夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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少なくとも会社や上司には説明しよう
PMSを抱える藤沢さんと同僚でパニック障害を抱える山添君の共助の話。
重度のPMSにより職場で爆発し、更に薬の副作用で仕事中に居眠りし、就職して2ヶ月で退職してから5年後、再就職して働く藤沢さんが後輩の山添君に当たってしまい巻き起こっていくストーリー。
最初は病気マウント?みたいな発言もあったけれど、PMSとパニック障害に死後鬱等の誰でもなりうる精神的病を題材に、みんなで受け入れみんなに優しくという感じのお話しですね。
当事者が受け入れられるのは当たり前という意識はないし、自身で決めつけることを否定している描写もあるし、それでいて周りは受け入れて当たり前と醸しているし、まあこれはこれで良かったけれど、何だか妙に世の中がキレイ過ぎて、当事者達の一人相撲感があるような。
進行にしても終盤は優し過ぎちゃって欠伸ものだし。
どうも自分はメンタルが激強らしいので、本当の意味で理解出来ていないんだろうな…今のところ。
見る度に心が綺麗になれる気がする映画
優しさだけで出来た世界に心がほっこり。
人はみんなそれぞれ色んな傷や苦しみを背負っているけど、同情ではなくお互いに心から寄り添って支え合うことが出来ればこんな優しい温かな世界を現実世界でも作ることが出来るのかな…。
優しい人になりたいな、他人の痛みや苦しみに気付きちゃんと寄り添える人になりたいな、そんな風に思わせてくれる映画。
心温まる作品
大きな事件は起きないけれど、日常のなかで苦しさ孤独を感じながらも、人を思いやりながら真面目に生きる人々に心が温まりました。
映像や控えめにしか使われない音楽も、すべてが素敵でした。
主演のお二人の自然な演技、とても良かったです。上白石さんのナレーションを聞いた時の松村さんの表情ひとつだけでも、心に染みました。これからが楽しみなお二人です。
他のキャストのみなさんも抜群に良いです。
光石さん渋川さん…良かった…
三宅監督のファンになりました。
夜明け直前が一番暗い❓‼️
原作知らずですが、原作の心理的機微を省略して、ビジュアル的に洗練されたそうです。
舞台挨拶を見ましたが、あまり病気や自殺に関して掘り下げていく気はなさそうでした。
原作者が了解されたか、気になるところですが、原作知らずとしては、良い演技でした。
松村くんのセリフにあるように、男女の友情以前に、相手に異性を意識する魅力の有無で、上白石さんには無い、同感です👍
二人とも良い演技ですので、すれ違う会話は楽しめます、機微は有りませんが、ビジュアル優先ですから仕方有りません。
自殺遺族の会も、形だけのようですが、良い演技です。
演技は大変素晴らしい👍ので、原作軽視で叩かれるのは、胸が痛いです。
扱う病気の方には、違和感があるでしょうが、それなりに癒しをもらえる良い演技なので、製作者になり代わり謝るので許してください、関係無いけど。
内容はともかく、演技を楽しむために、どうぞ。
普遍的なケア、宇宙を貫く光(映画の)
2024年。三宅唱監督。月経前の極度の心身不調を抱える女性と、パニック障害を抱える男性が、小さな教育素材製作会社の同僚になることから、お互いを思いやるようになるまでの様子を描く。症状を抱えたマイノリティ当事者の特殊な話でありながら、恋でも家族でも友情でもない普遍的な「ケア」の形を描いている。
原作小説がありながらさらに映画作品化する意味は、症状が現れる人間の表情の変化や、周囲の人々の様子を、映像として直接的に、かつ、時間経過を含めた文脈の中で、映し出すことにあるだろう。宇宙からの光を子供に説明する教材の製作(プラネタリウムの巡回)が、主人公たちが症状による生きづらさを引き受けていくこと(そしてお互いにケアしあうこと)と自然に重ねられているのも、「光」を扱う映画表現でこそ可能となっている。星々の様子が光によって把握することができるように、主人公たちの様子も様々な光の中で描かれる。もちろん、映画自体、光の投影によって可能になる「光の芸術」なのだから、この作品からは「映画の光は宇宙を貫く光だ」という強烈なメッセージを感じられる。
