インフィニティ・プールのレビュー・感想・評価
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エログロミアゴススゴ
肢体を弄ったアート、とでも言うのかな、
綺麗な整った人なのに醜い部分があり、敢えてそれを汚す(穢す)作品がたまにある
ある性癖の人には引っかかるだろうなーと思い、鑑賞
仮面は内部の人間の暴力的な部分
血を見て喜ぶ層がいるのは紀元前から変わらないか
最後は雨の中に…
虐められる事が快楽になってない事を祈りたい
お父さんの作品を見た方はぜひ
走り出したら止まれない
薬物中毒者の頭の中にお邪魔する、不気味で超過激なエログロカルトムービー。
親子共々何やってんだか笑 一体どんな人生を過ごしたらこんな映画が撮りたくなるのか、凡人には理解し難い。男女問わず多くの裸体が、恥ずかしげもなく堂々と出てくるもんだから、ここまで"赤裸々"にされたら無性に気持ち悪くなる。これは性ではなく、アートなのです、と熱弁している監督の姿が何となく浮かぶ。感覚が違うとかのレベルじゃないよね。人を人として捉えてない。家で解剖実験とかしてそうだもん。そのくらい、頭ネジが何本も外れた監督の映画だから、脳天ぶち抜かれるほど刺激的ではある。
真面目な話すると、クローンを身代わりにするという設定がストーリーにあまり生かされておらず、むしろ粗の原因になっているのが非常に勿体ない。
こんなツッコミは野暮かもしれないけど、きっとクローンを作るのにはかなりのお金と人員がいるだろうし、わざわざ死刑の様子を公に見せなくとも(そもそも被害者の様子が謎)大金払えばそれなりの施設提供するからそこで大人しくしてね、の方が断然楽だしそのまんまお金をゲット出来て政府は超ハッピーだと思うんだよね。ただただ、あのラストを描きたかったが為なら、相当回りくどいことしてるよね笑
まあ、相も変わらずミア・ゴスが目が痛くなるほど強烈かつ有り得ないほど体当たりで、終盤はバチバチに気色悪かったから、それだけで元取れたし、正直設定なんてどうでも良くなった笑 でも、もうこの人は常人役絶対に無理だろうね笑
苦手なホラーで意外に好きな作品でした
これまでの人生、極力ホラー映画は観ることを避けて通ってきているためホラーに関する情報ストックが無さ過ぎて、これが正しいホラーのあり方(?)なのか判別できません!!観終わった直後の感想としては『なんだかよ〜わからん』だった。
鑑賞してから10日ほど経過した今改めて思い返すと、わからんことはわからんこととしてさておき、わかる(気になってる)事にだけフォーカスしてみると意外に好きな作品だって事に気がついた😊
まず設定。
罪を犯した人が大枚はたいて自分のクローンを作り、それを殺す事で罪が許される〜ってどんな道楽ワールド!?そんなぬるい世の中では人間ってどんどん堕落の一途をたどり、底なし沼にずぶずぶしちゃうぢゃ〜ん!と思ってたら案の定、金持ちの道楽仲間はみんなずぶずぶでした。なるほど、そーゆーものね。同じずぶずぶ環境下でもメンタル崩壊しちゃう奴と普通でい続けられるヤバメンタルの持ち主とで枝分かれしていく様が面白い。
ミア・ゴス出演作品って初めて観たけど、あの『破壊的狂人力』とでも言えばいいのか、すごい才能を見た気がする。
タイトルの『インフィニティ・プール』は抜け出せない無限ループや底なし沼的な意味合いで使われてるんだろうけど、舞台となるリゾート地に建築家のアルヴァンがインフィニティプールを建設するために島に呼ばれたという取ってつけたような地味設定にウケたw
