パリタクシーのレビュー・感想・評価
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巴里の空の下‼️
施設へ入居する老婦人マドレーヌと、施設まで送り届けることになったタクシードライバーのシャルル‼️老婦人の思い出の地を巡りながらのタクシーでのドライヴ‼️美しいパリの街並みと老婦人が語る自らの人生の風景は美しいのだけど、老婦人が語る己の人生は凄惨で、映画はパリの街並みの美しさと人生の厳しさを対比させながら、二人のささやかな心の交流をロードムービーとして描いています‼️主演の二人がホント魅力的で、特にマドレーヌを演じたリーヌ・ルノーさんは世界最高の94歳(撮影当時)ですね、絶対‼️自らの人生を語る老婦人の嬉しさ、悲しさ、怒りを秘めた表情、見事でした‼️そんなマドレーヌの話を聞いて、自らの人生を見つめ直すシャルルと、そんなシャルルに当てたマドレーヌの最後の手紙‼️目頭が熱くなりました‼️
だから人生は素晴らしい
92歳の老婆のなんと魅力的なことか。有名なシャンソン歌手とのことでしたが、単なる演技であれだけの人物を演じられるとは思えません。人生の年輪のなせる表現なのでしょうね。
運転手は『フランス特殊部隊RAID』でヒロインの上司のち彼氏を演じた人。コメディアンだそうですが、表情の変化が絶妙でした。
作品については一言だけ、
「この映画に出逢えてよかった!」
ありがとうございました。
街と思い出
東横インのVODで『アイス・ロード』に続けて鑑賞。
タクシードライバーの男性にも老婦人にも、人生で嬉しいこと、辛いことが色々とあった。そういった思い出がパリの街と密接に結びついているのが、あの場所で〇〇をしたと語る2人から伝わってる。パリの街は2人にとっての人生そのものと言ってよい。思い出は、歳をとればとるほど重みを持つのが、老婦人の語りから感じられる。
街と思い出は密接に結びつくからこそ、彼女は旅に出ることを勧めている。あの時あの街にいてあんなことをしたと、後から振り返る時間をたくさん持てることが、人生を豊かにしてくれるだろう。そのように思える深みのある映画だった。
老婦人による真心のこもった手紙は泣けた。
尊大。
非支持。
二人の尊大に引く。
身綺麗な老婦人でも駄目。
老健施設入所時刻遅参で所員に残業を課す尊大、
物語の為に施設は杓子定規な悪所と解するなど。
往年の女性運動の旗手だった故の?傲慢な時代錯誤は見過ごせぬ。
米国の男が好きだからリベラルな正義か?
三宅隆太氏推薦作だが。
ヘイタクシー
今年はパリオリンピック
乗客として乗った終活する92歳のマダムマドレーヌと
無愛想な金のないタクシー運転手シャルル
この2人がパリの街を、トレビア〜ンな音楽と素敵な景色と一緒に彼女の人生をめぐるヒューマンドラマです。
1人の女性の人生をタクシー車内で語り尽くすことはできないけど、僕も語り尽くせないほどの人生をこれから積み上げていきたい
タクシー運転手と客との思いがけない出会い
いくつかのタクシーにまつわる映画作品のうち、『人生タクシー』というイランの作品は、客が入れ替わり立ち替わるので、全く異なる。私自身は、障がい者の福祉有償運送活動をしていて、笑わせてくれたり、悲しい体験を話してくれたりする人たちと出会った経験があり、本作のマドレーヌほどではないけれど、運転手と心を通わせたいという気持ちはわかる。
チラシの文面を見直しても、全く想像がつかない展開であった。実際の料金も気になるところである。
流れゆく景色の全てが美しく、ひとときの夢を共有した様な気持ちになる佳作。
「一年に地球3周も走るのに、楽しい思い出は、娘にせがまれて走ったイルミネーション輝くクリスマスのドライブの一回だけ」
タクシー運転手のシャルルの語る言葉のなんと重いことか。「タクシー運転手は自分に合っている」ともいうが、それはもちろん、周囲の人とうまく付き合うことができない自分を嘲る呪いの言葉。
成功している兄とはソリが合わない。娘が愛してやまない妻の実家を売却しなければならないほど金に困り、休みもろくに取れない。運転免許もあと2点で免停…。日常生活がうまくいってない彼の苛立ちは、観ている自分にもどこかしら響き合う。
そんな時に乗せた老婦人。
