夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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これも難しいな
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PMSの萌音とパニック障害の松村。会社の先輩後輩の間柄。
互いの前で症状が出たことがあり、心の病気を持つ者同士、
少しずつ理解し合うようになって行く。
同じプロジェクトを担当し、ぶつかることもあったが、
互いの家を行き来するような、特別な関係になる。
とはいえ恋愛関係ではない、何とも不思議な仲。
松村には彼女がいたが、海外に転勤になってしまった。
その後の描写はないが、おそらく自然消滅したんだろう。
やがてプロジェクトは見事成功、萌音は母の介護のため退職。
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2人の主人公を取り巻く登場人物がみんな優しい。
病気に対してしっかり理解してくれるいい人達だった。
おれは彼らほど重い病気はないが、HSPではあるので、
彼らの気持ちや辛さが少しは分かる気がする。
しっかり自分と向き合って、強く生きて欲しい。
ということで共感はできるし全く退屈などせんのやが、
でも何を伝えたい映画なのかが良く分からない。
色んな出来事が、悪く言えばダラダラと描写されるだけ。
これといった目的もなく淡々と進み、オチも特に無い。
この感覚、少し前にも感じたとこなんよな。
そう、「PERFECT DAYS」を見た時と同じ気持ち。
映画って本当に難しい、そう感じさせられる映画だった。
それにしてもタイトルが謎。「夜明けの全て」って何?
本編を見たら分かるかと思ったが、やっぱ分かんねーw
優しい気持ちになりました
病気が原因で周囲と繰り返しトラブルになる人、そういう人は今自分の周りにはいないけれど、寄り添うことが必要な人は身近にいる。
観終わった後で自分にも出来ることがあるはず、きちんと向き合わなきゃと思わされました。
素敵な映画を観ることが出来て感謝です。
胃がもたれないお茶漬けの味
1 傍目からは健康そうに見えても、心と体の不調を抱える男女が自分なりに歩んでいく様を描く人間ドラマ
2 粗筋はつぎのようなところ
月経前のいらいらが起因する病気により変人と思われる上白石とパニック障害を抱え無気力に見られがちな北村が主人公。上白石が転職していた小さな会社に北村が大企業から一時的に移り同僚となる。些細なことからふたりの関係は険悪となるが互いの病気を知ったことから助け合っていく。そして・・・。
3 本作は、粗筋の内容が主軸となるが、サイドスト-リとも言うべき会社内でのお仕事映画の側面もある。そしてこのことで作品に厚みと温かさが加わった。2人が勤めている会社の社長と北村が勤めていた会社の元上司は肉親を自殺でなくしている。このことで弱者に対する眼差しが優しい。病気のある二人に対しては、あくまでも普通に接しながら能力を発揮できるようバックアップしている。同僚達も気を掛け手を指しのべてくれる。こうした関係性は、最後まで一貫している。
4 映画のテンポはほぼ同じリズムを刻み、各シーンは恬淡にして深堀りすることはなく、切りの良いところで次に繋いでいく。三宅は感情に訴えることをせず、全体的にさらりとした演出で物語を紡ぎ、見る者に安らぎを与える映画にした。
5 上白石と北村の普通っぽさと最初のおずおずもぞもぞした関係性が次第に変わっていく様と光石研の渋い存在感が好印象
6 意地悪かもしれないが、心の中では「北村がいた社員のメンタルヘルスを大事にする会社は物語だけの世界。現実世界では病気を理解 されず、不当に扱われてしまうのではないか」と思ってしまう。
心暖まる映画です。
優しい世界
みんな
ホリプロ発だけど意外と観れるよ
冒頭の語りが全体を表していると思う。聞き手を想定していながらも、自分に対して言い聞かせて自身を納得させているようなナレーション。自分の中にいる他者というか制御できない部分を常に感じて実務的に対応している。この態度は全編を通じて一貫している。
この映画では病名付き発作性の精神疾患で悩む男女2名の交流を軸に社会的に適応していく、というまぁ、芸能プロダクション発の企画らしいこと。映画ではなくスペシャルドラマ向きなのでは?と感じつつ、この女優演技できるんだ、と驚きました。
最後クレジットの箱庭的な絵がカメラの近くまで飛んでくるボールで絵が崩れるところにはゾクゾクした。この感覚は共有し辛いんだけど...いい映画だと思います。
栗田科学
前回のケイコ目を澄ませてが良かったので
三宅唱監督の作品を視聴。