数少ない自分のホラー映画体験の経験から感じたこととして、この映画も含めホラー作品ってやたら「死」と「生」(とその象徴としての「SEX」)がフィーチャーされてる気がするんだけど、ホラーってそーゆーもん??だとしたらある意味非常に尊いジャンルとも言えるのかしら🍀
全然関係ないけどポスターの紫が妖艶で好き💜
#映画好きと繋がりたい
ミアゴスがかなりエゲツなくて好き。
息子の映画は初めてみた。
父の影響なのか?遺伝か?ここまでやっていいぞと言う父の露払いのおかげか?実に伸び伸びと現代的な技法で人の暗部をエロとグロと科学で粘着表現しておられます。
ミアゴスが良い味を出して伴走してます。
この手の映画になくてはならない俳優に成長しました、頼もしいですね。ゴミ捨て場のカニの目が素敵なスカルスガルドも素晴らしいです。
話の方は生きる目的を失ったクズ金持ちの生命を愚弄するような遊びに巻き込まれたクズ小説家の話です。自分でダメな事はわかっていますが、他人に言われるとダメージでかいです。
映像、ストーリーに関しては父上よりわかりやすいし、センスも良いんじゃないかと、、、あ、まだ本作しか見てないからな、やめとこ。
血のりのパイは 舐めたくない。
沼に落ちるサイコーな気分
🏊♀あらすじ
・無名な作家ジェームズが新しいアイディアを求めるために、妻のエムと一緒にリゾートな島で休暇をしていた。そしていつもの繰り返しな休暇中にガビとアルバンに出会う。ジェームズはすぐにガビに惚れ込んで行く。そして、4人の外出帰宅時にジェームズが交通事故を起こす。島での犯罪は死刑とトーマスに言われるが、観光客はお金で自分のクローンを作って身代わりができる。そして、ガビはジェームズを今にない境界のない快楽に落とし込む。
🏊♀良かったところ
・ジェームズが自分の居場所を見つけたようなエンドロールが良かった。
・ミア・ゴスの演技力は表現できない。違和感のない怪奇キャラクター
・先が読めないテンポ
・1カットの絵がすべてきれい
・制限のない自由な描写
🏊♀いまいちなところ
・ガビとアルバンの関係性の描写が少なかった
・非日常な休暇を楽しむ為に島を訪れているのか、本当に島を訪れる理由が欲しかった。
🏊♀考察
・支えてくれるパートナーと引き出してくれるパートナーが別物だなと思いました
・来年のシーンが欲しかった。また、どんな背景の観光客をターゲットにするのかがあってもよかった
◇旅の恥はカキ捨てて現実自己逃避
取り澄ましたセレブな日常の中で、隠され抑圧された欲望を解き放つ為に、裕福な富裕層はリゾート地に出かけてハメを外します。
才能の欠如故に執筆活動は停滞、資産家の妻の尻に敷かれて創作意欲も湧かない小説家にとって、リゾート地での欲望の放出は稚拙な程に哀れで激しいものになりました。
アルコール、タバコ、ドラッグ、セックス、悪戯心の殺人ゲーム。リゾート🏝地で繰り広げられるセレブ達の遊戯はとどまる所を知らずにエスカレートしていきます。
リゾート地の雄大な大自然の海辺の風景を借景した"インフィニティプール"とは、二世監督と二世俳優が創作するアートな人間の本性や欲望が、所詮は囲い込まれたものでしかないことの象徴です。そんな清潔で安全な水面に、ミア・ゴスという凶暴な雌ザメが入り込んで、男たちを噛み殺していくような、そんな恐怖と痛快が入り混じる世界を楽しめました。そして、観る者までもリゾートの奥に広がる野蛮に連れ出して、現実逃避させてくれました。
