夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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2回以上見ることをおススメ
私は原作本を読んでから映画を観たのですが、1度目は、原作との設定の違いが多いことに気を取られて、なかなか集中することができませんでした。
それから、恋愛物でも、アクション系でもない、こういった作風の映画を観ることが初めてだったので、起承転結のはっきりしないものにも不慣れでした。
でも・・・
心にじわっと温かい物が残る映画だったので、パンフレットを読んで、もう一度観ました。
2回目は、登場人物すべての人の温かさに心打たれながら、心地よい時を共有し、「夜明け前が一番暗い」「出会えてよかった」というワードが心に響きました。
他の方のレビューを見ていると、私の初回のような感想の方も結構いらっしゃるようですが、ぜひ、もう一度観ていただきたい。
2度目は、登場人物すべてが愛おしく感じると思います。
結局、今のところ5回も観ていますが、また、会いに行きたいと思っています。
最高の良作
人は見た目じゃわからない
上白石萌音が好演
穏やかな日常にこそ幸せがある
みな人知れず戦っている
もう一度見たい
明けない夜はない、、、
本作、正直言えば三宅唱監督作品でなければ観ていなかった可能性が高く、逆に言えば鑑賞前の興味はその一点でした。むしろ意外だったのは、旧ジャニーズの方が主演にも拘わらず、初週のシアターはそれほど大きくないTOHOシネマズ日本橋のSCREEN9(同映画館9スクリーン中5番目の座席数)で、実際の客入りもサービスデイの夜回で5割弱。ただ、本作、観ておいてよかったと思える良作でした。
三宅監督の演出、余計なところがなくてとても観やすいです。扱われる題材に対して変に誇張したり、同情を誘うようなことを一切しません。私は当事者ではないのでどれだけリアリティーがあるかは判断できませんが、そもそも必要なことは「理解」だと再認識させてくれます。
昨今では少しずつ「人が抱えることのある症状」の見識が一般にも広がりつつあります。とは言え、それらのことを正しく理解できて、対応できる非当事者は殆どいないと思います。私自身も症状を持ち、通院・投薬されている方と一緒に仕事をしたことがありますが、お互いに負荷がかかっているような状況では相当に削られることもありました。そして今、本作を観たことでより社会全体が理解を深める必要があると再認識しました。(あの人は元気でやっているだろうか。。)
飾り気のないセリフに、思わず吹き出しそうになるユーモアや、ホロリきそうな温かみに救われた気がする作品。特に当事者の方には「引け目」さらには「強迫観念」を思ってしまうことがあると思います。「明けない夜はない」わけですが、変わらなければ同じ朝が繰り返す。だからこそ理解を深めることが重要ですね。
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の...
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の方が症状が重いとか、つい他人と比べて自分を不幸にしてしまいがち。
そんな事は意味がなくて、まず「他人の痛みは完全には理解できない」と割り切る事、その上で相手が抱える痛みを知ろうと努力をする事、善意を押し付けない事、それが人と関わる本質なのかな、と感じた。
二人が互いに依存しすぎず、自分の頭で考え、自分の足で立っているところが良かった。
そして何より周囲の人たちの掘り下げが丁寧なのが素晴らしかった。
彼らも大きな傷を抱えていて、二人を支えることで自分たち自身も救われているのだな、と感じさせる眼差しが本当に温かかった。
プラネタリウムの藤沢さんの語りのなんと静謐で雄大な事か、それを深く受け止める山添くんのあの表情を思い出すだけでも心が揺さぶられる。
明けない夜はない、でも今目の前に広がるこの夜もまた二度と来ない。
痛みも苦しみも抱えながら、誠実に生きていこうと思えた。
生き辛さを共に生きる
何故に評価が…😓
優しさの意味
支え合うことは、心地よいこと
現代日本の抱える問題と、解決への道を温かく描いた映画
この映画良かったなぁ〜と思って監督を調べたら、「ケイコ目をすませて」の三宅晶監督でした。