出会いは、クラクションを鳴らしたことへの叱責というマイナスからのスタート。早く距離を稼ぎたいシャルルなのに、この老婦人は急ぐことを目的とせず、遠回りになる寄り道を指示してくる。しかも、できればしゃべらずにいたいのに「幾つに見える?」と言ってめがねまで外す。
「歳をとった今も色気を忘れていないのか?面倒くさそう…。」そうなのだ。冒頭のわずかな時間で、気がつくと自分はすっかりシャルルになったつもりで老婦人を見ていた。
だから、その後、老婦人が92歳と聞くと、シャルル同様、素直にびっくりするし、面倒な寄り道にもキチンと意味があることがわかってくると、我々も、だんだん老婦人の人生の歩みに耳を傾けたくなっていく。
彼女は、自分が行動したことの責任は、全て自分自身で背負う。あんなに大切にしたいと願い、守ろうとしていた息子も、実は、彼女自身の行動が原因で、別の面から傷を負っていたことを知らされる。現代の眼差しで観ているこちらは、やるせなさがつのるのだが、彼女は決して「時代」そのものを否定しない。それどころか、時代を変えたきっかけの一つが彼女だったのにも関わらず、そのことを全くひけらかさない。
肉体的には、歩みがおぼつかず、トイレも近くて紛れもない老人である彼女なのだが、語られる言葉や行動は若き頃のままチャーミングで、シャルル同様、我々もどんどん彼女に惹かれていくのだ。
2人のパリの端から端まで、昼から夜までの小旅行は、それぞれの人間性回復の旅でもあった。
流れゆく景色の全てが美しく、ひとときの夢を共有した様な気持ちになる佳作。
記念すべき500レビュー。
92歳のかわいいおばあちゃんをタクシーに乗せて、パリ市内のおばちゃんの思い出の地を巡りながら、壮絶な人生を振り返るという話。
一人息子をベトナムの戦争に巻き込まれて亡くし、
DVの夫に悩まされて、
その夫を懲らしめたら懲役刑になり、
いろいろあったでは語りつくせないマドレーヌ。
それを問題を抱えたタクシー運転手が大きな心で受け止め、その心でマドレーヌの半生を引き出していく。
口数が多くないドライバーがこれまたいい味を出している。
感触が良質のフランス映画
生活に疲れて投げやりな気持ちのタクシードライバー
老女を乗せるが、壮絶な人生も乗せてしまう
その人生に思い入れて、施設に入所する最後の時間を共に過ごす
テーマは重たいも、感触は良質なフランス映画
旅路の果てにながめる人生はどんな色をみせるだろうか。
人生の窮地にいてイライラが隠せない中年タクシードライバー・シャルルがのせた客・老婦人マドレーヌ。
はじめはなんだか面倒くさそうな様子でマドレーヌの話かけに応じるシャルルなのだが、激動の時代をたくましく歩んだ彼女が語る生き様は説得力をもってシャルルの心を揺すりだす。
人生の緩急、複雑な重なりだからこその味わいを感じたシャルルはついには祖母をみるようなまなざしに。
マドレーヌも後部座席から助手席へ移り孫に乗せてもらっているような嬉しい顔をみせる。
そのころには自分も後ろの席に乗車していた錯覚が不思議である。
それはウィットに富んだ経験豊かなマドレーヌが、シャルルの不機嫌や短気で否定的な考え方を察知し、さりげなく明るくやわらげるのを目撃し、だんだん変わっていく空気を肌で感じとりながらいるせいだろう。
さて、二人の様子に安心しはじめると横を流れるパリの街並みはそれまでよりぐっと魅力的だ。
細い枝の先でおどるような緑も、流れる川のフォルムも、洗練された塔がなじむ石の道も、行き交う人々も、そばにある不安をとりのぞいた状態で眺めると、そこに受け入れられて立つ自分のありがたい命に触れるような感覚が際立つ。
やはり気分は捉え方を変え、捉え方は気分を変えるのだとつくづく思う。
そんなふうにして観客達はこの出会いが自分を含めて必要なものだったことを知っていく。
いいときもある。
わるいときもある。
でも
あなたはいつもまっすぐに顔をあげて進んでいけばいい。
タクシーに乗る前、わが家をじっとみつめたマドレーヌ。
今思えば、そんなふうに生きてきたことへの信念を住処を去るあのとき固く結んだのかもしれない。
そんなマドレーヌに会えたシャルルはラッキーだ。
他でもない自分自身がつくるたった一度きりの色。
マドレーヌのように塗り重ねて、あんなふうに豊かな色をおおらかに纏い去っていけたならそれは本望だろう。
邦題「パリタクシー」原題は「Une belle course」「美...
