インフィニティ・プールのレビュー・感想・評価
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無限に沈み続ける悪夢の沼
普通名詞のインフィニティ・プールは、高級ホテルの屋上などにある外縁がないように見える設計のプールのこと。ブランドン・クローネンバーグ監督は、ドミニカ共和国のインクルーシブリゾート(施設内での飲食や娯楽のすべてが料金に含まれている高級リゾート)で休暇を過ごした体験に、以前に書いていた身代わりのクローンが処刑される短編小説を組み合わせ、本作の脚本を書いたという。
父親のデビッド・クローネンバーグ監督から受け継いだボディホラー要素はこの長編第3作でも健在で、直接的な暴力がもたらす人体破壊のほか、ドラッグの影響下における幻想的な乱交シーンでのデフォルメされた性器の描写、奇形を思わせるグロテスクな伝統的マスクなどにも表れている。
アレクサンダー・スカルスガルドが演じる主人公ジェームズがかつて貧乏作家で出版社社長の娘と結婚して逆玉の輿に乗ったという設定もうまい。妻とその親のおかげでリッチな余暇を過ごしているという引け目があるからこそ、金持ちたちの悪い遊びにずるずると引きずりこまれていく不安とおそれが幅広い観客層に共有されるのだろう。
ミア・ゴスのファムファタールっぷりも見事だ。彼女が主演する「X エックス」「Pearl パール」に続く米7月公開予定の第3作の日本公開(邦題の法則性に従えば「MaXXXine マキシーン」になりそう)も今から待ち遠しい。
【”罪を犯しても償うのは、もう一人の自分。”今作は或るリゾート地に集う人達の密やかなる倒錯の愉しみをエロティック&グロテスクに描いたクローネンバーグ親子のDNAの強さを感じる作品である。】
■高級リゾート地として知られる孤島”パ・クルカ”を妻・エム(クレオパトラ・コールマン)と共に訪れた六年間も新作が書けないスランプ中の作家、ジェームズ・フォスター(アレキサンダー・スカルスガルド:名優であるステファン・スカルスガルドも「ニンフォマニアックVol.2」にミア・ゴスと共に出演していたので、似た者親子であろう。)。
ある日、彼の唯一冊の小説の大ファンだというガビ(ミア・ゴス)に話しかけられたジェームズは、彼女とその夫に誘われ一緒に食事をする。意気投合した彼らは、出てはイケナイと言われていたリゾート地からドライブにジェームズの運転で出かけるが、途中で彼は地元民を轢き殺してしまうのである・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・アレキサンダー・スカルスガルドがエロティックシーンでも、グロテスクシーンでも奮闘しているが、名優である父、ステラン・スカルスガルドも「ニンフォマニアック」にミア・ゴスと共に出演しているので、似た者親子であろう。
・観ていれば分かるが、今作のタイトル「インフィニティ・プール」の意味は”一度知ってしまった倒錯の快感は、尽きる事無く溢れるばかり・・。”という事であろう。
・現地民を凄惨な方法で殺しても、大金を積み自分ソックリのクローンを作り、それに対して遺族に復讐させれば、何をしても良し!と言う、高級リゾート地として知られる孤島”パ・クルカ”の掟に魅入られて行くジェームズ・フォスターの姿。
そして、彼を執拗に追い込んで行く超ドSのガビを演じるミア・ゴスの姿が堪りません。シャイア・ラブーフ君が一度は別れても、よりを戻した事が良く分かるのである。君はきっとドMなんだろうね・・。
・ガビが、倒錯の世界からバスで逃げ出したジェームズ・フォスターを、夫やお仲間と車で追いかけて”アンタの小説なんて、最初から屑なんだよ!”と言って酷評の書評を読み上げる姿や、打ちひしがれる彼に対し、乳首を吸わせるシーンなどは子供に対し、厳しい躾を行う母親の様である・・。
・妻・エムからは”貴方の眼、ゴミ捨て場の蟹の眼のよう・・。”と吐き捨てられ、捨てられるも倒錯の世界に染まったジェームズは、ガビたちと狂乱の行為を繰り返すが、帰国の日が来てガビたちが普通の顔をして”又、来年!”と言って国に帰って行く中、彼だけはチケットを持ったまま、呆けた顔で空港のロビーに一人座っているのである・・。
<今作は或るリゾート地に集う人達の密やかなる倒錯の愉しみを、エロティック且つグロテスクに描いたクローネンバーグ親子のDNAの強さを感じる作品なのである。>
醜悪さと美しさの境界
イカレポンチ
何を見せたいのか分からない
もうわけが分からない。
金持ちで自堕落な生活を送るクズばかりが出てくる不快な映画。ジェームスもそういう素質(?)があったのかもしれないが奥さんが帰国した上ガビの誘惑(大麻含む)もあっておかしくなってしまう。最後に2人のジェームスが残るが、そもそもどっちが本物かなのかすら分からない。もうわけが分からない。いずれにせよ、彼等には天罰が下るだろう、と思って観ていたが、そもそも生き残ったのは全員クローンだったのではないか?だから毎年リ・トルカ島に母川回帰してくる(そして国の税収に貢献してくれる)のではないか?と推察するに至った。後でネットで調べて観たらアルバニアにはジャクマリャという恐ろしい風習があるらしい。そこから恐らく着想したのだろう。
過去作全て観ねンばーグ。
感想メモ
おもしろかった
スランプ中の作家ジェームズ、新作のインスピレーションを得ようと南の島のリゾートに来たが、これが悲劇の始まりだった!