CGを使わず自然光や日常の音を上手に
入れる手法は好みで柔らかい。
役者さんのセリフの無い静かな間が心地良かった。
原作者の瀬尾まいこさんは他人との関り合い
と距離感を大切にしてるから表現出来る
のかもしれない。
パニック障害やPMSの症状が、そのように
なってしまう事を学ばされた。
現代における社会問題、介護や自死に対しての
シーンはライトに描かれていたが色々な意味で
脳内を彷徨いズキッとくる。
誰もが一つや二つ、人には言えない言いにくい
事はあるよね。特に家族の事は。
栗田科学の職場の人々は年上の方も多く理解が
あって良かった。茶化す人が独りでもいたら
山添君や藤沢さんも働きずらかったはず。
他人の生き方や生活を理解するのは難しい。
苦しみを抱えながら、時には周りも傷つけ
それでも優しくあろうとする真っ直ぐな二人。
恋愛とかではなく、時間をかけて丁寧に分かって
いこうとするプロセスが丁寧に表現されていた。
藤沢さんが山添君の髪を切るシーンは印象的。
ポケットに隠そうとしたり、山添君の吹き出しかも最高。あれで距離も縮まったんだね。
あと社長の弟さんのカセットテープを聞いた後は
不思議な息吹きが彼に漲った感じがした。
移動プラネタリウムから出てきた友人のご一行は楽しんだ表情もあり、安堵した一つの社会の
パズルが組み合った瞬間で涙腺が緩んだ。
元上司の渋川清彦さんのずっと優しく
見守る表情が良かった。
最後は山添君も軽快に自転車に乗る姿が
みんなの気持ちを現してたね。
夜があるから朝が来る。人生はそういう
物だが心の歩み寄りがあるから、優しい
朝が迎えられるのでは。
助けられるなら
パニック障害は何度も聞いたことがあったが、PMSは今回初めて耳にした。
改めて世の中には様々な形の障害があるのだと認識させられた。
これらは日常生活に支障をきたすために障害と呼ばれてしまうのだろうが、これからはひとつの個性として社会全体が受け入れられる土壌が必要なのではないかと感じた。
だいぶ以前から時代は多様性を認める社会を要求している。
PMSと診断された藤沢は、生理の周期によってどうしてもイライラをコントロール出来ずに感情を爆発させてしまう。
しかし彼女は普段はとても謙虚で気配りの出来る人間だ。
だからこそ彼女は心に障害を抱えてしまったのかもしれないと考えてしまった。
彼女は仕事を転々としながら、移動式のプラネタリウムなどを企画する小さな町工場で働くことになる。
どうやらこの工場の社長である栗田は、様々な問題で社会生活に支障をきたした人を積極的に雇っているようだ。
後に彼自身も弟を自殺で亡くしてグリーフケアに参加していることが分かる。
藤沢は同僚の山添のちょっとした態度に我慢が出来ずにイライラを爆発させてしまう。
確かにぶっきらぼうな山添にも問題はあるが、彼もまたパニック障害と診断され、この工場に転職したことが分かる。
初めはお互いに印象の良くなかった二人だが、次第に心を惹かれるようになっていく。
この映画が伝えるのは、人は分かり合えないかもしれないが、今目の前にいる相手と助け合うことは出来るということだ。
今の時代はあまりにも人の生き方が多様化したために、一概にこれといってすべてを括ることが出来ない。
パニック障害やPMSも、人によって症状は様々だ。
観ているこちら側は藤沢がPMSで、山添がパニック障害であることを知っているから彼らの感情に寄り添うことが出来る。
しかし社会全体で見ず知らずの人がどのような事情を抱えているかを完全に包括することは不可能だ。
が、今身近にいる人間を助けることは誰にでも出来る。
これからの時代により求められているのは、自分がどうしたいかよりも、いかに誰かの助けとなれるかなのだろう。
藤沢と山添の互いを助け合う関係もとても微笑ましかった。
おそらくこれは恋愛感情ではないのだろう。
とにかく優しい世界を描いた作品で、観終わった後に心がとても暖かくなった。
今の時代にはこのような作品が必要だ。
この映画の中で決して彼らの抱えている問題が解決するわけではないが、それでも彼らはひとつひとつの出会いに感謝しながら、すべてを受け入れ前に進んでいく。
夜明け前が一番暗いという言葉がとても心に響いた。
いつ夜が明けるのかは分からなくても、闇の後には必ず光が射す。
エンドロールもほのぼのとしてとても心が癒やされた。
優しく寄り添ってくれる映画
日々の中でちょっとした息苦しさを感じる2人が主人公。
2人だけでなく、周りの人たちもちょっとずつ痛みを抱えていたり、気づかなくても自分のすぐ近くに起こっていそうな、大きな事件が起こるわけでなく、静に進んでいく。
無理をせず、そっと寄り添うキャラクターたちの作品でした。
すでに今年1じゃないかと思うくらい良作。
なんにも前情報入れないで観に行けばよかったのかな?
