夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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2回目以降は副音声でも楽しめる
松村北斗さん上白石萌音さんの2人の演技力が凄い!
男女の内容なのに、恋模様は一切なし。
松村北斗さんのパニック障害のシーンは
ホントにパニック障害が起きてるかのような演技。
上白石萌音さんのPMSが発症してるシーンの目はホントに発症してるかのような演技。
社長役の光石さんがいつも2人を優しく見守ってる。
見終わったあとはココロがホッコリします。
三宅監督、松村北斗さん、上白石萌音さんが副音声で裏話トークされていて、笑ってはいけないシーンなのに、クスクス笑ってしまう裏話が多いので楽しめます。
何も起きないことが逆に意味のある作品
題材的にもキャスト的にもあまり興味がもてなかったのですが、評判のよさを知って見てきました。
本当に見てよかったです。序盤にいくつか引っかかることがあったのですが、それが逆に後半に物語に活きてくる展開が多く、脚本や見せ方の巧みさに唸りました。
中盤から後半にかけて、何も起きないことが逆に不穏に感じ、悲劇的なラストを予想すらしたのですが、そんなことはなく、何も起きずに淡々と終わることがテーマ的にも意味のあるもので、他にはない味わいのある映画でした。
そしてバトンは渡されたの瀬尾まいこ原作
助けた人が成長するという話。
私は映画を見てて新人教育の話を思い出しました。
1年生が1年生に教えて、教えた人が2年生になるという話。
教えてもらう人はずっと1年生のままです。
受け身の状態が続くと親切の催促という状態になり、周囲に不満しか出なくなります。
内容はとてもいいです。いろいろ考えさせられる話です。
しかし仕方がないですが眠たい映画でした。
「甘え」「変わった人」
めちゃくちゃおもしろい
という作品ではない。
パニック障害の男性とPMSの女性の日常を描いた作品
告白していないだけで、自分の職場にもいるんじゃないか?と思わせられた。
昭和の時代はこんなのは「甘え」とか「変わってる人」で片付けられてたけども今はそういう人もいると少しずつ理解してもらえる世の中になってるんじゃないかな?とは感じる。
「病気にランクがあるんだ」ってという言葉に確かに!って思ってしまった。
自分が虫垂炎になった時結構苦しく1週間入院したのに何故か「盲腸でしょ?」って笑ってたのと似てるなと思った
自分も確かに入院した時にたくさんの自分より重い患者さんをみてまだまだ健康じゃん!って勇気は少し出たがこうやって精神的な病は特効薬がないのが辛いなと思った
この世界は動いている。すべては移り変わっていく。新しい夜明けがやってくるように。
この映画で、PMSという病名を初めて知った。パニック障害でさえ、聞いたことはあってもその症状はよく知らなかった。その病気を抱える二人を演じる上白石萌音と松村北斗が抜群にいい。はじめ、朝ドラ「カムカムエブリバディ」の二人を起用した普通の恋愛映画だと思っていた。それにしては地味な二人だけどと思っていた。だけど、この映画が描きだす世界がどんな世界かがわかるにつれ、この二人のキャスティングの絶妙さに納得するしかなかった。そして周りの役者陣の醸す温かみ。ああ、ここなら二人も生きていけるだろうと安堵した。フィルムの軟らかな空気感もまたとげとげしくなくてよかった。
正直、ラストの展開にはびっくりした。ええ?それで終わるの?と。だけど、それは失望ではなく、僕の中では希望だった。二人がそれぞれ自分の人生を自分の足で歩みは遅くともしっかりと歩けるようになっていたという安堵と、邦画にもこういう終わり方を是とする監督がいるという信頼と。なにより、あのエンディングのありふれた日常を眺めているこちら側に、心地よい多幸感を味わわせてくれたことへの感謝さえある。
