「グレタ・ガーウィグのメッセージは健在」バービー ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
グレタ・ガーウィグのメッセージは健在
グレタ・ガーウィグの一ファンだ。主演だった「フランシス・ハ」の衝撃から始まり、彼女の学生時代を描いた自伝的映画『レディ・バード』の絶妙な演出が記憶に新しい。『ストーリー・オブ・ライフ』の少女たちの青春群像も心に残る。
ところが本作は、今までの彼女とは趣向が違う。バービーという人形の世界と人間世界を描いた空想ファンタジー。主演も今までとは異なる強烈な個性派女優マーゴット・ロビー。奇想天外なミュージカル。その世界観は、ウェス・アンダーソンに通じるものがある。ただ、バービーを通して彼女の作品に脈々と流れる人間としての自立への希求が、本作でも描かれている。
印象に残ったのは、後に人間界に舞い降りたバービーの面倒を看ることになる母娘の娘が、初対面の時に言った言葉。
「フェミニズムを50年後退させ、女子の自信を奪い、大量消費をあおり、環境破壊している」
バービーはその言葉にショックを受けて号泣し、自分を変えようと決意する。
グレタ・ガーウィグの強烈なメッセージを実感した。
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