バービーのレビュー・感想・評価
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アイロニカル
エブエブみたいだった。──というのもエブエブは派手な見た目だったが母娘の和解と“君は特別な存在なんだ”ということが描かれていて、バービーも派手な見た目だったが母娘の和解と“君は特別な存在なんだ”ということが描かれていた。──ような気がしたから。
白眉だと思ったのは母グロリア役のアメリカフェレーラが現世界のしがらみを演説するところ。
ケイトマッキノンが演じるやさぐれバービーのところで打倒ケンランドしようとするときバービーがわたしなんかぶさいくなのよと泣き言をぬかしはじめたので激励する場面だった。
グロリアは世の中何をやっても余計なことをいう奴がかならずいて出る杭は打たれてしまうのだ──という話を熱弁したのだった。
長い台詞だったので覚えていないがSNSにつくコメントとして考えると解りやすい。(たとえば)痩せているとふくよかなほうが健康的とかいわれる。太るとデブよばわりされる。儲けていると守銭奴だのがめついだの言われる。子育てしていると子育てアピール乙とか言われる。リーダーをやると上から目線だといわれる。きれいでいようとすると媚びだと言われる。何をやっても茶々を入れられる。なにをするにもバランスをとらないとできない。そういうがんじがらめな世界なので嵌まるようにじぶんを押し殺す。──というような話だった。
たとえば先般、畑違いのボディメイクコンテストに出場したとあるカーリング選手の外観の変化に対しネットで盛んにコメントがついた。そのほとんどが「元のぽちゃ体型のほうがすきでした」というものだったが、いやいやおまえの意見なんかきいてないし、他人様の向上心を摘むような発言は黙っとけよ。──という話。
バービーは姿形の理想値を人形で具現化することにより、ボディイメージによる差別を助長してきたといえる。そのことを自戒というか自虐ネタにしたセルフパロディが映画バービーというわけ。
ガーウィグとバームバックの夫婦チームが書いた脚本でアイロニーの切れ味はさすがだった。
フェミ映画だと言っている人がいたがフェミ映画ではなく多様性への応援歌になっていてバランスを保ちながら生きることを推奨している。
きみの個性も自己肯定感もわかったし気持ちの上ではそれで生きていい。だけどその個をモロ出しにしちゃうと社会との間に軋轢が生じるからスピードを緩めて2位くらいにしといたほうがいいぞ、と提案している。
Mr. Incredible(2004)のラストで“ダッシュ”が出ている運動会を家族で観戦しているシーンがあったでしょ。
で、ダッシュは速すぎるので父ちゃんのインクレディブルが「スピード出し過ぎんなよ」てな感じで応援しながらもセーブしろってややこしい声援を送るシーンあったでしょ。
あれがこの映画の縮尺。“みんなちがってみんないい”という理想郷標語があるけど、ほんとの標語は“みんなちがってみんないいけど工夫しないと自殺することになるぞ”だ。映画バービーが言っているのはそういう話だった。
IMDB7.4、RottenTomatoes88%と83%。
前述のごとくアイロニカルなのでにやける場面多数だが、にやけながらも意味を解ったうえでにやけているのではなく、なんとなくにやけていることを自覚していた。
とはいえこの映画のおもしろさはわかるしアメリカでウケてるのもわかるが、じぶんはノれなかったというのが正直な感想。
英語圏でバービーやケンと過ごしてきたという来歴がなければ映画バービーの真髄はわからないのではないか──と個人的には思った。
だいたい多様性を言うなら防空ずきんをかぶってもんぺをはいて竹槍をもった銃後バービーや特攻服に日の丸はちまきをした神風ケンがいてもいい。かれらがLAのビーチに上陸してほしがりませんかつまではとかばんざいとか絶叫しながらバービーやケンと白兵戦をやるというならいざしらず、およそ生活環境にバービーがある文化圏向けの映画という印象は否めなかった。
演技陣では人形的な演技に徹したせいでロビーにもゴズリングにも魅力を感じなかったが、マッキノンはバービー世界にもかかわらずマッキノンだったし、ガーウィグだろうがバームバックだろうがいつでもどこでもウィルフェレルはウィルフェレルだった。
