夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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大好きな作品
原作は原作の良さがあり映画は映画の良さが盛りだくさん!どちらも病気だけに焦点を当てているのではなく、ほんの少しでも相手のことを知ろうとする優しさ、少しでも助けられることがあるかもと歩み寄る優しさが押し付けがましくなく、相手にしてあげることによって自分もほんの少し助けられているような…すごく、すごく優しく心温まる作品でした。
PMSとパニック障害、どちらも聞いたことはあるけど詳しく知らない病気について強引に描写されているわけではないのに、表情や姿勢などで表現されていてお二人の演技が改めて好きだなと感じました。
松村北斗さんと上白石萌音さん、お二人の纏う空気感がすごく大好きです。
三宅唱監督、他の俳優陣もすべての方たちの良い関係性が映画やメイキング等に溢れ出ていて幸せな気持ちになります。
とても心が楽になるハートウォーミングな良作
病気で絶望の淵に立った若者たちが周りの人々に助けられ、現実を受け入れながら心救われていく物語
パニック障害を患った山添を演じた松村北斗さん、「すずめの戸締まり」での宗像草太のVCでも思いましたが、声がとても素敵です
PMSを患った藤沢を演じる上白石萌音さん、突然キレる迫真の演技はさすがでした
と、この両名の心打たれる熱演が本当によかった
藤沢が山添の髪を切るところ、
それまで絶望に打ちひしがれた主人公2人が相手の苦しみや辛さを認識し交わり始め、心から笑い合うくだりがすごく良かった
渋川清彦さん演じる山添の元職場の上司が山添が元気になってきて仕事でのプラネタリウムの話をするのを聞きながら涙するシーン、もらい泣きしそうになりました
プラネタリウムでの藤沢のナレーション
人生苦楽あるけど、毎日夜が来て、夜が明けると新しい日が始まる
だから、つらい気持ちもそう長く続かなかったり、いつか乗り越えていけると希望を持って生きていこうよ、みたいに前向きになれる良い内容でした
舞台となる主人公たちが働くこじんまりとした少人数の会社“栗田科学”、光石研さん演じる社長も良い人だし、他の温かい人々にも囲まれ、少しずつ心救われ幸せな気持ちになっていき、居心地も良くなっていく
このささやかな幸せがずっと続けばいいのに、と思って観てました。。。
上白石萌音ほど事務服が似合う女優はいない
PMS(月経前症候群)の藤沢さんとパニック障害の山添君がお互いに寄り添いながら新しい生き方を探していくホッコリ幸せな話。
珍しく愛だの恋だのはありません。ひたすらホッコリ。
しかし、PMSってあんなに大変なんだな、知らんかったです。
それと上白石萌音ほど事務服が似合う女優はいないな。
理解して手を差し伸べる優しさ
「間」がよかった。
セリフも音楽もなく、自分や同僚の症状に向き合っている2人の姿がいい。
恋愛でも友情でも依存でも甘やかすでもなく、「理解して症状に冷静に対応する」。
実はこれ病気に限らずで、言ってしまえば全ての(特に気難しい性格の)人と付き合うのと似ていたりするんですよね。
気遣いとお互い様の精神をもって、寛容さを広げ、優しくありながら、相手が具合悪い理由についてどこまで理解するのかということかと。
歳をとってくるといろいろ病気を持つようになります。
私も持病があり、発症したばかりの頃にふらつく状態でも、心ない元同僚には理解が得られず、怠(なま)けてる弛(たる)んでると厄介者扱い受けたことがあります。
自分自身、頭では「以前はこうじゃなかった」「もっとできるはず」と、病気になったことを認めたくないし、その悔しさと恥ずかしさに自分を責めたり。
そんな経験から、前半の2人の気持ちが痛いほどわかり、なんだか感情移入が半端なかったですね。
だから、同病相憐れむというよりかは、2人の優しさと、前向きに生きる希望に満ちた心のあり方にじーんときちゃったのでした。
それを、飽きさせずに、見応えあるフィルムにしていたスタッフ&俳優陣に拍手。
素敵な映画に出会えました
映画のストーリーも原作の事、映画監督の事も確認せずに、この『映画.com』の評価の高さに惹かれて、この映画を観に行ったのですが、素敵な映画に出会えました。
映画の脚本・構成において、各所場面をあえて入れない事・省略する事で、くどくど説明する展開にならず、間延びしてしまう事も無く、無理せずに各所毎の経過を入れ、間を想像出来る自由度を持たせて進められる構成に引き込まれて行きました。