邦題「パリタクシー」原題は「Une belle course」「美しい、道のり」という感じでしょうか?英語版は「Madeleines Paris」マドレーヌ(老婆の名前)のパリ。
こじんまりとしてますが・・いい映画でした。小説もそうですが、人の置かれた環境、心理状態から生まれる、渇き、渇望、それを満たしてくれる潤いが、小説であり、映画なのかもしれません。ですから、それぞれの人にとっての良い映画、小説は、百人百様なのでしょうね。
という感じで、私にはこういう物語が必要なのかもしれません♪
物語は、パリのタクシー運転手が、介護施設へ入所する老婆を乗せて、パリの市内のおばあちゃんの思い出の場所を回るお話。
刺々しいタクシー運転手の態度、表情が徐々に緩んできて、素敵な笑顔を見せるようになり・・最後には・・・・。
今の世の中、こういう僥倖は、現実には・・などと思ってしまいますが・・・。今、目の前に生きている老人達にも、その人たちの数だけの、たった一つの恋があって、たった一つ人生の物語があった訳で・・。そういうお話を聞いてみたいし、大切にしたい・・・。
良い意味で裏切られる
高評価から鑑賞。過去から現代のフランス社会、先輩から後輩の助言、負から正への感情変化が美しいバリの街を舞台に丁寧かつ流れるように描かれている。フライヤー画像の印象よりも遥かに深い良作。
鑑賞して下さい
もっとポップな感じを想像していましたが、意外と重い。
伝えたい事は、とてもシンプルで、設定も良く、心地良く観れる映画だと思います。
歳を重ねれば重ねる程、共感度は増しそうな感じ。
人生は、あっと言う間。
美しい心
ある日老人をタクシーに乗せてからのストーリー、結末を予想するのは簡単ながら、マダムの過去が思いもよらず。
二人の会話やレストランのシーン等楽しい。パリの街並みはマダムが住んでいた頃とは違えど美しい。そこに彩る音楽が素敵でお話にも引き込まれていく。最後は分かってるけど、物悲しく心が少しあたたまる映画。人生山あり谷あり。
ドライビング・マダム・マドレーヌ
パリでタクシー運転手をしているシャルル。
一日12時間働きっ放し、休みは週一。おまけに免停寸前。家族にもろくに会えない。人生どん詰まり、世の中に対してイライライライライライラ…。
とある客を乗せる事に。パリの外れまでの長距離だが、その分報酬はいい。引き受ける。
マドレーヌという老女。長年住んでいた家を出て、介護施設へ。彼女をそこまで送る。
それはいいのだが…、この老女、お喋り好き。
私、何歳に見える? さあね、80歳くらい? 92歳なの。あっそう。
まだ10代だった頃の甘酸っぱいファーストキスの思い出話を語る。ババァの初キスの話なんか聞きたかねぇよ!
すんなり目的地には向かわず、あそこに寄って、ここに寄って。あんたのお抱え運転手じゃねぇよ!
そんな感じ。面倒、うんざり。最初の内は。
しかし次第に彼女の話に耳を傾けるようになる。シャルルの心境にも変化が。不思議と交流を深めていく。
お喋り好きの老女と無愛想なタクシー運転手の珍道中。もっとユーモアあってお洒落なロードムービーと思っていた。
マドレーヌの語る過去に聞く耳立てずにいられなくなる…。
16歳の時にアメリカの軍人と出会い、恋に落ちる。ロマンチックな恋は束の間、ほどなくして別れ男は別の女性と結婚。マドレーヌは彼の子を身籠っていた。
出産し、マチューと名付け、時に母の協力を乞いながら、新たなスタートを。そんな時、レイという男と出会う。
結婚するも、レイはマチューに愛情を示さず。それどころか暴力を振るう。マドレーヌにも暴力を振るい、時に強/姦さながらに…。
このままでは自分も息子も…。身を守る為マドレーヌは、レイの股間をバーナーで焼く!