とにかく、大きな山場はない。そこにあるのは、傍から見れば呑気な小さな会社の風景だ。裏返せば、自分たちが日々何気なく接している人たちの中にも、これと似たような問題を抱えている人はいるのだろう。病とは限らず、何かにつまずいて、何かに自由を奪われて、何かどうにもできないことで困っていて、それなのにそれをおくびにも出さない人はいるのだろう。そのことを少しでも念頭に置いて日常を暮らしていけば、自分にも何か気づきがあるかもしれない。もしかしたら僕が知らなかっただけで、そんな手助けをさり気なくそっと実行している人が身近にもいるのかもしれない。皆が互いにそんな気遣いの気持ちをもち寄るだけで、世の中は、この映画の中のような、人に優しい世界が広がるのだろう。
鑑賞後、原作を読んだ。
まるまる映画と同じ空気が流れていた。ただ、設定が違っていた。教材を扱う会社ではなくて、資材問屋だった。でも、主題である「夜明け」を連想させるには教材のプラネタリウムは最適だった。また、自死遺族の会という設定は、光石研演じる社長と渋川清彦演じる課長の人格設定をすんなり受け入れられることができた。
だけど、小説では自転車というアイテムがとても重要な役割を果たしていたのに、映画では単なるツールで終わっていたのが残念だった。自転車は、山添にとっては世界を広げてくれる翼だ。高揚感や解放感を手にした山添を描いて欲しかった気分はある。
こんな日常が理想なのかもしれない
大切な人を失う喪失感、他の人にはなかなかわかってもらえない病や介護の悩み、それらにより周りの人においていかれてしまうという焦り・コンプレックス。ある程度人生を生きてきてそう云うものが自分にも積もっていたな、と勝手に共感したり、日本の地方の住宅街の片隅にある中小企業の優しく流れる空気感にかつて自分もそういうものを感じたことがあったな、とノスタルジーを感じたり、映し出される映像や音・役者の皆さんの演技に魅了されていました。
帰り道、映画館からゆっくり家まで歩きながら、映画の中で見た日常になれたらいいなって噛み締めていました。
日常と人との縁の大切さを描いている良作
松村北斗は強迫性障害で挫折しつつある会社員、上白石萌音はPMSで人間関係などに苦労する女性で中小企業に勤める二人だが、それぞれの問題に気付きフランクな関係で補完しあう感じ。。精神科でのやり取りなどはリアルだし、二人のやり取りは素の彼らをみてるようで、感じのいい作品。ただ、前作の方がインパクトはあったため、星は4つ。
三宅監督に外れ無し!で、必ず男泣きする役がでてくる!
主役のふたりの関係を観ていると、なんだか希望が湧いてきて、この国は(政治と経済以外)どんどん良い方向に向かっているように思える1作でした!
で、前作と同じように、主人公の回復をみて、大泣きする男が出てくる!それでオレも泣く!
今は2度とない
2人の芝居が好きです。朝ドラコンビをまた見たくて、また原作が好きで鑑賞。宇宙の神秘と生きづらさを抱える2人の変化に、今は2度とないことをひしひしと感じました。人って周りの力と本人の気づきでこんなにも変化していくものなんだなぁと。最後はたくさんの優しさに触れてあたたかな気持ちになります。
夜にだって星はあるから
三宅唱「夜明けのすべて」障害を抱えて苦戦する2人がこんな人でありたいよねと思わせる栗田金属の人たちに囲まれながら夜明けに近づいていく。松村北斗が光を浴びながら自転車を漕ぎ出し、坂を下り、自転車を押しながら上り、また坂を下る。この希望のシーンはあまりにも素晴らしい。
全体的にちょっと理想的過ぎるかな思うけど、やはり涙。あと、小学生の時に星座大好きだったのがこんなところで生きるなんて!