音の扱い方も、日常の音やナレーションを中心を使われながら、強いドキュメンタリータッチに感じないように、電子木琴や電子ピアノ(正確な楽器名称は不明・?です)の心地よい音・テンポを映画の流れにうまく使われていると感じ、この映画の音や音楽に関われている方のセンスにも、感動しました。
この映画は、久しぶりに翌日また観に(音や音楽の使い方に注目してみたくて)行ってきました。
今までは、映画を観た後で、この『映画.com』のレビューの中をチラチラと眺めて見る程度だったのですが、この映画を観た後、この映画にどのような感想や情報が入れられているか気になり読んで、同意見の方や違った感じ方や意見など、参考になりました。
原作本を読まれてから映画を観られたレビューを見て、原作本『夜明けのすべて』も読んで見たくなりました。
今回、映画のパンフレットも。
また、原作者:瀬尾まいこさん、映画監督:三宅 唱さん、脚本:和田 清人さんの作品も、チェックしてみたいと思いました。
映画『スペース カウボーイ』と映画『アポロ13』も、また観てみようかなぁと思っています。
栗田科学は理想郷
会社に着けばログインし、ログアウトまでトイレに行く時間も作業効率も計られて営業成績をあげるのに四苦八苦しながら、上司や部下に気を使いギスギスした環境で仕事をしている人も沢山いるし、ちょっと体調不良が続けば切られることもある社会で、栗田科学は理想郷だ。
ある意味、のほほんとおやつを分け合ったりできるぬるい会社だがとても優しい会社。
淡々と日常が描かれる中で、人との関わり合いで人に言えないしんどさが癒されていくのはじーんと染み入る。
悪人が誰も出てこない世界観にも希望がもてる。
パニック障害もPMSも両方経験があるし、家族や友人、身近にも両方いるけれども、みんな上手く付き合って何とか生きている。
いちいち人には言わないけれど頑張っている。
そんな人に寄り添う映画があってもいいんじゃないかと思うので、こういう作品をたくさんの人が観てくれるのは嬉しいなと思う。
すーごい心地の良い作品でした
理解することってすごくシンプルな事なんだと思いました。
すごく高尚なこと、偉いこと、特別なこと、難しいことって印象が私の中にあります。だって、他人のことって時点で難しいし
ある意味、無関心が1つの正解なのかなって思っていたんですが、それって相手からしたら哀しいのかな…?
分からないです。
生きていく
なんと優しさに溢れた作品なのだろう。
PMSを抱えながら生きる、上白石萌音演じる藤沢さん
パニック障害を抱えながら生きる、松村北斗演じる山添君
を軸に、彼らと共に働き生きていく人々の物語。
生きづらさ、についての物語でありつつも、主役2人だけが
それらを懸命に乗り越えていく、という事だけが主題でもない。
藤沢さん、山添君の葛藤や不安や静かな悲しさなどは描かれていくが、彼ら2人だけでなく人はみなそれぞれに事情を抱えながら生きていく。
日々働いている。時に心身を休ませながら、人とゆるやかにつながりながら…。
主役2人だけが特別ではなく、みな何かを背負い、抱えながらも共に生きていく、そのような物語であると感じた。
だから声高く頑張って!とならず、ゆるやかに優しく大丈夫、とふっと背中を押してくれる作品になっている。
原作瀬尾まいこ 監督三宅唱
映像化するにあたり独自のシークエンスにしたり、映画としての設定にしている部分、ラストも原作とは異なるという。
が、原作を脚色し、そのエッセンスを大事にしている映画であろう。
特にプラネタリウムのエピソードの追加、そこから宇宙に連なる人間の存在を
ことさら上段にかまえるでなく、ごく自然に主題化しているところ。監督の手腕によるところだと思う。
四季の移ろい、時間の流れ、ささやかなユーモアあふれるエピソード、時に静かに切なさを感じさせるショット、魅力にあふれている。
エンドクレジットの映像の幸福感…
これは今を生きる私たちに必要な物語。
映画はすべてを解決させてはいない。
現在進行形、主人公たちの人生も続いていく。
現実を生きる私たちも、また。
月に指をかざす映画、アポロ13でしたか…
私はそちらがわからなかった
アポロ13、好きな映画です
何度も見たくなる映画でした
原作との違いはありますが、心に響く映画でした。何よりも松村さんと上白石さんがはまり役で映画に入り込めたので、周囲に理解してもらえない自分の苦しみに共感してもらえている気がして、泣けました。また見に行きたいと思います
瀬尾さんの原作もいいのだろう。プラネタリウムのナレーションのラスト...