まとめるが映画バービーが言いたいことはバービー以後に湧いたバービーわかる感を出してくるインフルエンサーに対して無理すんなというツッコミをいれないでやんわりと彼または彼女のバービーわかる感を認めてあげなさい──ということだ。ひるがえってバービーのテーゼとは他人様が出してくる我(が)や生き様にいちいち茶々入れんなということだ。
したたかで手堅い娯楽映画。
アメリカの『サタデーナイト・ライブ』(SNL)は、おバカな設定のコントを著名俳優が大真面目に演じる人気TV番組で、これはそれを豪華予算で映画化!という感じの楽しい作品。
SNLが人気なのは現代アメリカ社会への、忖度のない痛烈な諷刺が含まれているからだけど、この映画も主題はアメリカという国。女性も男性も等しくばっさりなで切りにして笑いとばしつつ、しかし最後には優しい視線で皆を包み込む。この映画が大評判になるのも無理はない。
しかもこれは政治的主張だけの映画では断じてない。とくに中盤までの、カメラと編集と音楽で小気味よいリズム感を作り上げる手法は巧みでしたたか。文句があるやつは、バービーとケンが人間社会にやってきてから警察入りを連発するあざやかなシークエンスを、できるもんならマネしてみい。
このあたりの技術的手堅さをいっさい見逃してポリコレがどうのこうのとケチをつけるのは、要するに映画の画面なんかまともに見えてないということだ。
もっとも、中盤以降は話のころがってゆく先が見えて、いささか退屈になる。そしてジェンダー問題を逃れるかわりに「ほんとうのワタシ」論にすりよってしまっているし、アメリカのフェミニズムでいつも問題になる「経済格差のどうしようもなさ」がほぼスルーされてしまった。このあたりをどう考えるかで、作品の評価はかなり変わるとは思う。
エンディングの一言についていえば、これは映画の中で何回も伏線が張られている「股間はツルペタ」というせりふからまっすぐにつながっている。
日本語の字幕で「股間はツルペタ」と訳されている部分は、バービーの英語の台詞では、はっきり「わたしは膣がないしケンもペニスがない、性器というものがないのよ」と言い切っている。この条件があるから、バービーワールドは健全で明るいかわりに現実味を欠いた世界になっていた。バービーは現実のリスクとともにそれが引っくり返ることを受け入れた、というのがラストのひとことの意味。
アメリカでは「婦人科」というところには女性はカジュアルに足を運ぶので、ここに行ったから性病とか妊娠とかおおごとになっているとはぜんぜん限らない。リアルな人間社会で女性たちが日々向かい合っている問題に、夢の世界を生きていたバービーも踏み出そうとしている…ということを示そうとしたエンディングなのだ。
23-102
公開前に一悶着あった問題作を鑑賞。
直前まで観るかどうか迷ったが、
鑑賞ポイントで無料鑑賞。
場内は若い女性多めのようです。
入り口でポスターと自撮りしてる方も。
女性の立場、男性の立場、
双方の考え方でいろいろと軋轢や
葛藤があるのは事実ですが、
ハリウッド映画の表現方法には❓
『自分は自分らしく』
というメッセージも含めて、
何か線引きをするような説教臭い感じが
好きにはなれません😣
全く自分には受け付けない映画でした
日本でもし大ヒットしたら自分の映画鑑賞の好みが偏ってきてるんだと思うほど、全くダメでした
マーゴットロビーがそもそもダメになってしまったからかもしれないが、エママッキーがステキだったのが救い
わからない…
アメリカでこれだけ人を集めている作品というのが解せない。
バービーにまったく思い入れがない。主役俳優を知らない。でももっと楽しめる気がしていたのに…
意欲的な作品というのは分かる。メッセージもわかる気もする。でもバービーじゃなくていい。凝った映像もなくていい。どうしても入り込めなかった。
残念!
タイトルなし
バービー売出し前の苦労や競合他社とのせめぎ合い、その後の内部分裂とかなり内容は濃くて面白かったです。
当時のアメリカの様子やマテル社の事を少し予習していった方が楽しめます。子供には難しい内容ですのでお子様連れで行くのはお勧めしません。
マーゴット・ロビーがバービーにぴったりで超可愛かったです!
