「とにかく話題性が半端ない　グレタ・ガーウィグ監督×バービーマーゴット！」バービー　Another Popcorn Timeさんの映画レビュー（感想・評価）

今作の映画制作クリエーター達は、口を揃えてその制作プロセスを目を輝かせて話している。撮影時、毎週水曜日はピンクを着てくること！（映画『ミーン・ガールズ』でお馴染み）やリアル「バービーランド」セットを作り上げたり（空もバービーランド仕様で偽物！）。プロデューサーも兼任しているマーゴット・ロビーが「口説いた」監督グレタ・ガーウィグは、製作陣のワクワクをスクリーンを通して、伝えることを見事に成功させている。内容を抜きにしても、十分に楽しめる世界観には期待通り。やっぱりこれは、バービーファンじゃなくても楽しい。

オリジナルストーリー作品として、書き上げた作品が減っている中、今作が2023年度世界映画興行収入ランキングトップに躍り出たのはすごい。既存で賛否両論あるキャラな上、ジェンダー、フェミニズムなど、社会のビーグッテーマを次から次へと出してくるので、一歩間違えると大炎上＆大コケしかねないところを、「human being（人間）の映画」と言い切るガーウィグ監督。生きる人々を見ながら「あなたは美しい」と涙を流すバービーを通して、人間として生きることについて純粋に立ち返させられる今作には驚きもしっかりある。まさかおもちゃ人形にここまで考えさせられるとは...

ストーリーは、個人的には社会的な声を少し詰め込みすぎ感があり、完全に話にのめり込めなかったので、その点は星マイナス。

今作のゴーサインを出したマテル社の懐の大きさに感謝。