「真面目さが仇となった残念サメ映画」妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク 因果さんの映画レビュー(感想・評価)
真面目さが仇となった残念サメ映画
おそらく国内初の商業サメ映画、という触れ込みで一部映画ファンの話題の的となった作品。しかしサメ映画としては正直微妙だった。
呪術×サメでいえば『ウィジャ・シャーク』という偉大なる先例があるし、ホホジロザメをゆうに超す巨大サメであれば『MEG・ザ・モンスター』で事足りる。サメの登場シーンが少ないことを逆手に取ったサメ映画であれば『サンゲリア』や『ノーシャーク』がある。どこを切り取ってもアーカイブの焼き増しでしかない。
確かに、日本製のサメ映画がほとんど存在しない以上、時代劇とのミクスチャーは確かに「空前絶後」ではあるわけだけど、陳腐なナショナリズムに自閉することを「世界初!」と謳ってしまうのは志が低いように思う。
いっそサメ要素を捨て去ってしまったほうがマシだったのではないかとは思うものの、そうすると今度は中途半端なオカルト時代劇だけが残ることになるので、それもそれでキツい。
あとは物語が無駄にシリアスなもんだから楽しむにも楽しめなかった。サメ映画なんか冷笑をやってナンボなのだから、もうちょっとふざけた要素を入れるとか、あるいはシリアスを突き詰めてギャグに転化させるとかしてくれないと困ってしまう。
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