はい、推しの渋川清彦さんと芋生悠さんは今作でも素敵でした。
人は他人の心の隔たりに手を伸ばせるか
映画.comのアカウント変更にミスっていたので、投稿し直しです。
最初に演技について。
出てくる演者の方々の演技は本当に存在しているかのようで、不自然なところが無く鑑賞中に現実に戻されることはありませんでした。
主役2人の抱える精神障害に対しても、映画を作る方々全員が真摯に取り組んで撮影したんだなと思います。とにかく、メインテーマの一つである精神障害についての解像度が高いです。
精神障害に対して、始めは治そうとしたり否定したり、"普通"になろうとしたりともがいていますが、そうではなく受け入れて付き合っていくよう努力していく姿勢に変わっていくところを映しているのが本当にリアルだなと思います。
また、栗田科学の描き方も良かったです。
一昔前は精神障害に対して「薬に頼るな」とか「メンタルが弱い人間がなるもの」とか「医者は信用できない」など、医者でも無い人が精神障害を抱えている人をひたすら追い詰めることが当たり前の光景でしたが、障害を持つ人たちと向き合うためにヒアリングマインドを持って接することを描いていると思います。
もっといえば、山添君の上司の辻本さんにしてもヒアリングマインドがあったと思います。
山添君が今の会社に残ることを決めた時に泣いていましたが、"普通になって職場に復帰すること"を重視しているのではないという点で、山添君自身に向き合っていたんだなというのが分かり、ものすごく感動しました。
設定としても、自分の姉には何も出来なかったことが、山添君には受け入れる姿勢が見られるところまで関われたのが、本当に嬉しいという表現になっている点でも本当にいいシーンだと思います。
別の話になりますが、ストーリー上で星の話もメインテーマとして語られており、他人との距離は人が見上げる星くらい離れているが、孤独な星も誰かにとって目印となるという主張がされています。
映画の中でPOWERS OF TENというタイトルの本が出てきましたが、これは同名のビデオを書籍化したものです。
動画で検索すると出て来ますが、人のスケールである10^0mを基本単位として、その単位を10ずつべき乗、つまり10^2mや10^3m、10^4mなど、スケールを大きくしていくと何が見えてくるのか?という教育動画となっています。
このビデオないしは書籍で語られていることは、極の最大である宇宙全体と、極の最小である原子はそれを取り扱う物理学の観点から見ると似通った動きをしている。どういうことが言いたいのかというと我々の世界は最小の単位からの繰り返し繰り返しで出来ていて、宇宙全体と我々は繋がっているのだ、ということを主張しています。
これをこの映画に当てはめると、人と人の心の距離は性別や障害や背景によって、べき乗のスケール感でいえば星ほど離れているが、その星を見て励みにしたり、あるいは人の心の自由さで触れることが出来る、ということが言いたいのではないか、と思いました。
そう理解した後、本当にこの映画に出会って良かったと思います。
朝に観に行きましたが、夜にもう一度見に行って、鑑賞後に星を眺めに行くのも良いかなと思っています。
この映画で難点を挙げると、辻本さんとの話に比べたら山添君の彼女が過去の話もなく途中でロンドンに行ってしまい、いまいち話としては要らなかったんじゃ無いかなという気もします。
障害により離れていってしまった人間関係というのを描くのであれば、もっと2人の関係を掘り下げてほしかったです。
山添君は上司、藤沢さんはお母さんを主軸にするだけでも割と精一杯のような気もします。
受け止めたその先
松村北斗さん 最近も似たような役で作品でていたけど口から出てくる言葉に偽りがないお芝居をする。恋愛作品よりこういう自然体の役が○。
上白石萌音さんは印象深いお芝居はしないけど2人のコンビはマッチしていた。上白石萌音さんだったからこそ恋愛要素なくても自然的だった。
作品は同じ世界線で生きていくような時間だった。
パニック障害やPMS はたから見たら心の病気でしょ?結局は気持ちの持ちようだよと思われがちだけど実はそんな簡単なものじゃない。だがそれを理解するにはたくさんの時間や知識が必要になってくる。だからこそ受けとめ、思いやりをもってあげることが大事だと気づけた。でもそれは患っている人も同じこと。お互いが思いやりをもち、優しさをもつことで生きやすくなるんだなと。
変に恋愛要素など入れていないところが観やすいのと他の作品との差別化か。この時代精神病にかかってない人なんていないんじゃないかと思うぐらいストレス社会だから、こういった作品でより理解力や思いやりが増えるといいな。
深夜から朝にかけて観たい
