「吹き替えも良かった」バービー てけと2さんの映画レビュー(感想・評価)
吹き替えも良かった
1回目吹き替え、2回目字幕で鑑賞。
2回見て思った以上に吹き替えのテンポの良さからくる軽妙さ耳から入る情報量の差で吹き替え寧ろ悪くなかったぞ!となりました。ちなみに歌のシーンは字幕仕様です。
1度目はユーモアと皮肉、ライアン・ゴズリングのケンは彼しかありえないってハマりっぷり最高って気持ちと、人形の世界の再現度の高さ、そしてもちろんバービーの可愛いさとファッションのキラキラ感、おもちゃの世界の嘘くささを最大限生かしつつ安っぽくならない隙のないクオリティにやられて満足。
2度目は同じ要素を楽しみに行った筈が、自分の楽しむポイントに変化が起こっていてより味わい深く楽しめました。現実世界を初めて目にしたバービーが涙するシーンとかが泣けてきちゃって。
ほぼ同年代、同じ価値観、落ち込む人なんて居ない、みんな同じテンションでずーーーっとハッピーな世界との対比に、落ち込んだり怒ったり良い事以外も一緒に存在してる世界を見て良し悪しなんて関係なくただ違うものが同居している事に美しく感じるステップから入ったのは染みる。
物語の中で度々出てくる「バービーにも責任がある」「私は定番タイプのバービーだから」ってセリフの持ってるバービー側への痛烈な皮肉も2度見すると意味がハッキリとしてきて、「らしさ」の呪縛が色々なところに散りばめられているので探すのも面白いです。
お母さんが女性の大変さについて語るシーンは名台詞でサイッコウ!でしたけど、その女性が振り払いたいあるべき姿ってのを最大限に理想化したのがバービーランドのバービー達であり彼女らの輝きは男性を脇に置くことで発光しているのも面白くて、人形に込められた夢ってめちゃくちゃパーフェクトで貪欲じゃんて。
ラスト近くの「定番品だから出来る事が何もない」ってセリフもより感慨深く聞こえました。
唯一1人しか居ないって事実だけで、アイデンティティが確立されているアランが居心地悪そうなのも「同じ」という幻想と同調圧力の中での少数派の立場が出ていて良いキャラだよね。
これはほんと良い映画だと思う。