Nuts
監督の前作「ポゼッサー」はエグそうで鑑賞は見送ってしまったんですが、今作はミア・ゴスが出るってだけで観にいく気になってR18+とか関係ねぇ!のテンションで鑑賞。
入プレが仮面ってのが最高にイカしてます。
人を故意ではないとはいえ殺してしまった観光客が、自分のクローンを変わり処刑させて自分は生き延びるという超独特な設定にまず惹かれ、そのクローン要素がどう活きていくのかと思ったら、それと並行するように何度でも生き延びれるのを良いことにセレブが暴走していくヤバさ全開の作品になっていてドン引きながら観ていました。
クローンを作る際、作った後の処刑にもしっかりルールがあって、そこまでしっかり作り込んでて変態の度が過ぎてるな〜とニヤニヤしていました。
自分と全く同じの人間がそこにいて、しかも罪の自覚を持って怯えているとことかなかなか怖かったです。
被害者の親族にクローンを殺させるってのは不思議な感覚で、自分が殺される様子を見るのもルールとはいえ悍ましいもんだなと思いました。この殺されるシーン、グロいっちゃグロいんですが、R18+にしては弱いなと思いましたが、R18+の正体は完全に交わり合いの方だったのか〜とびっくりさせられました。
まぁ序盤にガビがジェームズのチン○ンをシ○シコさせて精液飛び散らせてましたし、いきなり飛ばすなーと思っていたら、まぁ交わること交わること。
しかも理性とかどこかに捨ててきてしまったのか、場所も時間も人も問わず、ヤリたい時にヤッて、ふた○りってやつもあって、死姦みたいなのもあってゾクゾクさせられっぱなしでした。
金持ちだから犯罪しまくって死刑になっても、クローンを作ればいいや精神で生きているし、自分のクローンが死ぬ様をエンタメとして消化してるところとか、貧富の差を極端に描いているのはかなり好みでした。
映像的表現も変わったもので、ポケモンショックの如く光飛ばしまくって視覚的にもおかしくなりそうなのが最高です。
ドラッグを決め込んでいる時の感覚の共有とか、絶頂した時の快感とかを映像のみで伝えてくるのは狂気的ですごかったです。
島を脱出するまでは面白さとエグさを持続させられていた印象だったんですが、ラストの方はちょっとダレたかなーって感じです。もちろん終わり方に意味はあったんだと思うんですが、あっさりしたラストだったので、ぶっ飛んでいた中盤を思い返すとこういう終わり方でいいのか?と思ってしまいました。
ここまでの手腕を考えると勿体無いなーとは思いましたが、こういうのも監督の考えの中なんだろうなと咀嚼することにしました。
ミア・ゴスは今作でも文字通り体を張ってました。
全力で歪みまくる表情は「Pearl パール」の笑顔の口角が解放されて口を開きまくって高笑いという狂気じみたものになっていましたし、こんなに大女優なのにおっぱい曝け出して暴れ回ってるもんですからリスペクトしかありません。
アレクサンダー・スカルスガルドもめっちゃ全裸で、主に痛い目に遭うのはこの人なので、撮影中頭おかしくならなかったのかな〜と心配してしまいました笑
今作は性癖には刺さらなかったので、まだ常人側にいれているのかなという安心感と同時に、こういう尖りまくった世界を眺めていたいという好奇心はより強くなったので、変態に片足突っ込んでしまってるなーと自覚しました。変態で結構!