社会の片隅で見過ごされているけど、確かに存在している問題をそのまま見せてくれて、同時に終盤では希望も見えてくる。
藤沢さんがイライラして他人に文句を言ってくる場面で、つい正論で返して言い合いになってしまう自分の姿を思い出しました。
この場合、正しい正しくないではなくて、一歩下がって落ち着かせるのが正解なんですよね。
山添君がとりあえず洗車をするように誘導して、落ち着かせようとする姿にさりげない優しさを感じました。
エンドロールで社員がワイワイとキャッチボールするシーンが、日本の古き良き中小企業の雰囲気がして、とてもほっこりする。
ラストは大暴投に対して、笑顔で拾いに行くところで幕引き。
この監督の映画は地味なはずなのに、ハッとさせられる場面が多く、何か大事なメッセージを伝えようとする意志がヒシヒシと伝わってきます。
悪い人が出てこない穏やかな時間
とても優しい映画だった。
パニック障害は聞いたことはあるけど、何かあった時にパニックになってしまうものだと勘違いしていたし、PMSというのは初めて知った。
何も知らされずに自分の周りにいたら、山添くんは失礼なヤツに見えるだろうし、藤沢さんは逆ギレか八つ当たりっぽい、関わらない方が楽と思う。
2人のように良き理解者がいるのは恵まれた環境なんだろうな。
そういう人たちが光石さんや渋川さん、久保田さんというキャスティングも良い。
渋川さんホント良い声。
もしかして見過ごしたのかなぁ、お母さんに何があった?冒頭では普通に歩いて迎えに来ていはずなのに。
結末には必要な理由なのだけど、そこが分からないから戸惑ってしまった。
予告編では2人が支え合うラブストーリーなのかなぁくらいな印象で、特に興味を惹かれなかったけど、ラヴィットで主演の2人から映画の話を聞いて観てみたら、予想以上に良かった。
お医者さんの言うとおり、人それぞれだから100点の対応は難しいのだろうけど、こういった人たちへの接し方もざっくり知れたし、グリーフケアにも少し触れていて、地味だけど穏やかな気持ちになる映画だった。
夜明け前がいちばん暗い
出てくる人がやさしい人たちばかりの穏やかであたたかい映画でした。みんな誰かを想って生きている。
大きな出来事があるわけではなく日常を切り取っただけの一見地味な作品だと思うかもしれません。でも『つまらない』と感じる瞬間がないのは登場人物が魅力的だから。藤沢さんと山添くんを取り囲む1人1人が何かを抱えて生きてる。映画の中で説明があるわけではなく、画面の中でそれぞれの表情や行動で観る側が汲み取って事情や状況を感じ取って理解を深めていくのが一種の謎解きのようで楽しいです。フィルムの暖かさ、セリフがないシーンも風景と音楽だけが流れる心地よさ。主題歌がないエンドロールがとても穏やかで余韻を楽しめました。そういうところも含めて三宅監督作品の良さだなと感じました。大好きです。
パンフレットがとても充実しているので2回目は読み込んでから行くと見方も変わって楽しいのでおすすめです。心から 『映画夜明けのすべて出会えてよかった』と思いました。
そばに寄り添うだけでいい
まわりから見えづらい障害を抱え、苦しんでいる若い男女。
冒頭、雨に打ち付けられながら横たわる上白石萌音の背中のショットから、シリアスタッチなのかと思ったが、そこは三宅唱監督らしく、作為的な描写は極力排して、日常を丹念に掬い取っていく。自然音の使い方が印象的。特に、エンドロールでの工場前庭のシーンにはじんわりくる。
決して問題が解決するわけではないが、そばに寄り添ってくれる人がいるだけで、明日に向かって生きていける、ということか。
ただ、上白石萌音のまわりへの気遣いやお節介が過剰な感じで、ちょっと引いた。松村北斗の硬い殻が少しずつほぐれていく様に共感できたのは、同じ男性だからだろうか。
脇役はそれぞれ良いが、特に元上司役の渋川清彦が滋味深い。
工場の社長だけでなく、元上司も近親者の不幸を抱えているという設定は、原作どおりなのだろうか。上白石萌音の母親の設定も。いろいろ詰め込みすぎで、うまく消化されていない感じはした。
期待が高かったせいか、テーマやねらいはわかるが、物足りなさが残った、というのが観終わった後の正直な感想。
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