主人公たち二人の帰宅途中になるトンネルがすばらしい。
ずっと心に抱きしめていたい「心のお守り」になる映画
ベルリン国際映画祭の方が「小津安二郎」と表現していましたが、まさにそうだと思います。
正直、この映画に、恋愛やハラハラドキドキの展開、全くなしと予告され、じゃあ何が楽しいんだ?と、不安な気持ちで観に行きました。
しかし!!この映画を観ていたら、恋愛やハラハラドキドキがなくても、映画館に観に行く価値のある「映画」があるとわかります。
最近流行りの、刺激的な商業的映画を欲してる方の方でも、この映画は大丈夫です。
むしろ驚くほど、ジュワっと心にしみると思います。
この映画には、人々の日常がドラマです。
みんなの日常がストーリーです。
心は変化するし、景色も変化する。
本当は「変化」ではなく「うつりかわる」という言葉が正しいのかもしれませんが、日々うつりかわる心と景色に思いを寄せられる、優しい映画です。
登場人物の生きづらさを押し付けませんので、今苦しい方も、そうでない方も、ずっと「心のお守り」にできると思います。
人を選びそう
病気を抱えてる人がどう苦難し、苦労し、一般社会からはじきだされ、
それでも周りのやさしさにも支えながら前を向いて生きていく、
それを淡々と描いたような映画。
何かすごい事件が起こったり、劇的な恋愛に発展するわけでもなく・・・
ある意味ドキュメンタリーに近く、
人によってはかなり退屈に感じてつまらないと思う。
それにしても登場人物に悪い人はでてこなくて、優しい人ばかりで
やさしさにあふれている。そういう意味で優しい気持ちになれる映画なのではないか
と思う。
主人公たちを受け入れられなかった人たち(最初勤めていた会社であったり、別れた恋人であったり)も決して悪ってわけではないんですよね。そこを悪として問題視するような描かれ方をしてなかったのはすごくよかったと思います。
プラネタリウムで上白石さんが読み上げてた文章がすごい良いことを言ってたと思うけど、
完全に他ごとを考えてしまって聞き逃してしまったのが個人的に悔やまれます。
一人で抱え込まないでほしい
障がいを抱える方の辛さが
垣間見られた映画でした
今後、もっとオープンにしてもらえれば
この会社のようにみんなで助けあっていける社会ができるのではないかと感じました
三宅唱監督は「ケイコ〜」同様とっても良い
主演のお二方もとてもナチュラルでステキでした
精神的
な病は、第三者に伝わらないだけに、辛いですよね。最近は人との関わりが薄い時代だから、余計に知らん顔されるし、頼る所が無いしで、特に大変ですね。自分が一番楽にいられる場所が見つかればそれが一番ですね。主役二人の演技は良かったですが、特に上白石萌音さんは、平穏な顔から、急にスイッチが入った様に豹変する演技は良かったです。
男性の自分にとって衝撃。でもそれだけではない暖かい作品
女性特有の問題、なんとなく把握はしてたけれど、そこまでだろうと思っていた。
男性の自分にとってはわからないけれど、上白石萌音の急変する演技で、衝撃を受けてしまった。自分の理解のなさとそのような環境に出会ったらどうするだろう、と。苦しんでいる姿をみるとこちらまで辛くなってきた。
パニック障害の山添とあいまり、作中、いつ発作が起こるのだろうと、ハラハラしながら魅入っていた。
ただ、病気(と言っていいのだろうか)はきっかけであり、作品としては日々の豊かさであったり、助け合いだったり、優しく暖かい日常が描かれる。
辛さが誇張されることもなく、三宅監督特有の暖かさからくる、音楽と映像、周りの人物全体が見守ることで、とても良いバランスになっていた。
大きめなスクリーンで観たが、フィルムで作られているので、中小のスクリーンでみるのが味があってよいかも。
松村北斗の演技の新味を評す。
松村北斗の新味。
普通人の普通量の正義を何処か内包する気配。
きのう何食べた?からの有望株。
都会大企業でなく地方中小なら
時間空間の余裕と人情味アリ(ホンマ?)
