劇場公開日 2023年5月26日

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aftersun アフターサンのレビュー・感想・評価

全161件中、1~20件目を表示

4.5記憶や映像のフレームを超えて想いが沁み渡っていく

2023年5月27日
PCから投稿

かつての父親と同じ年齢になった女性ソフィが、あの灼熱の陽光が照りつけるトルコで父と過ごした幼少期のバカンスを思い出すーーーこれは想像していた以上にシンプルな物語。だが味わいはとてつもなく深い。日頃は離れ離れの父娘が仲睦まじく時を刻む様に、まるでずっとホームビデオを見続けるような感覚を覚える人もいるかもしれないが、しかし時折「20年後の私」が挟み込まれることで、本作は味わい方がガラッと変わる。今だからこそわかる「父の想い」がソフィを介して我々の身にも切なく流れ込んでくるのだ。最愛の娘の成長に寄り添えない痛み。煌めきのバカンスが終わってしまう悲しみ。ありったけの愛を抱えながらうまくかたちにできないこの気持ち。記憶や映像をきっかけに、むしろそのフレームを超えたところにまで想いを馳せようとする創造的な試みがこの作品にはある。ダンスフロア。そしてラストのささやかな旋回。涙があふれて止まらなくなった。

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牛津厚信

4.5アカデミー賞がなければスルーしていたかもしれない「隠れた名作」。何だかんだとアカデミー賞は凄いと感じる。

2023年5月27日
PCから投稿

まず本作は、構成が面白い作品です。
基本は、「11才の思春期の娘と、31才になる父親との夏休みの風景」を描いています。
ただ、これらの映像は「20年前のモノ」なのです。
当時11才の娘が、20年後に「父親と同じ31才になった時」に、20年前に撮ったビデオカメラを再生し、楽しかった父親との思い出を振り返る構成になっています。
途中に巻き戻すような乱れた映像が出てくるのは、そのような背景があるからです。

この親子のやり取りが、妙に微笑ましくて、リアルな存在となっていて、ずっと眺めていたくなるレベルなのです。
それは、本作で監督・脚本を手掛け、長編映画デビューとなるシャーロット・ウェルズ監督の自叙伝的な要素があるからかもしれません。
加えて、父親と娘の演技が驚くほど「自然体」なのです。
父親役は、2000年に公開されアカデミー賞の作品賞と主演男優賞を受賞した「グラディエーター」の続編「グラディエーター2」で主役に抜擢されたポール・メスカルです。
そして、この何気ない自然な演技が評価されて、第95回アカデミー賞で「主演男優賞」にノミネートされたのです!
個人的には、娘役の新人フランキー・コリオも負けていないかと。
「ジュリア・ロバーツの子役時代」と言われたら信じてしまうほど女優然としていて、良い役者になりそうです。
さらに本作で鮮烈なデビューを飾ったシャーロット・ウェルズ監督。
この3つの才能が詰まった作品として見ると、より味わい深い作品になるかと思います。

いずれにしてもアカデミー賞に絡んだ作品は、何だかんだと出来の良い作品が多く、見る作品を選ぶ上での指標にした方が良さそうです。

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細野真宏

4.52度と戻らない父親との時間へ観客諸共誘う

2023年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

自分が親と過ごした記憶は、その後の人生で繰り返し蘇るもの。あの時、父はなぜそんなことを言ったのか?なぜそんな表情をしていたのか?子供の目には謎でしかなかった親の言動が、大人になって、何となく理解できることがある。でも、過ぎ去った時間は2度と戻らない。

これが長編デビュー作になる監督、シャーロット・ウェルズの自伝的作品と言われる本作は、父親と娘が互いにカメラを向け合い、撮り合った他愛のないトルコでの夏の映像から、謎めいた父親の姿が浮かび上がる。人目には父親というより兄にも見える若い父親は、表面的には屈託がないが、全裸で夜の海に飛び込んだかと思えば、人知れず号泣することがある。

ウェルズの演出は理由を明確にせず、観客に想像を促す。まるで、一緒にあの夏の日へ、父親と過ごした楽しく、ミステリアスな時間へ飛ぼうと言わんばかりに。

これは、近頃多くなった余白を楽しむべき映画の代表作。見終わった後、気になったショットの意味を誰かと語り合うことで、その楽しさが増幅する映画。そして、親との関係を改めて思い出させる映画。