場違い
私以外は昔の少女たちばかり。
疎外感が半端なかった。
そもそもバービー自体には何の興味も思い入れもない。
娘たちもどちらかと言えばリカちゃん派だったような。
子供映画同様、まともにレビューしていいのか悩むところ。
だが、一応対象は大人のはずだし、
心が女と強引に主張すれば女子トイレにすら入れてしまうおかしな時代、
少女映画にじじいが場違いなコメントをしても許されてしかるべき?
全体的にストーリーはあってなきがごとし。
人間界に行ったときには現実の親子との絡みやカーチェイスもあってちょっと期待したが、
すぐにバービーランドに戻ってしまい幼稚な展開に。
バービーの発案者が登場してきっと感涙モノのことを言っているのだろうが、
じじいには全く入ってこず。
いつもはエンドロールの終わりまでみるのが礼儀だと思っているのだが、
耐えきれず途中で退席した。
苦しかった・・・・・。
浅い
ジェンダー問題やダイバーシティ問題等やりたいテーマはわかったがあまりにも内容が幼稚かつ課題を浅くとらえすぎている。
製作陣にはまずフロムやスピノザ等、こうした問題を描く上で熟考してきた哲人たちの本を読んでほしい
ルッキズムを刷り込ませてきたと言われるバービー人形が届ける力強いメッセージとは!?
それなりに多くの女子たちが子どもの頃に遊んだであろうバービー人形(私は与えてもらわなかったし、遊んだこともないので特に思い入れはない)。
金髪のロングヘアに、青い大きな目と忘れ鼻。程よく大きな乳房に、くびれたウェスト、すらっと長い脚……。女性の理想を形にした定番のバービー人形は、女の子の憧れでもあったが、最近ではルッキズムを刷り込ませてきたとして批判されていたりもする。実際にサーシャがそのようなセリフをバービーに言うシーンがある。
本作は、そんな女性の憧れだったバービー人形を切り口にして、フェミニズム、ジェンダー、アイディンティティといったテーマを織り交ぜている。そしてバービーの世界観を通して現代社会に疑問を投げかけながら、風刺的かつ、前向きなメッセージが込められていて、軽いミーハー映画だと思ってみると肩透かしをくらうだろう。まさに今の時代だからこそ、刺さる作品じゃないだろうか。
特筆すべき点として、サーシャの母親・グロリアが放つ女性たちの気持ちを代弁した台詞が痛快で最高で、その場で立ち上がり拍手しそうになった(あとで知ったが、脚本・監督は女性、どうりでメッセージがリアルなわけだ)。
ライアン・ゴズリング演じるケンの男としての葛藤も描かれている。彼らもまた、“男”という呪縛に苦しんでいたわけだ。
完璧なのは人形の世界だけでいい。私たちは絶えず老いと死に向かって生きている。心折れそうになる日もあるし、死にたいと思うほど、辛い時だってある。それでも生きるって素晴らしく美しいことなんだと。
ピンクに染められた世界観はちょっと人公的でしんどかったけど、ほとんどCGを使ってないんだとか?!『アグリー・ベティ』に出ていたアメリカ・フェレーラがグロリア役と知って嬉しかったな。大人の女性になっていて、私も同じく歳を重ねたのだと、ジーンと来ました。
フェミズム映画だとかいろいろと言われてあるけれど、男とか女とか、そんなことはどうでもいい。
私は私、あなたはあなた。それぞれが唯一無二の存在なんだよ、人生楽しもう!!