鑑賞日 4/16
鑑賞時間 13:30〜15:35
座席 E-12
パスポートと骨壺
スランプ脱出のためのバカンスがとんでもないことに!農夫を撥ねてしまい死なせてしまった作家のジェームズ・フォスター(スカルスガルド)。逮捕され、過失致死でも死刑になるというリ・トルカ島の法を聞かされるが、大金を支払いクローンを死刑に処すことで罪を免れるという誘いに乗ってしまった。
エログロサスペンスの巨匠デビッド・クローネンバーグの遺伝子を感じるブランドン・クローネンバーグの3作目。いや、主人公ジェームズを演ずるアレクサンダー・スカルスガルドだって名優ステラン・スカルスガルドの息子だぞ!と、ステランもクローネンバーグの作品に出ているのかと調べてみると、彼はラース・フォン・トリアー作品の常連でもあったとわかる。顔立ちはあまり似てないけど・・・
サスペンススリラーからSFものへと変化する中、本物とクローンの区別がつかなくなるという展開。貧困国なのにクローン技術?という疑問はさておいて、富裕層の倫理観と狂気とが錯綜する奇抜な内容に驚きました。何しろ麻薬をやっても死刑なのに、彼らは平気でラリって乱痴気騒ぎを起こし、自分たちのクローンを死刑にさせる。自分とそっくりな人間を殺させて楽しんでいるわけだ。
こうしてジェームズも彼ら富裕層の遊びにのめり込んでしまい、抜けられなくなっていく。そして犬と化した自分に襲われ、とうとう自分殺しも経験するのだ。
個人的にちょっとキモだったのがパスポートと骨壺。ジェームズはパスポートを無くしてしまったから妻エムを先に帰してしまうのだが、実は自分で洗面台の下に隠してあった描写がある。自ら狂気の仲間入りをしてしまうほど魅力的だったに違いない。そして骨壺をしっかりとバッグに詰め込むシーンも興味深い。自戒の念?それとも生き残ったのがコピー?と観る者に想像させるところも素晴らしい。
境目のないプールといった意味のタイトルと無限に作れるクローン。プールそのものの映像がないのが残念なところですが、色んなメタファーも感じる奥深さもあったかな。
不穏さがことごとく滑ってる
クローネンバーグ監督作らしい、おぞましさ
主人公に感情移入したら気が重くなってしまった
バリ島風のリゾートにやってきたフォスター夫妻。ホテルで知り合ったバウアー夫妻に誘われて、本来は禁止されているホテルの外へのドライブに行った結果、夫のジェームズがとんでもない目に遭うというホラー作品でした。
本作のキーとなるのは、自分のクローンが作れてしまう技術がある世界のお話であることで、島民を交通事故で殺してしまったジェームズが、自らのクローンが罪滅ぼしのために身代わりとなって死刑に処せられるのをはじめ、何度もクローンが殺されるシーンが印象的でした。
さらにもっと怖いのが、「Pearl パール」での演技が非常に印象的だったミア・ゴスが演じたガビ・バウアー。リゾートでの暇つぶしにジェームズに狙いを定め、気がある振りをして彼に近づき、徐々に肉体面、精神面両方で追い込みをかけて最後は廃人にしてしまいました。人間のクローンを作れるという設定は完全にSFですが、その部分を除けば金持ち女に弄ばれてポイっと捨てられてしまったジェームズの姿を見せられると、心胆寒からしめる恐ろしさを感じずにいられませんでした。
教訓としては、気が乗らないものには靡かず断ること、そして何よりも色仕掛けに気を付けろということでしょうか。
ただうだつが上がらないジェームズに自己投影してしまった私としては、最悪の物語であり、ちょっとゲンナリしてしまいました。ミア・ゴスの演技は相変わらず狂気に満ちており、その点は評価すべきところだと思うものの、どうも気が重くて・・・まあそれだけ観る者の心の隙間に入り込んでくる力のある作品だと言えるのかも知れませんが。
あと、リゾート地を舞台にした作品の割に、その景色の美しさが活かされていないように感じました。昼間の屋外でも全体的に暗い感じがあったのは、映画館の問題だったのか、作品自体がそういう味付けだったのか、いずれにしても映像は今ひとつでした。また音楽や効果音の方も、初っ端から大袈裟すぎてメリハリが感じられませんでした。
