明日香に生きるのレビュー・感想・評価
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「プラン75」に対抗しうる看取りを目指した医療福祉体制
明日香村という地域は、飛鳥時代に端を発するような由緒ある寺院が点在し、過疎問題を抱えるなか、地域診療所を中心に高齢者への可能な限り在宅医療の提供に努力し、多職種連携を組みながら、時にはホスピスや特別老人ホーム入所を利用しながらも、産業医としても在宅時の延長線上で個別的に付き合いを続け、喜びの実現に尽力を続け、命一杯に生き続けて家族が納得するほど見極めて看取りをさせており、乳幼児健診や予防接種には玩具であやし、機嫌を直す子もいれば、泣き続ける子もいて、進路を考える時期まで成長すると、医療関係職を考える子もいたりしていた。過疎の村というわりには、幼稚園児や小学生の数は、多く感じられた。普段の住民の日常生活を描く節目に『万葉集』の歌も鏤められているのも趣があり、良かった。『四万十 いのちの仕舞い』といった作品を思い浮かべていたら、同じ監督の作品だということがわかった。これもやはり、"PLAN75"に対抗しうる看取りを目指した医療福祉体制の形を描いたものだと言えるであろう。
医療関係者と介護関係者の羨望と絶望と嫉妬を集めそうな作品
日本の7割方の医療関係者と8割方の介護関係者が「俺/私もこんなケアをしたかったのに」と絶望or嫉妬しそうな素晴らしい医療介護&ご家族&ご本人の連携ぷりを見せつけられる118分。ここに映えしかない奈良県明日香村の風景がふんだんに盛り込まれる。
素敵な作品でした。寝たきりの方が琉球民謡を聞いた瞬間に、ベッドに座って踊り出すとか。
おばあちゃんから子ども、孫の世代まで、3代に渡ってカバーする地域医療の細やかな視点とか。
観光に来てくれと言わんばかりに美しい明日香村の光景も良かった。良かった、んです、が。
…やっぱり118分は長かったです。すみません。
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