震える肩の演技で父親の苦悩を表現するポール・メスカルが、さりげなく強烈過ぎてしばらく脳裏から離れない。つくづく俳優のクリエイティビティって凄いと思う。

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清藤秀人

4.0光を当てて気付かせる

2025年8月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

精神の不具合を抱えたパパと、パパとの時間を大切にする子供。演技力に感激です。なかなか顕在化しないテーマにスポットを当て、事実を知る視点を与えてくれる作品でした。

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TT

4.5誰もが持っている戻らない時への愛おしさ

2025年7月8日
スマートフォンから投稿

トルコのリゾート地
夏休みを楽しむ
父と娘のソフィー

ふたり
夏の時間

娘の見つめる父の姿
近い様で遠い存在

楽しいはずの旅行
そこで見せた苦しみは
幼い娘には見えない
後悔と愛おしさが残る

時間を戻して語り掛けたくなる
寄り添いたくなる大人の物語

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星組

1.0ビックリするぐらい何も起こらない

2025年7月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

昔の父と娘の旅行。11歳の時を20年後の娘が振り返る。ホームムービーを見せられている感覚。様々な推測をしながら見てしまったが、特に大きな事は何も起こらず。普段は一緒にいない親子のリアルとも言える距離感を味わう作品。感受性が豊かな人には楽しめるのだろうか、退屈な内容でした

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RYO

3.0ルノワールの監督は観てたんじゃないか

2025年7月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

くっそおもんなかった”ルノワール”口直しにローティーン女子の映画を観たくなってアマプラを探したら、ありました
3年前カンヌ国際映画祭でも上映された作品
同じ女流監督だし、早川千恵監督も観たんだろうね
父親とのひと夏の経験しか描いてなくて、よく似ている

しかし、こちらはちゃんと思春期のドキドキやまだまだ子供ってところがあったりして退屈しない
それに、なんというか、トランスジェンダーっぽい話のように思えました

父親は二十歳かそこらで子供を授かっていながら、苦悩している
まだまだ、生きづらい時代だったんでしょう
それが悲しい最後を遂げる結果になったようだし、娘もまた・・・

なので、自分にとっては異世界
だから、なんなん?といえばそうなんですが

全く関係ないんですけど
母親の事
癌でね
再入院が決まってた
痛かったろうし、怖かったろうな
仕事に向かう時、玄関まで来て
忘れ物ないかって心配してくれて
送り出してくれた
なんか、もう踏ん切りがついて
やることはやりきったみたいな顔をしていたな
それが最後だった
もう、何十年も前の話だけど
今でも時々思い出す
ダメな息子でゴメン

”ルノワール”でヒトが死ぬとなぜ泣くのかについて
ヒロインのささやかな成長なんて映画にするほどのことも無いって言ったのは、英語教師にも通じるけれど、とてもとても複雑な事なんだって事です
んー、やっぱりあの監督
この映画、観てるな
それであの作品は・・・
薄っぺらすぎないか

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nakaji

3.5父と娘のホテルリゾート。性の目覚め?父の真意? 何が起こるんだ?何...

2025年7月5日
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鑑賞方法:VOD

父と娘のホテルリゾート。性の目覚め?父の真意?
何が起こるんだ?何にも起こらなかった(笑)
何かが起こらないと面白く感じられないお子様脳の私にはやや冗長。
で、どうしたん?どうなったん?
君たちにはわかるかね系の作品。苦手(笑笑)

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はむひろみ

2.0オリュデニズ

2025年7月4日
iPhoneアプリから投稿

トルコ感が薄くもったいない、日焼け止め塗って、終始プールサイドでだれている。それが西欧人のバカンス。
トルコの朝食や、山とか海とかもっとあるだろ、バスの車窓にしてももっとあるだろ。主題とは関係ないけど。
結果、言うほど良くはない、という印象。
冒頭のビデオノイズから現代のクラブへの繋ぎだけがちょっとフレッシュ。

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pigeyes

2.5私には合わなかった

2025年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

幼い頃に父と旅行した回想を綴った話になりますが、
具体的な結論が出ないのでモヤモヤ感しか無かったです。
見る人に想像させる感じの映画ですが、どうも私には合わなかった。
中盤も何も起伏がないので、正直退屈しました。
終盤に意外性などがあれば、評価が変わったかも知れないですが、
先に述べたように見る人に想像させる系の映画のため私の中では評価は低いです。

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たけお

3.0意味深

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

お父さんは辛そうだし、娘は大人になって幸せそうじゃないし…

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ゆうき

3.0Aftersun

2025年6月5日
Androidアプリから投稿

泣ける

幸せ

癒される

One video camera cannot record everything but it reminds me of everything.

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Wave 🌊

3.0疲れる...

2025年4月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

良く言えば、観客に想起させることで自身の思いも一緒に馳せることが出来る作品。

悪く言えば余白を埋めさせる作業を強制する作品。
この強制度合がえぐい。

予告の出来の良さと父娘を扱った作品にめっぽう弱いから期待値を上げすぎたのかもしれない。
アカデミーもレビュー高評価も相まったかもしれない。
だからこそ余計...なにかあるんでは、何か見いださなければという謎の圧が終盤プレッシャーの波となって押し寄せた。うん、終始映像の中に在った波やプール、海、水の音はよかった。
「日焼け止めを塗る」そのとてつもなく日常的な「愛」にフォーカスしていることや会話の自然体さは監督、俳優にあっぱれを贈りたい。

でも如何せん31歳の父親(普段離れて暮らしてるし精神的な問題があるようなので設定的には自然)としての11歳の娘に対する責任の無さが釈然としなさすぎる。
子供を持つ健全な親なら皆ひっかかるのでは?
それとも外国ってみんなこんなもんなのか?日本が過保護過ぎるのか?

