もう一度生まれる

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もう一度生まれる

解説

スーパー銭湯の清掃員を主人公に、コロナ禍で様変わりした日常や、喪失と再生をテーマに描いた中編作品。

スーパー銭湯の新人清掃員・市川亮太は、清掃の仕事を通して「当たり前の景色を保つこと」の難しさを知る。髪の毛一本でも気にする清掃員としての姿勢や、銭湯の心臓部でもある「ろ過装置」の存在を知ることで、清掃業やスーパー銭湯の存在そのものにのめり込んでいく亮太。しかし、そんな中、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、スーパー銭湯は休業を余儀なくされる。そして休業期間が長引く中、店長から1通のメールが届く。それは、営業再開を待たずにスーパー銭湯が閉店となるという知らせだった。大きな喪失感を抱いた亮太は、閉店を前に、ほかの清掃員たちと最後の清掃作業に向かう。

監督は、テレビの報道番組の制作などに携わってきた新鋭・堀川湧気。主人公の亮太役は映画「無頼」やNetflixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」に出演した斉藤天鼓。

2021年製作/38分/日本
劇場公開日:2023年3月25日

スタッフ・キャスト

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(C)堀川組「もう一度生まれる」製作チーム、ニューシネマワークショップ

映画レビュー

4.0目で見て、耳でも浸る、映像体験

2023年4月28日
PCから投稿

ほんの40分足らずの映画だが、スーパー銭湯という場所、題材、人間模様、音響といった各要素、さらにはそれを受け止める映画館という場所も相まって、他では得ることのできない映像体験をもたらしてくれる作品だ。人々がゆっくり疲れを癒し”生まれ変わる”聖域のバックヤードには一体どのような景色が広がっているのか。営業の終わった深夜帯、そこで働くスタッフが一斉に清掃道具を持ち寄って、丹念に汚れをこそぎ落としていくその神秘的なまでの光景。刻まれゆく一定の動き。リズム。音。真剣で一心不乱の表情。これは劇映画ではあるが、密な取材を通してでなければ決して描くことのできないリアリティが、言い様のない深さで刻まれている。そしてこの場所がコロナで閉館を余儀なくされるとき、本作は単なる点としてではなく、私たちが生きる時代をも痛烈に照らし出す。世の中が再び動き出す今。本作は僕らにもう一度浮上する力を与えてくれるかのようだ。

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牛津厚信

5.0始まりがあれば終わりがあり、また始まる❗

2023年4月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

まず『もう一度生まれる』というタイトルにひかれ、スーパー銭湯の閉館の話ということで、観たい!って思いました。実は私が15年間出店していた温泉が、今年1月末閉館となり、当たり前が突然消えてしまった喪失感が未だにあって...現実と重なり刺さりました。涙々でした。清掃員の方々の真心が『お湯を再び生まれ変わらせる』のだと思いました。清掃員で熱波師の井上勝正さんのドキュメンタリーが同時上映でしたが、元プロレスラーから、第二の人生を始めたことは、まさに終わりからの再出発でした。この現実と映画の話が見事にリンクした、じわっと心に染み入る映画でした。 新鋭の堀川湧気監督は、ドキュメンタリー制作の視点や音の使い方が実に上手い!主演の斎藤天鼓さんの飄々とした演技も良かったです。当たり前が感謝に変わりました。私も『もう一度、始めてみます!』コロナ禍で頑張っている皆さんに、ぜひご覧頂きたい映画です。 *映画関係者の方々へ 都内では、現在、池袋シネマロサで21時だけの上映なので、もっと色々な劇場で上映お願いします。

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レイア姫