綺麗な風景に不安を煽るカメラワーク良いね
現地民は観光客に反対的、なのでリゾートの敷地内から外に出るのは禁止されている、そんな所行きたくね〜
しかし、ミア・ゴス夫妻に誘われて外出してしまい、その際に現地民を車で轢き殺してしまう、そして処刑に
しかし!処刑されるのはクローン!島特有の法律と技術により、観光客が法を犯した場合はそのクローンが処刑になる、自分が処刑される様子を見たジェームズ、何かおかしくなる
そしてミア・ゴス率いるお金持ち特有の倫理観ブッ壊れグループに目をつけられてしまう
自分で自分のクローンをボコボコに殴らされていたことに気づいて怖くなり、内緒で帰国しようとするが、グループに空港行きのバスを襲われる
最後は自分のクローンと対決、クローンを殴り殺して血まみれの手でミア・ゴスの乳を吸う(??)
理解不能、自分で自分を殺して生まれ変わった!赤ちゃん!って事?でも新しい自分を受け入れてくれる場所はないので島に残った?
途中出てきたマスクすごく印象的、顔に細かい穴がいっぱい空いているやつが好き
深い悪夢に引きずり込まれる!
なんの落ち度もないのに、理由なく酷い目に遭う大男の話し
と聞くとアリ・アリスター監督の「ミッドサマー」を思い浮かべますが、
まぁそんな映画です。
南国の高級リゾート地へ妻と休養に来た作家のジェームズ
{アレキサンダー・スカルスガルド)は、不思議な実業家カップル
{愛人はミア・ゴス)とドライブに出かける。
帰り道の運転を引き受けたジェームズは突然ライトが消えて
現地の農民を轢いてしまう。
ひき逃げしたら、翌日警官が訪ねてきて、裁判でで死刑を
宣告される。
しかし、なんとジェームズのクローンを作り、そのクローンを
被害者の息子が滅多刺しにして殺す。
それが死刑執行だった。
{これはトラウマになる)
その後、理不尽なことがミア・ゴスの命令で次々と起こる。
逃げ出せば拳銃で撃たれ、遂に犬になったジェームズのクローンを
ジェームズに殺せ!!と命じられる。
スカルスガルドは四つん這いになり、皮の首輪をして、その犬を
ジェームズは滅多刺しにして殺す。
もう人格も破綻して廃人同然のジェームズは、解放されても、
茫然自失で、季節は雨季が来て、豪雨のプールサイドで、
ビーチチェアーにただただ座っているのだった。
不条理なストーリーだが、特にインパクは薄い。
誰にも共感が湧かないスーリーなのだ。
ミア・ゴスの豊満な裸やや、194センチの凹目のハンサム、
アレキサンダー・スカルスガルドを堪能する映画だった。
クローン
暇な金持ちってろくなことしないな。
「マザー!」を観た後のような嫌な後味
これは…なかなかマニアックな作品。
冒頭の朝ごはんのシーンで店員がつけているお面の気味の悪さから、もうこの映画のヤバさをプンプン匂わせているのになんだか目が離せない。
しかも小説のファンだとか言って近寄ってくる怪しい夫婦とか、ホラーとかミステリーでは典型的な悪人パターン!笑
結局、厄介なことに巻き込まれるけれどその厄介なことが“自分のクローンを作り処刑させる」という、訳のわからない話でいよいよヤバさ爆発。
それからどうなるかと思ったら、自分のクローンは一体だけじゃなく、迎え入れてくれた仲間たちが自分のクローンをゲームのようにいたぶり、殺していく。
逃げようとしても追ってくるし、自分の意識もハッキリとせず、もう訳わからない状況。
結局、あの悪夢のような日々は終わって皆んな何事もなかったかのように帰路に着くけれど…結局、主人公だけはあの世界から抜け切れなかったのか誰もいないホテルに戻り…魂が抜けたように雨に打たれてそのまま終わり、、
めちゃくちゃ後味悪いし、なんか「マザー!」を観た後のようなもうすごくモヤモヤするし、関わってくる人間みんなを嫌いになりそうなあの妙な感覚になった。
でもこういう作品ってなぜか観たくなっちゃう。
余談ですが、主人公を演じていたアレキサンダー・スカルスガルド、めちゃくちゃジョエル・キナマンに似てる‼︎って思ったら、出身地が一緒でした。
このお二人は泣き顔とか困った顔の表情がとても良いので、スウェーデンの役者さんはこういう演技はハマるのかな、と思いました!
ピントの鬼
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