夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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映画館の音響でより輝く映画
映画館で観る映画を選ぶとき、つい派手なアクションや音楽映画を優先してしまうのですが、
この映画は劇場で観れてよかったです。
アクションもクラシックも流れて来ないけれど、
作品を彩るBGM、私たちの生活との地続きを感じさせる環境音、そしてなにより主演の松村北斗と上白石萌音の声が強い没入感を生んでいました。
彼ら彼女らの抱える病は完治しないものであったり、長期間付き合っていかなければならず作中では完治や「元の生活」に戻ることはありません。
それでも、ひとりでは辿り着かなかったところで少しずついろんな人の助けを受け、また自分も誰かを助けながら生きていく姿が描かれていました。
説教くさいシーンがなく、人によってこの映画の言いたかったことの解釈が分かれると思いますが、小難しいことは忘れてゆっくりこの穏やかで優しい世界に浸るだけで少し他人に優しくなれる気がしました。
穏やかな日常にこそ幸せがある
三宅唱監督のファンです。
やはりこんな時代にこそ必要とされるべき映画で、こんな映画こそ辛い時に見るべき作品だと思いました。
俳優陣の実存感のある芝居、主役のお二人は当前のこと、職場の全員が悩みや、苦悩までが伝わってくるくらいそこにリアリティを感じた。なんて素晴らしい世界観なんだろうと。
青山真治監督の作品に出てくるふたりもいい味出してて泣ける。
プラネタリウムのくだり、もうあの場面は白眉でした。映画でしかできないような、表現に感服。
みな人知れず戦っている
PSMというものがあるのは、この映画で初めて知りました😳
ネットでは時たま女性のヒステリックを揶揄しているのを見かけるが、この病気(?)があるということを知らなければならないですね。。
さて映画のほうは、とても丁寧に心情や苦悩が描けていて見入ってしまった!最後は劇的に何かが変わったわけではないが、2人とも前向きな一歩を踏み出せたのでは。
主演の俳優陣も素晴らしい👍
萌音ちゃんはキレ始める前から、空気が違っててすごかった!
北斗君はメキメキと実力をつけてますね。
もう一度見たい
映画は頻繁に見る方ではなく、好きな俳優さんが出演しているので見に行きました。
序盤は症状がでているのをみて、つらくなりましたが、話しが進むにつれて、クスッとなるところもあり、こちらの心も軽くなっていきました。
ものすごく、ハッピーエンドではないけれど見終わってから、じわじわくる感じ。
明けない夜はない、、、
本作、正直言えば三宅唱監督作品でなければ観ていなかった可能性が高く、逆に言えば鑑賞前の興味はその一点でした。むしろ意外だったのは、旧ジャニーズの方が主演にも拘わらず、初週のシアターはそれほど大きくないTOHOシネマズ日本橋のSCREEN9(同映画館9スクリーン中5番目の座席数)で、実際の客入りもサービスデイの夜回で5割弱。ただ、本作、観ておいてよかったと思える良作でした。
三宅監督の演出、余計なところがなくてとても観やすいです。扱われる題材に対して変に誇張したり、同情を誘うようなことを一切しません。私は当事者ではないのでどれだけリアリティーがあるかは判断できませんが、そもそも必要なことは「理解」だと再認識させてくれます。
昨今では少しずつ「人が抱えることのある症状」の見識が一般にも広がりつつあります。とは言え、それらのことを正しく理解できて、対応できる非当事者は殆どいないと思います。私自身も症状を持ち、通院・投薬されている方と一緒に仕事をしたことがありますが、お互いに負荷がかかっているような状況では相当に削られることもありました。そして今、本作を観たことでより社会全体が理解を深める必要があると再認識しました。(あの人は元気でやっているだろうか。。)
飾り気のないセリフに、思わず吹き出しそうになるユーモアや、ホロリきそうな温かみに救われた気がする作品。特に当事者の方には「引け目」さらには「強迫観念」を思ってしまうことがあると思います。「明けない夜はない」わけですが、変わらなければ同じ朝が繰り返す。だからこそ理解を深めることが重要ですね。
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の...