と語るに最適の物語サイズを評す。
自他の欠点や苦手と生きる、か。
それを静かに体現する渋川清彦がまた良し。
こんな会社が理想
2024年劇場鑑賞30本目。
本編後舞台挨拶中継付上映なのでとりあえず最初のハードルはクリア。まぁ取材陣を入れていたので結局ネタバレができませんでしたが、その中でも本編の裏話をなんとか入れてくれていたので良かったです。
内容知らずに観に来たのですが、とにかく女性の観客しかいなくて、自分の視界は全員女性なくらいでなんか大丈夫かな、とファンになりましたが、生理の時に攻撃的になる病気の女性と、パニック障害がある男性が同じ職場で働いているという話。社長や、男性の元上司が優しいのですがそれぞれ事情があり、その事情のために上司同士でつながっていて、困っている人を暖かく見守ってくれています。
自分も障害者の施設で働いていて、職員の方にもなんらかの障害があるのではないかと思える人がいたことがあります。妄想がすごくて、明らかにそんな話をしていないのは自分もそこにいて知っているのに、あの人がこんな事を言ったと自分に言ってくるようなことを繰り返して、結局退職しなくてはいけなくなりました。その人の親も含めてその人に障害があることを認めておらず、そうなるとこちらも表立ってフォローできなくなるので本当に残念でした。
主人公たちの働いている会社は社員一同何かあったときに支えてくれるのが本当にすごくて、自分の時はそうはならなかった。早くあの人をやめさせてくれという意見を抑えられなかったのが残念でした。
まぁはっきり言って恋愛映画ではなく、だったらいっそルックス的にもっと地味な人をキャスティングしたほうがわかりやすかった気もしますが、是非みんなに観て欲しいから満点です。こういう病気はだれでも突然起こります。
プラネタリウム(天文)の分野が雑に過ぎる
今年60本目(合計1,152本目/今月(2024年2月度)13本目)。
(ひとつ前の作品「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」、次の作品「風よ あらしよ 劇場版」)
この映画自体は原作があるので、それを無視することはできない状況です。
一方、この映画の「主軸となる見方」では、PMSやパニック障害の当事者に対する接し方などが論点になってくると思うのですが、もう一つこの映画では主人公が務めている科学系おもちゃ等の製造の中小企業という前提から、いきなりプラネタリウムや天文の話に飛ぶという「飛びよう」がすごく、そこは一定知識があると???という部分は否めません。
一応にも趣味が天文観測であるのでこの部分はかなり気になったところです。映画の感想自体は多くの方があげられているので、感想というより上記気になった点をメインに書いていきたいと思います(あらすじ自体は多くの方が書かれている通り)。
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(減点0.4/天文に関する描写が不用意だったり、配慮が足りない(個別につき下記)
・ 後述しますが、2023~2024年の映画で、「サブ筋として」プラネタリウムや天文(星座ほか)の話が出る映画としては極端にマニアックな話題が出るかと思いきや、ちゃんと拾っていると???な部分が多々あり、ここは配慮ができなかったのか、と思います。
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(減点なし/参考/ベテルギウスまでの距離)
・ 映画内では「500光年」としてストーリーが進みますが、日本の科学館(博物館、プラネタリウムを併設する施設ほか)では、450~700光年と資料がバラバラです(どの観測結果を引用したかによって異なる)。この点、「一説によれば」の一言がほしかったです。
(※) 似た事例に、NHKアニメの「ふたつのスピカ」において、アニメ版は「スピカまでの距離は約350光年先」とあったのに対し、のちのコミック版ほかでは「当時の知見であり、現在では250~300光年とされる」と書かれたものがあります(同アニメの公開時期と現在とでは、こうした配慮の有無については当然差はあるもので、ここに触れていないのがかなり厳しい)。
(減点なし/参考/「なくなって(墓場ではなく)天に上る星座」)
・ 映画の中では冬の星座の一環として、オリオン座とふたご座が示されていますが、そうであれば「ぎょしゃ座」もそうであるはずです。
(減点なし/参考/移動式プラネタリウムの描写が不十分)