そんな訳で、本作の評価は★2とします。
そして私は途方にくれた
罪悪感という恐怖
まさに後味の悪い悪夢みたいな話。
真の恐怖というのは、それまで無自覚だった自分の量りしれない「罪」を自覚することではないか。夏目漱石の「夢十夜」では、自分の息子がかつて自分が殺した男の生まれ変わりだと悟る話がある。
発展途上国や物価の安いリゾート地に遊びに行くときに頭の片隅によぎる罪悪感。ホテルの中は観光客のために贅を凝らしている一方で、一歩外に出れば不衛生な街並みや物乞いがいる。
リゾート地に行かなくても、現在の先進国の富というのは、間接的に遠く離れた途上国の犠牲の上に成り立っている。
この映画は世界の富の残酷なまでの不公平さを極端につきつけたものではないか、という気がする。
主人公はズルズルと堕落の道にひきずられていく。はじめは過失での殺人、次は強制されての犯罪、そして最後は故意での暴力。
「人間らしさ」は、「他者に対する共感性」と言い換えられると思う。
誰でも、家族や友人に対しては強い共感性をもつ。その範囲を全人類にまで広げましょう、というのが現代的な人権の考え方だ。
しかしリゾート地においては、そんなことを考えては楽しめないので、あえて心にフタをする。無意識に「彼らと我々は同じ人間ではない」と考えている。
自分自身のクローンが殺される現場を見て主人公は、かすかに笑みを浮かべる。たぶん、それは彼が心の底で望んでいたことだったからだ。
「完全に共感性を持たない人間」とは、自分自身にすら共感を持たない人間のことだ。そのような人間はあらゆる罪に対して罪悪感を全く持たない、怪物になる。
主人公は結局、怪物になりきることはできなかった。
ラストの解釈はいろいろありうるのだと思うが、薄暗がりの無人の部屋で土砂降りの中うなだれる主人公の姿は、精神崩壊した廃人のようにも見えるが、どこか心安らぐものでもあるように思う。
この映画全体が主人公の悪夢なのだとしたら、次の再生も予感される。
240 確かマリネラ国も人を殺めたら例外なく死刑だった
何のためにこんな仕組みを作ったのか?
これで美味しいおもいをするのは誰なのか?
主人公はたまたま対象になったのか、それとも
はめられたのか?
ミアゴスはなんでいつも凄いのか?
あーわからん(笑)
しかーし確かに見知らぬ国に行けば多かれ少なかれ
自分の立場が危うい状況になる恐怖が
常に存在すると思う。
自分が子供のころはトンでも本に香港の店で
着替えをしたらどこかに拉致されて
女性なら売られる、と書いてあり怯えましたよ。
で、本作のような状況になれば私なら
相当病むでしょうね。
ただ金持ちは刺激を求めて何度でも罪を犯す。
自分を何度も殺すだけでなく
あーあそこにいる一見さんをはめようぜ。
二回も三回もドッキリしかけようぜ。
結構理にかなったストーリーだと思います。
70点
MOVIX京都 20240413
シアトリカル体験型バッドトリップ
クローネンバーグ親子にも詳しくなければ、ホラー映画にも詳しくない。
親父さんのデヴィッドの作品も大昔に『ヴィデオドローム』を観ただけのような気がする。
それも、テレビでだったかも知れない。
それでも、ウヘっ、キモっと感じるには充分だった。
息子がブランドンといって、やはり映画監督であることも、寡聞にして初めて知った。
本作、最初に表示されるスタッフクレジットからして、全面パステルカラーのバックに、スタッフ名が反復する形で示され、異常感がある。
本編に入ると、どこやらの海に囲まれたリゾート地の島(リ・トルカ島という)らしい、それなりに美しい景観が次々と映し出されるが、わざと焦点を浅くして周囲をぼやかした上にピンボケを狙っているので、夢の中のような、ふわふわとした浮遊感に包まれる。
カラリングもパステル調が強調されているというか、この世ならざる色調だし、カメラの角度や構図の切り取り方も、普通ではない。
とまぁ、最初から狙ってるなぁ、と思うしかない。
ホテルスタッフは、民族的には、いったい何人なのだろうか。
