「タイトルなし」バービー ouosouさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
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フェミニズムとかジェンダリティを描いているようで(それももちろん扱われてはいるのだが)、その根源にある“(生殖器を持った)人間とは何か”を描いているのだと思った。肉体は汁気を取り入れて出すものだし、つま先では立てない重量を持つ。制限はあるが自分の意志で動けるし、動かなくてはならない。
名付けによって個が簒奪され、名付によって個を取り戻すというテーマは、『レディ・バード』から引き継がれているけれど、それがメインではない。
冒頭最高なのだが、半ばちょっとだれたようにも。
あと、若干、マーゴット・ロビーの自己実現映画の感じも。お股は凸凹だがお顔つるぺた人間のアジア人としては、いろいろと考えるところはある。アジア系、ケンとしては出てくるが、そもそもあまり視野に入っていなさそう(美/醜/定番という土俵に乗る以前、と思われていそうな気がする。アジア系ケンは、モンゴル帝国的マッチョイズムの体現者っぽい)。
バーベンハイマーの件は、作中のマテル社幹部のコスプレ感があって皮肉を感じたが、上記のようなアジア人観もちょっと影響していたのかもしれない。
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