レイは命は助かったが、裁判に。DV夫からの正当防衛…世の女性たちから同情の声もあったが、その当時1950年代は法律は女性にあまりにも不利だった。
実刑。禁錮25年…。
模範囚であったマドレーヌは半分ほどに減刑される。
保釈され、息子と再会。が、息子とは大きな溝が。大学生になっていたマチューは学校を辞め、戦場カメラマンとしてベトナムへ。
もうすぐ察しは付いた。男に捨てられ、別の男からは暴力を振るわれ、罪に問われ…。そこに、追い討ちをかけるかのように息子の死…。
マドレーヌの壮絶な人生に言葉を失う。
チャーミングで朗らかな人柄からは想像出来ない。
怒らないで。笑って。落ち着いて。
怒ると一つ年を取り、笑うと一つ若くなる。
マドレーヌはよくそう言う。
それに対しシャルルは、世の中ムカつく事やクソみたいな事ばかり。
マドレーヌとて世の中に怒りを覚えた事はある。どうしようもないほどの…。
それは本当だ。マドレーヌが経験してきた怒りや世の不条理は、シャルルの比ではない。
そんな怒り、悲しみ、後悔の数々を乗り越え、笑顔で生きる事を選んだ。
悲しい事、辛い事いっぱいあったけど、それと同じくらい美しい事、幸せな事もいっぱいあった。
全てを人生の思い出に。
酸いも甘いも経験してきた人生の大先輩にこんな事言われちゃあ…。
マドレーヌと接する内に、シャルルの心もほぐれていく。
マドレーヌの話が鬱陶しそうだったのに、気付けば聞く耳立てるように。
彼女の境遇に同情したり、胸痛めたり、時に憤り感じたり、一緒になって笑い合ったり。
無愛想から笑顔を見せるようになる。丸くなっていく。
心には余裕も必要。
ちょいちょいツッコミ所やオイオイ…な点も。
マドレーヌ、かなりマイペースで身勝手。
正当防衛は同情するが、家族への影響や迷惑は考えなかったのか…?
トイレへ。レストランのトイレを拝借。その際店の真ん前にタクシーを停めた為、渋滞。クラクション鳴らす後続車を挑発。
ついつい赤信号無視。窮地のシャルルを老人の知恵で切り抜ける。茶目っ気たっぷりではあるが、嘘も方便…?
まあそれも許しちゃう気になってくる。
シャルル役のダニー・ブーンの好演。
何よりマドレーヌ役のリーヌ・ルノー。本業はフランスのレジェンド歌手だが、彼女の存在感、ナチュラルさ、愛らしさに魅せられる。
到着の予定時間も大幅に過ぎ。
最後にディナーもして、腕を組んで夜の街を歩いて、ようやく施設へ。
お金の支払いを忘れた。シャルルも貰うのを忘れた。
また必ず会いに来る。その時に。
そう約束した。
早速翌週、会いに。妻も連れて。
そんなまさか…。
マドレーヌはその日の朝、急死した。
心臓に重い病を抱え、もう限界だったという…。
それを感じさせないほど魅せてくれた笑顔と人柄…。
彼女を思うだけで目頭が熱くなってくる。
マドレーヌから手紙。それと、思いがけないプレゼント。
どうして、こんな俺に…?
たった一度、ほんの数時間乗せただけ。
それなのに、ここまで人によくする事が出来るものか…?
それなのに、こんなにも死を悲しむ事が出来るのか…?
他人も同然なのに。
それが、一期一会。
それが、美しき旅路。
それが、人。
シャルルが振り返った時、後部座席にはマドレーヌが居るだろう。微笑みを浮かべて。
これから先の人生という道を。
見終わって何の躊躇もなく思える。
いい映画だった。
さながらタクシーでパリ探訪。街並みの美しさと言ったら…!
ミニシアター系作品では今年のベスト候補。
フランス映画の良作。
見ながら、日本でリメイクするのも良さそうと思った。
その時は、誰がいいかなぁ…?
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