期待せずに見たら、、、
前評判があまりよくなく、期待せずに鑑賞。
最初の数分は本当に嫌いなタイプの映画で、かなり帰りたくなったがしかし!段々と面白くなっていき、この世界観へと引き込まれていった。所々で出るジョークもセンスが良く、声を出して笑ってしまった。途中で出てくる“男あるある”も、共感する点や自分に当てはまってしまう部分も多く、かなり良かった。また、途中までは女性賛美的映画なのかな~と思ってみていたが、そこに終始することなく、もっと深いところまで掘り下げることに成功していたと思う。全体的に見て、かなり満足のできる内容だった。
俳優陣も素晴らしい。マーゴット・ロビーの堕落した女性の演技、ライアン・ゴズリングの出す何も考えていない人間感、この二人がかなり良かった。ちなみに、ライアン・ゴズリングってライアン・レイノルズの親族か何かかと思っていたけど、全く関係ないんだ、、、顔も似ているしカナダ出身だし勝手に兄弟だと思っていた。
ただ、内容が内容なので、日本では流行らないかなとも思う。カナダやアメリカでは連日満員らしいが、私が訪れた劇場ではかなり空席が目立っていた。日本でこそ流行るべき映画だろと感じたが、なかなか難しいところもあると思った。
最後に、他のレビューしてる方を見ていると例の原爆のミームと関連付けて低評価にしている人が多い。作品の内容自体は何の関連性もないので、勝手に映画自体の評価を下げるのはちょっと理解しがたいかな~。
ギャグがハイコンテクスト、物語は優等生的。
ギャグ含め、米国カルチャーに依拠する度合が高く、かなりハイコンテクストだった。
バービー人形は、その女児に与える教育的な負の側面(白人的な美意識を中心にした美の規範の固定化)から、フェミニズム的に批判される玩具の代表のような存在。ピンクで塗り固められたその世界は、キュートにして頭空っぽ感満載。
そこに現代的な視点をコメディとともに持ち込むのは、とても面白い着眼だけど……私はバービーについて知らなすぎて、ちょいちょいギャグを理解できず、乗り切れなかった。
物語の着地は誠実で、安直な女性礼賛でもなく、妙に内省的でもなく、パワーにあふれたテンションを維持してラストまで突き抜ける。
雰囲気は観ていて楽しい、ギャグでも笑えるところはある。ただ、ストーリーや風刺としてはあまり響くところはなかった。
おそらく観客のカルチャー理解度にも寄るだろうが、劇場でひと笑いも起きていなかったところを鑑みるに、フェミニズム云々とは関係なく、日本ではあまりヒットしなさそうに感じた。
公開前に余計な(?)ケチが日本ではついた本作だが、思ったより刺激はなく、優等生的なお話でした。
観るほうも試されてる
ケンの哀しみ
全488件中、401~420件目を表示