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の方が症状が重いとか、つい他人と比べて自分を不幸にしてしまいがち。
そんな事は意味がなくて、まず「他人の痛みは完全には理解できない」と割り切る事、その上で相手が抱える痛みを知ろうと努力をする事、善意を押し付けない事、それが人と関わる本質なのかな、と感じた。
二人が互いに依存しすぎず、自分の頭で考え、自分の足で立っているところが良かった。
そして何より周囲の人たちの掘り下げが丁寧なのが素晴らしかった。
彼らも大きな傷を抱えていて、二人を支えることで自分たち自身も救われているのだな、と感じさせる眼差しが本当に温かかった。
プラネタリウムの藤沢さんの語りのなんと静謐で雄大な事か、それを深く受け止める山添くんのあの表情を思い出すだけでも心が揺さぶられる。
明けない夜はない、でも今目の前に広がるこの夜もまた二度と来ない。
痛みも苦しみも抱えながら、誠実に生きていこうと思えた。
とてもよかった
思いやりを正面から描く。恋愛に発展しそうなものだが、恋愛に発展しない。主人公の男女は心の病を抱えていて、それに対して理解ある職場で暖かい人たちに囲まれている。クライマックスが移動式のプラネタリウムで、非常に地味だけど心に沁みる。夜空を見上げたくなるのだけど、北斗七星とカシオペア座しか分からない。
知っている人で、いろいろな心を病を抱えている人がいる。その人もあのような暖かい人たちに囲まれて過ごせればどれだけいいかと思う。主人公の男女は、幸運だが彼らは善人で親切にされる資格がある。もし心の病を抱えていながら、意地悪な性格だったり、嘘つきとか、嫌われ者だったらどうなのだろう。どうすればそんな人は救われるのだろうか。全く考えが及ばない。そんな人にも幸福がありますようにと願うしかない。
上白石萌音の母親が若いのに車いすで介護サービスを利用している。事故にでもあったのだろうか。
生き辛さを共に生きる
とにかくどこまでも優しい映画。
16mmで撮られたらしいフィルムの質感からしてすでに優しい。二人の病気にも、会社やサークルの人達の生き辛さにも、とにかくただ寄り添い、生き辛さを共に生きる。劇的な治療とかそういうことでなく。そしてそれをそのままに劇的にせず映画にする。それこそが優しい。
って、監督は「ケイコ 目を澄ませて」の監督じゃないか。納得…
しかしこの規模のメジャー作でここまでやる。それが凄い。
何故に評価が…😓
うーん😔パニック障害の男と生理前にパニックに陥る(初めて聞いた病名)女性が、お互いを尊重しながら成長(回復?元に戻る?)していくストーリー
パニック障害の女性がいた職場を体験しているが、あんな風な生易しいものではない…地獄絵図で有り、映画の中ではまだまだ…
とてもホワイトな会社ではあるが、僕が馴染めるかは…パニック障害の男性にはめっちゃ良かった職場なんだろうけど…
明けない夜はない、止まない雨はないそして、夜明け前が一番暗い(大変だ)と言いたいのだろうけど、後ろと前のおっさんの鼾にはげんなり
試写会評価が多いのかな〰️
優しさの意味
生きづらさを抱えた主人公のふたりを周りも優しく見守り、自分らしく生きていく。
だけど、この映画は、誰かの優しさは、誰かの助けになり、それは連鎖しているものなんだと伝えているように思えます。
本当に優しく、そして温もりのある作品でした。
支え合うことは、心地よいこと
様々な事情で、苦しみから抜け出せないことがある。
そんな苦しみに寄り添い、癒してくれる映画だった。
単に「お互い頑張ろう」で済ませて関わらないのではなく、そこから一歩踏み出して、きちんと理解して、支え合うことが、心地よいと思った。
現代日本の抱える問題と、解決への道を温かく描いた映画
この映画良かったなぁ〜と思って監督を調べたら、「ケイコ目をすませて」の三宅晶監督でした。
社会の片隅で見過ごされているけど、確かに存在している問題をそのまま見せてくれて、同時に終盤では希望も見えてくる。
藤沢さんがイライラして他人に文句を言ってくる場面で、つい正論で返して言い合いになってしまう自分の姿を思い出しました。
この場合、正しい正しくないではなくて、一歩下がって落ち着かせるのが正解なんですよね。
山添君がとりあえず洗車をするように誘導して、落ち着かせようとする姿にさりげない優しさを感じました。
エンドロールで社員がワイワイとキャッチボールするシーンが、日本の古き良き中小企業の雰囲気がして、とてもほっこりする。
ラストは大暴投に対して、笑顔で拾いに行くところで幕引き。
この監督の映画は地味なはずなのに、ハッとさせられる場面が多く、何か大事なメッセージを伝えようとする意志がヒシヒシと伝わってきます。
優しい映画 辛い時に見たら癒されそうだけど、 時代に則しすぎてて、...
