「自分らしさと生きる」バービー ポールさんの映画レビュー(感想・評価)
自分らしさと生きる
設定も世界観もよかった
女の子たちに夢や自由を与えたバービーランドは
ケンたち男性を軽視した差別的世界という皮肉
子供の頃から性別においての刷り込み
男の子は外でお兄ちゃんたちに混ざって遊んでなさい
女の子はお家でお行儀よくおままごとでもしてなさい
でも本人が望んでいれば問題ない、それでいい
私も両親に常々言われて嫌だったのが
兄たちは男だからいいけれど、
お前は女なんだからちゃんとしなさい
身の回りのことをしない兄の片付けは
女のお前がやるべきだと
反骨精神がうまれて
あえて言葉遣いも悪くしていたのを思い出しました
いやいや自分のことは自分でやれるようにしとけ!
結果的に子供の可能性を制限することになる
バービーの生みの親、国税庁に捕まったみたいですが笑
それでも素敵でした
子供に許可や許しなんて必要ない
振り返ったときに目印になるように私は見守るだけ
子供は所有物ではない
1人の感情をもった人間なんですよね
私も昔、お人形遊びしていたので懐かしくもあり
そうそう、ツルペタね、わかるわかる
都合のいい展開しかない理不尽がない世界が
子供ながらに逃避できて
幸せな時間だったのを思い出しました
何にでもなれる訳ではない現実を大人になりながら
私たちは知ることになります
色々な生きづらさも感じながら
バービーとケンが人間界に迷い込み
戸惑い笑わせてくれる姿にほっこり
ありのままの姿の女性を見て本能的に
それが美しく感動し涙を流すバービー
男社会を目の当たりにしたケンの少年のような顔
どちらもいいシーンでした
男とか女とか関係ない
地位も関係ない
これまでの生き方、これからの生き方も関係ない
誰もが自由な生き方で
リスペクトされる素晴らしい命
女性が体のラインが強調されるものを着るのも
メンズライクな服を着るのもよし
馬鹿なふりをするもしないもよし
結婚するしない、子供をつくる、つくらないもよし
これまでの概念も間違っていないし
そこにわざわざ、はまろうとする必要もない
全部正しい、間違いなんてない
この監督の作品は優しい
これまでもを否定しない
ありのままでいいという優しい世界
女性は本当に大変で苦労してきて、可哀想!なんてしない
みんな同じ人間だよ、だからどうするの?っていう
聡明な監督
ストーリーオブマイライフもレディバードも
『自分らしさ』を大切にしていて本当に好きです
人はみな、好き嫌いがあって得意不得意がある
生物学的に則って2択にしようなんて無理がある
ラストシーンのバービー改めバーバラになった彼女
沢山の選択肢がある中でこの道を選ぶラストもよかった
与えられた命と人生は、自分のもの
もちろん主演の2人は最高でした
オッペンハイマーの件で観ない人もいるみたいですが
1つの作品と出会う機会を失って悲しいです
(抗議することも大切だと思います、それとは別で)
まだまだ潜在的に性差別がある日本にこそ観てほしい作品