・ 移動式プラネタリウムなのである程度色の表現に限界がある点理解はしますが、オリオン座のリゲルが真っ赤に表示されていたり、そのすぐ近くに比較的明るい星が描写されていたり(この星は、エリダヌス座の「クルサ」で3等星)、やや変な部分が多々あります(かつ、この映画はエンディングロールで示される通り、科学館等がクレジットにあがっているので、そこが何か言わなかったのかという気もする)
(減点なし/参考/うみへび座のアルファルドの扱いについて)
・ うみへび座は全天で最も広い星座で、そこに2等星のアルファルドがあるため「孤独なもの」として描かれているのですが、星空を見上げても星座境界線等が実際に見えるのではなく(描かれているのではなく)、星座を問わなければ近くにレグルス(1.4等星)などがあります。
※ なお、うみへび座は一般に春の星座とされますが、ある地点から一周ぐるりと見渡したときの360度のうち220度を占めるほど「横に長い」星座なので、実際には「どの季節でも見える」星座です。
※ また、「うみへび座」と「みずへび座」の混同が多いので注意です(後者は日本では沖縄でしか見えない。
この先もずっと観続ける作品
泣くことで映画の良さ、評価とはしたくないけれど、終始涙が止まらなかった。
日々感じてしまう生き辛さに優しく穏やかに自然に、寄り添って希望をそっとみせてくれる作品。
山添さんは元々上昇志向が強く、知らず知らずのうちに自分を苦しめていた。しかし心身を壊してもなお上昇志向は残っているが、上昇志向とはまた違ったベクトをみつける。いまの環境に愛着をもつ、言葉にするとありふれているが、わたしにとってすごく理想的な仕事の仕方をみせてもらった。
どうしても抗えないこと、生き辛さはあるけれど、それでも、そのままでいられる場所がある。きっとその人にとって生きていける場所がある。人と人がそっと支え合う温かい場所で生きていきたいと思った。職場の人たちがみんな過剰に仲良いわけでもなく、でもお互いに思いやりがあり、社長や【おばちゃん】的な雰囲気を放つあの2人のような大人に、自分もゆくゆくはなっていきたいと思った。
日常の中で苦しくなったとき、なにかに迷ったとき、この映画をまた観たい。
そんな私にとってのお守りの映画がまたひとつ増えた。
これで、またきっと生きていける、無理なくそう思わせてくれるずっと大切にしたい作品でした。
本当に素敵な作品をありがとうございます。
温かなまちの住人たち
この映画の中で何か劇的なことが起こるとか、ハッピーエンドが訪れるとか、そういうことはないけれど、人生の希望を諦めてしまったかのような、無関心をまとった表情から力みが抜けていき、うっすら微笑みが浮かんだり、柔らかな眼差しになったり。
そんな変化を見守ることができる、本当に素敵な映画です。
じんわり優しくなれる映画
待望の三池監督作品。淡々と流れる普通の会社の日常と少し特性のある若手の社員2人の物語。登場人物全てが優しくて刺激が強い映画が多いこの頃、久しぶりにほっとする映画を見たなぁと言う感じだった。
それにしても脚本が本当に素晴らしい。近頃ドラマでも映画でも原作と意図の違う変更を問題視されてるけど、この映画は原作と違うところはあってもちゃんと根っこを理解してるから原作ファンもすんなり受け入れるだろうし、観終わった後素晴らしい感動をくれる。
特に派手な演技や音楽が無くても観てるうちにいつの間にか涙が流れてた。
俳優陣も素晴らしくてキャスティングした人に賞をあげたい。ありがとうあなたのおかげで素敵な実写の藤沢さんや山添くん栗田社長に会えました。
一つだけ言わしてもらえるならばクイーンファンの私はボヘミアンラプソディのくだりも入れてくれると嬉しかったなー
原作を読んだ上で見ましたが…
情報が解禁されてから原作を読み込み、今か今かと公開初日を待ち侘びていましたが、蓋を開けてみると意図がよく分からない謎の原作改変ばかり。私の好きなシーンもほぼ全カット。原作通りの藤沢さんと山添くんを望んでいた私にとっては、望んでいたものとかなりかけ離れている映画になりました。二人の友達でも恋人でもない関係性がじっくりと構築されていくところを描いた原作から、どうしてあんなものができあがってしまったのでしょうか。見ていてとても悲しかったです。キャストのお二方の演技はすごく自然で素晴らしかったので、それもあってとても惜しい!すべて原作通りにしろとは思っていませんが、いくらなんでも原作とかけ離れすぎていたのでこのような評価とさせて頂きました。
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