「人生何があるか分からないと言いたいのか?」パリタクシー テツトモさんの映画レビュー(感想・評価)
人生何があるか分からないと言いたいのか?
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なぜかアマプラでコメディになってたけど、まったくコメディではない。ヒューマンだ。
最初はなにか展開やドラマがあるのかなと思いながら見ていたけど、だんだんこれは何もない語りパターンだと気づいていく。その語りに劇的な内容はあったけど、それはすでに過ぎ去ったことであり、今この瞬間に問題が起こる訳では無い。
特に大きな展開はないままラストに進んでいき、最後はやっぱり財産分与。
もうそれしか落ちは残されていないだろうね。
そうなると、ドライブの途中、彼が客にした対応は合格だったということになるし、たまたま気に入られて、たまたま最後の旅路ということでタイミングがあったから大金を得られてラッキーだったということになる。
ただ、ほとんどのしょぼくれた人生の人には、彼のような幸運は舞い込んでこないし、運のない地を這うような生活を死ぬまで強いられる人は山のようにいる。
そう思うと、いつラッキーが舞い込んでくるかわからいから、ひどい人生でも腐らずにやっていけよという教訓を安直にとらえる訳にもいかず、遺産相続の落ちは余計だったんじゃないのかなあとすら思えてくる。
客の彼女の波乱万丈な人生を感慨深く感じればいいのか、偶然運転手になった彼のラッキーに人生捨てたもんじゃないよねと思えばいいのか、なんとも言えない感じ。
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