「驚異のバービー人形存在証明ミュージカル」バービー ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
驚異のバービー人形存在証明ミュージカル
特報ですっごく期待し、しかし予告編があまりにも冴えなかったので心配してたが(ワーナーの予告編はいつもそう)、確かにグレタ・ガーウィグならではのエンタメになっていてホッとした。
テトリスでもマリオでも何でも映画にする中で遂にバービーまでも(しかも実写)と、なった時、楽しめるバービーファンワールド絡めてどんな映画にするのか、って中で、バービー誕生の時代とその変遷と現在での男女の立場の変遷を絡めつつ、「らしさ」をパロったり、真剣に考えたり、存在証明をエンタメに落とし込むという大衆エンタメでありながらの野心作。
請け負ったほうも演じるほうもどうすんだ、と思えるものを「人形」であることをベースにイカれたミュージカルにしてしまったのは正しい選択だったと思う。それゆえにギリギリの俳優の良さを残せている。
冒頭、あんだけカラフルなルーティンを見せられた後にリアルワールドを映すとなんと世の中はすす汚れた世界に見えたことか。あと、ギャグに使われたマッチョイズムはゲラゲラ笑えるようにつくられていたり、オーナー会社の描きかたもよく許してくれたよな、と思いつつ、そのコンセプト以上に娯楽映画の定番の歌、踊り、チェイス、も今までにない遊びを結構やっていたと思う。
初見では、テーマのあり方がストレート過ぎるな、とは思ったけどバービー人形題材によくここまでやったな、というか、バービー人形を今取り扱うというのはジェンダードリームと結びつかざる得ない。うまくやったな、と思う。
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