もうちょっと仲良くなっていく過程をじっくり観たかったかなあ
展開が急なように思います
入り込めず
社長さんは特性のあるひとを受け入れる方針なら、ほかの社員全員に前もって伝えておいたほうがいいのでは?
プラネタリウムの司会進行 生まれて初めてであんなすらすら暗唱…
転職エージェントの人にはPMSの事言ったっけ?
なんとなくおとぎ話って感じかなあ
リアリティが薄いかな
演技は素晴らしかったです
2回以上見ることをおススメ
私は原作本を読んでから映画を観たのですが、1度目は、原作との設定の違いが多いことに気を取られて、なかなか集中することができませんでした。
それから、恋愛物でも、アクション系でもない、こういった作風の映画を観ることが初めてだったので、起承転結のはっきりしないものにも不慣れでした。
でも・・・
心にじわっと温かい物が残る映画だったので、パンフレットを読んで、もう一度観ました。
2回目は、登場人物すべての人の温かさに心打たれながら、心地よい時を共有し、「夜明け前が一番暗い」「出会えてよかった」というワードが心に響きました。
他の方のレビューを見ていると、私の初回のような感想の方も結構いらっしゃるようですが、ぜひ、もう一度観ていただきたい。
2度目は、登場人物すべてが愛おしく感じると思います。
結局、今のところ5回も観ていますが、また、会いに行きたいと思っています。
最高の良作
人は見た目じゃわからない
タイトルなし
ゆるやかに流れる時間の、小さな一つ一つにぐっときてしまった。
山添が初めはキャリア思考で離コジマでイヤホンしながら仕事して、上司のコミュニケーションもだるそうにして、前職場の後輩や元上司に少し見栄やバリアを張って、元上司と会う時は公園だったのに、
職場にたい焼き差し入れしたり、一緒に買い食いしながら帰ったり、お供えのお酒を注いだり、後輩達をプラネタリウムに呼んで、テラスで外食できるようになった姿に涙がでた
PMSのイライラのきっかけになるエピソードが絶妙ですごいリアルだったな…
炭酸開ける音とか、誕生日LINEに返すのどーしよーとかどうでもいい会話とか…絶妙にイラッとするよね
主人公以外の上司も親も、みんな何かしら何か傷を抱えてるのもよかった
病にどっちが上とかないし、男女=恋愛とかだけでもない
恋人、家族、友達だと、逆に距離が近すぎて見返り求めたり衝突したりしてしまうけど、
同僚とか同じ経験をした他人同士のコミュニティとか知人程度の距離感でも、だからこそ、お互いをゆるく助け合える、そういう関係性がもっと必要なんじゃないかな
親しくなきゃ、”絆”がなきゃいけないなんてことなくて、自分が躓いてしまったときにだめなままでいられる、自分がちゃんとしてなくても影響を気にしなくていいくらいの利害関係が少ないコミュニティをもっと持ってたほうが、命綱になる気がする
「明けない夜はない」と言う言葉に救われる人もいるけど、夜が必要な人もいる
いつでも元気でいる必要はないし、幸せだって不幸だって等しく終わりがくる
みんなそれぞれそういうことを繰り返しながら生きていて、自分のことなのに上手く御せなかったり理解できなかったり、生きる意味とか人生を揺るがす大きな悩みとかなくても浮き沈みを抱えながら生きている
その事実に救われることもある
後半なんかやたら泣いてしまった…
恋愛じゃなくても救われていいし、助けあえるし、変化しながら出会いと別れを繰り返しながら生きてくんだ…
上白石萌音が好演
映画館の音響でより輝く映画
映画館で観る映画を選ぶとき、つい派手なアクションや音楽映画を優先してしまうのですが、
この映画は劇場で観れてよかったです。
アクションもクラシックも流れて来ないけれど、
作品を彩るBGM、私たちの生活との地続きを感じさせる環境音、そしてなにより主演の松村北斗と上白石萌音の声が強い没入感を生んでいました。
彼ら彼女らの抱える病は完治しないものであったり、長期間付き合っていかなければならず作中では完治や「元の生活」に戻ることはありません。
それでも、ひとりでは辿り着かなかったところで少しずついろんな人の助けを受け、また自分も誰かを助けながら生きていく姿が描かれていました。
説教くさいシーンがなく、人によってこの映画の言いたかったことの解釈が分かれると思いますが、小難しいことは忘れてゆっくりこの穏やかで優しい世界に浸るだけで少し他人に優しくなれる気がしました。
穏やかな日常にこそ幸せがある
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