昼パーティーの司会者は、一応、英語を話す白人のようだが、何やら土地の民族儀式を説明して、客にも友情の印として、フェイスペイントを施すなどという。
付き従う現地スタッフは、醜い仮面を着けていて、何人かはおろか、本当はどんな顔なのか分からない。
主人公は、6年もの間、一作も書けなかった作家のジェームズ・フォスター。
演ずるは、ちょうど絶賛大ヒット中の『DUNE2』で、マツコデラックスことハルコンネン男爵を演じている名優ステラン・スカルスガルドの長男アレクサンダー・スカルスガルド。
彼の弟のうち3人も俳優だという。
何だ、これ。
日本の歌舞伎界が、21世紀の今もって世襲制を金科玉条として俳優の再生産を行なっていることを評して、信じられない、まるで文明以前の未開人ではないか、と、よく言われるが、
本作では、監督も、主演俳優も、まごうかたなき世襲2世ではないか。
ここからして、何かが狂っているのかも知れない。
この島には、「街」と呼ばれる繁華街があるようだが、ジェームズは、
「あんなのが街なものか、信じられない」
と唾棄するように言い捨てる。
「街」には中華料理のレストランがあって、内装は赤を基調とした、いかにもな店内だが、フロアスタッフは、中華服に身を包み弁髪を垂らした、白人男性である。
今どき、スタッフの中華服まではあっても、弁髪垂らしてるヤツなんている店あるか、
相当に悪趣味だ。
文化の盗用、
アジア蔑視の極みだ。
屋外ステージでは、「インディアンダンス」と英語で看板を掲げてボリウッド系の群舞が上演中だ。
(順不同、時系列無視で記述する)
要所要所にあるプレートや説明文は、英語の部分は分かるが、何やら見慣れない文字のような、文様のような象形文字らしきものが記されている。
ここは、どこだ、、
何でも本作、『パラサイト』を配給した会社NEONの製作とか、、
もとい、いったい、どこのリゾートなのか。
アジアか、
オセアニアか、
それとも、製作に参加した、
カナダか、
ハンガリーか、
クロアチアか、
ストーリーの本体は、どこかに詳しく書いてあるだろうし、省略するが、
メインのキャストが白人男女と黒人女性だけで、アジア系が皆無というのも、今どき、わざとなのか。
作品全体に漂う、嫌ぁな感じのアジア蔑視感も、わざとなのか。
ジェームズを、ダークサイドに堕とす、メフィストフェレスにして、グレートヒェンというかファムファタールを兼ねたガビ・バウアーを演じた、終始粘着的な気味悪い表情で見つめて来るミア・ゴスの怪演がいちばんの見どころ。
あとは、セックス、クローン処刑という形での殺人、ドラッグ、イジメ、、
と悪行、悪徳、悪趣味の限りを尽くして、バッドトリップを体験させる手練手管。
悪徳を娯楽としてし放題、やりたい放題、
ということでは、ピエル・パオロ・パゾリーニの『ソドムの市』を想起させ、同性愛を指す「ソドミー」も行われているとセリフにはある。
そもそもストーリーなど、あってないようなもの。
ジェームズの内心が分からないから、共感も、反感も持ちようがない。
そもそも、バッドテイストが持ち味だからと言って、アジア蔑視をエンタメとして消費してもらっちゃあ、かなわん、、
だから、大幅に減点して、、
とは思うものの、やはり作りあがりは、そこそこの水準だし、一定の気味悪さ、気持ち悪さは味わってしまったので、スコアは平均点でいいかなぁ、
とか、ついつい日和ってしまう私も、もはや召喚、もとい、狂わされてしまったのだろうか。
他の方も指摘されているが、
開始前にはなかった配給、製作会社のロゴクレジットが、エンドロールが終わったあとに次々と流されたので、なかなか席を立てなかった。
終わりのあとにも、何か期待して、、
これも狙ってやったんだろうなぁ、、
そうそう、『ボーはおそれている』で子ども時代のボウを演じた子役が、本作にも出ていたと思うが、彼で良かったんですよね。
子どもに、あんなことやらすなんて、倫理的に許されるのか、、
これも、減点対象ではないか、、
でも、作りあがりは、、
(遠い目をしながら、、
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