優しい映画
辛い時に見たら癒されそうだけど、
時代に則しすぎてて、
少しだけ違和感が残らなくもない
悪い人が出てこない穏やかな時間
とても優しい映画だった。
パニック障害は聞いたことはあるけど、何かあった時にパニックになってしまうものだと勘違いしていたし、PMSというのは初めて知った。
何も知らされずに自分の周りにいたら、山添くんは失礼なヤツに見えるだろうし、藤沢さんは逆ギレか八つ当たりっぽい、関わらない方が楽と思う。
2人のように良き理解者がいるのは恵まれた環境なんだろうな。
そういう人たちが光石さんや渋川さん、久保田さんというキャスティングも良い。
渋川さんホント良い声。
もしかして見過ごしたのかなぁ、お母さんに何があった?冒頭では普通に歩いて迎えに来ていはずなのに。
結末には必要な理由なのだけど、そこが分からないから戸惑ってしまった。
予告編では2人が支え合うラブストーリーなのかなぁくらいな印象で、特に興味を惹かれなかったけど、ラヴィットで主演の2人から映画の話を聞いて観てみたら、予想以上に良かった。
お医者さんの言うとおり、人それぞれだから100点の対応は難しいのだろうけど、こういった人たちへの接し方もざっくり知れたし、グリーフケアにも少し触れていて、地味だけど穏やかな気持ちになる映画だった。
夜明け前がいちばん暗い
出てくる人がやさしい人たちばかりの穏やかであたたかい映画でした。みんな誰かを想って生きている。
大きな出来事があるわけではなく日常を切り取っただけの一見地味な作品だと思うかもしれません。でも『つまらない』と感じる瞬間がないのは登場人物が魅力的だから。藤沢さんと山添くんを取り囲む1人1人が何かを抱えて生きてる。映画の中で説明があるわけではなく、画面の中でそれぞれの表情や行動で観る側が汲み取って事情や状況を感じ取って理解を深めていくのが一種の謎解きのようで楽しいです。フィルムの暖かさ、セリフがないシーンも風景と音楽だけが流れる心地よさ。主題歌がないエンドロールがとても穏やかで余韻を楽しめました。そういうところも含めて三宅監督作品の良さだなと感じました。大好きです。
パンフレットがとても充実しているので2回目は読み込んでから行くと見方も変わって楽しいのでおすすめです。心から 『映画夜明けのすべて出会えてよかった』と思いました。
周りの優しさ、思いやり
原作未読です。
パニック障害、PMSの当人よりも
周りの人の立場でついつい鑑賞してしまった。
山添くんの上司の方は彼をがっかりさせないように
今色々調整してるから、って言ってたのかな、
本当は元の職場に戻るのは難しいけど、
それを表さないようにしてたのかな、とか。
周りへの伝え方、周りの理解、
現実は色々難しいけど、
お互いに相手を理解しようとする
姿勢が大事なのかなって思いました。
そばに寄り添うだけでいい
まわりから見えづらい障害を抱え、苦しんでいる若い男女。
冒頭、雨に打ち付けられながら横たわる上白石萌音の背中のショットから、シリアスタッチなのかと思ったが、そこは三宅唱監督らしく、作為的な描写は極力排して、日常を丹念に掬い取っていく。自然音の使い方が印象的。特に、エンドロールでの工場前庭のシーンにはじんわりくる。
決して問題が解決するわけではないが、そばに寄り添ってくれる人がいるだけで、明日に向かって生きていける、ということか。
ただ、上白石萌音のまわりへの気遣いやお節介が過剰な感じで、ちょっと引いた。松村北斗の硬い殻が少しずつほぐれていく様に共感できたのは、同じ男性だからだろうか。
脇役はそれぞれ良いが、特に元上司役の渋川清彦が滋味深い。
工場の社長だけでなく、元上司も近親者の不幸を抱えているという設定は、原作どおりなのだろうか。上白石萌音の母親の設定も。いろいろ詰め込みすぎで、うまく消化されていない感じはした。
期待が高かったせいか、テーマやねらいはわかるが、物足りなさが残った、というのが観終わった後の正直な感想。
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