瀬尾さんの原作もいいのだろう。プラネタリウムのナレーションのラストなど素晴らしい。
パニック障害を扱ったものは珍しいと思う。二人とも、周りが目に入らなくなる感じが美味かった。特に上白石は、世話を焼く感じと引きこもったり、自分の世界に入ってしまう感じ、複層生を受けうまく演じていた。松村くんも好青年役が多い中、少し自分勝手な難しい役をよくこなしていた。
光石さんはいつも通りいい。
パニック障害のメリットを話し合うシーンなど良かった。
登場人物の皆さんが優しいです
お気に入りの若手俳優(と言っていいのか、わかりませんが)である、松村北斗くんに期待して観に行きました。難しい役柄ですが、松村くんらしく、自然体のままで、良い雰囲気を出していて、お相手の上白石さんも、イメージ通りで、お二人共に素晴らしい演技だったと思います。また、アナログなフィルムで撮影された、ちょっとザラっとした映像が、その演技というか、二人の心情を際立たせていたと思います。事件も事故も何も起こらない。ごく普通の日常の中で、ものすごく行きづらさを感じているお二人が、お互いを理解しあうことで、改めて、自分自身にも向き合っていく。抱える病気が、すぐに治るわけではないけれど、少し楽に向き合うことで、前を向いて、それぞれが、自ら決めた道に進んでいく。そして、その二人はもちろんだけど、勤め先の栗田金属の社員の皆さんも、本当に優しい方ばかりでした。現実には、難しいことも多々あるとは思いますが、こんな優しい世界が、あっちこっちにあれば、いいのになと思う映画でした。
あたたかい映画です
愛でもなく、
恋でもなく、
親友でもなく、
家族でもない
でも、支え合える事ができる
そんなことが、あるんだなぁ
と、思いました
気持ちが優しくなる映画でした
わたしも、何かできるんじゃないかと、
考えさせられました
少し、生活に疲れ気味な人が見たら
前向きになれるかも💦
影もあるはず。
症例の密着ドキュメンタリーのような「再現ビデオ」のような。でもって、なにも解決していないうえに、(すべての同病に悩んでいる)彼らが『心は優しくピュア』のような<嘘>を刷り込むような演技と演出はいかがなものか。もっと社会を否定し、憎み、復讐を試み、無敵の人となってしまう人々もある、という現実もあるのでは?と思う。
理解しようとすること
原作未読。
評判の良さを見て劇場へ。
先日の「パーフェクトデイズ」と同じ様に、何か大きな出来事があるワケではなく、基本的にはそれぞれの日常が描かれる。
「パーフェクトデイズ」が、健常者の日常に見える毎日も、本人にとってはその「揺らぎ」の中で生きていることを描いたのに対して、本作は世の中には理解されにくい健康の悩みを抱える二人の登場人物が、それでも自分の居場所を手探りするお話…とでも言えるだろうか。
健康に悩みを抱えた方々が、いわゆる「日常」の中で生活していくのは、周りの理解が必要になる。
でも、少なくとも日本では身体の不調は隠して頑張ることが美徳とされてきたし、そもそも本人にとって「打ち明けたくない」悩みである場合も多い。
周りの人間にできることは、まずは「理解しようとすること」なのだろう。
ただ、こういう社会的弱者を描く作品って、必要以上に主人公の周りの酷い現実を強調し、その境遇を背負って本人が苦しむストーリーになってしまいがちだが、この作品はそうではない。
冒頭、本人の独白で細かく病気の説明から始まる主人公の藤沢さんに対して、説明なくただ失礼でやる気無さそうな山添くんを、我々は「コミュ障」としてレッテル貼りをする。
ここで我々観客はやはり「理解」がなければ人は簡単に他人について憶測で判断し、時には大きく傷付けてしまうことを体感する。
この主人公二人は同世代の男女だが、決して「恋愛モノ」に流れないのもありがたい。
天文学をモチーフに「夜があるから広い宇宙を知ることができる」「同じ様に繰り返される天体の動きも、決して同じものはない」といった話が、上白石萌音の柔らかな声で、日々の生活に疲弊してしまった人々に優しく響く。
このプラネタリウムのクダリが本当に素晴らしいワケだけど、聞いた話によると原作はプラネタリウムじゃないとか。
「ウソだろ?」
と驚きを隠せないほど、このラストが秀逸なのだ。
というワケで、原作を読んでみたくなる映画。
ストーリーもさることながら、もう、何しろ役者の皆さんの演技の良さよ。
主人公だけでなく、ここに関わるみんなが、おそらく少なからず何らかの苦しみを抱えている。
それでもお互いを尊重し、お互いの居場所を守っている、そんな「日常」を本当にさりげなく演じている。
ラストは当然「病気の完治」みたいな
ことではなく、それと上手く付き合いながら、生きていく日常の姿。
それにしてもプラネタリウム無しでこの話を終えた原作は、今回映画であの社長の弟が残した「苦しみの中で見いだした微かな希望」を、どう表現してるのか。
気になる。
代弁してくれている様な言葉も、抑えきれない不安も、言葉に出来ずにい...
代弁してくれている様な言葉も、抑えきれない不安も、言葉に出来ずにいる表情も、ものすごく胸に刺さる…不安も苦しさもなくなったわけではないけど少しずつ変化していく表情に自然と涙がでた。優しく温かく笑い会えるすごく素敵な映画でした!
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