吹き替えも良かった
1回目吹き替え、2回目字幕で鑑賞。
2回見て思った以上に吹き替えのテンポの良さからくる軽妙さ耳から入る情報量の差で吹き替え寧ろ悪くなかったぞ!となりました。ちなみに歌のシーンは字幕仕様です。
1度目はユーモアと皮肉、ライアン・ゴズリングのケンは彼しかありえないってハマりっぷり最高って気持ちと、人形の世界の再現度の高さ、そしてもちろんバービーの可愛いさとファッションのキラキラ感、おもちゃの世界の嘘くささを最大限生かしつつ安っぽくならない隙のないクオリティにやられて満足。
2度目は同じ要素を楽しみに行った筈が、自分の楽しむポイントに変化が起こっていてより味わい深く楽しめました。現実世界を初めて目にしたバービーが涙するシーンとかが泣けてきちゃって。
ほぼ同年代、同じ価値観、落ち込む人なんて居ない、みんな同じテンションでずーーーっとハッピーな世界との対比に、落ち込んだり怒ったり良い事以外も一緒に存在してる世界を見て良し悪しなんて関係なくただ違うものが同居している事に美しく感じるステップから入ったのは染みる。
物語の中で度々出てくる「バービーにも責任がある」「私は定番タイプのバービーだから」ってセリフの持ってるバービー側への痛烈な皮肉も2度見すると意味がハッキリとしてきて、「らしさ」の呪縛が色々なところに散りばめられているので探すのも面白いです。
お母さんが女性の大変さについて語るシーンは名台詞でサイッコウ!でしたけど、その女性が振り払いたいあるべき姿ってのを最大限に理想化したのがバービーランドのバービー達であり彼女らの輝きは男性を脇に置くことで発光しているのも面白くて、人形に込められた夢ってめちゃくちゃパーフェクトで貪欲じゃんて。
ラスト近くの「定番品だから出来る事が何もない」ってセリフもより感慨深く聞こえました。
唯一1人しか居ないって事実だけで、アイデンティティが確立されているアランが居心地悪そうなのも「同じ」という幻想と同調圧力の中での少数派の立場が出ていて良いキャラだよね。
これはほんと良い映画だと思う。
よくわからんけど、明るい雰囲気で色んな社会風刺をやろうとしている作品
バービーについて詳しく知らないので、パロディの元ネタとかがわからなく、おそらく爆笑する場面なんだろうけど、ついていけない時が多かった。
現実世界の男性社会に憧れるケン、女性ばかりが活躍しているバービーランド、現実的で冷めている子供、全ての価値観をおちょくってるような感じ。
ある意味ピュアなバービーが鬱になって、それを励まそうとして色んなキャラがホンネをぶちまけていく。
その内容が現代のアメリカ国民が抱える悩みを代弁しているように思えて、あまりに複雑な精神構造にちょっと引いてしまった。
バービーを使って面白おかしくしているけれど、たぶんすごい作品だと思う。
小さなアニメを観ているよう
バービー!懐かしいぃ!!
昔はバービー人形のとりこでよく集めたものです!
何を伝えたいのかよく分からない映画でしたが、コメディだし、まぁすごく弱いですが、CMを見るような感覚でした。
でも映画なので約2時間あるので少ししんどいかも。
ただ、バービーの可愛さキュートさや、ライアン・ゴズリングの痛い男の演技とかダンスとかは流石でした!
もしかしたら対象年齢が6歳以下の映画ではないでしょうか??
最高!
男が、とか、女が、とか、そういうのがない世界・時代を装っているけれど、至る所で女性的なるもの、男性的なるものが溢れているし、なんだかんだ多くの人が役割とかありたい姿とか理想的なあるべき姿に、おのおのが縛られているジェンダーを投影してしまう。
そんなの全部、笑って泣いて乗り越えよう!
自分のことは自分で決めて、自分のありたい姿になりましょう、って大事な事だよね。難しいけど。
何が面白いの?
胸糞悪い男女差別を見せられて何が面白いのか
コメディーも中途半端
最後にちょろっといいことを言って締めてるけど直前まで男女差別しまくっていて何の説得力もない
普通にバービー&ケンが人間世界に出てきて~とかなら普通に面白かったろうに
よく工夫しているけど
例の一件があって見に行くのボイコットしようと思っていましたが、作品に罪はないと思い直して鑑賞しました。観る側に世界観を理解させるための工夫があって乗りやすかったので、すんなり受け入れることができました。単なるおバカ映画かと思ったらあちらのジェンダー問題とかえぐっていて割と面白かったです。ただどうしても全体に説教臭さが鼻につきました。
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