パリタクシーのレビュー・感想・評価
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あんな風に颯爽と旅立つ人になりたい
人生の最後のほうでタクシーの旅をちょっとするだけのごく普通のおばあさんかな、と思いきや
16歳でシングルマザー
その後知り合った男性と結婚はしたけどよくニュースで目にするDV男で苦労し、
離婚までの仕返しも想像以上なことで
でもこれだけ経験したのに
タクシーに乗っている時はそんな壮絶な人生があったとは思えないほど
穏やかで
チャーミングで
たまにジョークもあり
運転手の信号無視のピンチにはとっさの機転もきかせて
全然ぼけたりもしてない、
足が少し遅くしか動かせないだけで
アイスもレストランのディナーもぺろりと
一見かなり元気な92歳。
46歳男性をつかまえて「あら、孫の年ね~」
これはいつか言ってみたい台詞!と思いました。
「笑顔は若さの秘訣。
怒ると老ける。
だからいつも笑顔でいましょう」
肝に命じておきます。
人生の教訓をありがとうおばあさん_φ(・_・
これからも色んなことが起こると思いますが、
人生の最期は
「私のこれから行く世界には要らないから」
と言って莫大な遺産をさりげなく残し、
彼女のように颯爽と旅立つ(亡くなる)、軽やかな死に際でいる、そんな人でありたいと思いました。。!
【”美しき人生の最期の旅路。”人生に疲れた巴里のタクシー運転手と92歳の波乱万丈の人生を歩んだ女性との1日の交流を描いた作品。今作は人間の尊厳を尊重する事の大切さを描いた作品でもある。】
■巴里でタクシー運転手として働くシャルル(ダニー・ブーン)は、借金が嵩み免停寸前。浮かない顔でタクシーを運転している不愛想な男である。
ある日、92歳のマドレーヌ(リーヌ・ルノー:今年、95歳である。)を介護施設に送るために迎えに行くが、彼女は思い出の地を回って・・、と依頼する。
◆感想
・当初は不愛想だったシャルルが、マドレーヌの若き日の初キスから、米兵マットとの恋と出産、その後DV男との出会いとマットとの間に出来た愛する息子マチューへの仕打ちに対して、彼女が決然と行った事に聞き惚れ、自分の妻との出会いなどのプライベートを話し始め、打ち解けて行く様が極、自然に描かれている。
ー 愚かしきDV男は最初は優しいが、そのうちに彼女を頻繁に殴り、マチューを”私生児”と呼び殴る。マドレーヌがそんな男に行った強烈な事。
で、女性達の抗議の声が響く中、懲役25年を言い渡されるが、老いたマドレーヌは”それが1950年代の巴里なのよ・・。”と呟くのである。-
・シャルルはマドレーヌのためにトイレを借りたり(で、道は大渋滞・・。)、話し込んでいる際に赤信号を無視してしまい、警官に捕まり大ピンチ。
ー だが、マドレーヌは婦人警官を車内に入れ、ひそひそ話。すると、ナント信号無視は見逃される。場内からクスクス笑いが起こったシーンである。マドレーヌ、名演技である。ついでに言えば、婦人警官も粋である。-
・シャルルはマドレーヌにアイスを買ってあげたり、果てはディナーを一緒に摂る提案をする。
ー マドレーヌは、嬉しそうにその申し出を受ける。支払いもシャルルがする。男である。-
・そして、漸く到着した夜中の介護施設。シャルルは”支払いは後で良いよ”。”と言ってマドレーヌを見送る。
ー 家に戻ったシャルルは愛する妻にマドレーヌに会いに行こうと誘う。妻が調べると、出所したマドレーヌは写真家になったマチューをベトナムで失うも、女性の権利を獲得するリーダーとして活躍していた事を知る。-
<だが、妻と娘と介護施設に行くとマドレーヌは亡くなったと告げられる。愕然とするシャルル。
そんな彼の所に、見知らぬ男が現れ”私は彼女の財産を管理しているモノです。貴方への手紙を託されています。”と言い手紙を渡す。
手紙に書かれていたシャルルに対する感謝の言葉と、101万ユーロの小切手。
マドレーヌは、シャルルがお金に困っている事を知りつつ、彼女にディナーを振舞ってくれた事に対し、キチンと感謝の念を言葉と形で応えたのである。
今作は、人間の尊厳を尊重する事の大切さを描いた作品なのである。>
マドレーヌ
最初からお客なんですね。
シャルルには、最高のお客様でしたね。
マドレーヌとシャルルのシーンはどれも素敵でした。
25年の有罪は、ビックリしました。
息子の死は悲しい。
ラストは、マドレーヌの死後でしたが、素敵なエンディングでした。
お金には代えられない何か
その出会いが、ほんの一日の出会いが人生を変える。
92年は長かったであろうに、過ぎてみればあっという間。
どう生きて、そのことをどのように意味づけているかが、結局、その人の人生がどうだったかになるのかな〜
壮絶かもしれないけれど、大事だったのは最後の夜。
ディナーの話が出たときの、嬉しそうな顔!
人生の終わりが見えてくると、一瞬一瞬が大切になるんだろうな〜
それに、お金に困っているはずなのに、そんなことは露ほども出さず、男気を見せる彼も素敵。
誰かに背中を押されて、人生が変わる。
その決断ができるのもステキ。
人との出会いは、長さじゃない、年齢でもない。
何なんだろ〜
(オンライン試写会につき一律でネタバレ扱い)
今年94本目(合計746本目/今月(2023年3月度)29本目)。
※ 朝に「シン・仮面ライダー」を見てから自宅に戻り資格の勉強をしつつ、こちらのオンライン試写会に参加したのですが、アニメ作品にレビュー需要はないと思うので飛ばします。
さて、こちらの作品。
なかなか売り上げがあがらないタクシー運転手のもとに「あそこまで連れて行ってくれる?」という「90台かそこらの」、いわゆる「マダム」が載ってきて、なんと行先は…というとかなり遠いところ。それだけならただ単に(値段や時間はかかっても)「つきましたよ」になるだけですが、このタクシー運転手と乗ってきたお客さん(マダム)のこれまで歩んできた歴史(特にフランスの歴史)などにまで触れられています(ストーリー自体は架空ですが、この「もとになったできごと」自体は存在します)。
また、「タクシー映画」として見るという立場も可能で、このコロナ事情でフランス・パリ観光もなかなか…というところですが、フランスの「一般的によいといわれるスポット的なところ」についてはだいたい触れられています。
この映画はいずれの解釈にもとれますが、個人的には、「フランスが歩んできた、男性・女性にまつわる権利がどうで、どのような変化を歩み、今はどうなっているのか」という筋でみました。このことは映画の公式サイトには一切描かれていませんが、御覧になるとすぐにわかります。
とはいえこの面も「少な目で」(そういう論点があるよね、といえば気が付くに過ぎない)、いずれの解釈も可能だと思います。
色々な解釈が可能な映画ですので、一つの参考としてどうぞ。
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