前提として
・三宅唱監督の他作品は未視聴。
・原作小説は未読。
心地いい……
まずは山添と藤沢、二人の会話がいい。いつまでも聞いていたくなる。会話のリズムというか、声のトーンというか、空気感・温度感というか、コントというか……日本語の心地よさすらも感じる。
最初の関係性は、ぎこちないただの同僚だったものが、お互いを助ける存在になっていく。
二人が互いの病気とか知ろう、何か助けられることがあったらしよう、と少しづつ歩み寄っていく様子が微笑ましい。でも近すぎないぐらいの距離感なのがまた良い。
"同僚"とか"仲間"というワードが最もしっくりくるのかも。"友人"でも"恋人"でもない。もちろん"家族"でもない。だけども「なにかあった時に居て欲しいな」「なにかあったら知らせたいな」という人。逆に距離感が近すぎると言えないことも、その人なら言えるかなっていう他人感もある。
辻本さんや栗田さんなどの周りで見守ってくれている人たちがまた優しい。どういう立場で山添と藤沢が会社に居るのか、どういう期待をされているのか。こういった様子もうかがい知れる。その眼差しが穏やかで安心する。
物語に大きな"転"があるわけでも、衝撃的な展開があるわけでもない。ハリウッド等のエンタメ映画をコーラに例えるなら、この映画は温かい緑茶に近い。
気分を落ち着けたいときにはものすごくいい。穏やか。
高画質じゃないのもいい。昼の窓辺のワンカットが非常に心地よく、前向きな気持ちにさせてくれる。
深夜から朝にかけて観たいし、疲れたときとか鬱な気分の時に観たい。スクリーンを超えて伝わる優しいまなざしが、ちょっとだけ自分に寄り添ってくれる。
僕には二人のような病気はなく、病気の描き方がどこまで現実的なのか分からない。当事者からするとどうなのか? 我々の独りよがりになっていないか? それは分からない。
でも、導入的な意味合いでは分かりやすくていいと思う。
逆に自分がそういう診断を受けた際には観直したいし、友人からも意見を聞きたい。今の自分とは違う見方ができるだろうから。
じんわりと心地いい。もう一回観たい。そんな作品。
夜明けに向かって一歩を
通常スクリーンで鑑賞(一夜限りのダイジェスト付き)。
原作は未読。
松村北斗や上白石萌音他、キャストの演技が自然体でとても良く、まるでドキュメンタリーを観ているみたいだった。
「ケイコ 目を澄ませて」に続いて使用された16ミリフィルムの柔らかな質感が、物語にマッチしていて引き込まれた。
PMSやパニック障害を抱える若者が主軸なので、「特殊状況に置かれた人」の物語と云う第一印象だったが、ストーリーが進んでいくと、それだけではないのだと思った。
藤沢さんや山添くんらの日々を追っていく内に、誰しもが何かしらの事情を抱えて生きているのだと思い知らされる。
本作がPMSやパニック障害について知るきっかけになるのは無論のこと、ふたりの姿を通して自分の中にある悩みにも向き合うことが出来るよう誘われていくのが心地良い。
自分だけじゃない。だからこそ誰かの痛みや苦しみを察することが出来、寄り添えるのが人間なのかもしれない。夜明けは必ず来ると言うが、人生の夜明けに向けて一歩踏み出すのは難しい。と言うよりも、人は誰かの支え無しには生きていけない生き物。私も誰かのそう云う存在になれたらいいなと思う。
[余談]
パンフレットにそれぞれのキャラの裏設定がびっしり書いてあるし、ラストに登場するとある文章も掲載されていて鑑賞の副読本として最適な構成なのが嬉しい。ベルリン国際映画祭のダイジェスト映像も作品への理解を深めてくれた。
[以降の鑑賞記録]
2024/08/10:Netflix
※修正(2024/08/10)
そっと寄り添う、優しい映画。
派手な出来事は何も起こらないけれど、
淡々と流れる中、主人公の2人とその周りの人々の事が、とても丁寧に描かれている。
同じようで、少しずつ変わっていく姿を、じっくり繊細に描く作風がじんわりと優しく心に残った。
主人公2人の演技も自然で素晴らしく、音楽も、耳に心地よく響くメロディだった。
出てくる人たちが皆優しいのも良い。
PMSやパニック障害に関わらず、誰もが抱えているしんどさに、そっと寄り添うような作品。
現代版 キューポラのある街といえるかも
異論は色々あるでしょうが、小百合様のキューポラのように逆境に負けず、障害を抱えながら今を生きる なんてけなげなことだろう
悪人はほぼ登場しません なおかつ性格はこのカップル素晴らしく、マイノリティーといっても、そこは乗り越えていこうという覚悟がある
夜明けのときに次第に万物が目を覚ます、その状態に生きる力を感じました 淡々とした描写、若い二人の友情(ここはキューポラとは違い、現代的)..
