劇場公開日 2023年8月11日

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「個人的に好きな作品。ミュージカルで舞台化して、再映画化すると洗練されるかも」バービー 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5個人的に好きな作品。ミュージカルで舞台化して、再映画化すると洗練されるかも

2024年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

リカちゃん、バービーちゃんで遊んだことがある世代の人には、忘れかけてた幼児期の大切なお友達に映画館の中で再会して、私たちが大人の階段を上っていって彼女たちの存在を忘れたその後も、燦然と子供たちの夢みる心を守り続ける社会的使命を負った、世界中の子供たちのお友達。

映画館の中では、リアルサイズで超ハッピーなバービーワールドが目の前に広がっていて、遊園地やディズニーランドに遊びに行った時のように、胸がドキドキしまし。

お人形さん遊びをしてる時の子供の高揚感のままに、バービーとケンたちが会話を交わし、ダンスを踊り、お洒落な服をきて、本当に幸せそう。

大好きだったお友達の様子がちょっと変で、身の上を案じながら、ついつい物語に没頭していって、気が付くと大人になった観客(自分)が、幼い頃のお友達バービーに共感して、またバービーと心を通わせているという、心の旅を体験できる作品でした。

個人的に好きな作品です。子どもの頃、お人形さん遊びをしていた人には、幼少期に自分が描いていた夢の世界の崩壊の危機に、動揺して、刺さりまくると思います。

架空の世界の話なので、ミュージカルで舞台化して、再映画化すると、さらに洗練されて、この話で伝えたかった作者の思いが、より深く、より明確に表現できるんじゃないかと思いました。

この作品、十分素敵なのですが、とくに必要のないカットや台詞もあったんじゃないかなと思いました。思い切って、なくてもストーリーが成立するシーンはカットして、いきなりストーリーを止めるとか、いきなり歌い出すとか、そういう緩急のリズムがあってもいいのかなと思いました。

子供はいきなりお人形さん遊びをやめて、お母さんのところに走っていったり、泣いたり、笑ったり、忙しい生き物です。お母さんも子供のお世話が大変!

だからこその、子供が没頭できる世界を、大人が気合を入れて作ったのが、子供の集中が持続可能で、かつ情操教育に配慮して作ったハッピーな「バービーランド」で、玩具メーカーの人達が真面目に議論した結果、多様性に配慮したいろんな種類のバービーとケンが、仲良く暮らすバービーランドはキテレツ感が出てきてしまっていて、だからこそ、このお話はミュージカル化をどんどん進めてほしい。その方がもっと面白くなる。

20年後くらいに、ミュージカル化された「バービー」を観てみたいです。

山川夏子