個人的にグラディエーターのポールメスカルがハマらなかっただけに今回でだいぶ持ち直したのが唯一の加点。

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shocolat

4.0気づかないうちに深淵を覗き込んでしまっているような映画

2025年2月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

鑑賞三回目にして、ようやくこの映画の本質が少し見えてきた気がする。
初回の鑑賞後からずっと残っていたこの映画に対する違和感の正体がようやくわかった。

超現実感。

何てことない父娘の旅行を描いているだけなのに、全編に渡ってどこか現実を超越している空気がこの映画には漂っている。
まるで、いい夢なのか悪夢なのかわからないが、目が覚めたら泣いているような夢を見ている感覚。
楽しい思い出や、父娘の絆を描いているようでどうしようもない絶望と無力感を描いている。
一回観ただけではわからなかったが、思っていたよりもずっと深い闇が存在していたようだ。

このまま、4回、5回と見続けたら理解がさらに深まるのだろうか?
今のところ、現実とソフィの記憶と幻想、深層心理が交錯する詩的な映画であると理解。
気づかないうちに深淵を覗き込んでしまっているような映画。

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タブロー

3.5この不安は何なのか

2025年2月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

20年前のホームムービー
娘と父のバカンス

素敵な夏休みのはずなのに、どこか不穏が漂う
思春期のソフィと、どことなく悲し気な父
いつか何か起きてしまうのではないか
そんな不安気な空気の中で、
時折差し込むソフィと父の笑顔が胸を締め付ける

これはもう戻れない夏の思い出。
休みはあっという間に終わってしまうんだ。
気づいたらお別れのときだった。

このあと何が起きたのか
観た者の想像に委ねられる

悲しい気持ちにもなるが、曖昧にぼかしているところも多く、そこが自分は感情移入しきれず残念。

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Pathfinder

4.0成りたい人間に成ればいい

2025年2月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

夏休みを理容しての、父娘のリゾートバカンス。
煌く太陽の下で過ごす数日間。
なのに、終始感じるなんだか落ち着かない空気感。

親子3人でない時点で、読み取れる不安感…。
どことなく伝わってくる不穏な心境…。
詳しく語られる事はないが、ヒシヒシと伝わってくる。
観る人それぞれに委ねてるようでいて、誘導されてる感じ。
むしろ語られない部分が、突き刺さる……。

綺麗な情景とくつろげる音楽の中、起伏の乏しいストーリーの奥に潜む壮絶な物語(あくまでも憶測になるのだが……)。
コレは再観必須な氣にさせる。

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奇妙鳥

4.0ホームビデオの映像が印象的

2025年2月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単なる父娘のバカンスではない。父親のどこか危なっかしい心細さを生むロングカットの描写とカットインする映像。最新のSFXでは決して描けない、心のどこかに刺さるものだった。

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Iwarenkon

1.0ごめんなんも響かんかった 他人の家のドキュメンタリーを延々なんの山...

2025年2月1日
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ごめんなんも響かんかった
他人の家のドキュメンタリーを延々なんの山もオチもなく見せられた感覚
琴線に触れるとこがないというよりこの作品が揺らしたい琴線が私にはない

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毛糸

4.0フランキー・コリオ

2025年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2025年1月26日
映画 #aftersun/#アフターサン (2022年)鑑賞

離婚で離れて暮らす父と11歳の少女がトルコのリゾート地で2人だけの夏休みを過ごす

主演の2人の演技が素晴らしく、本当の離れて暮らす親子のような感覚が出ていた

aftersunは日焼け後という意味でそのネーミングセンスも素晴らしい

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とし

3.5観客に全てが委ねられたドキュメンタリー風作品

2025年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

キラキラ眩しいような、感傷的で物悲しいような不思議な気持ちになる作品でした。
父の悩みも現在の状況も全てが観る側の想像に委ねられる余白だらけの作り。

私自身、父とは疎遠になっているので、
少しソフィの心情に重ねながら見てしまいました。
おそらく、本作の父カラムは既に亡くなっていると想像しますが、
まだ若い父の年齢に自身の年齢が追い付いてしまうのはとても切なく、あの時もっとできることがあったのではと後悔してしまいそうだなと思いました。
私自身は父と疎遠になって随分経ちますが、本作とは違ってまだまだ元気でいてくれているようです。会えなくても、どこかで元気に生きている、それだけで心が救われているのだなと改めて思いました。

映画というよりもドキュメンタリーのようで、鑑賞中も個人的な体験や心情をたくさん思い出しながら観ていました。それらも含めて見る側それぞれの中で本作が完成されていくような感覚があり、映画の作りとしても新しさを感じました。

また、カラムの「何でも話していいんだよ」という言葉がとても素敵で、
こんな風に言える親になりたいなと思いました。

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ぞの