素晴らしい!
便利な事は寂しいし、面倒な事は温かい
2024年劇場鑑賞8本目 優秀作 72点
当初鑑賞予定ではなかったけれど、各映画サイトの高評価を受け鑑賞
結論、想像の数段良かったしこの手の作風と規模感でここまで広まっていることに近年の邦画の完成度の向上具合を映画ファン以外のマス層まで知らしめている気がしてならない
ポスターのキービジュアルやキャスティングから一見よくあるジャニーズの中で演技機会や力が備わってきた方がベタな恋愛映画のひとつ先の少し大人な恋愛映画のフェーズかなと想像させられる印象が、ちゃんとお話を伝える映画というか、恋愛要素も視点を変えれば無くはないけど、そういった要素より近年言語化され問題視されている事象に対しての向き合い方を対象者と非対称者、理解がある人と理解をしようとする人との対比と全体を通して描いている、とてもセンシティブな作品でした
全体として勉強になったなぁと脚色が上手だったなぁの2点が鑑賞後感として残りました
前者はシンプルに物語として終始描いているパニック障害やPMSの理解や知識が深まったとの、当人の心境を知ることが出来ました
後者はこういった事象に名前がつき、自己を人に伝える上で名前があった方が、ある種定義が言語化されたのでいいのかもしれないけど、定めた故に区別されるというか、残酷な側面もあると思って、そういった周りの関わり方が親切な風だし、普通に接してる風だし、理解してそうな風なんだけど、、、でも別に少し前の時代みたくわかりやすく浮き彫りにさせてるわけじゃないんだけど、、なんというかなぁ、語彙力やボキャブラリーが無くて上手く言えないけど、、集団での新たな現代日本人の在り方の様なモノを感じました
松村北斗の成長が丁寧に描かれていて良かったです、是非
時間差
500年前の光が今届く。
大昔の光が、昔、船で旅をする人の役に立った。
亡くなった人が残したカセットテープの音声やノートに記した言葉が、今、誰かを助ける。
無理せず、現状維持するという目標を述べる社長。
だが、星でさえも少しずつ変わるように、どんなものでも全く変わらないということはない。
会社も変わる。新しい挑戦をする社員もいるし、辞める人もいる。
トンネルの先の光に向かって二人で並んで歩く。
以前、一人が通り、一人がUターンして戻った、あのトンネル。
人の印象は第一印象のままではなく、変化していくこともある。
無理に相手を理解しようとしなくてよい。
目の前の人と会話することも、実際には言葉を発したり、身振りすることが、相手に伝わるのに、わずかながら時差がある。星の光が地球に届くのに時差が生じるのと原理的には同じ。
もともと時差があるのだ。
リアルタイムの会話にだって。
――断片的な言葉が、こんなふうにポロポロとこぼれてくるのを拾い集めることしかできません。
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